そうだ……思い出した、太陽神でしかも日本の最高神と謳われる神。
アマテラス「何なんですか、妖怪?貴方の本性は見えているのですよ。霊力なんぞにカモフラージュしても、意味などありませんよ?」
「……」
……私は、このアマテラスの雰囲気に見覚えが無かった。
アマテラスはもっとこう、なんて言うんだろうな……そう、よく表現出来ないが凄く真面目だったはずだ。
アマテラス「妖怪、話を聞いているのですかッ!!」
「……!」
おっといけない、どうやら考え事をしていたようだ。
「……何だと思う?」
アマテラス「はい?」
私は、あえて上から目線で話す。アマテラスがどんな反応をするのか、試してやるのだ。
アマテラス「……妖怪、もう少し態度を改めなさい?神の前で、しかも貴方みたいな妖怪ごときが、そのような態度をするなど普通だったら許されないのですよ?」
「……」
私は、無言で服に貼ってある御札に手を掛ける。
「アマテラス、貴方ってそんなんだったかしら?」
アマテラス「……何ですって?」
私は、御札を一枚一枚、ゆっくりと剥がし始める。
アマテラス「こっ……このち、力、は……!!!」
アマテラスは、私から発生した神力の渦に顔を青くして後ずさる。
アマテラス「ま……さか、お姉……様?」
「だったら……どうするのかしら?」
アマテラスは、葉を食いしばり、血が滲むほど拳を強く握り、何かを吹っ切れたかのように私に叫んだ。
アマテラス「何で……だったら何でッ、小さな、それも小国でしかない国に見方をするんですか!?それも、放っておけばいいほどでしかない国に!」
スサノオ「辞めなさい、アマテラスッ!!!」
……私は、心の奥底でつのる怒りを抑えきれずにいた。そして……
「ド 阿 呆 !!!」
思わずそう叫んでしまった。怒りのせいで。
アマテラスが一瞬ビクッとなったが、構わず言葉を紡いでいく。
「お前たちだけでこの世界は成り立ってないのよ!お前たちは自分のことしか考えていないわ。私がそんなことをしろ、だなんて教えた覚えなんて全くといって無いわ!!!」
その場に、静けさが戻る。
アマテラス「っ!し、しかし……「黙れ」……」
私は、その一言でその場に緊迫感を与える。アマテラスが言葉を語る隙も与えない。
「アマテラス、分かる?私は怒っているわ。非常にガッカリしたのよ、貴方のやったことにね」
「貴方が、私の言いつけを破ったことに関しては何も言わないわ。だけどね、私は……」
「貴方が自分より劣る者に対して、傲慢に振舞っていたから怒っているの。それだけ分かっていて欲しかったわ、それじゃ」
私は、アマテラスたちに背を向けてその場から去った。その間、スサノオやらが声をかけてきたが、適当にあしらった。スサノオたちには悪いと思ったが、如何せん頭を冷やさねばならない。今のままでは、冷静に対処が出来ないかもしれない……
約数十分後……
「……はぁ、やっと落ち着いたわぁ」
私は、空をゆらゆらとゆっくり飛んでいた。
まぁ、流石にさっきのアマテラスの変わりようには驚いた驚いた。
まさか、アマテラスがあんな態度をとるとは思わなかった。
あの娘たちも、根は真面目なんだけどね……まぁ、他人を見下してたからなぁ。
「おっ、もうすぐ着くわね」
私は、諏訪大社に帰っていた。
境内に降り、日傘を仕舞おうとしたその時……
「……はぁ、今日はヤケに勝負事を吹っかけられるわね」
私は、攻撃を放ってきた人物の方を向き、日傘を向ける。
「貴方……本っ当に勝負事が好きなのね、結花?」
結花「ふ、ふふ。そうだ、アタシも鬼なんだから。……だが、あそこを見破られるとは思ってもみなかったよ」
……結花だ、あの結花。鬼神 結花。
妖怪で、私と同じくらい身長が低く、かなり整った顔をしてる癖してすっごくやんちゃな困った少女だ。……ギャップ萌えとか、どこの時代なんだよ。
「ハァ、分かるわよ。幾ら妖力やら霊力やら何やらを極限まで消したって、無駄。龍神にかかればお手の物よ?……まぁ、今回は頑張ってた方かしらね。精進なさい」
結花「本当かい?……ヤッター!」
結花は、褒めるとこうなる。褒めすぎると、調子に乗る。……調子のいいヤツめ。
「ま、それよりも。諏訪子は?」
結花「あぁ、諏訪子?諏訪子なら、あそこに……」
結花は、縁側の方を指さす。
そこには、人形のようにちょこんと座り、お茶を飲みながら私たちの方を眺めていた。
結花「まぁ、とりあえず中に入ってお茶でも飲みながら話そうじゃないか」
「そうね」