「……よっと。こんなもんかしらね」
翌朝、私は、永琳たちが住む家を建てる為、とある竹林に来ていた。
その竹林はとても大きく、私が数百メートル上に飛んで確認しても、端が見えなかった。
「アリシア、皆を呼んできて貰えるかしら?」
アリシア「承知致しました、少々お待ち下さい」
アリシアは一礼すると、虚空の中に消えていった。
能力は次元を司る程度の能力。
あらゆる次元を移動出来、一歩間違えていたら私と同等の存在になっていたと思う。
普段の使い方としては、場所移動に使ったりするんだって。まぁ、八雲 紫……今のメリーと同じような使い方ね。
「それにしても……良い出来栄えね。内装はどんな感じにするのかしら」
外観はほぼ完成した。
後は、永琳たちが内装を考え、要望があれば私が調達する。
庭も結構広めにしたつもりだ。
アリシア「御先祖様、連れて参りました」
ふと声が聞こえ、後ろを振り返ってみるとアリシアがいた。
アリシアが開いた空間から、メリー、チロル、永琳、輝夜、妹紅が順番に出てきた。
永琳「へぇ~、凄いわね。これ全部貴女が作ってくれたの?」
「そうよ、どうかしら?結構壮大じゃない?」
輝夜「広っ!これだけあったらほぼほぼ住むところは困らないわね!」
メリー「師匠がこんなこと……!私も見習わなくっちゃ……」
チロル「凄~い!」
妹紅「こ、こんな家初めて見た……!」
皆が、外観についての感想を次々に述べる。
ふふ、やはり腕を奮った甲斐があったわね!家具の調達を頼まれたら、最高級の素材で作ってあげようかしら。
「また何か、困ったことがあったら言って頂戴ね。家具位なら揃えてあげられるわ」
永琳「わざわざありがとう。じゃあ、早速なんだけど……」
私は、永琳たちと中に入り、どこをどんな感じにするのかの話をしていた。
私は、永琳たちの要望通りに家具を調達出来るようメモをし、必要な材料を予想していた。
「……よし、これ位で十分かしら?」
永琳「えぇ。本当にありがとうね、闇。お礼は何が良いかしら……」
「あー、じゃあ、神社で宴会を開きましょうよ!この件に関わった人全員と他の皆の友達も呼んで!」
私は、楽しみで仕方がなかった。
大人数で宴会を開くなんて、諏訪対戦以来だろうか。
あの時は結花にお酒のイッキのみを迫られて大変だったわ~。……まぁ、結果的に強引に飲まされて酔いつぶれたのだけれど。
輝夜「それいいわねー!で、誰を誘うの?」
「んー……秋葉と、アマテラス、スサノオ、ツクヨミの3人と……」
輝夜「へぇ、かの三貴神も招くのね。ツクヨミ様に至ってはもう驚きの言葉も出ないわ」
「当たり前でしょ。なんたってあの子たちは私の誇らしい姉弟たちなんだもの」
永琳は、私たちの様子を見て微笑していた。
永琳たちは知っている。ツクヨミが私の妹だということを……
輝夜「……あの白狼妖怪も来るの?」
「……?えぇ、そうよ?何か問題でも?」
輝夜「いいえ、なんでもないわ。気にしないで頂戴」
一瞬、輝夜からとてつもなく恐ろしいオーラが発せられたが、気にしないでおこう。
てか、輝夜ってどんだけ秋葉のこと嫌ってんのよ。
「ま、良いわ。とりあえず、呼びたい人とか妖怪とか神様でもいいから、いたらどんどん誘って頂戴ね」
永琳「分かったわ。ツクヨミ様も来られるなら、楽しくなりそうね」
輝夜「料理は誰が作ってくれるのかしら?」
「勿論私よ、皆楽しみにしてて頂戴ね!」
実をいえば私はかなり張り切っていたりする。
久しぶりに、皆が集まるのだ。腕を奮わないといけないわよね!
ツクヨミたちとは久しぶりに会うけど、元気してるかしらね?
