心七side
皆さんこんばんは、私でーす。
突然なんですけど、家に帰ったら飼ってるカメが美少女になってました。
なんじゃそりゃあ!!!??
ってほとんどの人は思うだろうけど、私はそうじゃないんだな〜。
さっき、紫さんから爆弾発言して貰っちゃって、まだ心の整理がついてないってのに。
これも、紫さんの仕業?……って、仕業って言っちゃ失礼かぁ。
チロル「みぃーちゃん♪」
「わっ、わっ…………」
自分はチロル……だという子が、私にギュッと抱きついてくる。
メスのカメだから女の子になったのか……
じゃなくて、何故!なぜッ!?
こんなにも次から次まで妖怪が出てくるんだい!?
ゲ〇ゲの鬼〇郎の世界観じゃあないかッ!!!
「紫さんがやったんですか???」
紫「いいえ」
紫さんしかいないと思っていたが、どうやら違ったらしい。
じゃあ、誰がやったというのか。
……いや、待てよ。そういえば、さっき紫さんが話してた内容に、私の前世のことがあったよな。
それで、チロルがいたんだっていう話を聞いて、ビックリしたんだったよな。
「……私と一緒にこの時代に来たの?」
チロル「んー、正解!ちなみに、みぃちゃんの前の前の人生で飼われてた記憶もあるよ。元々野生だったからそのことも全部覚えてるなぁ……」
「マジか!?」
なんと、さっきの話から続いてビックリポイントである。
ちなみに、チロルと出会ったのが小学6年生の頃。
1番最初の子がアポロっていうオスのカメで、チロルをお迎えする1年前、アポロとペットショップで運命的な出会いをした。
ミドリガメが販売禁止される、本当に本当に直前だったから、ちょっとでも遅かったら、もしかしたら出会えてなかったかもなんだよね……
「え、でもさ……それじゃ、チロルが妖怪なら。アポロも妖怪ってこと?」
チロル「んー、それがよく分かんないんだよね。私も1回目の転生した時、湖の傍でみぃちゃんに拾われるまで、それっぽい子に出会ってないの。しかも、この子からは妖力……その、妖怪としての力も感じられないわ」
チロルと一緒に水槽の方に目をやると、浮島に登って甲羅を乾かしているアポロと目が合った。
何も考えてなさそうな目、でも、そこがいい。
妖怪だろうが、動物だろうが、なんでもいい。
幻想郷に行ったら、この子は幸せになれるだろうか。
まぁ、少なくとも、こんな水槽の中で窮屈な思いはしないだろうね。
「アポロも連れていく。霊夢が言ってくれたから、博麗神社とやらにある池に放す。良いよね?」
霊夢「えぇ、勿論よ。日本と気候は変わらないし、寧ろ
そう聞いて、ホッとした。
なら、後はもうやることは無いよね。
…………あ、でも。
「私の友達に……シグっていうんだけど」
紫「あ、みぃさん、そのことなんですが……その、シグさんも、みぃさんを手助けする為にここに来られたのですよ」
「ダニィ!?」
思わず、変な返事をしてしまった。
まさか、まさか、シグまでグルだったのかよ!
さっきの紫さんの話で、シグのことを聞いていなかったから、シグはてっきり何も知らない一般人だと思ってたよ!
……でも、陰ながら私のことを守ってくれてたなんて、嬉しいなぁ。
チロル「ちなみに、千奈ちゃんはみぃちゃんが幻想郷に行ってからそっち向かうって言ってたよ。なんでも、現代から画材を持っていきたいとかなんとかで……」
「……シグらしいこったね。コピックとかケント紙とか持っていきそうだわ、あの子」
紫「龍神王にも確認済だから、大丈夫ですわ……もうこの現代にやり残したことは無いわね」
「……後は、私が幻想郷に行くだけですね」
紫さんに会ってから激動の日々だったなーって思う。
でも、紫さんが私のことをこんなに思ってくれてなかったら、きっと人生は楽しくなかっただろうね。
ホント、感謝感謝だよなぁ。
紫「ところで、幻想郷にはいつ来て頂けるのでしょう?」
紫さんが、私に迫る形で聞いてきた。
いや、コワイコワイコワイ!ちょ、近い!紫さん!
