闇side
「やっ、た……?」
私が放った……というか突っ込んでいったドラゴンダイブは、上手く決まったと言っても過言では無かった。
アマテラスの方も、何か発動させようとしていたらしいが、私のドラゴンダイブはそれをする隙さえ与えない。うん、我ながら上手くいったわね。
「はぁ、疲れたけど……まぁ、良い戦いだったわ!」
腰に手を当て、誇らしげに言う。
アマテラス「……負けちゃいましたね。だけど、今度は私が勝ちますから」
「ふ、まぁ精々頑張ってちょーだい」
傍から見れば、負けるつもりは全く無いように見えるが、結構ぎりぎりだったりする。
良き戦いだったのは間違いないし、もう少し修行を積めば引き分け、もしくは負けていたかもしれない。
まぁでも、結花は自身の能力が強力以前に身体能力がバケモノ並み、私並みにあるからなぁ……私が二回目に負ける相手、結花になるかもねぇ。
「……はてさて、この物語はどうなることやら」
❁❀✿✾
諏訪子side
「ぐっ……はぁ、はぁ」
神奈子「はっ!諏訪の神はそんなもんなのかい!?」
「……言うなぁッ!!!」
この戦いにおいて、向こうの八坂の神が優勢であることに我慢がならない。
これまで、闇や結花たちと修行してきたのに……負けるわけには!
「……『洩矢の鉄の輪』ッ!!!」
私は、とある強靭な鉄で作られた輪っかを八坂の神へぶん投げる……のだが、これには実は秘策がある。
神奈子「ふん、洩矢諏訪子よ!お前の攻撃はバレバレ、しかも当たらんという!これじゃあ勝てないぞ!」
そっちこそ、と私は薄ら笑いする。
実は、今放った鉄の輪は、ダミー。しかも、別に当たらなくったって良い。本命は……こっちだ!土よ来い!
神奈子「何を笑って……ッ!?」
八坂の神が気づいた時には、もう遅かった。
私は、ありったけの土を手の周りに纏わせ、八坂の神に突進し、殴る。
神奈子「がぁっ!……くっ、ただの土風情が!」
そう言って、八坂の神は御柱を此方に向かわせてくる。……だが、八坂の神は知らない。
 ̄ ̄洩矢の鉄の輪のスペックのことを。
「『土風情が!』か。まぁ、確かにそうだね。だけどまさか、私の攻撃はそれだけとは思って、油断してないよねぇ?」
何、と八坂の神はたじろぐ。
その間に、私は次の攻撃の準備をする……といっても、ブーメランの如く戻ってくる洩矢の鉄の輪を掴む準備だけだけれども。簡単だ。
神奈子「ん?何も起きないじゃ……」
刹那、八坂の神から大量に血が吹き出す。
……洩矢の鉄の輪が八坂の神の背中に突き刺さったのだ。
それに比例して、八坂の神は痛みに悶えて悲鳴をあげる。
「だから言ったろう!……油断するなと」
私は、戻ってきた鉄の輪を軽々と掴む。
神奈子「な、に……!」
八坂の神は、脇腹を押さえながら何とか立ち上がる。
「何とか耐えたみたいだね。……だけど、次はそうはいかないよ!」
私は両手に鉄の輪を持ち、八坂の神へと突っ込む。
神奈子「……くっ、小癪な!」
八坂の神は、サイドステップの容量で避ける。
神奈子「喰らえ……『エクスパンデッド・オンバシラ』!」
八坂の神がそう叫ぶと、その背後から巨大な御柱が何本も撃ち出される。
「ふぅん……中々やるねぇ。でも、今度はそうはいかないよっ!」
私は、どんどん撃ち出されていく御柱の間を縫って蛙の如く跳ぶ。
神奈子「くっ……ちょこまかと!」
八坂の神は、私が軽々と御柱の間をすり抜けていくので、苦戦しているようだ。
私は体が小さい故に、力が他の神より劣っている部分もある。
その身軽さと根性だけで、何とか今まで生き延びてきたのだ。
「これで終わりだ……」
私は、鉄の輪を手に掲げ、叫ぶ。
「『洩矢の鉄の輪』!!!」
鉄の輪が、八坂の神に飛んでいく。
鉄の輪と八坂の神との距離が目前まで迫った時、私は勝利を確信した。
 ̄ ̄藁によって、鉄の輪が錆びていくのを見るまでは。
❁❀✿✾
闇side
「……」
私は、神奈子と諏訪子の戦いの一部始終を険しい顔で見ていた。
結花「どうしたんだ、やみぃ?」
「今は諏訪子が優勢だけど……何か、忘れてる気がするような……」
結花「?」
諏訪子が鉄の輪を展開し、神奈子がそれを受ける。
第三者の目から見たら、一見諏訪子が優勢に見えるだろう。
……だが、神奈子は持っていたはずだ。あの元々強力でしかも、神力で強化された鉄の輪に対抗しうるものを。
神奈子「……」
神奈子は、脇腹を抑えながらニヤリと笑う。
「ッ!これは……」
こちらに飛んできたものを掴むと、あることに気づいた。
結花「これは……藁、か?」
「……そうね。しかも、そのせいで一気に諏訪子が劣勢になってしまったわ」
私は、手に持っている藁を見つめる。
「はてさて、この戦いはどうなることやら……」
運命というものは誰にも予測できないわね、と呟く。
結花「なぁやみぃ」
「何?」
結花「アタシらも戦わないか?」
「アホかっ!」