メリーside
「う、うぅん……あら、もう朝かな?」
布団から這い出て襖を開けて外を見てみると、もう陽が登り始めていた。
やみぃがくれた時計を確認してみると、まだ6時であった。
しかし、境内に出てみると、やみぃとアリシアが。
闇「良いのよ、これ位私に任せなさい」
アリシア「し、しかし……う~ん」
竹箒を持って境内の落葉を掃くやみぃと、それを申し訳なさそうに見るアリシアの姿があった。
それを見てて仲睦まじいなと思った。
私はそこに出ていってみる。
闇「あらおはよう、朝ご飯まだ出来てないからちょっと待っててね」
「いや、別に良いよ。それと掃除手伝うね!」
私は、傍にあった竹箒を1本取り、やみぃのように掃き始めた。
闇「(*`゚з´)b゛チッチッチッそんなんじゃダメよメリー。箒はね、もっとこうやって高速に動かすものなのよ!」
やみぃが、お手本のつもりなのか、結構速く箒を動かし始めた。
そんなに速く掃いて、落葉が舞い上がらないのかと疑問に思ったが、以外にも1箇所に綺麗に集められている。
私はそれを見て、負けてられないなと思った。
「よぉ~し!私もやみぃに追いついてみせるわよ!」
私も、負けじとやみぃみたく高速で箒を掃き始めてみるが、どうも上手くいかない。
どうしても、落葉が舞い上がってしまい、やみぃのように1箇所に集まらないのだ。
「えぇ~!?どうして!?」
闇「経験よ経験。貴女も毎日経験すれば、きっと出来るようになるわよ。アリシアに教えて貰いなさい。但し、毎日やらなければ意味が無いからね?」
やみぃは、後はよろしくね~と言ったかと思うと、神社の中へと消えていった。
やみぃの朝ご飯を作っている姿を見たことないが、どんな所なのだろうか。
見てみたいな……いや、まずはこの散らかり放題の落葉をどうにかしないとな。
アリシア「後は私がやっておくぞ?元々私の仕事なんだから」
「別にいい……いや、せめて箒の使い方教えて」
アリシア「あぁ。まず、箒の持ち方だが……こうして……」
箒の持ち方から何まで全て、アリシアが全て丁寧に教えてくれた。
現代では家の掃除なんか碌にしてこなかったし、毎日蓮子と共に研究に明け暮れていたものだから。
しかも、現代には掃除機というものがあった。
だから、こういう原始的な竹箒等扱ったことなんてまぁないので、良い経験になったと思う。
「あ~、良い匂い……朝ご飯もう出来てんのかな?」
アリシア「何から何まで御先祖様がなさってしまうので、私の仕事が無くなるんだよな……あまりお手を煩わせる訳にはいかないのだが」
「真面目だね~、アリシアは。やみぃが好きでやってるっぽいし良いんじゃないの?」
主と従者の立場が逆転しているような、と私は思ったが。
まぁそんなことはどうでもいい。とりあえず朝ご飯を食べよう。
私は、神社の居間へと向かった。
「うわ~、美味しそ~!」
机の上には、目玉焼き、焼き魚、ご飯、味噌汁等が置かれており、とても美味しそうに見える。
昨日の晩ご飯といい、どうしてやみぃはそこまで美味しそうに、いや実際に美味しく作れるのだろうか。
さっきのやみぃが言った通り、やはり経験だろうか。
全員『頂きます』
私はまず、味噌汁に手をつけた。
……美味しい。
熱々の味噌汁は濃すぎず薄すぎずの加減がバッチリで、焼き魚に関しては魚臭さも抑えられている。
「美味し~、これからは毎日作って欲しいなぁやみぃ」
闇「別に良いわよ」
チロル「闇ちゃんの作る料理ってホント美味しいもんね~、アリシアちゃんに負けず劣らずって感じだよ!」
アリシア「チロル様、それは間違いかと……御先祖様の方が絶品ですよ」
闇「いやぁ、そうかしら」
そんな他愛もない会話をし、いつの間にか朝ご飯を食べ終えていた。
皿を洗おうとするやみぃを、アリシアが止めるという主と従者の仲睦まじい姿を見てから部屋に戻る。
自室にて
「ふぅ……今日も頑張りますか」
私は、机に向かい、紙の束を取り出した。
