BGM -幻想のサテライト-
アマテラス「はぁッ!!!」
先行を切ったのは、アマテラスだった。
自身の背後から、夥しい量の弾幕を私に放ってくる。
「まだまだ甘いわよ……それ!」
私は、弾幕の隙間を縫って躱す。
アマテラス「やはり避けられますか……でも、そんなこと考えの内ですわ!」
アマテラスは、弾幕を放つのを辞め、私の方へと高速で向かってくる。
常人なら、アマテラスの飛行速度に目が追いつかなかっただろう。
幾ら私でも、一度でも気を緩めてしまうと一気に追い込まれてしまうだろう。
「っち、何処へ……」
後ろを振り向くが、いない。マジで、どこへ行ったんだ……?
「いや、まさかな……」
何か嫌な予感がし、前を向くと……
「……ッ!?」
……目の前にアマテラスの手が見え、強制的に、上を向かされる。強烈な痛みが、腹部にくる。
それに比例し、私の体は後方へ吹き飛ぶ。
「ぐっ……!」
咄嗟に地面から浮いたお陰で、地面に叩きつけられるという事態は避けられた。
「中々、やるわね……」
流石は日本の最高神なだけある。私に痛みを与えるなんて……まぁ、普通は顎を強打された時点で頭が吹き飛んでるだろうけど。
アマテラス「中々やりますね……流石は、お姉様。神琉様に仕える方といったところでしょうか」
「そうね……私としては、主様と関わっている時点で凄いと思うわ」
主様は、神出鬼没で中々会えない。スキマでバレないように会いに行きたくても、必ずバレる。すぐバレる。
「いくわよ」
私は、沢山の弾幕を撒き散らしながら、飛び回る。
アマテラス「……っぐ!」
アマテラスは、私の弾幕を避けながら此方にも攻撃を仕掛けてくる。
私から見たとしてもかなりの質と量で、美しさとしても欠いていない。これは、結構負けた?と思うかもしれない。……一般人ならね。
カァンッ!!!と音が鳴り響く。
私の日傘とアマテラスの薙刀がぶつかりあった音だ。
両者の力は同等。私がリミッターを掛けていなければ、アマテラスは押し任されているだろう。……まぁ、私は龍神補正で少しばかり力が強いだけである。本当ならアマテラスと私の力は互角だっただろう。流石は太陽神、毎日鍛えているのだろう。
私は、一気に日傘に力を込め、振り抜く。
ある程度アマテラスとの距離を取り、先端をアマテラスに向ける。
「これで決めるわ……元祖「マスタースパーk……「させませんッ!!!」……ッ!?」
何故か急に、私の日傘が宙を舞う。
アマテラス「まだ……いや、お姉様からは決めさせません!私が決着を着けるのです!!!」
アマテラスが薙刀を仕舞い、此方へ豪速で向かってくる。
「やってやろうじゃないの……」
私も日傘を仕舞い、自然体になる。
目を開けると、すぐ目の前にアマテラスの手が見えた。
私の右の頬に、トラックが突撃してきたような痛みが走る。
これを受けたのが、普通の妖怪や人間であれば、そのまま首が飛んでいただろう。
アマテラスが放った一撃は、大妖怪以上の力を発していただろう。
だが、その一撃が"夜刀神 闇"に効くかと言うと、それは否だ。
「痛いわねぇ……」
私は、頬を擦りながらいう。……実のところ、泣きたい位痛い。
だが、これを耐えられれば、"私の勝ち"だ。
アマテラス「では、これはどうですか?『太陽神 -天晴の舞姫』!」
アマテラスがそう宣言した途端、アマテラスの周りを雲が覆う。
すると、アマテラスから黄金の光が発せられたかと思うと、風と共に雲が消え去った。
「これは……」
その中から出てきたのは……"金の光を発し、美しい羽衣を身に纏ったアマテラス"だった。
アマテラス「どうですか?この姿の私に、勝った者はいませんよ!」
さっきよりも、格段に上がった弾幕の量とスピードで私に突っ込んでくる。
「美しすぎる……いや、魅了されそうだけどギリ大丈夫ね」
万人を魅了させるような、とても美しい……美しすぎる弾幕。だが、そんなものに騙される私ではない。
「さぁ、私もそろそろ追い込みましょうかね……『りゅうのはどう』」
前世で好きだったポケモンの技、りゅうのはどう。
この技は、結構威力が高く、命中率も然り。
