闇ちゃんが眠ってる間のお話です!
紫のキャラが原作と大きく違う所がありますがお許し下さい!
私の小説にはそういう所が多々あります。
それではどうぞ!
私の犯した重罪
紫side
私は、今から……大変なことをしようとしている。
それは、月に攻め込むこと。
月に住む者を全滅させ、私たちの天下にしてしまうの。
名案でしょう?
そうすれば……いつか目を覚ました師匠も褒めて下さるだろう。
実力を認めて貰えるだろう。
「この戦争……負けられない!」
月には、地球の生物なんかじゃとても手の届かないような実力の持ち主がいるらしい。
つまりは、彼等を倒せば私が頂点だ。
結花「紫……本当にやるのかい?」
「あら、結花殿?戦闘狂の貴女にしては随分消極的ですこと。幾ら師匠の御友人とはいえ……私の計画を止めることは出来ませんわ?」
結花「……そうかい」
今、私の目の前にいるのが、師匠の御友人の
"幽香"並に戦闘狂だとか聞いてはいたけど、バトルロワイヤルにて初戦敗退するレベル。
……着いてこられても足手まといになるだけだったかもしれない。
結花「アタシは、アンタを止めるつもりは一切無い。だけど、アタシから1つ言えることは……アンタじゃ月の奴らには"絶対に"敵わない」
「っ!やってみなきゃ分からないでしょう?」
結花「決めるのは自由だけど、アタシは忠告したからな」
「……ふん」
私は、半ば不機嫌になりながらスキマを開き、神社へと帰った。
何なのよ!あの鬼は……戦いが好きならもっと私の話に乗りなさいよ!
……なんてことを実際に師匠に聞かれていたら不味かっただろうな。
神琉「……月に攻め込むらしいな?」
「はい。止めても聞きませんからね」
うわぁ、と声が出そうになったけど、我慢してぐっと飲み込んだ。
私を射抜く龍神王様の鋭い眼光が怖い。
龍神王様は、少し口角を上げてこう言った。
神琉「随分と面白い真似をするんだな」
「……そうですか」
神琉「精々傷1つでも付けられるよう祈っておいてやろう」
「結構です」
……鬱陶しい。
何でこうも、皆して私の計画を否定するのかしら。
全ては、月の領土を獲得する為に捧げる。
神琉「闇が聞いたらどう思うだろう?」
「褒めて下さるに決まっています。貴方には……関係ないでしょう?」
神琉「はは、悪かった。この件には手出しはしないと約束しよう」
龍神王様は、両手をひらひらとさせて気持ちのこもってなさそうな謝罪をする。
ただ、月に攻め込む計画には手出しはしてこないと思う。
そもそも、師匠の主なんだから、月を狙わなくたって出来ることなんて沢山あるだろう。
神琉「それで?どうやって攻め込むつもりだ?」
「……私の能力で、集めた雑魚妖怪たちを月へ移動します。雑魚は雑魚の相手をさせます」
神琉「ほう……随分と余裕な態度だな?精々闇に怒られない程度にしておけよ」
「その辺は大丈夫です」
今の私の実力なら、月のトップにも勝てる可能性は無きにしも非ず。
全力で戦えば必ず勝てるわ。
神琉「月にはいつ行くつもりだ?」
「少し先延ばしにするつもりでしたが、もう今からでも行こうと思っています」
神琉「……じゃあ、達者でな」
私が瞬きをして、目を開く頃にはもう龍神王様はいなかった。
本当に何だったのと言いたかったが言う相手はこの場にはいない。
……さぁ、邪魔者もいなくなったことだし、そろそろかしら?
私は、スキマを開いて出陣予定の雑魚妖怪たちを出現させる。
荒々しいやり方だな、と言われても仕方ない。
「ふぅ…………お前たちの役目は下っ端を倒すことだ!行くぞ!!!」
今までとない位の妖力を注ぎ込み、特大サイズのスキマを出現させる。
流石に、"月"までのショートカットをするのは力がいるわね。
雑魚妖怪たちは、我先にとスキマの中へ入っていく。
さて、私もそろそろ行きますかね。
「……八雲紫、目指すは月完全侵略!いざゆかん!」
私の宣言と共に、月への侵略が始まったのだった。
❁❀✿✾
「何で……」
私たち側が圧されてる!!!
ありえない、ありえない!
雑魚妖怪が全滅している。それはまだ良い。想定内だもの。
私が言いたいのはそんなことじゃない。
何で……
「私の攻撃が全く効かない!!!」
詰めが甘かったか?
結界のようなものを使っているが、こちらの結界じゃ比べ物にならない位高性能だ。
誰がこの状況を見ても、こちらが圧倒的不利だということに気づくだろう。
?「穢れ如きが……」
さっきから私の視界に入ってくる金髪の少女?が私に向かって呟く。
私は妖怪だけど穢れてなんかない!
?「我らが月に攻め込むとは良い度胸をしているわね、穢れよ……」
「ふん、貴女が月のトップ?」
?「それは違う。ここ月のトップは"月読命"様。もう随分月へ来られていないけど……」
そうだった。忘れてた。
月読命が月のトップだったことに!
……でも、まぁ良い。トップが長らく不在ってことは、この少女を倒せば良い!
