私の転生物語 ~龍神として生きる~   作:夜刀神 闇

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神様としてのつとめ
第37話 久し振り、神界……


諏訪子side

 

「!」

 

とある日、守矢神社に1通の矢文が届いた。

差出人は……闇だった。

内容は、闇が近々神界に戻ると。

手紙に書いてある内容曰く、もう随分と神界を留守にしているらしい……

 

「神奈子!闇が神界に戻るんだって……」

神奈子「何!?」

 

闇と聞いて、目を見開く神奈子。

もう何年会ってないかな……なんて、考える余裕も無かった。

 

「神界なんて、元々が地上の神である私たちはあまり関係ないと思っていたけど……」

神奈子「天照大御神様、月読命様、素盞嗚命様、天宇受売命様等……地上の神で頂点に立つと言われる方々にとっては、重要らしいけどね。私たちの戦いに関わる1柱が、神界に戻られるとは……いやぁ、生きていたら何が起こるか分からないね」

 

神奈子は、しみじみと言った感じで語った。

私にとっては、洩矢の国の壊滅を救ってくれた救世主でもあるから、凄く寂しい気分になってしまった。

 

神奈子「でもほら、ここに書いてあるじゃないか。また直ぐ戻るって」

「本当だ……良かった。もう戻ってこないのかと」

 

まぁ、宇宙の創造主であるのに、戻ってこないのはありえないか……と安心する。

 

神奈子「あの時、大和に直談判しに来たのがあの方じゃなかったらどうなってたんだろう……」

「あんた的にはどう思ってたのさ?天照大御神様の部下だったんでしょ?」

 

私が質問すると、少し考えた様な表情をする神奈子。

まぁ、私は大和に属する神ではないから関係無いけどさ!

気になるのは気になるからね。

 

神奈子「んー……良い思いはしなかったよ。でも、部下が物申す訳にもいかなくて、ね」

「まぁそうだよねぇ」

 

私は、届いた矢文を箪笥に仕舞った。

神界ね〜、1度は行ってみたいなと思っている。

神界(あそこ)は上級神しか行けないような所だしな〜。

 

神奈子「そんなことより諏訪子……西瓜はどうだい?人間の所で買ってきたんだけど」

「え!食べる食べる〜!」

 

私は、神奈子に釣られるがまま西瓜を楽しみにするのだった……

 

 

 

 

 

 

 

❁❀✿✾

 

 

 

 

 

 

 

闇side

 

バトルロワイヤル兼宴会が開催されたその翌朝、私は、神界へ戻る為の準備をしていた。

やっぱり、来ていくのはいつもの導師服!

首元のボタンを留め、腰の上のリボンを締める。

両サイドの髪を月と太陽の髪飾りで結んでOK。

 

「忘れ物は無いわね……まぁ、何も要らないけど」

 

自分の体を鏡で確認し、独り言を呟く。

もう直ぐ主様が迎えに来て下さる。

今日、私が神界に戻ることは、神界にはもう伝達して頂いたようだった。

 

チロル「闇ちゃん……おはよぉ……ふわぁ」

 

支度を終わらせていると、チロルが起きてきた。

昨日の宴会では、チロルはもう寝ていた。

あの時はもう遅い時間だったから……

 

「おはよう、チロル」

 

私は、擦り寄ってきたチロルの頭を撫でる。

いつ見ても可愛いんだから……

 

チロル「あれ、闇ちゃん……もう着替えてるの?」

「えぇ、今日は行かないといけない所があるのよ。いつ戻るか分からないけど、必ず帰ってくるわ」

チロル「そうなの?……寂しくなるね」

 

チロルが悲しそうな顔をした。

普通だったら、泣きそうな所なんだけどね。

本当にお利口な妖怪だこと。

 

アリシア「おはようございます、御先祖様」

「おはようアリシア……じゃあ、昨日言った通りよ」

アリシア「畏まりました。神社はお任せ下さい」

 

アリシアは、私に深くお辞儀をした。

……と、そうこうしている内にいらっしゃったわね。

 

神琉「待たせたな」

「いえ……とんでもございません。参りましょう」

 

目の前に黒い裂け目が現れ、中から主様が顔を出した。

軽く会釈をして、私も中へ入る。

私は、2人に手を振り、主様に続いた。

 

