私の転生物語 ~龍神として生きる~   作:夜刀神 闇

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第34話 姉弟喧嘩

スサノオside

 

秋葉「がっ、ぁ……な、によ……これは……」

「血だ……お前の負けだ、妖怪よ」

 

地に伏す妖怪に引導を渡す。

先程、この妖怪に先手打たれたが、何とか持ち直した。

……本当に、危なかった。

 

秋葉「ふ……ふふ、気高き白狼、此処に倒れる……かしら?」

スサノオ「……意外と直ぐに負けを認めるのだな。妖怪」

秋葉「当たり前でしょう。楽しめたのは貴方が久し振りよ、感謝するわ……それと、私の名前は八百万 秋葉(やおよろず あきは)よ。良い加減、その"妖怪"呼びを辞めて頂戴」

スサノオ「あぁ……言い勝負だった、秋葉」

 

俺は、白髪の女性……秋葉の手を取り、感謝の言葉を述べた。

……中々に滑らかな手だな。姉上には劣るが。

 

秋葉「さて、お次は姉弟で楽しみなさいな?邪魔者は消えるとするわね」

 

気取りながら結界を出ていく秋葉は、戦いの後でボロボロになりながらも、どこか……どこか美しかった。

いや、元々顔は整っていたけれどな……

 

アマテラス「スサノオ!」

 

後ろから声がしたので、振り返ると……そこには薙刀を持った、俺の1番上の姉の姿が。

隣には光り輝く槍を持った1個上の姉がいる。

 

スサノオ「待たせたみたいだな」

ツクヨミ「全く、お姉様とどうするか検討する位だったんだから」

アマテラス「ま、結局こうなったのだけれどね?」

 

どうやら、秋葉との戦闘が必死を極めていたので、姉たちの方へ意識が向いていなかった。

悪いことをしたな、と思いつつも目の前にいる2柱の女神をどう倒すか頭の中で考える。

 

アマテラス「あら、もう戦えるのね?」

「当たり前だ……結界の外でお待ちの、姉上と龍神王様に失礼だからな」

 

縁側で腰掛けている姉上を見る。

俺たちの視線に気がつくと、姉上は小さく手を振った。

……いつ見ても、可愛らしく美しいお方だ。

 

「それじゃあ……」

 

 

 

 

『始めッ!!!』

 

 

 

 

「ぐっ……!」

 

3柱の武器が、一斉にぶつかり合う。

力はほぼ互角。

男である俺でも、大和の最高神であるアマテラスには少し不利。

月の支配者ツクヨミも、中々の力。

 

「だが……負けられん!」

アマテラス「!?」

ツクヨミ「きゃっ……」

 

ありったけの神力を天叢雲剣に込め、振り抜く。

アマテラスが若干後退りし、何とか耐えたが……

 

アマテラス「ツクヨミ!」

ツクヨミ「やったわね……」

 

ツクヨミが攻撃の衝撃に耐え切れず、少し吹っ飛ばされてしまう。

大したダメージは入っていない様だが、アマテラスとこんな差が出来ているなんて……

いや、ツクヨミが弱い訳じゃないだろうな。

アマテラスが強すぎるんだ……

 

ツクヨミ「スサノオ、強くなりましたね。私、姉として感動したわよ」

アマテラス「ツクヨミ、弟に負けていられないわよ。お互い蹴落とす勢いで!」

ツクヨミ「分かっています!」

 

姉に褒められ、少し嬉しい気持ちになる。

あぁ、俺もこの2柱と同じ上級神なんだ……と。

 

ツクヨミ「『広大な銀河の中で漂う小さき星』」

 

ツクヨミが、詠唱を始める。

漏れ出す神力に、強力な技が来る……そう直感した俺は、合わせて身構える。

 

ツクヨミ「さぁ、耐えられるかしら?」

 

ツクヨミの頭に付けている月のアクセサリーが光を放ち、輝きだす。

その眩し過ぎる光を直接見た俺は、思わず片手で目を覆う。

アマテラスは何処吹く風の様だが……太陽神だからだろうか?

