私の転生物語 ~龍神として生きる~   作:夜刀神 闇

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第21話 輝夜と新しい敵

不死の館を後にした私たちは、とある都に来ていた。

この時代の都は結構栄えていて、和服を来た人たちが行き交い賑やかである。

この都には、最近とある噂が流れているらしい。それは……

 

都人A「おいおい、聞いたか?あの"かぐや姫"の噂」

都人B「あぁ。絶世の美女とも言われるほどに美しいらしいな。それで、求婚者が絶えないんだとか」

都人A「でも、ことごとく断られていってるらしいぜ。すげえよな〜」

 

この、"かぐや姫"は多分、蓬莱山 輝夜(ほうらいさん かぐや)だろう。

そして、月からの追っ手から逃げて、永遠亭で過ごすんだとか。

私は、輝夜に接触するため、都の人間に話しかけることにした。

 

「もし、そこの人」

都人「ん、何だ?」

「かぐや姫の屋敷は、どちらかしら?」

都人「あぁ、あっちの方だぞ」

「ありがとう、感謝するわ」

 

都の人間は、人集りの出来ているところを指さした。

牛車などが沢山あり、ひと目で貴族が集まっているのだと、よく分かる。

「かぐや姫ってそんなに綺麗なのかしら……?」

私は、教科書のあの変な風に描かれたかぐや姫しか見ていないから、あんまり良く分からないのだ。

 

あっちなみに、アリシアたちは都に来たので少し散策するらしい。

ってことで、今ここにいるのは私とチロルだけだ。

チロル「闇ちゃん、かぐや姫のとこに会いに行くの〜?」

「んー……まぁ、そんな感じね。勿論、女性である私が正門から行ったらちょっとおかしいから、忍び込む感じになるけどね〜」

チロル「へぇ〜」

犯罪の匂いがプンプンするけど、大丈夫。バレなければ犯罪じゃないからd('∀'*)会うの輝夜だけだから。

 

多分、輝夜の方から月からの追手の話をいつかされると思うけど。

まぁ、その時はその時だ。

 

「さぁ、そろそろ行こうかしらね?」

チロル「楽しみだね〜!」

私はチロルの手を繋ぎ、輝夜のところにスキマを繋げ、入っていった。

 

 

 

 

 

 

 

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輝夜side

 

「ふぅ、また今日も……飽きないのねぇ、あいつらも」

私は、毎日のように来るオヤジ共にイライラしていた。

毎日毎日、「あなた様はこの世で一番お綺麗です〜」とか言ってめっちゃ高級などこから持ってきたんだよっていう感じの布を持ってきたヤツもいたわね。

私は、他の人より綺麗なのかもしれないけど、それでも毎日って……限度があるでしょうに。

 

「はぁ〜あ……なんか刺激のあることないのかしら……」

?「ん〜……それなら、私が提案してあげてもいいわよ?」

「誰っ!?」

 

急に後ろから声が聞こえたので、振り返ってみるとそこには、2人の少女がいた。

1人は小柄な銀髪の女の子で、もう1人は、銀髪の子よりも小柄な緑髪の女の子だ。

「あら……こんなところに、何のようかしら?」

?「貴女……刺激を求めているんじゃなくて?」

「まぁ確かにそうだけども……」

 

この銀髪の少女、どこか変だ。

外見は、間違いなく美少女の類だろうが……オーラのようなものを感じる。

 

「貴女……何者よ?」

?「あぁ、自己紹介がまだだったわね、ごめんなさい……さてと、改めて自己紹介するわ。私は、この地球を纏めさせて頂いております、夜刀神 闇(やとがみ やみ)と申します」

そう言って、夜刀神 闇と名乗る少女は、くるりと一回転し、普通の人間には無いはずの獣耳と大きな角を生やしていた。

 

闇「そして、この娘は……」

?「私、闇ちゃんのパートナーのチロルです!よろしくお願いします!」

「え、えぇ、よろしく……?」

 

私は、夜刀神 闇という名前にどこか聞き覚えがあった。

それも、遠い昔……月で過ごしていた日々のどこかに。

 

「ねぇ……貴女、夜刀神 闇って言ったわよね?」

闇「えぇ、そうよ」

「なら……」

私は、どうしても聞いてみたいことがあった。それは……

 