神琉「昨日は良い余興(もの)を見せてくれてありがとうな。これからも楽しみにしてるぞ?」

「いえ、礼には及びませんわ」

 

2柱の神が真っ黒な空間を飛び続ける。

その内、神界へ続く扉が見えてくる。

 

神琉「……心の準備は大丈夫か?」

「もう既に出来ておりますわ」

 

主様は私の返事に頷くと、光の漏れ出す裂け目へと飛び込んでいった。

久々に見る神界……まぁ昨日振りだけれど……は、霧が立ち込めててとても美しい。

様々な様式の家が立ち並び、様々な種類の神が行き交っている。

神に飼われている神獣も例に漏れず、それぞれが自分の仕事を全うしている。

 

神琉「さぁ、俺たちの神殿に行こうか」

 

家が立ち並ぶその先には、とても大きな建物が見えている。

あれが、神殿。主様が普段お住まいの"家"。

私も、何回かは訪れたことがある。

 

「……私が、いないせいで何かご不便でもありましたか?」

神琉「俺を誰だと思ってる?」

 

主様が目を細くしてお笑いになる。

流石、神界を纏める実力をお持ちの方。

神界1位の実力は、私が1番よく知っている。

 

「失礼を致しました。お許し下さい……では、共に参りましょう」

神琉「あぁ、行こう」

 

……神の中心が集まる所へと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~神殿~

 

?「龍神様……」

「あら、どうしたの?」

?「どうしてこんなにも神界を留守にされていたのでしょう?」

 

この子はアヌビス。

一応、地球生まれの神であり、神界への出入りを許されている。

真っ黒なジャッカルの頭と人の体を持つ。

 

「い、いや……地球での生活が楽しくて、つい……」

アヌビス「龍神ともあろうお方が何をなさっているんです!?神界の上級神方が不満を募らせ、爆発寸前だというのに……」

「あら、貴方も上級神に分類されるじゃない?」

アヌビス「いいえ、私はまだ冥土の管理職の下位に属する冥界神ですので、上級神にはまだ遠く及びません」

?「楽しそうね、宇宙界神たち?」

 

なーんか聞いたことがあるような声ね……と思っていると、そこには……

 

?「……随分と遅かったのね」

「貴女も変わらないわね」

?「フン、どの口が言っているのかしら」

 

私を睨みつけながら、高圧的に話す彼女の名前は"エマ"。

全世界の情報を管理し、操作する、私にも匹敵する程の実力の持ち主。

 

エマ「さぞ"地球"という所が楽しかったのだろうけど、神界を疎かにするんじゃないわよ?」

「ごめんなさいね」

 

仕方が無いな、といった感じで話すエマ。

私が神界にいた頃、よく話していた上級神。

怒っている様な表情の中にも、穏やかな感情が混じっていることから、本気で怒っている訳ではないと分かる。

 

エマ「ほら、貴女が帰ってきて最初の会議が始まるのだから、早く行きましょう」

 

エマが、私を一緒に行こうと誘う。

ちなみに、主様はもうご自分の部屋に戻られていて、会議室で合流する予定。

 

アヌビス「行ってらっしゃいませ……龍神様、情報神様」

「ふふ、またね」

 

私たちは、その場から立ち去り、2柱で会議室へと向かう。

 

エマ「久し振りの会議で緊張しているんじゃない?」

「そんなことはないわよ?同族に囲まれて過ごすだなんて、日常茶飯事過ぎて慣れっこよ」

エマ「龍神王様の直属の従者だなんて、本当に羨ましいわ……貴女の何が気に入ったのかしらね?」

 

私のことを羨ましそうな目で見てくるエマ。

そんなこと言われても、私にも分からないとしか言い様が無いもの。

それに、私が元人間であることは口外してはならないと言いつけられてあるしね。

 

「いくら貴女でも言えないことはあるわ。ほら、さっさと行きましょう」

エマ「あっ、待ちなさい!も〜……」

 

エマが頬を膨らませているのを笑いながら見ていると、いつの間にか会議室の前まで来ていた。

この扉の向こうから、質の違う神力が発せられるのを感じる。

もう数名来ているようだった。

……さぁ、覚悟を決めろ、私。

数億年振りに会う上級神たちだ。

私は、重い重い扉を開け放った……

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