「今の内に名乗っておくわ!私は八雲 紫。月の新たな頂点に立とうとしている者よ!」
?「ハッ!図々しいにも程があるわね!まぁ良いでしょう、私は
お姉ちゃんだったのか。
でも、そんなの関係無い。
「お前を倒して私が月を制する!」
豊姫「穢れ……妖怪風情が」
豊姫が手に持っていた扇子をバッと開き、私へ向ける。
豊姫「この罪は重い」
私は、何かを仕掛けようとしている豊姫を封じようとするが、何故か能力が効かない。
発動……出来ない。
豊姫「……用意」
私の背後からガチャ、という複数の音が聞こえる。
怖くて振り向けない。というより、動けない。
「やめて」
豊姫「さっきまでの威勢はどうしたの?まぁ、関係ない……」
「やめて!」
今まで過ごしてきた風景が、走馬灯のように蘇ってくる。
1秒が1分もあるかのように感じてしまう。
人間だった頃の記憶を……何故妖怪に身を落とす決意をしたのかを……
あれ……?
"何でだっけ?"
まぁ、いっか……
ドォン!!!!!
……私の命が終わる音が聞こえた。
はずなのに。
何で。
「い、生きてる……」
?「当たり前だ……ここで何をしてるんだ、お前は」
誰かに抱えられている感覚がしたので、思わず上を向くとそこには見知った顔があった。
凛々しい顔。美人ともとれるし、かっこいいともとれる顔……って、今はそんなこと考えてる暇は!!!
「香織、貴女今は忙しいんじゃ」
香織「……誰のせいで私がここに来ることになったと思ってる。心配しただろう」
「あはは、ごめんなさい……」
香織……最近名前を変えたらしいけど。
そのせいで、少しやることが沢山あるって……
でも、私の為にここまで来てくれたの?
「……ありがとう」
香織「泣くのも説教も帰ってからだ。掴まっているんだぞ」
「うん」
チラッと豊姫の方を見ると、信じられないとでも言いたげな顔をしていた。
後ろにいた、銃で私を撃ったであろう兵士たちは白目を剥いて倒れていた。
……香織がやったのかしら?
香織「さて……この少女のせいで其方に色々と迷惑をかけたようだが、それについてはまた後日伺わせてもらう。だから、今の所はこんな所で許してやってくれ。では」
豊姫「あっ……」
文句を言いたそうな豊姫の顔が一瞬見えたかと思うと、私の視界は見慣れた風景で染まっていた。
香織の顔も。チロルもいた。
チロル「やっと帰ってきた!」
「ご、ごめんなさい……チロル」
チロルが、少し心配したような顔でこちらを見つめる。
さっきまで死にそうになってたとは思えない程の安心感があるわ……
香織「さぁ、話を聞こうか」
「うっ……」
香織が、私に向き直って厳しい顔をする。
あぁ、やめて……美人の顔でそんな怖い表情をしないで……泣
香織「……何で、あんなことをしたんだ?」
「師匠に認められたかったから」
香織「……は?」
「うっ……だ、だから、師匠に認められたかったの!月さえ支配すれば私の妖怪としての力も上がるでしょ!」
香織「そんな理由でか!?」
はぁぁ、と溜息をついてこめかみを押さえる香織。
何だか申し訳無い……
香織「御先祖様の妹様であるツクヨミ様の怒りを買うとは思わなかったのか!?」
「だ、だって……長らく月にいないって話を聞いて。だったら今の内にって思ったの……」
香織「お前って奴は……」
またこめかみを押さえて溜息をついてる。
もしかして私って、厄介でしかなかったり……?
香織「これが御先祖様の知れる所になればどうなるか分かったものじゃないな」
「……何で?」
香織「御先祖様から聞いてないのか?月の連中と御先祖様との関係を」
「何も」
あぁ……と深刻そうな顔をする香織。
師匠と月の奴らに何の関係があるっていうのよ?
香織「実はな、月の連中を纏めてるトップ的存在と、御先祖様は友人同士なんだよ」
「そっ……そんな話聞いてない!知らなかったんだから仕方が……」
香織「だから、仕方が無いじゃ済まされないかもしれないんだ!」
香織は、がしっと私の肩を掴む。
う、痛い……なんて言葉も出ない位に私は焦っていた。
あぁ、やっちまった……って。
少し力を付けたからって調子に乗ってしまっていたって。
後悔した。
香織「このことは御先祖様には言わない」
「本当に!?」
香織「あぁ。だが、何らかの要因で御先祖様の耳に入った場合は……私にはどうしてあげることも出来ない」
「うっ……」
ただ、私はほとんど攻撃出来ていなかった。
雑魚は倒したけど、トップには攻撃してなかったはず。
何だっけ、綿月豊姫?には傷1つすら付けられなかった気がする。
香織「まぁ、何だ……この件は一旦忘れた方が良い。失敗は次に活かさなければならないけどな」
「それは勿論……もう二度とこんな真似はしないわ」
香織「あぁ、それで良い」
強くて、かっこよくて優しい香織。
師匠の従者でもある香織。
妹がいるらしいけど、元々天界に住んでいた香織がいなくなったことで、唯一の肉親であるその妹がその代わりをやらされてるんだって。可哀想ね。
「お詫びに、今日の夕食は私が作るわ。何が良い?」
チロル「卵焼き!ゆかりんの作る卵焼きは美味しいからね!」
「ふふ、良いわよ。香織は?」
香織「私は何でも良い。強いて言うなら、いつも通りって所か」
「相変わらず欲が無いわね……まぁ、良いわ」
さっきまで死ぬ間際だったとは思えない程の和やかなムードで包まれていた。
私は、何て馬鹿なことをしてしまってたんだ……っていう罪悪感が浮かびながらも、夕食の準備に向かった。