私の転生物語 ~龍神として生きる~   作:夜刀神 闇

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どうも、こんにちは。

まずはプロローグからですね。よろしくお願いします。


My reincarnation story -to start-
prologue 龍神との出会い


 

 

 

 

 

 

「……いやぁ、それにしても、今日は期末テスト疲れたな」

 

 

教科書とノートをカバンに押し込みながら、私は小さくため息を吐いた。

 

 

「理科、絶対点数落ちた……でも生物だから、まだマシか」

 

 

私はどこにでもいる、ごく普通の中学二年生だ。

今日は、学生なら誰もが一度は通る“地獄”――定期テスト一日目。

まだあと二日も残っている。提出物も終わらせないといけないし、気分はどんより。

 

 

「……晴れるって言ってたのに、何でこんな曇ってんだ」

 

 

空を見上げると、重たい雲が低く垂れこめていた。

それはただの曇天というより、空全体がじわじわと黒く侵食されていくような、不気味な景色だった。

 

――ぽつっ。

 

 

「って、降ってきたし!?うわ、やべっ」

 

 

急に落ちてきた冷たい雨粒に、思わず走り出す。

頭の片隅で、家に干してある洗濯物のことを思い出した。

 

 

「うわぁ、洗濯物……早く帰らないと!」

 

 

 

 

 

玄関を飛び込み、そのままベランダへ駆け上がる。

 

 

「よし、まだ間に合った!」

 

 

慌てて洗濯物を室内に取り込みながら、もう一度空を見た。

 

 

「……天気予報、晴れるって言ってたよな……お腹すいたし、コンビニ行こ」

 

 

財布を取り出し、セーラー服のままカーディガンを羽織って家を出る。

道には傘を差した人が増え、車のタイヤが水たまりを弾いていた。

 

ふと、目を上げる。

 

 

「……空が……黒い……」

 

 

それは“曇り”ではなかった。漆を流したような、異常な黒。胸の奥がぞわりとした。

 

 

「……急ごう」

 

 

私は歩調を早める。

 

 

 

 

 

…………その時だった。

背後に、言葉にならない“気配”が立ち上がる。

振り返ると、そこに立っていたのは――

高身長の成人男性。白銀の髪。枝分かれする巨大な角。尖った獣耳。

存在そのものが絵画のように美しく、恐ろしく、目が離せない。

 

黄金の眼が、私を捉える。

その視線だけで、世界の輪郭がぼやけ、胸の鼓動が速くなった。

 

 

「な、に……角?耳も……」

 

 

男の長い腕がこちらに伸びてくる。

後ずさろうとするが、足が動かない。全身が金縛りにあったかのように凍りつく。

 

――終わりだ。

頭の奥でそう呟いた瞬間、私は目を強く閉じた。

 

 

 

 

 

 

「……ん?」

 

 

恐る恐る目を開ける。

そこは、さっきまでの道路ではなかった。

 

一面、白。上下も奥行きも失われた、無限の白い世界。

 

 

「どこ……ここ」

 

 

足音だけがぽつぽつと響く。

前方に、さっきの男性が立っていた。

 

 

「人間、よくここまで来たな」

 

 

低く、よく通る声が空間を震わせる。

 

「……いや、勝手に連れてこられたんですけど?」

「はは、それもそうだな」

 

 

男は、静かに笑った。

 

 

「……あんた、誰?」

「む、そうだな……夜刀神 神琉とでも名乗っておこうか」

 

 

その名を聞いた瞬間、胸の奥に冷たい違和感が走った。

 

 

「あれ……私の名前は……何だっけ」

 

 

さっきまで確かに覚えていたはずの、自分の名前が思い出せない。

 

 

「なんで……?」

 

 

必死に記憶を手繰ろうとするが、白い靄に飲み込まれていく。

 

 

「……というわけだ」

神琉は淡々と語った。

私が名前を思い出せない理由も、これから自分に何が起こるのかも。

 

要するに――私は転生するのだという。

それも、かつて大好きだった世界、東方Projectの世界に。

 

 

「……本当に、あの世界に?」

神琉「そうだ。ただし条件がある。俺の従者となれ」

 

 

神琉の黄金の眼が、私を射抜いた。

紫と藍、レミリアと咲夜。そんな“主従”の関係が頭をよぎる。

 

従者にならなければ、転生はできない。

深呼吸し、私は決意を固めた。

 

 

「……わかったよ。従者になります」

 

 

神琉が、私の頭に手を置く。

温かく、力強く、優しい力が、掌から体中に流れ込むのを感じる。

 

 

「これが……神力……」

 

 

その手が離れた瞬間、足元に魔法陣が浮かび上がった。

 

 

「では、そろそろ転生するぞ」

 

 

視界が揺らぐ。

 

 

遠のく意識の中で、私は“それ”を見た。

――銀色に光る鱗。

――天を貫くような威容。

――凄まじい存在感を放つ、一匹の龍。

 

それは、私を見下ろし、静かにその黄金の眼を光らせていた。

 

 

 




ありがとうございました。m(*_ _)m
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