私の転生物語 ~龍神として生きる~   作:夜刀神 闇

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久しぶりに原作キャラの登場です


第42話 吸い取られる命、我と共に消え去るか

「なるほど。先代海神が亡くなったから、海神の仕事を貴女が継承し、それを私に報告しに来たということね?」

導「えぇ、そういうことです」

 

海神は、代々受け継がれてきた高貴な神。

親から子へ世襲される時もあれば()()()()()()()()()()が海神の「権利」と「義務」を継承する時もあったらしい。

この継承の仕方はだいぶ独特だと思う。

 

導「それと……」

「どうしたの?」

導「最近、海の様子がおかしいのです。それを、闇様に見て頂きたくここへ来た次第です」

 

何となく気づいてたけど。

海の命が、存在感が無くなっていく感覚がある。

まぁ、海なんて広大すぎて無くなる命なんて雀の涙程だけど数が多いのは事実。

 

「確かに、この問題は貴女だけじゃ解決するのは難しいかもね……」

導「……はい」

 

導が、私の言葉にしゅんとした顔をする。

やばい、言い過ぎたかしら……?と思ったけど、事実なんだからしょうがない。

というより、まだ継承して間も無いだろうから慣れないのもまたしょうがないこと。

 

「待ってて、今調べるから……」

導「……直接見なくてもお分かりになるのですね」

 

海の命がどこへ流れていくのかまず見てみる。

まぁ、どこへ流れるのかなんて分かりきったことなんだけど。

 

「……ん?」

 

あれ?

 

導「ど、どうされましたか?」

「……思ったより事態は深刻かもしれないわね」

導「そんなに……」

 

自分が限りなく不死に近い存在だから忘れていたのかしら。

海だけじゃなく陸までもが死に()()()()()()感覚がする。

 

「この問題は早く解決しないと、不味いわ。貴女はまず、貴女に出来ることをするの。命に関しては私が解決してくるから、貴女は家に帰って待ってて貰える?」

導「えっ、あ、はい!分かりました」

 

失礼しました、と言って境内を飛び立ち、あっという間に見えなくなってしまった。

まぁ、自慢じゃないけど、私の力だけでほとんどの問題は解決しちゃうんだけどね。

 

「さて、と……そろそろ動き出しましょうかね?」

神琉「……闇が普段どんな風に仕事をするのか見せてもらうぞ?」

「ふふっ……構いませんよ。どうぞご覧下さい」

 

いつの間にか後ろにいた主様に驚くこともせず、微笑んでみせた。

余裕の表情だ。こんな問題、早く解決してやるわ。

 

「では、早速行って参ります」

神琉「健闘を祈るぞ」

 

軽くお辞儀をして、フワッと宙へ浮く。

久し振りね、この感覚。何かが来そうな感覚。

実はもう、この問題の元凶は何となく分かっている。

ある程度の高さまで浮き、神社から離れた後……スキマを開いて、とある場所まで繋いだ。

あらゆる命を()()()()元凶の所まで。

 

「あら、まぁ……とっても綺麗ね」

 

スキマから顔を覗かせてみると、やっぱり"それ"はあった。

見事なまでに咲き誇る桜が。まぁ、ただの桜じゃないことには違いないけど。

……いつか地球の全てを飲み込む前に、何とかしなきゃね。

 

「さて、どこから始めるか……」

 

やっぱり、この桜の持ち主に許可を取るべきかしら?

 

「東方の原作をそのまま当てはめるとしたら……この桜の名前は……」

?「西行桜よ。綺麗でしょう?」

「あら……」

 

急に発せられた声の方を向くと、そこには驚き……いや、もう、何となく分かってた人物がいた。

桃色の髪に、水色の着物を着た可愛い女の子が。

()()人間なのね。一応、名前を……まぁ、聞かなくても分かるけど、一応、よ。

 

「貴女は?」

幽々子「私は西行寺 幽々子(さいぎょうじ ゆゆこ)よ。ここ西行寺家のお屋敷の主を務めているの」

「へぇ、立派ね」

 

まだあの帽子はかぶってないみたいだけど、雰囲気ですぐ分かった。

というより、死に誘われてる時点で、気が付いてたんだけどね。

この桜を見てもう確定よ。

 