実は今、皆には内緒でとある研究をしている。
それは……新しい世界を作る方法。
世界といっても、元の世界から隔絶された土地を作るだけだけど。
……私は、昨日やみぃに言われた言葉を思い出していた。
「私の夢……それは、人間と妖怪が平等に暮らせる世界を作ること。ただ、それをするには私がかなり高い存在に着かないとならない。即ち、"大妖怪にならないといけない"」
大妖怪……それは、妖怪の中でも強い力を持つ存在。
それになるには、長い年月を過ごし、妖力を最大限にまで高めることが必要。
やみぃが言っていた新しい世界の統括者になりたいとも思ったのだが、やはり自分の夢は自分で叶えないといけないな。
「まずは、外と隔絶する為の結界を張る方法を覚えないと……」
因みに、結界を張ること自体は出来る。
弾幕勝負だって、やみぃに何度世話になったか分からない。
しかし、あまり強力なのは経験がない。
だから、急に強力すぎるものを張ろうとしたって失敗するだけだ。
「手始めに……」
私は、手に妖力を溜め、私の周りに線を形作っていった。
元々結界を視る力を持っていた私は、この程度はすぐに出来るようになった。
今は、境界を操る能力を持ち、様々なことに挑戦し、より強力な結界を張ってみる。
「これを、もっと……何重にも……」
二重、三重、と試してみるも、何故か三重が限界だった。
妖力切れを起こし、いつも倒れてしまうのだ。
四重の結界を張ろうとするも、三重から四重までの間に越えられない壁が存在していた。
私の妖力は日々少しずつ増えていっていると言われるが、それだけじゃ全く足らないのだ。
「うっ、く、ふぅ……何で、成功しないのよ」
私は、頭の中で良からぬ想像をしていた。
 ̄ ̄私は、夢を叶えられないのではないか。
「っ!……違う!絶対絶対、叶える!やみぃを、越える……っ!」
大妖怪になるにはそれ相応の年月と努力が必要。
私が今しているこんなんじゃ、代々の大妖怪たちには到底辿り着けない。
……ましてや、天人であるアリシアや龍神であるやみぃなんかには。
「……修行、修行をすればいいんだ。弟子にして貰おう!」
元々少し教えてくれていただけのやみぃに、今度は本格的に大妖怪になる為の修行をつけて貰えば良い。
その為に、弟子にして下さいと頼みに行こう。
そう心に決めた私は、早速やみぃの元に向かうのだった……
❁❀✿✾
闇side
「弟子にして欲しい……?何でまたそんな」
今日、メリーが私の所へ「弟子にして下さい!」と頼みに来た。
何を企んでいるのかは不明であるが、理由を聞いてみましょうか。
「どうして弟子になりたいの?たまに練習する位じゃダメなの?」
メリー「はい、私は大妖怪になりたいんです!夢を叶える為には、もうそれしかないんです!」
「……こりゃまた驚いたわね」
私は、内心凄く驚いていた。
まぁ、メリーが最近部屋にこもって結界を張る練習をやっているのは知ってたけど。そんな理由があったのか。
まさか、メリーが自ら大妖怪になりたがるなんて。
……確かに、目の前にいるマエリベリー・ハーンは後の
「ま、別に良いでしょう」
メリー「本当に!?」
「でも、貴女にとって結構な負担になるかもしれないわよ。天人であるアリシアなんて、天界に住んでいた頃は毎日血反吐を吐くようなきつ~い修行をしていたらしいし」
メリー「嘘!?」
今は、あんなに立派になっているけどね、と付け加えた。
人は皆、最初は素人で何の力も持たずに始まる。
メリーだって、いつかは本物の八雲 紫になれる日がくるんだから、その日まで時間をかけてゆっくりと修行を重ねれば良いんだ。
いつか、幻想郷ができる日まで……
「修行は明日からにしましょう。今日はゆっくり休むといいわ」
メリー「はい、師匠!」
師匠って、と思わず笑ってしまった。
まさか、後の八雲紫を弟子に構えるなんてねと、呟いた。
いつか貴女が幻想郷を作り上げるまで、私がしっかりと鍛え上げてあげるから待ってなさいね……