私は、夜に開かれる宴会を楽しみにしながら、料理を何にするかを考えるのであった……
❁❀✿✾
「んー、こんなもんかしらね?後は稲荷と寿司と……和食を主に、洋食を後少し位入れましょうかね」
メリー「師匠ー!私も何か手伝います!」
「あー、じゃあ、アリシアの方……会場の整備を頼めるかしら?あ、それか誰でもいいから宴会に招待してきてくれる?」
メリー「あっ、じゃあ、アリシアを手伝います!では!行ってきます!」
「ふふっ、気をつけてね」
境内に向かって走っていくメリーの姿を、手を振って見送った。
私は、途中だった料理の準備を進めていった。
「んー、美味しそうな匂い……これなら皆よろこんでくれるわよね!よし、完成でいいかしらね!」
私が作ったのは、卵焼き焼き飯お寿司稲荷オムライスパスタ……あたりのベタな料理だ。卵料理が何個か被っている気もするけど、まぁ良いでしょう。
どれも美味しそうで、お寿司も色んなネタがあって色とりどりである。
「料理も出来たし……運ぼうかしら!」
私が料理を持ち、蔵にしまっておこうと立ち上がったところ丁度アリシアが来た。
アリシア「御先祖様!お待たせしました、お手伝い致します」
「あら、別に良いのよ?貴女はよく働いてくれるし、たまには休息も必要だと思うのだけど……」
アリシア「いえ、私にとっての幸福は御先祖様の元で働くことですので……」
「あら、嬉しいこと言ってくれるじゃない。じゃあ、これを蔵に持って行ってくれるかしら?」
私は、持っていた料理の半分をアリシアに渡して、一緒に蔵に向かった。
「よいっ……しょ!ふぅ、これで宴会での食事の用意は十分かしらね!後は会場の準備かしら?」
アリシア「それでしたら御先祖様、チロル様と遊んでいらしては?会場の準備は私が……」
「えぇ、別に良いわよ~私は平気よ?それに、チロルだって今は寝てるs『どうしたのー?』……」
アリシアを休ませたくてついた嘘がこんなにも早くバレるとは……全く、チロルったら!
アリシア「チロル様は起きておられますが?」
「っ~!!!///」
私は、思わず視線を下に向ける。
アリシアを休ませてあげたくて、こうしたことなのに……
アリシアは毎日が出勤日みたいなものなのに、ほぼほぼ休みなし。
私が呼べばコンマ1秒で来てくれる。それが毎日だ。
「ねっ、ねぇアリシア……貴女疲れないの?」
アリシア「えぇ。私の体力は無限です。御心配感謝致します」
アリシアは両腕に力こぶを作ってみせた。
体力が無限かぁ……私が言いたいのはそうじゃないのよね。
どうせ私がここで、アリシアに休んで欲しいってお願いしたってアリシアは絶対休んでくれないだろう。
私は、アリシアに休暇を与えることで娯楽とかを楽しめるようにしてあげたいのだ。
「アリシア」
アリシア「如何なさいました?」
「貴女、明日は休みなさい……これは、私からのお願いよ。貴女にも自分の楽しみ位あるでしょ?あ、私に関すること以外でね」
アリシア「はい、ありますよ。例えば……神社の整備等でしょうか」
「結局はほとんど私に関することじゃない!……で、休んでくれる?」
アリシアは、顎に手を当てて何かを考え始めた。
しばらく経った後、不意に顔を上げて私に呟いた。
アリシア「……分かりました。御先祖様の仰る通り、明日は休暇を頂くことに致します。しかし、今日は働かせて下さい。宴会ですので、御先祖様をサポートする者がメリーだけでは不安で御座います」
「あらあら、そんなに心配しなくても大丈夫よ?笑」
私たちはそんなやり取りを続け、居間に戻ってきた。
そこには、ちゃぶ台を囲んで楽しそうに話しているメリーとチロルの姿が。
チロル「あ、闇ちゃん!アリシア!もう宴会の準備できたよ~!」
メリー「あ、師匠、アリシア……もう宴会が開ける状態にしましたよ!」
メリーが、立ち上がって私たちにそう言った。
境内の方を見ると、落ち葉が綺麗に片付けられ、とても綺麗だった。
私は、腰に手を当て、よし、と言った。
「じゃあ、宴会の時間までまだまだ時間はあるし……ゆったりしてていいわよ、私も体力温存の為に休んどこうと思うし!」
私はそう皆に告げると、スキマを出して異空間へと飛び込むのであった……