「八意永琳って知ってる?」

闇「!」

闇が、少し驚いたような顔をする。

もしかしたら、これは当たりかもしれない。どんどん聞いていく。

 

闇「それが……どうかしたの?」

「実はね、永琳は私の従者なのよ。今は月にいるけど……私が地上に来る前は、ずっと一緒に過ごしていたのよ。それで、永琳から貴女のことを聞いていたような気がして……」

闇「そう……」

闇は、少し考えるような仕草をした後、こう言った。

 

闇「確かに、八意 永琳は私の友人。遥か遠い昔に、共に住んでいたこともあったわ」

「やっぱり……!でも、こんな姿だとは思わなかったわ」

闇「……どういうこと?」

まぁ、闇が不思議がるのも無理はない。だって、私も夜刀神 闇という人物がこんな少女の姿だとは知らされていなかったから。

 

「私は、夜刀神 闇ってどんな姿をしてるのって聞いたことがあったのよ」

闇「永琳、なんて言ってたの?」

「そしたら永琳、『銀の鱗に覆われ、その体は1000年の大木を超える太さで、空をも覆い尽くすほどの長さです』って……だから、そんな凄い人と知り合いだったんだって思ってたから、貴女の名前を聞いた時に驚いたのよ」

闇「は、はぁ……永琳たら、なんでそっちの姿の時の話をするのよ……馬鹿じゃないの?分かるわけないでしょ?はぁ……」

 

闇が、ため息をつく。

「でも……こんな可愛い娘だなんて思わなかったわ」なでなで

闇「ふぇっ!?」

私が闇の頭を撫でると、闇が顔を赤くする。

闇「ば、馬鹿ね!そんなわけないでしょ!?」

闇が私の手を払い除けるが、顔が真っ赤になっているので、恥ずかしいのがバレバレである。

 

「あ、でも、こっちの娘もなかなかね〜」

チロル「っ!?」

私は、闇とチロルの両方の頭を撫でてあげる。

闇に関してはもう諦めたのか、顔を赤くしながら我慢している様子が伺える。

多分、傍から見たら私が変質者に見えるかもしれないけど……可愛ければ何でもいいのよ!

 

 

 

 

少し経った後……

「貴女たち、可愛かったわよ〜?」

チロル「ありがとう!でも、闇ちゃんの方が可愛いよ!」

闇「何言ってるのよ、そんなわけないでしょ〜?」

みんなが落ち着きを取り戻し始めた頃、闇が話し始めた。

 

闇「それで、私がここに来た理由なんだけど……」

「えぇ、私の暇つぶしに付き合ってくれるの?」

闇「うん、まぁ、そうなんだけど……貴女、毎日のように来る人間たちにウンザリしてるんでしょう?」

「う〜ん……まぁ、そうね。早くどっかに行ってほしいものなんだけど」

闇「そう、それよ!」

 

闇が、突然閃いたような声を出す。

「それって?」

闇「もう来て欲しくないなら……普通の人間なら絶対出来ないような要求をすればいいのよ!」

「……!その手があったのね!」

 

毎日毎日アホみたいにくる人間たち……私を諦めさせるには、絶対出来ないような難題を出せば良いのね!

「分かった、やってみるわ!……とはいっても、どんなことを言えば良いのか分からないわね」

闇「そうね……それなら、その人間たちが来た時に一緒に考えてあげるわ。それでいいかしら?」

「えぇ、交渉成立ね」

チロル「なんかよくわからないけど私もがんばる〜」

 

 

 

 

 

 

 

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あれから1日経った頃、5人の人間たちがやってきた。

1人目、石作皇子。2人目、車持皇子。3人目、右大臣阿倍御主人。4人目、大納言大友御行。5人目、中納言石上麿呂足。

まぁ、聞いてみるといつもの感じである。

私に求婚に来る人間は、貴族とかそこらの人たちである。

 

「石作皇子にはどうすればいいかしら」

闇「そうねぇ……」

といった風に、私が闇に聞き、後は私が対応する感じでやってみている。

 