幽々子「貴女は……泥棒さんなの?」

「違うわよ。私は夜刀神 闇。一応、こう見えて神様なの」

幽々子「あら、ごめんなさい。神様だと分からなかったわ……」

「……そんなに畏まる必要は無いわ。気軽に接して欲しいもの」

幽々子「そう、分かったわ」

 

東方の原作をやったことはないけど、この子が後に幻想郷最強クラスのキャラクターになるなんて思いもしないわね。

今のままでも充分危険な能力を持ってるんだけど。

西行()だけじゃなく、()()()()()も。

"死に誘う能力"なんて、普通の人間が持って良い物じゃないわよ……

 

?「幽々子様、ここにおられましたか……っ、何奴!?」

 

屋敷の方を見ると、刀の柄を掴んで今にも斬りかかってきそうなお爺さんがいた。

お爺さんと言っても、背が高くて背筋もしっかりしてて、現代の日本でいうところのお爺さんとは全然印象が違うんだけどね。

で、幽々子がいるということはこの人の名前は……

 

幽々子「妖忌(ようき)!この人はお客様よ。手出ししてはいけないわ……私が対応するから大丈夫よ」

妖忌「そうでしたか……それは失礼致しました」

 

やっぱり妖忌だったか。

魂魄 妖忌(こんぱく ようき)。白玉楼の庭師。

てことは、妖夢にも後々会えるのかしら?

 

幽々子「ねぇ、貴女。せっかくだからお茶していかない?」

「ん?じゃあ、お言葉に甘えて……」

 

出来れば早くこの問題を解決したいが、幽々子の厚意を無下にしたくもない。

だから、ちょっとだけゆっくりしていくことにした。

その段階で、幽々子にも西行桜……西行妖のことも聞いてみる。

西行妖が地球上の生物を取り込んでしまうと大変なことになるし……私の力じゃ解決が難しくなる前に。

 

 

 

 

 

 

 

❁❀✿✾

 

 

 

 

 

 

 

幽々子「この桜、綺麗でしょう?私が生まれるずっと前から生えているのよ」

「えぇ、とても美しいわ……死さえも美しく思えてくる程にね」

幽々子「……あら、気づいていたの」

「当たり前よ。元々ここに来た理由はそれよ」

幽々子「流石神様ね」

 

私は不老不死に限りなく近いから並大抵のことでは死なない(死ねない)が、確かにこの桜の下で死ねるのなら本望、と感じる人間たちの気持ちも分からないでもない。

 

幽々子「……何でこんなことしてくれるの?」

「私は全ての種族の味方よ。だから、被害はなるべく最小限に抑えないといけない……これでも、私はこの世界が好きだから」

幽々子「ありがとう!」

 

私が育った世界とはちょっとだけ違うかもしれないけど、それでも好きな星だ。

作ったのは私だしね。世界を放棄する神もたまーにいるけど、私は創った世界には責任を持つつもりだ。

 

「じゃあ、そろそろ解決に向かうために行動を起こすわ。幽々子は危ないから屋敷の奥で待っていて欲しいの」

幽々子「えぇ。すぐ終わるかしら?」

「分からない。死の力が強いと時間がかかるわ」

 

その通り。いくら私の力が強いとはいえ、下手なことは出来ないし。

……もしかすると、自分が作ったものにさえ、自分が()()()()可能性が出てくるかもしれない。

不老不死に限りなく近いとはいえ、自分の全ての力を吸い取られたら終わりだからね。

 

「じゃあ、行ってくるから」

幽々子「……気をつけてね」

 

幽々子は屋敷の奥へ行ってしまった。

もし私が来なければ、幽々子は西行法師と同様に桜の下で自害してしまってたんだろう。

原作キャラはどうしても死なせたくないからね……

私は、一瞬で西行妖の前まで移動する。

 

「さぁーて……どうしたものかしら」

?「……どうしてお1人で行ってしまわれるのですか」

「……どうやって私の居場所が分かったのかは知らないけど、戻りなさい。危険すぎるわ」

 

