結花「……で?」
私たちが帰ってきたところを迎えに来た結花が、困惑したような何とも言えぬ表情で私たちを見ていた。
結花「何でアンタが抱かれてるんだ?(;´Д`)」
「知らないわよ、そんなの」
アマテラス「……お姉様?」
スサノオ「……」
ツクヨミ「……お姉様」
アリシア「ご、御先祖様、龍神王様……」
存在感が溢れる神がいっぺんに集まっている為、デザートを食べていた妖怪たちがなんだなんだと集まってくる。
ニヤニヤしながら見ている者もいれば、興味無さげにデザートを食べ続ける者もいる。
神琉「俺のことは気にせず、思い思いに行動してくれていいぞ」
結花「気にするなと言われて気にしない方がおかしいだろ!?」
主様は、私を静かに降ろし、アリシアの方へと近づいていく。
それに気づいたアリシアは、即座に跪こうとするが……
神琉「いい、いい。そんなことしなくても、構わない。闇が世話になっているな」
アリシア「いえ。御先祖様は素晴らしいお方。私には勿体無い限りでございます」
主様がアリシアの手を持ち、立たせた。
ふふ、アリシア。そんなこと言ってくれちゃって……
全く、主としても嬉しい限りよ。
神琉「ところで闇」
「はい、如何なさいましたか?」
神琉「いつお前の戦いは始まるんだ?」
「これから、4名の者でバトルロワイヤルを始めます。そして、勝ち抜いた1名が私と戦う権利を得るという仕組みでございますわ」
主様は、成程と相槌を打つ。
神琉「その、4名は何処に?」
「そこにいるアマテラスと、スサノオ、ツクヨミ、そして……」
私は、縁側で月を眺める1人の妖怪を見る。
「
秋葉「……何か用かしら?」
赤い目をこちらに向ける秋葉は、月の光と相まって、美しくも恐ろしい何かを感じた。
それが原因なのかは分からないけど、秋葉の周りには妖怪が1人も集まっていない。
神琉「……中々、良い友人を持ったな。闇」
秋葉「友人じゃない。敵よ。神と妖怪が友になれると思うかしら?」
秋葉が、主様のことを睨みつける。
1悶着ないか、とビクビクしていたが、主様は、そんな秋葉を全く気にしていないようだった。
流石ね。
「酷いわね……」
秋葉「始めるなら早くしなさい、帰るわよ?」
「まぁ、良いでしょう。結界の中へ!」
秋葉は、やれやれといった感じで結界の中へ入っていった。
それに続き、アマテラス、ツクヨミ、スサノオの3柱も、結界の中へ入る。
「皆、頑張ってね。誰が勝っても私は嬉しいわよ!」
予想、アマテラスが勝つ。
大和の神であり日本の最高神であるから。
しかし、ツクヨミも良い勝負になりそうだ。
私は、コインを投げた。
 ̄ ̄カチャン。
コインが地に落ちた音と同時に、乱闘が始まった。
先手を踏んだのはスサノオ。
真っ直ぐに秋葉の方へ向かっていく。
ガキン!!!
スサノオが振った天叢雲剣と、秋葉の爪がぶつかり合う。
秋葉がスサノオの攻撃に気を取られている内に、アマテラスとツクヨミの弾幕が秋葉の方へ集中する。
まるで、姉弟の戦いに水を差す妖怪を排除したいとでも言う様に……
秋葉「都で畏れられている私はこんなものじゃ地に伏せませんわよ」
スサノオの攻撃を牽制しながら、アマテラスとツクヨミの攻撃も寄せ付けんとする神力を放つ。
アマテラス「ど、どうして妖怪が私たちの攻撃を一瞬で……!?」
秋葉「私、神力も多少使えるんですの。妖怪だからと言って甘く見て貰っては困りますわ」
そう言いながら、多少とは言い難い神力を足先に込め、スサノオの天叢雲剣を蹴り上げる。
……妖怪が、力で神様と渡り合えるだなんて。
前代未聞ね。
ん?私と結花?……それは例外よ。
秋葉「ふふ♡」
スサノオ「ぐっ……があぁ!!?」
アマテラス「スサノオ!」
秋葉が、蹴り上げた後に連続でスサノオの鳩尾に拳を打ち込む。
うわぁ、痛そう……
バトルロワイヤルであるはずなのに、いつの間にか『秋葉VSアマテラス&ツクヨミ&スサノオ』の戦いになっていた。
あら、これは予想が外れそうね……アマテラスかツクヨミのどちらかが秋葉を倒さない限りは。
秋葉「私、久し振りに楽しめそうね……!!!」
赤い眼差しと攻撃の矛先が、アマテラスとツクヨミの方へ向いた。
ツクヨミ「お姉様!私たちの戦いはあの犬神を倒してからです!」
アマテラス「えぇ、言われなくても!」
スサノオは、先程のダメージが全身に広がって、未だ立てそうにない状況だ。
流石、呪いと炎を操る白狼ね。
神琉「闇、お前の戦いが終わったら、1度神界へ戻ってきて欲しいんだが。良いか?」
「畏まりました……して、何用でしょう?」
神琉「……神界に戻ってこないお前に、不満を抱いている神がいる。他世界の神がな」
戦いに夢中になっていた私に、主様が話しかけてきた。
神界……か。
神界とは、全世界の神が集う場所。
もう何億年留守にしているのだろうか。
まぁ、神の中でも力を持つ1柱が留守だったら混乱を招きそうだから近い内に帰ろうかしら。
そんなことを考えていると、突然轟音が結界の中から聞こえてきた。
「何があったの!?」
神琉「面白いことが起こってるぞ?見てみろ」
「……?」
未だ砂煙が立ち込める結界の中へと視線を移す。
「なっ……!?」
そこには……
天叢雲剣を持ったスサノオが……
ボロボロになった秋葉を見下ろしていた……
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