闇side
私は、アマテラスの戦いを見物し終わり、皆で休憩を取っていた。
……え?つまらないって?
本当に、一瞬だったもの。話すことなんて無いわよ。
スサノオの戦いは、この後のチームだし……
アマテラス「ふぅ、お姉様。見てましたか?」
「よくやったわね、アマテラス」
私は、アマテラスと共に縁側へ座り、月を眺めた。
「スサノオの戦いが楽しみね。貴女は、最後まで残れるかしら?」
アマテラス「必ず残って、お姉様と戦ってみせますよ!今度こそ良い勝負をするんですから!」
アマテラスは、力瘤を作るような仕草をする。
楽しみね。私に傷1つでも付けられる位成長していたら、褒めて良いと思うわ……
スサノオ「姉上、お久しぶりでございます」
「あら、元気にしてた?」
宴会でちらっと見えたが、と言うより神力で気づいたけど。
スサノオたち3貴神がいることは分かってたわ。
スサノオは、私の手を取り、手の甲にそっとキスをする。
アマテラス「スサノオ、貴方……お姉様に気安く触れないで」
スサノオ「なっ……アマテラス。俺はそういう意図があった訳じゃない。俺たちは姉弟だぞ」
全く、この姉弟は仲良く出来ないのかしら。
「アマテラス、スサノオ。そこまでにしなさい。もう……」
私が一声かけると、渋々大人しくなった。
この姉弟から愛されているのは嬉しいけど、取り合いみたいなことはしないで、ね?(苦笑)
流石の私も困るわよ……
「スサノオ、貴方は美男の内に入るのだから、早く婚約者でも見つけなさいよ」
アマテラス「こんな男のどこg「ア~マ~テ~ラ~ス~???」……」
アマテラスがスサノオのことを貶すような発言をしそうだったので、黙らせた。
アマテラス、若干ビビってたような……でも知〜らないっ!
スサノオ「有り難きお言葉。しかし、
アマテラス「あら、私も姉よ?」
スサノオ「お前とは血の繋がりがあるが、
はぁ〜。
この姉弟は、ほっといても死ぬまで喧嘩してそうね。
「さ、そろそろバトルロワイヤルを再開するわよ〜!!!4番チームは中へ!……次でしょ?スサノオ」
スサノオ「はい、ではこれで失礼致します」
アマテラス「負けたらただじゃおかないからね?」
スサノオは、アマテラスの言葉を無視し、結界の中へと入っていった。
その後ろ姿は、いつの日か見た、✕✕✕の様で……
ふふふ。
「さて、強くなった男神はどんな戦いを見せてくれるのかしら」
これから始まるスサノオの戦いを、アマテラスや他の者たちと見物するのだった。
❁❀✿✾
神琉side
俺は、自分の従者である夜刀神 闇の動向を伺っていた。
特に、意味は無い。単なる興味本位だ。
「……楽しそうな限りだな。まるで、人間であった頃以上に
まぁ、それが俺の願いだったのだけれど、な。
気紛れで闇を転生させた訳ではない。
ただ、俺の傍に置いておきたかったから……。
「……何故、そう思ったのか俺でも思い出せないな」
基本、俺に出来ないことなど無い。
この
……他の者にとっては、喉から手が出るほど欲している能力であるのだが。
俺は、気づいたら俺だった。
やるべきことも分からず、ただ、意識のまま空間を漂っていた。
その頃……今より昔々の果てには、俺には実体が無かった。
全ては白い世界で、気がついたら世界を創っていたのだ。
気がついたら体が出来ていた。
気がついたら感情が出来ていた。
気がついたら仲間が出来ていた。
気がついたら……ここにいた。
遥か先の未来を見ていた。
そうしていたら、1人の人間に目がついた。
直感的に、傍に起きたいと思ってしまった。
「……」
龍神王として、世界を創ったからには、全ての神が集う神界の頂点に君臨するからには、やるべきことは山ほどある。
「早く、早く消滅させねば……」
……牛鬼を。
俺と同等レベルの力を持ってしまった、可哀想な妖怪を。
何をどう間違い、生み出してしまったのだろうか。
「闇に手を出した罪は重いぞ、牛鬼よ」
あの時、俺が異常に気づかなければ、闇はあのまま……
いや、考えるのは辞めよう。
やらなければならないことは他にもあるのだ。
「よし、闇の所に行くとするか」
俺は椅子から立ち上がり、部屋を出た。
ガチャッ、ギィィ……バタン。
長く長く続く静かな廊下に、重い扉が閉まる音が響いた。
❁❀✿✾
闇side
「ほぉ〜。スサノオは、あんな戦い方もするのね」
私は、アマテラスと共にスサノオの戦いを見物している。
空はあまり飛ばず、使うのは単なる身体能力と、剣のみ。
上級神であることを傲慢に思うのではなく、元々の力を高みへと伸ばそうとする。
私が賞賛する神の1柱。
「私のことを姉弟という関係以上に、愛してくれているのは有難いけど、誰とも結婚をするつもりは無いからねぇ」
アマテラス「……今の言葉は、聞き捨てなりませんね。スサノオの想いはともかく、誰とも結婚をするつもりが無いとは、どういうことです?」
正直、スサノオの想いは気づいている。
だけど、この3貴神とは一生姉弟でいると心に決めている。
と言うより、恋愛感情など私には必要無い。
「言葉通りよ。主様に死ぬまでこの身を捧ぐつもりなの。だから、誰とも結婚はしないわ」
アマテラス「そんなぁ、私は、お姉様には幸せになって欲しいんです」
今でも充分幸せよ、とアマテラスに言う。
本当だ。
牛鬼さえ……いなければ良かったが。
「貴女は私が守ってあげるわ」
私がアマテラスに微笑んだ。
一瞬、アマテラスがビクッとしたかと思えば、たちまちその顔は真っ赤になっていった。
……どうしたのかしら?