「では、石作皇子様には仏の御石の鉢を。車持皇子様には最近、都の安全を脅かしているといわれる妖怪の首を。右大臣安倍御主人様には燃えないとされる火鼠の皮衣を。大納言大友御行様には伝説とされる龍神の首飾りを。中納言石上麿呂足様には燕の子安貝を持ってきていただきます。……この難題の中で、唯一成し遂げられた方と私は結婚致します。今日はこれにて失礼致します」

 

そう言うと、人間たちはいそいそと帰っていった。

 

「結構良かったんじゃない?」

闇「そうね、特に龍神の首飾り(私のネックレス)なんか絶対に無理よ。私が渡すわけないものw」

 

後は、都の安全を脅かしている妖怪の首を持ってくることだろうか。妖怪に人間が勝つことなど、まず不可能である。しかも、相手は私から見てもそれなりの力を持つ大妖怪なのだ。

 

「ねぇ、闇?」

闇「何かしら」

「妖怪を討伐しに行った人間が心配だから、ちょっと見てきてくれない?ヤバそうだったら、助けてあげてくれないかしら」

闇「分かったわ〜、あと、チロルを預かってくれないかしら?」

「良いわよ」

チロル「闇ちゃん、がんばって〜!」

私も人の子。他人を思いやる心だってあるのだ。あんな大妖怪に戦いを挑んだところで、先が思いやられる。

闇が出ていった後、私はチロルと一緒に帰りを待った……

 

 

 

 

 

 

 

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闇side

 

「ふぅ、ここらへんかしら?最近都の安全を脅かしている大妖怪がいるってのは。まだ人間は来てないみたいね……あら、なんか神社みたいなのがある……あらまぁ、ここもかなりの密度の妖力があるわね」

 

私は、輝夜に頼まれたのでチロルを預けた後、1人で下見に来ていた。

「はぁ、気の毒ね人間も。まぁ、輝夜が出した難題を普通に受けた人間も馬鹿なんだろうけど」

 

妖怪をただの人間が倒すなどまず不可能。最悪逃げきれず殺されるはずだ。まぁ、あの人間は普通よりかなり強いほうらしいが……私からすれば、毛が生えた程度だけれど。

 

 

「さぁ、ここらへんで……「何者?」……」

 

途端、辺りにかなり密度の高い妖力が張り詰める。

……この声の主が、最近都の安全を脅かしていると言われている妖怪かしら?

 

?「答えなさい……私の領地に踏み入る者よ」

その場に、女性の凛とした声が響く。

 

「私は夜刀神 闇。貴女に会いに来たのよ」

その場に、暫くの静寂が訪れた後、私の目の前に1人の女性が現れた。

その女性は、女性としては高い方の背丈で、見た者を魅了させるほどの輝夜とはまた違った美しさを持っている。

 

?「私に会いたいというのは、貴女かしら?」

目の前の女性が、綺麗な紅い目で睨みつけながら話してくる。

「えぇ、そうよ。少し貴女について話があってね……」

?「話……?」

 

私は、輝夜から聞いた話を全て話した。

?「そう……馬鹿な人間もいたものなのね」

「そうよ。だから、先に貴女に伝えようと思ってね……」

?「そうなのね。だけど……」

目の前の女性が私を見据え、こう言った。

 

 

?「その人間が来る前に、貴女と手合わせ願えないかしら?」

 

私は、バックステップの容量で目の前の女性が放った妖力弾を避ける。

「いきなりね……っ!」

?「あぁ、戦いを始める前に一つ……私は、八百万 秋葉(やおよろず あきは)。ここら辺の森を纏める、白狼妖怪。以後お見知りおきを……」

八百万 秋葉と名乗る女性は、華麗に礼をした後、物凄い速さで私に向かってきた。

 

ドガァァァン

 

私は、咄嗟に両腕をクロスさせて攻撃に備えるが、それはあまり良くない手だと気がつく。

「っ……熱い!」

爪で引っ掻かれた後はすぐに癒えるのだが、纏っていた炎が問題だ。

龍神であるはずの私にここまで傷を負わせることが出来るなんて……結花以来じゃないかしら?

 

「分かった……相手してあげるわ」

秋葉「そう来なくっちゃね!」

私たちは、互いに睨み合う。

 

 

秋葉「さぁ……紅い華を、咲かせましょう……?」

 

 

今、戦いの幕が落とされた……

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