後ろを振り向くと、アリシアがいた。

近づいてくる気配も無かったし、恐らくスキマを使って私のそばまで来たのだろう。

いつもだったら私の仕事の手伝いっていうか……まぁ経験させてるんだけど、今回ばかりは許可出来ない。

死ににくいとはいえ、この子は私みたいに不老不死に近い存在でもない。

 

アリシア「龍神王様に教えて頂きました。御先祖様が危険な仕事に出かけたと」

「あぁ、やっぱり……でも駄目よ」

アリシア「何故です!?私では戦力にすらならないと仰りたいのですか!?」

「違うわ!貴女は私の優秀な従者よ。だからこそ手伝わせる訳にはいかないの!死なせてしまうかも……」

 

仲間を失うのは怖い。

ましてや、私を信じて着いてきてくれるこの子は絶対死なせたくない。

こんな妖怪桜の相手は私で充分なの。

 

アリシア「そんなこと、承知の上です。神社を出る前、龍神王様に何度も確認されました。死ぬかもしれないぞ……と」

「貴女はこんなことで死んでも良いと?」

アリシア「はい。御先祖様の傍らで死ねるというなら、間違いなくそれは本望でございます」

「……ふふ。貴女の覚悟は本物なのね。良いわ、でも死んでは駄目よ」

アリシア「えぇ、畏まりました」

 

まさかの返答に驚きながらも、思わず笑みが零れる。

こんなこと言われちゃ、断るものも断れないじゃない。

全く……しょうがないわね。

 

「一応……」

 

私は、アリシアの額に自分の額で触れ、神力を送った。

西行妖の死の力に引き込まれないように、命を吸い取られないように。

気休めにしかならないかもだけど、この子は全力で守らないと。

 

アリシア「ありがとうございます。至極光栄でございます」

「うん、じゃあもう……手遅れになる前に始めましょう」

アリシア「はい」

 

西行妖の方に向き直る。

この桜は今でも死を吸い取り続けている。

このままだと私でさえ……いえ、余計なことは考えないが吉ね。

 

「私が先ず対応してみるから、少し下がってて」

アリシア「はい……お気をつけ下さい」

「勿論よ」

 

西行妖の幹に触れてみる。

うん、触れた感じは普通の木って感じだけど……

何かしら……この感覚。体の中が……

 

バチンッ!!!!!

 

「っ!?」

アリシア「御先祖様ッ!!!」

 

突然音がしたかと思うと、私はアリシアの元まで飛ばされた。

アリシアに抱えられ、ふと見てみると触れていた右手の手首から先が無くなっていた。

服に血が飛び散って真っ赤に染まっている。

激痛……ね。だけど、私でよかった。すぐ再生出来るから。

 

アリシア「御先祖様!今すぐ手当てを……」

「大丈夫。私の神力と、西行妖(この桜)の妖力とが相反するものだから……恐らくお互いが拒否反応を起こしたのね」

アリシア「し、しかしその右手は……いえ、何でもありません」

 

既に再生し切った右手をひらひらとさせると、一瞬目を見開いたアリシアだったが、すぐに安心したような顔になった。

しかし……今のでもう西行妖にとって私からの宣戦布告と見られてもおかしくはないわね。

……あぁ、ほら。やっぱり。

 

「アリシア!離れてなさいっ!!!」

アリシア「……っ、畏まりました!」

 

アリシアを少し離れた場所に行かせると、私は斜め上から襲ってきた西行妖の枝を迎え撃つ。

枝にしちゃあ……少しじゃない、滅茶苦茶攻撃力が高すぎないかしら?

