私の転生物語 ~龍神として生きる~   作:夜刀神 闇

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第20話 精霊王の少女

闇side

 

「しかし……この館は広いわねぇ」

天月 永華という少女を、アリシアたちの元に行かせたあと、私とチロルは二人でこの館を散策していた。

 

チロル「闇ちゃん、あの黒い女の子強そうだったね?」

「えぇ、本当に強いわよ?もしかすると、私の知ってる中で十本の指に入ると思うわ」

チロル「へぇ、そんなに強いんだ!すごーい!」

 

二人で歩いていると、とある部屋に辿り着いた。

その部屋からは強い妖気が感じられる。大方、中には大妖怪並みの力を持つ、かなり強い妖怪がいるのだろう。

チロル「……この部屋、なんか変だね」

「えぇ。……入ってみましょうか」

 

私はドアノブに手を掛け、開けようとした。だが、その時……

?「(……誰?)」

「……っ!」

直接聞こえたわけじゃなく、急に念話で話しかけた人物に対して、驚く。

私に念話をする理由とは?念話をしてきた人物は、この部屋の中にいる人物だとは思うが……何より。

 

「……どうして、私に気付かれずに念話が出来たの?」

チロル「?」

?「(その話は後。とりあえず部屋に入ってきたら?)」

 

私は、そのままドアノブを開け、部屋に入っていった。

?「いらっしゃい。もうお姉様とは会ったみたいだね」

「そうよ。あの娘は強かった、それも私の知ってる中でかなりの実力者だわ」

?「そりゃあそうだよ。だってお姉様、この館の主だもんね」

 

当然、とでもいうふうに頷きながら話す少女は、かなり特徴のある外見をしていた。

肩より少し上で切りそろえられた白髪のぱっつんボブ。それに、フリルがあしらわれたお嬢様のような服装をしていた。

 

いや、服装や髪型だけじゃない。それ以上に、彼女を象徴する頭の"花"だ。

「貴女、あの娘をお姉様という当たり、家族なのね?それに、頭に同じような花が付いている」

 

少女は、花を触りながら微笑む。

?「そうだよ。……まぁ、血は繋がってないけどね」

「だと思ったわ」

 

だって、髪の色が明らかに違う。

永華は、漆黒の髪色だった。だが、目の前の少女は物凄く透き通った純白の髪色だ。

まぁ、二人とも妖怪を象徴する綺麗なルビーの目をしていたが。

 

「あっ、まだ名前聞いてなかったわね。私は夜刀神 闇よ、貴女は?」

?「私は、天月 聖花(あまつき せいか)。精霊王とも呼ばれているの」

 

精霊王、という言葉に私は反応した。

精霊王、か……まぁ悪くない二つ名ね。

「いい名前ね。さしずめ、『精霊を使役する程度の能力』かしら?」

聖花「っ!」

 

聖花は、明らか驚いたような顔をする。

「あぁ、安心して。他の人には分からないようだけど、私が異常なだけだから。意識してなくても、分かっちゃうのよね……」

聖花「……そう、なら良かった」

 

聖花は、そう言うと指を鳴らした。

すると、さっきまで何もいなかった聖花の肩に、小さな白い鳥のようなものが現れた。

チロル「それは、なに?」

聖花「この子は、"マインガイスト"。私の化身の様なものよ」

「へぇ〜、そうなのね」

 

あ、そうだ。

「そうそう、聖花?」

聖花「なぁに?」

「今頃貴女のお姉様が、私の式と戦ってるとこだと思うから、一緒に行かないかしら?」

聖花「そうだね、面白そうだし行くよ!」

 

先ほど会った永華という少女に、「私の式が図書館にいると思うから、ちょっと手合わせしてきてくれない?」と頼んだところ、結構あっさりとOKしてくれたのだ。

まぁ、永華としては「最近身体が訛ってたから、別に良いわよ」だそうだ。

アリシアの精進にもなるし良いかなって。

 

 

 

 

 ̄ ̄図書館にて

 

「……よっと。ここが図書館ねーって、あれ?」

図書館に入るとそこには、机を囲んで和気あいあいとしているアリシア含むメリー、永華の他に、魔法使いが座っていた。

 

アリシア「あっ、御先祖様」

永華「あぁ、闇とか言ったかしら?もう手合わせは終わって、この通りよ」

 

でも、やけに図書館内が綺麗な気がするんだが……

「ねぇ、何でこんなに図書館内が綺麗なのよ?」

メリー「あっやみぃ、それはね。私の能力なんだよ!私の能力、いつの間にか強化されててね、多分『境界を操る程度の能力』になってたの!」

「境界を操るですって!?」

 

なっ、メリーは結界の境目を見ることしか出来なかったはず……でも、これが事実だとしたら。

「貴女……かなり強くなってるわよ。それも、完璧にその能力を使いこなせれば、私と渡り合えるくらいになるんじゃあないかしら」

メリー「嘘!?やみぃと!?」

 

メリーは、さぞ驚いた様子で声を上げる。

しかし、これは事実だ。原作の紫と同じ能力を手にいれたということは、かなり大きい。いつか本当に私を倒してしまうんじゃ……

永華「お取り込み中失礼するわね」

 

メリーと話していると、永華が突然話しかけてきた。

永華「とりあえず……夢源郷、だったかしら?を創る予定だから、出来たら来ないかって話だったかしら?」

「えぇ、そうよ。で、来てくれるの?」

 

永華は、一呼吸置いて言った。

永華「まぁ、私たちは別に良いわよ。いずれ、人間たちによってこの地も支配される可能性があるのでしょう?」

「ゼロではないわ。あと数百年もすれば、この地にも人間たちが侵略してくるだろう、と踏んだだけよ」

永華「そう」

 

永華「とりあえず、その夢源郷が出来たら教えて頂戴ね。その時は、花鳥族の仲間も何人か連れて行っていいかしら?」

「別に良いわよ、仲間が増えることはいいことだからね」

 

みんなに笑いが訪れる。

「さて……私たちはそろそろお暇するわ」

聖花「えぇ、もう帰っちゃうの?」

永華「寂しくなるわね」

「別に今生の別れって訳でもないのに、何でそんなに寂しがるのよ……」

メリー「また、遊びに来るから!」

「そうそう、夢源郷が出来そうだったら呼びに来るから安心して頂戴よ」

 

私は、みんなに手を振って図書館の外に出ていく。

さて、これから忙しくなりそうね……

皆星 心七(夜刀神 闇)をホーム上から線路に突き落とした犯人についてのお話を書くか否か

  • 犯人についての話を書いてほしい
  • 別に犯人について書かなくていい

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