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私は、天界を支配する天人、アリシア・サンチェス。今代当主である。
天人といっても、龍神様の子孫……みたいなものであり、龍天人といわれている。
今、天界に住んでいる天人殆どが多かれ少なかれ龍神様の血を継いでいる。
私は今、とある人物……龍神様を探しているのだ。
本で読んだ姿では、輝く銀の鱗を身にまとい、天を突くような長い角を持ち、黄金の眼で下界に住む者を見つめる……などとあった。
また、龍神様は普段は人型の姿に扮し、地上界に暮らしているとかなんだとか……
また、その姿はとても美しいとされている。私は見たことがないが、銀色の髪で、白のドレスで黒の中華風な服を着ている……などと本で読んだことがある。
私なぞが龍神様の御姿を拝見させて頂けることなど、あるわけがない。
龍神様は全宇宙を御創造なさった方。
まず、龍神様は天界に来ることなどないであろう。
「……私もその御姿を拝見できればどんなに光栄なことか。是非、亡くなった母上と父上にも見せて差し上げたかった」
?「あら、貴女の御両親も私のこと見ていたかもしれないわよ?」
凛とした声がしたとともに私の目の前が真っ暗になった。……何者かの手によって。
「……誰だ?この屋敷には私しかいないんだが……」
?「ふふっ、そりゃそうよね。この屋敷は貴女一人で管理しているんだから……本当、立派よねぇ」
手を離されたので、声の主の方を向くと……
?「どうもこんにちは……天界を支配する天人様?」
「……?」
銀髪の小柄な少女が、笑顔で立っていた。
「初めまして、私は"龍神"の
これからどうぞよろしくお願いします、とスカートの裾を持ち、華麗にお辞儀をした。
少女が顔を上げると、それは……所謂、とても可愛いと言われるものだった。
…………龍神?
「あっ……えっ?りゅう、じん?」
闇「えぇ」
……一瞬、頭の中がフリーズした。
あの龍神?えっ?えっ?……えっ?まさか?
「あっ……あぁ……ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!??」
闇「どうしたのよぉ、そんなに驚いて……」
「あっ……貴女様は……龍神様ですかっ!?」
闇「だーかーら!さっきからそう言ってるじゃない!」
「あっ……あぁ……も、申し訳ございません……!!!」
私は、精一杯の気持ちを込めて、土下座をした。
闇「えっ……えぇ?」
龍神様……は、とても困った様子で手を口に当ててオドオドしていた。……可愛い。
「私なぞが、龍神様にそのような態度をとってしまい、大変申し訳ございませんでしたっ!!!」
闇「えっ!?あっ、いや!勝手に貴女の屋敷に上がり込んだのは私なんだし、むしろ謝るのは私の方……ごめんなさい」
「謝らないでください!龍神様を謝らせるなど以ての外……頭を上げてください!」
龍神様は、困った様な顔で私の方を見る。
闇「あっあのぉ……」
「はっ、何でしょうか!」
闇「とりあえず……立って?私だけ立ってるのも申し訳ないから……」
「龍神様の御命令とあらば」
私は、そのお気持ちを汲み取り、立った。
……今、気づいたことがあるのだが。
目の前にいる龍神様……いや、少女は、凄く小さい。小さく、何より ̄ ̄
「銀髪……噂は本当なのですね」
闇「まあ?その噂ってのがどんなのか知らないけど、私は銀髪ねぇ」
私のお腹の上あたりまでしかない龍神様は、凄く小柄に見えた。私が大きすぎるのだろうか、いや、本当に小柄な体型なのだろう。
……まぁ、私は女性としても男性としても大きな体型と言われているのだが。
闇「それで、私がここに来た理由なのだけれど」
龍神様は、私を見上げて言う。……若干上目遣いにも見えるのは気のせいだろうか。
龍神様は、息を揃えて言った。
闇「貴女……」
闇「私の従者になる気はないかしら?」
……一瞬、その場がシーンと静まり返った。
「えっ?今、なんと……?」
闇「えっと、私の従者になる気はない?って言ったの」
「……聞き間違えでなければ、もう一度言っていただけないでしょうか」
闇「だーかーらぁ!私の従者になる気はない?って言ったのよ!ちゃんと聞いてる?」
「えっ…………?」
私は、口を半開きにした顔という、何とも言えぬ情けない表情をしている。
心做しか、龍神様も呆れた様な表情をしていらっしゃる。
闇「で、なりたいの?なりたくないの?どっち?はやく決めてちょうだい!」
「はっ、はい!私の様な者で宜しければ!貴女様の傍に侍らせていただきます!」
私は、その場に膝をつき、龍神様の小さなお手を取った。
「それでは、龍神さm「その呼び方、気に入らないわ」……それでは、何と?」
彼女は、少し考えた後、こう言った。
闇「御先祖、なんてどうかしら。一応龍神の血を引く天人でしょう?」
一瞬、私の心の臓が破裂しそうなほど興奮した。
龍神の血を引く、という言葉。龍神様のことを、御先祖様、などと呼ぶことのできる喜び。
まさか私なぞが、龍神様の子孫になることが出来るのか。思ってもみぬことであった。
闇「それじゃ、貴女が私についてくってことなら、従者になるためのことをしなくちゃね」
御先祖様は札を取り出し、力を込めるような動作をした。
「それは……?」
闇「貴女が私の従者になる為の札よ。さっ、取りなさい」
「はい」
私は、御先祖様が私に渡した札を手に取る。
すると、身体を光が通った様に暖まり、力が湧いてきた様な感覚がした。
闇「どうかしら?」
「何やら、元の力の何倍もの力が入り込んでくる様な感覚がします」
御先祖様は、そう……と呟くとお手をそっと私の頬に触れ、言った。
闇「これからよろしく、