手を前に突き出し、神力を凝縮させ撃つ。
アマテラス「それは龍の波動……とても強力故、憧れる者も多い……ですが」
アマテラス「当たらなければいい話なのです!」
まぁ、そりゃそうだよな。
どんなに強力な技であっても、最終的には当たらなければ意味は無いのだ。
「……てや」
私は腕をひろげ、某ミサマリの如くミサイルを……星の代わりに龍の頭の形をした弾幕だが……を背面に展開する。
アマテラス「大して力を入れていない……!どうすれば……!?」
龍の頭が、アマテラスを噛み砕かんと襲いかかる。
「……もう終わりかしら?」
私は、一つの光り輝く札を掲げる。
「……『ドラゴンダイブ』」
見る見るうちに私の周りに龍の頭が集まり、本当の龍になっていく。
「さぁ……これで終わりよ!」
疾速のドラゴンの如く、アマテラスに突っ込む。
これで私の勝ち……ね。
❁❀✿✾
結花side
「……弱い、弱すぎる」
私は、闇たちが戦っている中で雑魚神共の相手をしていた。
右ストレートでぶっ飛ばす。回し蹴りで抹殺する。
神「き、貴様ァ!たかが妖怪の癖に……」
「さっきまでの戦いで、力の差は分かっているだろ!まだ懲りないのかい!?」
弱い、つまらない。もっと強いやつと戦いたい。
闇から自分は戦闘狂だ。とか言われるが、別に戦闘狂で良いじゃないかと思う。戦いは面白いんだから。
「……はぁ、"殺さないように"って言われたけど。難しいんだよなぁ、殺さないようにって」
あいつらが弱すぎるから。加減が実に難しい。
勢い余って殺してしまうなんてことがあるから……
「ふぅ、此処もある程度
?「其処の鬼さぁん、お待ちになって〜!」
「?」
とある一人の少女が、ヒラヒラとスカートを揺らしながら此方に走ってきた。
「……誰だ?」
?「これはこれは失礼しましたわ、私は
と言うと、くるりと一回転し、礼をする。
えらく上機嫌な奴だな、とも思いながら、此方も自己紹介をする。
「アメノウズメか。アタシは
アメノウズメ「そうですねぇ、まぁ……大和の神たちが一人の鬼に全てやられていってるとのことだったんで」
「……見に来てみた、ってところか?」
アメノウズメ「まぁ、そんなところですかね〜」
私は、一息つく。そして、拳を軽く握り締め……
「……アメノウズメ、一つ質問がある」
アメノウズメ「何ですか〜?」
「……アンタは、アタシを倒しに来たのか?」
アメノウズメは、ニコニコしながら答える。
アメノウズメ「ん?いいえ、別に私は貴女を倒しに来たわけじゃないですよ〜」
「じゃあ何故此処へ?」
アメノウズメ「さっきも言ったじゃ無いですかぁ、
アメノウズメは、扇子を口に当ててクスクスと笑う。
……アタシにとってその笑顔には、何か含まれているのではないかと思ってしまう。
こいつがアタシのことを陥れようとしているのではないか……と。
アメノウズメ「それに、さっきの話聞いてましたぁ?私、ただの芸能の神なんですよ?踊りとか歌とかしか出来ないんですよ?まぁ、お遊び程度の戦いなら出来ますが……流石に、鬼……鬼子母神である結花さんの前で嘘なんかつけませんよ〜」
確かに……と私は頷く。
嘘が嫌いである筈のアタシ達鬼の前で、堂々と嘘をつけるやつなんて、アタシが知っている限りでは闇くらいだろう。
「確かにな……アンタは、本当にこの場を見に来ただけなのか?」
アメノウズメ「そうですよ〜」
アタシは、目を細め、アメノウズメの眼をしっかり見据える。
「……そうか、とりあえずアンタは嘘をついていないと分かった」
アメノウズメ「ありがとうございまs「ただしな」……」
「アタシの仲間に手を出したりしたら、ただじゃ済まさんからな」
アメノウズメ「分かってますよ〜」
アメノウズメは、私がこうやって拳を握り締めて睨みつけている今も、ニコニコしながら私を見ている。……何か不穏な空気を感じるが……
「……んじゃあな」
アメノウズメ「さよなら〜」
私は、アメノウズメに背を向け、飛び立つ。
なかなか怪しいやつだったが……まぁいいか。
アメノウズメ「…………ふふ、なかなか面白いわね」