闇side
メリーやアリシアたちと出会ってから、数年の時がたった。
アリシアは私の式として立派に働いているし、たまに私が修行に付き合ってあげたり。
一方でメリーの方は、アリシアが戦っているのを見て、自分も戦い方を教わりに来た。
……成長期なのかどうか分からないが、メリーは前よりもかなり成長している。
髪はセミロング程度の長さだったのが、もう腰あたりまで伸びた。あと身長も……
……身長も……
たぶん160cm台後半くらいにはなったんじゃないかしら?まぁ~身長に縁が無い私からしたらね~……
……羨ましいな……
メリー「やみぃ~!」
「あら何かしら?」
メリー「ちょっと相談があるんだけど……」
メリーが何やら私に話があるとのことらしい。
メリーは、私を連れて部屋に来た。
「どうしたのよ、メリー?」
メリー「あのね……」
「……ふむ、まぁ一応把握したわ」
どうやら、メリーは自分の中にある、能力以外の不思議な力に気づいたらしいのだ。
「貴女の中にある、"妖力"は今はまだそんなに無いけど……貴女が、本当に妖怪として生きてゆきたいと願うなら妖力が増えるような手伝いを私はしてあげるけど……」
メリー「私が、妖怪……」
メリーは、一瞬考えるような動作をしたが、直ぐに私の目を見据え、言った。
メリー「やみぃ、私……妖怪になる!蓮子に、会いたい!」
「ふぅん……決心はしたのね。もう
メリー「それでも良いわ……私は
私は、メリーの目を見たがその目は本当の目だった。……どうやら、決心は固いようだ。
それにしても、妖怪になりたいだなんて。そんな人間、この世界に生を受けてから初めて見たわね……
「いいわ、手伝ってあげる」
メリー「本当!?やっt「ただし」……なに?」
私は、メリーを見て言う。
「妖怪になるってことは人道に外れると言うこと。他の生き物を殺したりすることも、安直にできるようになってしまうのよ?それでも怖くないのかしら?」
メリー「えぇ」
「へぇ……大した決心ね、見直したわ。いいわ、貴女が妖怪としての生を受けることを認めます。これは龍神に自分を認められたってことなのだから、誇っていいの。自慢しちゃいなさい!」
メリー「ありがとう、やみぃ!」
「いいのよ」
メリーは、私に抱きついてくる。
……少し前よりも重たくなった気がするが、それは言わないお約束。
私は、メリーのこれからについて考えるのであった。
❁❀✿✾
「……出てきなさい」
私は、虚空に向かって呟く。
そうすると、前方位から弾幕が張られる。……しかも生身の人間が受けたら、即死するやつじゃん。あいつも性格悪いなぁ。
?「おやおや。性格が悪いなんて人聞きが悪いなァ……龍神?」
「あなたもよ……
牛鬼「いやぁ、久しぶりだなぁ?龍神?」
「そうね……久しぶりね……」
私は、ヘラヘラしている牛鬼を睨みつける。
私からは、無意識に多量の汗と神力が出ている。……ここは森だが、メリーかアリシアが感じとらないように、一応結界を張っておいてよかった。
牛鬼「おやおや……最近の龍神様は、気が利くのかい?結界を張るだなんて……」
「最近の龍神様って何よ……」
私は牛鬼とそんな会話をしながら、右手に日傘を握り締める。
牛鬼「おやおや、そちら様はもう既に戦う気満々じゃないかい。……この前
「うるさいッ」
私は、前に踏み込むと同時に、日傘を牛鬼の首部分に向かって真横に振り抜く。
こいつをなぶり殺したいだとか、そういう気持ちは私の中には一切無い。早くこいつをこの世から葬り去りたいのだ。
牛鬼「ほぅ。前よりも速くなったか?……まぁ、私には首を斬られようが何されようが意味は無いんだが?」
私は、歯を食いしばり牛鬼を殺意の篭った眼で睨みつける。
牛鬼「どうしてそんなに……
私の中で、何かがフラッシュする。
昔の、出来事……古代での、出来事……愛する者の、死……
牛鬼「あぁ~、イイねぇ!その顔!その顔を待ってたんだよ!愛する者を亡くした時のように精々悲しんで死ぬんだな!」
私は、自分の体重を支えきれなくなり後ろに倒れていく。
「…………どう、して」
どうして、いなくなったの。
そう伝えたかった。もっと愛したかった。愛されたかった。
もう一度、戻ろうよ……あの時に戻ろうよ……。
もう一度、その優しい目で笑いかけてほしい。でもそれは叶わぬ夢。
もう当の本人は死んでしまっているのだ、当たり前のこと。
世界で最も愛された神様は決して私なんかじゃない。
それは……きっと……
「……、」
言い終わる前に、私の意識は途切れた。
 ̄ ̄……ろ
ん……?
