私の転生物語 ~龍神として生きる~   作:夜刀神 闇

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第22話 白狼妖怪

BGM:SHAMAN QUEEN

 

 

秋葉「あらあら、龍神といえどその程度かしら?」

秋葉が、ありえない量の弾幕を放ってくる。

私は、正直言ってちょっときつくなってる。……やっぱり、本気の"5%"じゃあかなりやばくなるわね。

 

「はぁ……ちょっと解放」

私は、お腹の辺りに手を当て、弱体化の術を解く。

秋葉「っ、結構やるわね!この私相手に、あんなに余裕だったのも頷けるわ……でも、力を解放した私相手にそう余裕でいられるかしら?」

 

秋葉は、少し浮いたかと思うと、1本だった尻尾を9本まで生やすと共に、保有しているその膨大な妖力を解放した。

妖力の量は並の妖怪では保有することはまず無理だ。秋葉が何歳か知らないが、壮絶な妖生を辿ってきたに違いない。美しさも然り。

 

秋葉「さぁ、私を楽しませて頂戴!」

秋葉は、三日月形に口元を歪め、ルビーの色の瞳をギラつかせる。……流石、大妖怪と畏れられるだけかなり恐ろしく見えるな。

 

「まずは、どうやって倒すか……結構強いからなぁ」

私は、まず秋葉と同様に飛び上がり、同じ土俵に経つ。

「久し振りの戦闘……上手く出来るかしら?」

私は最近、戦闘という戦闘をしていなかった。弱小妖怪なら相手はしたが。

 

 

秋葉「来ないならこっちからいくわよ!」

秋葉が、横一線に鬼火を展開し、此方に迫る。

「呪い系の技か……また、厄介な技を出してくるわねぇ。……サイコキネシス」

私は、さらっと鬼火を避け、念力を秋葉に送る。

秋葉「うっ……ぐ!体が……!」

苦しそうにもがく秋葉を、念力で()()()()へと吹っ飛ばす。

 

「はぁ、秋葉もこれで諦めてくれると良いんだけどなぁ。いちいちリミッターかけんの面倒いんよ」

私は、ため息をつきながら吹っ飛んで行った秋葉の所へと向かおうとした……

 

 

?「……動くな。さもないと、お前の首が飛ぶぞ?」

何者かが、私の首に冷たい刃物を押し当てていた。……いや、飛ぶとか言ってるけど、もう血が出てるから!痛いから!斬首する気満々だよね!?

 

?「名乗れ」

「夜刀神 闇よ」

私が名乗った時には、もう秋葉は復活し、此方に歩いてきていた。

 

?「秋葉、どうする?」

秋葉「別に。私は、こいつと単純に戦い(あそび)を楽しんでいただけよ……とは言っても、私が一方的にやられていただけだけどね。それに、私はとある話を聞いて戦いを申し込んだのよ」

?「……話だと?」

 

 

 

秋葉は、私から聞いた話を全て話した。

?「なるほどね。確かに、人間は馬鹿。大妖怪に戦いを挑もうとするだなんて……そういえば、私はまだ名乗ってなかったわね。私は白神 白華(しらかみ びゃっか)。秋葉と同じ白狼妖怪よ。以後お見知り置きを」

白華と名乗る白狼は、華麗にスカートの裾を持って礼をする。

 

「あぁ、そうそう。私がここに来たのにも他に理由があるのよ」

私は、輝夜から頼まれた用事以外に、私の考えていた頼み事を話そうとした。

白華「……待って」

「……?」

秋葉「どうしたの?」

白華「あっち……見てみなさい。団体客がお越しよ」

 

 

 

 

 

 

 

❁❀✿✾

 

 

 

 

 

 

 

秋葉side

 

白華が指さした方を見てみると、人間共が団体で来ていた。

先頭に立っていた車持皇子?とかいう人間は、他の人間より保持している霊力が際立って高かった。まぁ、毛が生えた程度だが……

 

 

 

車持皇子「お前が、白狼妖怪か?」

「えぇ、そうよ?私も有名になったものねぇ」

車持皇子「そうか……皆の者!位置につけ!」

他の人間に指示をした人間は、ニヤリと笑い、私にこう言った。

 