 

アマテラス「ツクヨミも良い手を使ってくるわね……!」

「よく耐えられるなっ……!ぐっ……」

アマテラス「当たり前でしょう?月の光は太陽の光を反射しているのよ。太陽の化身である私が、この程度耐えられなくて太陽神は務まらないわ?」

 

まぁ、何となく分かってたけど。

そんなことよりも……ツクヨミの攻撃をどうするか……

眩しい光と共に弾幕も撃ってきているので、正直避けるのが難しい。

俺は、天叢雲剣で弾幕を切り裂きながら、どうやって攻撃に移していくか、考えていた。

 

「(天叢雲剣で弾幕を切り裂きながら、ツクヨミに接近出来るか……?しかし、アマテラスの攻撃も懸念される……どうすれば良い?)」

ツクヨミ「戦闘中に考え事とは良い度胸してるわね、スサノオ!!!」

 

攻撃方法を考えていると、ツクヨミの投げた槍が地面に突き刺さった。

……当たったら大分ヤバかったぞ、今の。

 

「あぁ、悪かったな……!!!」

 

……もう、考えている暇は無いな。

一々考えていたら、寧ろそこまでで2柱に倒されてしまうだろう

 

「お返しするぞ」

 

神力を天叢雲剣に注ぐ。

そして、天叢雲剣が浮き、自分の意思を持った様に、真っ直ぐにツクヨミの元へと突き進んでいく。

 

ツクヨミ「そのようなもので私を倒せるとでも?」

 

ツクヨミは、天叢雲剣をいとも容易く防いでみせる。

……実は、それは本命の攻撃では無い。

 

「……甘いね!!!」

 

ドガァ!!!

俺は、完全に油断しているツクヨミの背後に回り込み、思いっ切り蹴り上げる。

 

アマテラス「ツクヨミ!!!」

ツクヨミ「……〜〜!」

 

ちょっとやり過ぎたか?神力を込めすぎたか……

ツクヨミが、地面に墜落し、苦しそうに藻掻く。

アマテラスが口を抑えて少し引いたように驚いている。

 

「……姉上、判定を!」

 

俺は、縁側に座っている姉上に、判定を仰ぐ。

誰が見ても、恐らくは……

 

闇「そうね、無理しない方が良いわよ……」

 

姉上が、ツクヨミを抱える。

ツクヨミは荒い息を繰り返し、とても苦しそうだ。

少しやり過ぎたか……

 

ツクヨミ「嫌です……!」

 

ツクヨミが、姉上の手を振り払う。

まるで、まだ動けるかのように。

 

闇「辞めておきなさい……これは命令よ」

ツクヨミ「っ!!!……分かりました。降参、致します」

闇「ありがとう」

 

姉上は、ツクヨミを抱えたまま、神社の奥に入っていった。

少しした後、俺たちの前に現れ、こう言った。

 

闇「次は貴方たち2柱での勝負ね。楽しみにしてるわよ?」

 

少し微笑んだかと思うと、姉上は一瞬の内に縁側に戻り、龍神王様と共に此方を見つめていた。

 

「……正真正銘の神はどちらか、決める時が来たようだな?」

アマテラス「そういうのはもう良いでしょ?」

 

アマテラスはそう言いながらも、今一度薙刀を構える。

俺は、俺より幾分か背丈の低いその女神……天照大御神に勝負を挑むのだ。

……正直、無駄な勝負を挑んでいるということは分かっている。

 

「全ては姉上との戦いを望む!お前もそうだろう?」

アマテラス「あら、よく分かってるじゃない。どっちが勝っても恨みっこ無しよ?」

 

俺は、分かっている、と返事をした。

お互いに、適当な距離を取る。

……さぁ、これこそ本当の姉弟喧嘩(たたかい)だ!!!

 

姉上の投げたコインが、地面に落ちる音がした。




結婚して欲しい人
主従関係でいて欲しい人
割と僅差ですねぇ……
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