アマテラス「ッッッ!!!そ、そーゆーのは意中の方にい、い、言うものなのでありまして、で、で、で……!」
「??日本語がおかしくなっているわよ?ふふ、可愛いわね♡」
アマテラスの頭を優しく撫でてあげると、またまた意味の分からない発言をする。
本当に、どうしたのかしら?
アマテラス「ふぅ〜、と、兎に角!スサノオの戦いに勝負がついたみたいですよ、ほら!」
「あらっ」
適度に疲れている様子のスサノオ。
本来、神であるはずのスサノオが疲れるはず無いのだけど、私が教えた力の制御法を上手く活用しているようね。
「貴方はストイックなのね」
スサノオ「有り難きお言葉。これからも精進します」
スサノオが、爽やかに微笑んだ。
私も釣られて顔が緩む。
アマテラス「良かったわね、お姉様に褒められて」
スサノオ「あぁ。こればかりはお前と同意見だ」
珍しく2柱の意見が一致している。
これ以外にも仲良くしてくれたら良いんだけど。
……さて、4つあるチームのバトルロワイヤルは終了したことだし、これからお楽しみの時間ね。
「皆、お疲れ様!これから勝ち上がった方同士のバトルロワイヤルを始めるわ。休憩を取っている間に、デザートを出すから、是非食べてね!」
大勢の歓声が沸き起こる。
余程嬉しいのね。作った身としては、大変喜ばしい限りだわ。
私が手を叩くと同時に、アリシアが空間を裂いてデザートを机の上に出した。
ちなみに、もう料理は片付けてある。
「よし、と……っ!」
皆が思い思いに行動し始めた頃合で、私は気づいた。
とてつもなく大きい存在が、近づいている。
世界を揺るがす程の、大きい存在が。
「アリシア、後は頼んだわよ。直ぐに戻れたら戻るから……」
アリシア「……御意」
アリシアは、直ぐに何かに気づいたようだ。
部屋の中で騒ぐ妖怪たちは、何も気づいてない。
気づいていたなら、大パニックになっていることだろう。
スキマを開いて、"存在"の元へと繋ぐ。
「一体、急に何の御用かしら……」
私は、真っ暗闇のスキマの中へと飛び込んだ。
上や下や右や左といった概念も無く、まるで、私が転生して間も無かった頃の世界である。
そして、私は存在の主の元へと辿り着く。
?「まさか、そっちから来てくれるとは思わなかった。手間が省けたぞ、闇」
「いえ……龍神王であらせられる貴方様にお仕えする身として、当然のことでございます」
?「ふっ、そうか」
主様。
私は、跪いたまま、言葉を返す。
主様がまさか、地球に来られるとは思わなかったが。
神琉「俺が、お前を呼び出した理由を知りたいか?」
「……はい」
神琉「お前の戦闘力を測る為だ。どれだけ強くなったのか、というのをな。というわけで……」
突然、視界が上を向いた。
目の前には、主様の顔が……
神琉「皆がいる宴会場まで行くぞ」
「!?」
……お姫様だっこをされていた。
一瞬、何が起こったのかわからなかった。
ただ、美しい金色の目を細めて爽やかに笑っていた。
本当に、魅了されそうな美しいお顔。
いや、そんなことよりも!!!
「ど、どうしてそのような……」
神琉「何を言っている?この方が速いだろう?」
そう言いながら、私を抱いたまま飛行する主様。
周りの神々が物珍しそうにこっちを見てる……あぁもう!恥ずかしい……
気づいたら、時空の狭間に入っていた。
神琉「移動する間に聞きたいことがあったんだ」
「……何でしょうか」
主様は、何かを思い詰めたような顔をする。
いつも澄ました顔で、何でもやってのけるような主様なのに……
神琉「闇、お前は……」
神琉「……生まれたことを、後悔したことはあるか?」
……何を、言い出すかと思えば。
「そんなこと……1度たりとも思ったことはありませんわ」
神琉「だが、お前にはまだ愛する家族もいただろう?俺が、勝手に眷属にして連れてきたんだぞ。恨まれても仕方が無いと思っていたんだ……心を読めば良い?いや、それは出来なかった。闇、お前の口から直接聞きたかったんだ」
ぽつりぽつりと語る主様の顔は、とても、とても苦しそうな顔をしていた。
「主様」
神琉「……何だ?」
「私は、もう……前世とは決別しましたの。この現世、上手くやっております。それに、もう愛する家族は傍にいますわ」
神琉「……チロルのことか」
「えぇ、そうでございます。アリシアやアイリーン、アマテラスにツクヨミ、スサノオも、かけがえのない愛する家族なのです。ですから、もう、前世が恋しいとは思いません……もちろん、主様もその中に入っていますわ」
神琉「……!」
主様が、驚いたような顔をする。
その宝石のような瞳から、静かに零れ落ちた涙が、2柱しかいない異空間を美しすぎるほど照らしていた。
まるで、この世界に生まれた2人を祝福するように……
語彙力無くてすみません。
いつも見てくれてありがとうございます!
感想や評価をつけて下さる方々、本当に感謝の限りです!
これからも私の転生物語をよろしくお願いします!