 

車持皇子「……後悔するんだな」

 

 

周りにいた人間が、一斉に槍を投げてきた。

「『狼炎華 -紅- 』」

私の体に、槍が吸い込まれていく……が、私の体をすり抜け、そのまま地面に突き刺さった。

 

車持皇子「何だとっ!?」

「ふふ……本当に私の首を取る気はあるのかしら?」

私は、人間の反応がとても面白かったので、少し悪戯をしてやろうと思った。……悪戯とはいえ、人間にとっては命に関わるものだけれど。

 

私は、ひとまず両手を地面に付ける。

少し力を入れると、私の体がみるみる内に真っ白い毛に包まれ、鬼火が私の周りを舞うようになった。

ちなみにこの姿は、白華以外ほとんど誰にも見せたことが無い。

見せたとしても、逃げられるか、恐れられるか、気絶されるかのどれかだから……いや、私の姿を見ただけで気がおかしくなって死んでいった奴もいたわね。

 

車持皇子「白狼妖怪はどこだ!……て、うわぁぁぁぁあ!!!犬神だぁぁぁぁ!!!」

人間が、剣を構えて此方に突進してくる。

……この状況のどこをどう見て、勝てると思ったのかしらね?馬鹿なの?

 

「……」

私は、人間が振り下ろしてきた剣の端をくわえ、反対方向にバキッ!!!と折ってやった。

そこそこ高い剣だったようだが、そんなの知らない。私に挑むアナタが悪いのよ。

 

車持皇子「ば、化け物……」

人間が、腰を抜かしたように此方を指さしてくる。

まぁ、たしかに人間からしたら化け物かもしれないわね。……でも、私に戦いを挑んできたのはアナタたちでしょう?

 

「誰かを殺す覚悟があるのなら……勿論、殺される覚悟も出来ていらっしゃるのよね?」

私は、一歩一歩、ジリジリと人間との距離を詰めていく。

私の背後には、いつでも攻撃出来るような形で鬼火が展開されている。

 

車持皇子「ひっ……ひぃ……やめろ、辞めてくれ……!!!」

 

人間が情けない声を出しながら後ずさりするが、私は容赦なく近づいていく。

……主としての威厳なんかこれっぽっちも無くなってるわね。ていうか、従者たち全員気絶しているし。

 

「さぁ、冥土の土産話にでm「ちょちょ!すとーっぷ!すとーっぷ!」……何よ、今から良い時間だってのに」

 

闇が、焦って私を制止してくる。

私、何か変なことしたかしら?今からこの人間を襲おうと……

 

闇「あのねぇ!殺さないでよ?さっき言ったじゃない?もう忘れたの?」

「あっ、ごめんなさい。いつもの癖で……驚かしちゃうのよね」

闇「はぁ、びっくりしたわ……」

 

 

……私は、このような種族でありながら人間をほとんど襲わない。

人間に"畏れ"られているからこそ、私の膨大な妖力が保てるのだ。

「人間、今日のところは見逃してあげるから帰るが良いわ。そして……二度と来るんじゃない」

 

人間は、従者たちを連れてそそくさと逃げていった。

たまに、ちょいと齧った程度の力で私の首を取ろうとしてくる奴がいるが、そいつらは全員帰してる。

殺しても良かったのだが、何故か殺したくなくなるのだ。

白華曰く、"妖怪らしくない妖怪"とのこと。……全く、私も不名誉な名前を付けられたものね。

 

闇「秋葉、ありがとう。協力してくれて」

「別に構わないわ。体が訛っていたけど……あの程度じゃ、ね」

私は元の姿に戻り、闇を見送っていった。

 

 

 

 

 

白華「……貴女は、どういう気があって人間を殺さないの?」

神社に戻った後、白華が私に訊ねてきた。

「何か、殺したくなくなるのよ。昔は普通に喰っていたのだけど、ある時……何かがあって……」

 

その先が、いつも思い出せない。

何か、私にとって大事なことがあったような気がするんだけど……

何か、私や周りの人たちが事件に巻き込まれるような……

「……まぁ、いいわ。このことを考えようとすると頭が痛くなる」

白華「どうしたの?」

「何でもないわ」

 

 

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