 ̄ ̄き、……ろ
なんだろう……?
?「起きろ!!!」
「ひぇ!!?」
私は、急に大声を出されたもので非常に驚き、変な声を出してしまった。
「急に大きな声を出すだなんて……え?」
私は、大きな声を出された以上に何よりも驚いたことがあった。
……それは、目の前にいる人物のことだ。
「なっ……どうして、
……主様だった。
私が宇宙界に転生して以来、そこからちょくちょく修行の相手にもなって頂いていたのだが、実は主様とは、数億年前に顔を合わせたきりだったのだ。
つまり、数億年ぶりに会うことになる。
?「久しぶりだな……闇よ」
「久しいですね、主様」
?「……久しぶりすぎて、歳をとりすぎて俺の名前を忘れてないか?」
「……お言葉ですが主様、それは女性に対して少々失礼かと」
悪い悪い、と笑いながら謝る主様。……本当に反省しているのだろうか?
神琉「それで……俺がここに来た理由だが」
場の空気が一変し、緊迫した緊張が走る。
神琉「……まずお前は一回本気で死にかけた」
「……っ!」
私が、死にかけただと?
神琉「本当だったら
「なっ……」
あの意識を失った時に?
神琉「お前は、俺が応急処置をしなければ死んでいた、偶然が重なってお前のところに来ることが出来たんだ」
主様が私を見つけなければ死んでいた、と聞いて私の全身に鳥肌が立つ。
「見つけて頂き感謝致します。まさか私が負けるなど……」
神琉「それは仕方ないさ、だって牛鬼は……
あらゆる力を使う程度の能力。
それは文字通り、あらゆる力を使う能力である。……つまり、私の力を使うことも可能なのである。
全てを司る能力を持ってしても勝てない相手だ。牛鬼はいつ生まれたのかは未だに不明だが……
「存じ上げておりますわ、主様。私たちの能力を使うことも出来るのですよね」
神琉「あぁ、そうだ。
主様は、顔を顰める。
何か問題があるのだろうか。
神琉「さっきも言った通り、
不意打ち。
これが私としても最も最適な方法なのだが……
「お言葉ですが主様。主様が最高神であらせられること、私でも適わぬ力をお持ちのこと、私は重々承知致しております。……ですが、それはあまりにも危険すぎるかと」
神琉「あぁ……分かっている」
不意打ちが成功すれば、作戦は大成功なのだが……
もし動きを先読みされていたら、今度こそ私たちは殺されるだろう。
しかも、相手は
「
何が、龍神だ。私は、己の無力さに絶望した。
皆を守ることすら出来ない龍神など、この世界に存在して良いのだろうか……とまで考える様になった。
神琉「まぁそう落ち込むな、闇。
「……はい」
部屋に沈黙が訪れる。
そうすると突然、部屋の襖が開いた。
アリシア「御先祖様……って、何奴!」
アリシアが、目の前にいる主様に驚き、構える。
「アリシア、辞めなさい。この方は、私の御主人様よ」
そうすると、アリシアが酷く驚いて、
アリシア「そうなのでしたか!これはとんだ御無礼を……」
神琉「いや、気にしなくて良いぞ。別に俺はそんな高貴な身分でもないし……」
いや、龍神王じゃないですか!高貴な身分じゃないですか!と心の中でツッコミを入れる。
アリシア「御先祖様……昨晩おられませんでしたが、どうされたのですか?」
「実はね……」
私は、昨日あったことを一切アリシアに話した。
アリシア「なっ!?御先祖様、ご無事なのですか!?」
「主様が私を見つけて下さったから無事よ」
アリシアは、酷く驚き私を心配する。
まぁ、主様が私を見つけていなければ私は今頃帰らぬ龍神(笑)となっていただろうけど……
神琉「……俺はこれで失礼するが、何かあった時は遠慮せずに呼べよ。例えば昨日みたいなことが起これば俺以外はどうしようもないからな」
「有り難きお言葉です」
私は、主様に一礼をする。
神琉「別に礼を言われるようなことはしていない。……じゃあな」
瞬間、主様は消えた。
アリシア「……御先祖様、今度からは黙って一人で戦うのはお辞め下さい」
「分かったわ」
アリシアは、私の肩を掴み、諭すように言う。
心配を掛けたつもりは無かったのだが、アリシアは表情からして酷く心配していたらしい。……後で謝らないとな。
だが、あの
極めつけが、主様でも勝つことは非常に難しいという点だ。
どうやったって、
私は、後々そのことを考えることにした。