第52話 時代を越えて
天照大御神side
「貴方たちも知っているとは思うけど、我らが頂点に輝く、夜刀神 闇様が亡くなられたわ」
想像通りの反応をする大和の神々。
この場にいる者全て、知らないはずがないもの。
「そこで、新たなる頂点を決めなくちゃならなくなったわ。誰か分かるかしら?」
天鈿女命「あら、アマテラス様じゃないのですか?」
「私では、あんな偉業を成し遂げるなんて不可能よ」
私がキッパリと言い切ると、神々は驚いたような反応を見せる。
まぁ、私がずっと大和のトップに立ってきたものね。
でも、私では本当に力不足なのよ……
"お姉様"との戦いで身の程を知らされたもの。
……本当、お姉様は凄いんだから。
「皆、
神奈子「夜刀神 闇様にお仕えされていた方ですね?」
「あぁ、神奈子はかの大戦の時にお会いしたのよね?」
神奈子「えぇ、そうです。しかし、その時と今ではお名前は変わっているらしいですが……」
そう、神奈子はあの大戦の時に1度出会っているのだ。
しかし、今の姿を見たらどんな反応をするかしら……
んー、まぁ、流石に今までの呼び方を続けたらマズイわよね。
「これからの地球上の神々の世界にて、我らが頂点に輝くのは……その神宮寺 香織"様"よ」
私の言葉を聞いた神々は、物凄く驚いたような反応を見せる。
しかし、本当だからしょうがない。私が決めたことでもないんだし。
……それもこれも全て、龍神王様がお決めになられたことだもの。
あの方にはどうしても逆らいようがない。
「……反対意見はありませんね。でしたら、この会議は解散と致します」
私は、解散し始めた沢山の神々を見送りながら、お姉様と過ごした日々、今まで起こった事象などを頭に思い浮かべる。
楽しかったなぁ、嬉しかったなぁ、寂しかったなぁ、悲しかったなぁ、苦しかったなぁ…………
お姉様があんな命令さえしていなければ、このまま死なせてなんて命令さえしていなければ、私が無理矢理にでも、お姉様が嫌がっても、私の命を捨てても、お姉様には生きて貰うつもりでいたのに。
「おねえさまの、ばかぁ……」
私は、スカートの裾を掴み、シワになるくらいまで握り締めた。
自然と、幾つかの染みができ、徐々に広がっていく。
目の奥から出てくる少ししょっぱいものは、どれだけ、拭っても、拭っても、拭っても、止まることを知らなかった。
ツクヨミ「アマテラスお姉様……」
ツクヨミが、私のことを心配するような口調で話しかけてきた。
これで、私たちは弟妹から姉妹になってしまった。
お姉様がいなくなって、そのショックからか、スサノオも出ていってしまった。
でも、悲しんでいる暇なんて無いってのが無慈悲な時間なのだ。
「さて、今代の龍神様を見に行くわよ」
ツクヨミ「い、今から!?」
「当たり前でしょう。私たちは少し前までお姉様を支持してきたのだから……その従者であった香織様のサポートをするのは当然でしょう?」
ツクヨミ「は、はい」
私は涙を拭いて立ち上がり、香織様の元へ向かう為、部屋を後にした。勿論、ツクヨミも着いてくる。
太陽神としての仕事は、地球に住む生物たちに、太陽の光を届けること。
そして、お父様から任命された、大和の最高神としての役目は、大和を治めることと龍神をサポートすること。
お姉様亡き今、いきなりその大任を任されてしまった香織様をサポートするのが私が今やるべきこと。
……先は、長いのよ。
❁❀✿✾
?side
「……」
物凄く変で長い長い夢を見た気がする。
中学生の頃の私がいて、そこに何かよく分からない人が現れて、それで私が神になるって夢。
変でしょ?中学生だった頃なんてもう何年も前のことなのに、今更夢に出てきて……
私、
「今日はあの子と出かける約束してたな……」
スマホを取り出し、私はとある"友達"にメッセージを送る。
「なるほど、遅れるのか……」
私は、友達・「時雨沢 千奈」にメッセージを送った。
「ゆっくりでいいからね〜」
いつも、私たちはあだ名でお互いのことを呼びあっている。
私のことは「みぃ」友達のことは「シグ」と。
中学生の頃から友人関係が途切れない、所謂親友だ。
「よし、後はメイクしてバッグも……後は……」
身支度を整えた私は、ネットサーフィンをしながら時間になるのを待った。
ちなみに、私は一人暮らしである。
駅から徒歩5分程で、割と好立地な上、近所には遊ぶ所だって沢山あるし、ご飯屋さんも何件かある。
