私の転生物語 ~龍神として生きる~   作:夜刀神 闇

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第35話 神聖なバトルフィールド

「ふんっ!!!」

 

俺の振り下ろした天叢雲剣が、アマテラスの薙刀とぶつかり合う。

何度も何度も……

金属同士が触れ合う音が、周囲に響き渡っている。

 

アマテラス「ふふ、良い顔ね」

 

お互いに、神力は使っていない。

何故なら、これ以上使うと神力切れを起こし、消滅の危険があるから……

 

アマテラス「足元がお留守よ?」

「っ!危ない……」

 

アマテラスが足払いをかけてきたので、危機一髪の所で避ける。

俺はすかさず、空中から落下する勢いで天叢雲剣を振り下ろす。

 

アマテラス「貴方もやっぱり成長しているわね……!力ではもう直ぐ追い越すんじゃないかしら?」

「ありがたいことを言ってくれるなっ!!!」

 

地上に降り立つと、もう1度お互いの武器をぶつけ合う。

アマテラスは、余裕振った態度を見せているが、表情は徐々に隠せなくなってきている様だ。

薙刀の1振り1振りに威力が無くなってきているというか……

まぁ、俺も言えた立場ではないのだが。

 

アマテラス「顔は狙わないのね?」

「気が引けるんでな……」

 

流石に、女性の顔に傷は付けられまい。

俺だって、紳士であることを心がけているからな。

 

「会話に夢中になりすぎて、お体の方ががら空きだぞ!」

アマテラス「ぐっ……ぁ……」

 

アマテラスの腹に、横蹴りを入れる。

手から放り出された薙刀が、宙を舞い、地面に落ちる音がする。

まだまだ満身創痍とは言えないな……少しだけ、俺たちの姉弟喧嘩に付き合ってくれよ?

 

アマテラス「ふ、ふふ?やるじゃない、スサノオ……」

「いつまで続けるつもりだ?」

アマテラス「……貴方が負けを認めるまでよっ!!!」

 

来る……!!!

 

「あがっ……」

 

俺の右頬に激痛が走る。

思考を巡らせるものでもないな、アマテラスが俺の顔を殴ったのだ。

俺は、そのままアマテラスに押し倒される。

神社の中には、アマテラスが俺を殴る音のみが響く。

 

「もう、良いだろう?」

アマテラス「何がよ!!?」

 

俺は、今まさに俺を殴ろうとしているアマテラスの右手を掴む。

アマテラスは、俺に攻撃を止められたのが癪に障ったのか、若干イラついた様子で俺に尋ねる。

 

「こういうことだ」

アマテラス「……〜〜〜!!!!???」

 

俺は、起き上がるそのままの勢いでアマテラスに頭突きを食らわせる。

予想していない頭突きは……というより、予想してなくても予想していても激痛が生じる頭突きは、さぞかし応えただろう。

 

「お前は、血縁者には相変わらず甘いな。大和の最高神としての誇りはどうした?太陽神としての誇りは?……今のお前には、そんなもの微塵も残されていない気がするが?」

アマテラス「うっ……うるさいわよ!!!」

 

目に涙を溜めながら、俺を睨みつけるアマテラス。

その姿は、いつもの厳格な太陽神ではなかった。

俺やツクヨミ、姉上と接する時のような……

 

「どうする?降参するか?」

アマテラス「……そんなことするわけないでしょ?最後まで戦い抜くわよ」

 

アマテラスは、服の埃を払い、スッと立ち上がった。

その顔は、もう、いつも俺たちに向ける"家族"としての優しい顔ではなく。

大和を統べる神……"天照大御神"としての獰猛な笑顔だった。

 

「そろそろ決着をつけようか?」

アマテラス「えぇ、そうね」

 

この、誰にも邪魔させない……神聖な勝負に決着をつける。

お互いの体力も、お互いによって削られている。

決めるなら、今しか無い。

 

「……」

 

少し前傾姿勢を取る。

俺の頭の中では、この勝負で何度繰り返したか分からない計算をする。

俺とアマテラスとの距離……踏み込むべき位置……

 

「おおぉぉぉ!!!」

アマテラス「……っ!!!」

 

気づけば、俺はアマテラスの背後にいた。

……精神攻撃を実戦で試すのは初めてだ。

アマテラスの"精神"を斬った。

振り返ると、アマテラスが仰向けに倒れていた。

 

「良い勝負だったぞ」

 

聞こえるはずのない声をかける。

目を瞑り、悔いの無い表情で眠る姉は……とても美しかった。

 

 

 

 

 

 

 

❁❀✿✾

 

 

 

 

 

 

 

闇side

 

アマテラスとスサノオの勝負に決着がついた。

勝者は……スサノオ。

正直、意外だったわね。神力でも身体能力でもアマテラスが勝っているはずなのに。

……何が、スサノオを勝利へと導いたのかしら?

 

「ふふ、良い寝顔。今はしっかりお休みなさい」

スサノオ「姉上!私との勝負は……」

「貴方、まさかもう戦うつもり?」

 

アマテラスを寝かせて皆の所に戻ると、スサノオが声をかけてきた。

私と戦いたくて仕方がないみたいね、ふふ……

 

「仕方がないわね……皆が待ちくたびれて帰らぬ内に始めましょう」

 

少し待って、とスサノオに言う。

ほら、アマテラスと戦った後で、そのまま私との勝負を始めるだなんて……流石に不味いでしょう?

私は、スサノオの額に手を触れ、私の神力を流し込む。

 

「これで大丈夫ね」

スサノオ「姉上の神力……有難く頂戴致します」

「こちらこそ。ほら、早く私との勝負を始めましょう!」

 

私はスサノオの手を引く。

縁側で、沢山の妖怪や神が見ている。

これから始まる最も神聖な戦いを、心待ちにしている。

 

スサノオ「姉上、お顔が……!」

「……ふふ、気づかない内に私も待ち切れなくなっていた様ね」

 

私は、自分の頬を触って漸く気づいた。

首は服で隠れているので分からないが、目の横と、顔の下辺りから中腹辺りまでに鱗が浮き上がっていた。

 

「スサノオ、今回は手加減出来ないかもね。覚悟するのよ?」

スサノオ「……御忠告、感謝致します」

 

私は、日傘をスサノオに向けて、宣戦布告とも言える言葉を放つ。

先程まで神々が戦っていたステージに、私たちは立っている。

僅かに、神力の残り香が漂っていることに気づく。

 

「さぁ、始めましょう……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この世で最も神聖な戦い(あそび)を!!!」

 

 

【挿絵表示】

 




闇ちゃんは、興奮すると鱗が体に浮き上がってきます。
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