 

「なんて多いのかしら……!」

 

私が1本の枝を切り落としたことに激怒したのか、西行妖は物凄い量の枝を展開させてくる。

大地が揺れる ̄ ̄。

流石ただの桜じゃない、妖怪桜ね。

だからといって、簡単に殺してしまっては何らかの良くない影響が出てしまうかも……

 

「全く、面倒かけるんだから……!!!」

 

弾幕を展開し、今も尚増え続ける西行妖からの枝による攻撃を攻略していく。

でも、たまに弾幕をすり抜けてくる賢い枝もいるわけで。

そういったものは、日傘で防いだりしている。

突き抜けてこないのか、って思うかもしれないけど、転生してからずっと使ってきたやつだから神力が濃厚に含まれているの。

 

「凄い衝撃ね……腕が折れそうだわ」

 

でも、ずっとこんなことをしているわけにはいかない。

持久戦に持ち込ませてしまうと、死の力がますます強くなるだけだ。

私は、弾幕&日傘で枝攻撃を防ぎながら、西行妖に近づいていく。

 

「殺すのも駄目、神力で飲み込もうにも拒否反応を起こす……しかし放っておく訳にもいかない……それならこの方法しかないわね」

 

私は、凄く大胆な方法を思いついてしまった。

一か八か……やってみる価値はある。

無理矢理神力で飲み込もうとすると、文字通り私の体が何個あっても足りないわ。

 

「仕方ない」

 

何倍にも濃縮された神力の結界を繰り出す。

とりあえず、これで作戦に全力を注ぎ込める……!

私は、西行妖の幹に両手で触れる。

今も尚枝攻撃は止まないが、臨時の結界で防ぐことが出来ている。

 

「うっ……!ぐ……」

 

体に注ぎ込まれてきた膨大なまでの量の死の力に思わず顔を顰める。

「死のエネルギー」を限界まで吸収してみる。

一先ず、西行妖の意識は完全に私の方向に向いている。

アリシアや他のものには興味すら示していないっぽい。

……好都合だわ。

 

「さぁっ……西行妖!全ての力を私に寄越しなさい!!!」

 

私は、流れてくる死の力に苦痛を覚えながらも、吸収することを止めない。

吸収した後のことなんて考えてないけど、まぁ大丈夫でしょう。

これでも不老不死に限りなく近い存在よ?

…………あ。

 

「花が枯れていく……もう少しね」

 

枝の先から、どんどん萎んで枯れて落ちていく。

満開ではなくなった。これで、もう少しで、世界に影響を与えないくらい力を弱めさせることが出来る。

 

「ぅぐっ……あああぁぁ!!!」

 

流れてくる死の力が急激に増えた。

周りなんてほとんど見えてない。白飛びしている。

体の中に取り込んだ死の力が増える程、激しい苦痛に襲われる。

私の生命エネルギーが、西行妖の死のエネルギーを吸収していく。

 

「はぁ、はぁ……もう少しよ……っ!」

 

もう大部分の西行妖は取り込んでしまったので、後はもう抵抗出来ない位に弱らせてから……封印の術を使う。

これで、地球の命が西行妖に吸い取られることはなくなるはずだ。

 

「これで……お終いね」

 

神力の鎖で、西行妖を厳重に縛り上げる。

これで、しばらくの間は鎖を外さない限り、西行妖が解放されることはなくなった。

完全に妖力が無くなってから鎖を外せば問題ないと思う。

 

「ふぅ……ひと仕事終えたわ」

アリシア「御先祖様!」

 

アリシアが、私の元へ寄ってくる。

どうしたのかしら?あんなに焦ったような顔をして……

そんなに焦らなくても大丈夫よ……

 

アリシア「御先祖様!お顔が……!!!」

「へっ?顔……?」

 

手鏡を取り出し、自分の顔を見てみると、そこにはとんでもないものが写っていた。

6割方は黒く染まり、金色だった両目は完全に黒く染っていた。

 

「なっ……!何故……!?」

アリシア「一先ず、神社に戻りましょう!そして、早く神力を回復させなければお命が危うく……」

「そう、ね……」

 

私は、震える体に鞭を打って何とか立つ。

西行妖と戦う前は、こんなに大変だと思っていなかった。

正直、見くびっていた。私の最強同然たる力があれば大丈夫だって……

あぁ、なんかもう……今は……ただ寝たい……。

 

アリシア「御先祖様……!?」

 

アリシアの驚いたような顔が見える。

あぁこれ、面倒かけるやつね……ごめんなさい、アリシア。

私は少し眠るから……ちょっとだけ待ってて……




闇ちゃんは死にません。よっぽどのことがない限りは。

あと人によっては急展開すぎるかもしれませんがお許し下さい。語彙力が少ないもので…
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