「よし、行こうか!」
私は、この、炎天下の中日傘をさして家を出た。
オートロックのマンションなので、女性にも優しい。
少し歩いていると、駅に着き、日傘をしまった。
そうしていると、肩をトントンと叩かれたので振り返る。
シグ「やっほ」
「シグ、元気してた?今日も暑いねー。電車乗ろうか」
お互いのスマホをタッチし、改札内に入る。
色々とお喋りしながら階段を上っていると、もう電車が着く頃だった。
 ̄ ̄まもなく、2番線に○○行きの電車が12両編成で参ります
 ̄ ̄危ないですから、黄色い線の内側でお待ち下さい
放送が聞こえ、私は電車が来る方向をふっと見た。
相変わらず編成が多いのなぁ……なんて思いながら。
「(うわ、あの人めっちゃ綺麗……背高いし金髪が似合う美女だなぁ。白い日傘がより一層際立たせてる感じするわぁ……)」
私がそんな風にふっと見えた美女に見とれていると、シグが私に話しかけてきた。
シグ「どしたの?電車来るよ、危ないから……」
「いや、めっちゃくちゃ綺麗な女の人がいてさぁ。ほら、あそこ」
シグ「えっ?」
私が、電車が来る方向を見ると、さっきまでいたはずの女性がいなくなっていた。
シグ「なんだ、いないんじゃん?ほら、乗るよ」
「あっ……」
シグに手を引かれ、電車に乗り込む。
さっきまでいたはずなのになぁ……おかしい。
ま、トイレにでも行ったのかな?と考え直し、シグに着いていく。
しばらく電車に揺られていると、目的の駅まで着いていた。
終点、○○、○○です。お降りのお客様はお忘れ物などございませんよう……
私たちは、終点に着いたので降り、しばらく歩いていた。
久し振りのお出かけなので、私は胸が高鳴っている。
特に目的は無く、お出かけする時は大体、駅周辺にあるアニメグッズなどが売っているお店をぶらぶらしている。
シグ「みぃ、めっちゃワクワクしてんじゃん笑」
「あったりまえよ!久し振りのお出かけなんだから!」
やっぱり主要駅の周辺である為、人が多い!
1人で来ることがほとんどなので、シグと迷子にならないか心配……(´。•ㅅ•。`)
「ね、ね、近くに出来た猫カフェに行かない?モフりに行こー三┏( ^o^)┛」
シグ「……マジで?」
実は、この私の隣にいるシグは、大の猫好きである。
何か、よく分からんけど、"来世はぬこになりたい"とか言ってたな。
そして、私もシグ程ではないが、猫好きであるのだ!
シグ「……(にへら)」( ◜௰◝ )
「めっちゃ笑うやん」
普段、あまり感情を見せないシグであるが、何故か今はめちゃくちゃニヤけが止まらないみたい。
そんなに猫ちゃんを触るのが楽しみなんか?w
「さ、ここだよ。上がろっか?」
ニヤニヤが止まらないシグを連れてエレベーターで上がる。
ビルの一室で営業している猫カフェで、近くには私がいつもお世話になっている爬虫類カフェもある。
いつも行くので、新しいお店の情報は結構入ってくるんだなー(^v^)
カランカラン
『いらっしゃいませー』
私たちがお店に入ると同時に、従業員の方々が歓迎してくれた。
私も初めてなので緊張してはいるが、猫ちゃんたちをモフれると思うとワクワクして仕方ない。
案内され、好きな席に座ると早速猫が私の足元にすり寄ってきた。
「か、かわええ……」
シグ「ぼ、僕のとこにも……」
座ったばかりだったが、思わずしゃがみこみ、猫を撫でていた。
シグが羨ましそうに私の方を見ていたが、シグも早く撫で撫でしたらいいのに!
そんな風に思っていると、私の横の席にどこかで見たような女性が。
?「……」ズズズ
甘えんぼのアメショを撫でながら、その女性を眺めていた。
そう、私の記憶が正しければ、最寄り駅のホームで見かけたとんでもなく綺麗な女性だった。
でも、何故?猫が好きなんだろうか?と思っていると、その女性の方から声をかけてきた。
?「ねぇ、貴女……」
「何ですか?」
?「猫たちに好かれやすい性質……いえ、生物全般に好かれやすい性質なのね。良く分かるわ」
女性はそう言って、私をじっと見つめた。
駅で見かけた時は白い日傘を持っていたが、今はどこに置いているのだろうか?
確かに、今だけじゃない。前にも、人には滅多に懐かないはずのグリーンイグアナが、私の肩にするすると乗ってきたことがある。
そして、私は普通に気になっていたことを聞いてみた。
「どこかで会ったことあるような……貴女は誰ですか?」
?「私?」
紫「……