第2話 新しい出会い
「地球に到着……っと。んー、やっぱりまだ木が沢山あるわね……」
私は、異空間の間を出た後、地球に到着した。
ちなみに、今の容姿は周りからは普通の少女に見えるようになっている。……と思う。
……まあ、へカとかなりの年月を共にいたせいで、最早何が普通で何が普通じゃないのか、分からなくなってしまっているのだが。
それよりも、私のいる場所は何処だろう……
私は、宛もなく歩き続けた。すると、とあるものを見つけた。
「……あら、何かしら」
……それは、とてつもなく大きい"都市"であった。
私の住んでいた前世の世界でも、お目にかかれない様な……
と言っているうちにどんどん都市に近づいていく。
どうやら、この都市には門番がいるらしい。という前に、この都市にはどデカイ壁があるらしい。それと門と門番。
門番は、屈強な体をしており、私より頭二つ分程大きい位……
まぁ、二人どちらも私より体格は良いってことよ。
門番A「ん?……おい、そこの」
……と思っていると、門番のうちの一人が話しかけてきた。
私は、戸惑ったり恐がったりする素振りも見せず堂々と歩いていく。
門番A「都市から離れて、何をしていた?」
何をしていた、か……元々都市に住んでいないし、なんて言ったら即刻排除されるだろうなぁ妖怪として。
私は妖怪じゃないし人間でもないんだけどね。
まぁ、ここはか弱い少女のフリをしておきましょうか。
「あの、森で妖怪に襲われて……命からがら、逃げてきたんです」
私でもビックリするくらいの嘘くさい言葉が出てきたなぁって思った。
でも、さっきみたいな言葉以外、目の前の人間を騙せる言葉なんてある?
門番A「そうか、それは大変だったな……」
門番B「八意様とツクヨミ様に知らせるか?」
門番A「そうだな」
どうやら、知らない奴!はい、即処刑!みたいなことにならずに済みそうだ。
なるべく、能力は使いたくないから助かったわ。
もし、怪しまれて銃を突きつけられようものなら、門番が私を怪しんでいることを"無かったことにする"しか解決方法は無いだろうね。
門番A「お前、名前は?」
名前か……本名教えても大丈夫かな?
"まだ"私の名前は広まってないだろうしね。
「夜刀神 闇です」
門番A「夜刀神 闇か……それじゃあ闇、俺に着いてこい」
「はい」
歩くこと数分……
門番A「はい、分かりました。……おい、闇。この中に入れ、八意様が待っておられる。八意様の部屋は、1番奥だ」
「……分かりました」
私は、門番Aの言うことを聞きながらここまで来た。
途中途中、『八意様』と言うフレーズが聞こえてきたが、多分八意永琳……いや、十中八九八意永琳の事だろう。
やっと、へカ以外の原作キャラが出てきたね。何年ぶりかな……原作キャラ。
長く続く廊下を歩いていると、他の扉より一際豪華な扉の前に来た。
コンコンコン、とノックをすると、「お入りなさい」と女性の声が響いた。
永琳だろうか。私は、恐る恐る扉を開くと、部屋に置かれた椅子に座っている人物に目を奪われた。
?「……いらっしゃい。私は八意永琳よ。こんにちは、余所者さん?」
……私は、暫くその場で動けなかった。
今回初めて会ったはずの永琳。
何故私がこの都市の者ではないことを知ってるの?
私、全く妖力とか出してないのに……
「私が誰か知っているの?」
永琳「いいえ?私は貴女のことなんか知らないし、今初めて会ったわ。でもね、存在感は全く隠せてない。さては、他の人間に会ったのは始めてね?」
……全て当たっている。
というか、存在感を隠せていないだなんて。
神力は永い時の中でコントロールするのを覚えた。
というのも、転生して間もない頃は、コントロールが上手くいかなくて、星を破壊しまくっていた。
能力に頼っていると、いざという時に大変だと思うから。
「ごめんなさい。貴女たちがとても楽しそうに過ごしているものだから、ちょっと覗いて見たくなっただけよ」
元人間である私は、現在の人間の営みがどんなもんか知りたい。
門番に連れられている時に見たけど、私が人間だった頃の文明なんて足元にも及ばない位発展していた。
それに、この都市を統治する神であり私の妹……月読命にも会ってみたい。
永琳「あら……随分と妖怪らしい発言ね。おやつの人間でも捕まえに来たのかしら?」
「っ……」
永琳は、手元にあった弓を取り、矢をつがえ、ぎち、と音が鳴るまで引き絞った。
完全に私を処刑する気満々だろう。
だけど、そうはさせないしさせられないのだ。
「人間を襲う気なんて無いわよ。人間程面白い生き物なんていないもの。いなくなってもらっちゃあ困るわ」
永琳「……」
なんて妖怪らしい妖怪の発言なんだって思ったけど、事実だから仕方ないでしょ?妖怪じゃなくて神様だけどさぁ。
自然とそう思えるのは、永い年月を過ごしてきたせいだろうか。
永琳は、私の顔をじぃっと見た後、弓矢を元の位置に戻した。
永琳「……一先ず、貴女が害の無い妖怪だってことは信じてあげるわ」
でもね……、と永琳が続ける。
永琳「貴方は余所者。このままこの都市にいると、他の人間に勘づかれ、いずれは排除されてしまうでしょうね。それに、私も穢れの塊である妖怪を匿っているという罪で、処罰されてしまうわ」
「ご、ごめんなさい。すぐ出ていくから……」
永琳「別に出ていけなんて言ってないでしょ?だから、私と戦い、その強さを示し、その溢れる存在感、妖力全てを引っ込める訓練をして貰いましょう」
それでいいわね、と永琳が言ったので、私は快く承諾した。
そして、永琳に連れられ、地下にある闘技場みたいなところに案内された。
こんな広いところが普通に地下に作られていることに対して、めちゃくちゃびっくりしたけど……
永琳「さて、合格ラインだけど、私を認めさせたら勝ち。とってもシンプルだけど、それで構わないでしょ?」
「勿論よ。それじゃあ、認めて頂きましょうか」
永琳「あら、随分と自信満々ね。勝算はあるの?これを言っちゃあなんだけど、私は都市の中でもトップ3に入るくらい強いのよ?」
永琳は、とても濃い霊力を場内に充満させた。
並の妖怪ならこれで気持ち悪くなるくらいの濃さ。
だけど、私は神様で、霊力も常人以上に持ち合わせているの。
だけど、今は永琳には私のことは妖怪だって勘違いしていて貰う。
「ふふっ、随分と立派な霊力ですこと」
私は、お気に入りの日傘を手の中に出現させた。
永琳は、少し驚いたような表情を見せたが、すぐに平常運転になった。
永琳「じゃあ、始めましょうか!」
「えぇ、勿論よ!」
私たちは、お互いに適度な距離をとる。
人間相手に戦うのは初めてだけど、上手くやれるはずよね。
永琳がコインを投げ、落ちたと同時に永琳が矢を打ち出した。
ふうん。中々やるんじゃないの。
ま、人間だからといって舐めてかかったら痛い目見そうだから全力でいくしかないわよね。
私は、日傘を握り締め、永琳に迎え撃つ体制を整えた。
ご静観ありがとうございました!