って思ったけど言葉には出さなかった。
いやまぁ、別にいつでもいいし、人間関係以外は問題全く無いし。
バイトも、辞める連絡しなくちゃなぁ……
紫「……みぃさん、バイトは辞めなくて良いですよ。みぃさんが幻想郷に来たら、人々の記憶からみぃさんは消えるので」
紫さんが、サラリとめっちゃ恐ろしいことを口にした。
流石妖怪か、と思ったけど失礼だから言わない。
まぁ所謂「私は最初からいなかった」ってことになるから、問題は無いんだろうね。
「では、準備をするので今からお願いします」
紫「!本当ですか!?」
「勿論ですよ。服とかリュックに詰めて行こうかなぁと」
紫「手伝います!ほら、霊夢も!」
霊夢「ちょ、ちょ、引っ張らないで!?」
私たちは、服がしまってある部屋に移動し、リュックに服を詰め始めた。
なんか、紫さんが興奮気味で霊夢のことを引っ張ってきているが大丈夫だろうか……(¯¯٥)
まぁ、いいやって思いながら整理をしていると、あるものがタンスの中に入っているのを見つけた。
「あ、これ中学ん時の卒業アルバムだ。一応持って行っとこうかな」
私が、リュックに卒業アルバムを詰めようとしたその時、紫さんが自分の手を止め、私を制止してきた。
何か問題があっただろうか……と不安になった。
紫「みぃさん、非常に心苦しいのですが……多分、持って行っても意味無いと思いますよ」
「え、なんでですか?」
紫「……実はですね。こういった写真類も、記憶としての部類に入ります。だから、皆の姿は写っていてもみぃさんだけ消されている可能性があります」
申し訳なさそうに紫さんは言ってくれた。
まぁ、そゆことなら仕方ないかと言いつつ、卒業アルバムを元の位置に戻した。
というか、そもそも私自身、写真自体をこの人生であんまり撮ってないという、悲しい現実に気づいてしまった。
「私が去った後、ここはどうなるんですか?」
霊夢「残ってる食材とかあったら譲って欲しいんだけど……」
紫「……みぃさん、すみません。霊夢に譲ってもいいでしょうか?」
「ふふ、お構いなく。私の残したものが誰かに使って貰えるのは幸せですから(*´︶`)」
私たちは、霊夢がキッチンの方にトタトタと走っていくのを見送った。
そういえば、アイスとかもまだビックリするくらい残ってたような……キャンプ行った時のクーラーボックスと大量の保冷剤があったはずだから、それも持って行こうかな。
紫「みぃさん、幻想郷に来たら、すぐに皆さんにみぃさんのこと紹介したい……と言いたいところなんですが、疲れを取ってからにしましょうか」
「あ、お気遣いありがとうございます!そうですね、色々落ち着いてからでお願いしますね^^」
そして、私は自分の荷物をリュックに詰め終わり、忘れ物が無いか確認した。
ちなみに、お金はこっちのを幻想郷でも使えるらしい。
ていうか、そもそもこっちのお金が幻想郷で普及しているらしい……
だって、霊夢に初めて会った時、500円玉を賽銭箱に入れたら超喜んでたもんねぇ。
紫「あの……」
「どうしました?」
紫「実は、言い忘れていたことがあったんですが……」
私の家は、博麗神社のすぐそばに作ってあるらしい。
それに、なんと、なんと、幻想郷に攫ってしまうお詫びとして、インターネットを使えるようにしてくれるらしいのだ!
動画も見れるなんて最高かよ!
「ありがとうございます!!!」
紫「いえいえ、お気になさらずに。無理矢理連れてきてしまうお詫びですよ」
「私が行きたいと思ったから行くんですよ?」
紫「……!ありがとうございます!」
勿論、元の世界が嫌いになったとかそういう理由ではない。
紫さんが愛している幻想郷を、この目で見てみたいのだ。
それに、紫さんが言うんだから、幻想郷にいる人たちもみんな良い人なんだろう。
ますます行くのが楽しみになってきたなあ!
「さて、あとは食材だけなんですが……」
紫「霊夢、遅いですね。全く何をそんなに……」
まぁまぁ、と言いながらキッチンに向かう。
まだまだ食べ盛りなんだから、いっぱい食べなきゃね。
それに、あんまりお金無いって言ってたし、助けられるなら助けたいし。
と思っていると、私は、キッチンで凄いものを見てしまった。
霊夢「あっ……」
チロル「あっ……」
「あっ……」
紫「あっ……」
4人して同じ言葉しか喋ってねぇじゃん、と思ったけど、いや、マジでこの光景見たら誰でもこうなるから!
まぁ、霊夢が食材をめっちゃ詰め込んだ袋を抱えているのは……まぁ、ふふっ……想像してたよ。
問題はチロルの方!
チロル「あっ」
チロルが食べていたものが、口からポロッと床に落ちてしまった。
爬虫類とかカメみたいな生き物を飼っていた人は共感してくれるんじゃないだろうか。
この子たちの大好物のことを。
紫「チロルちゃん!!?」
霊夢「いや、なんかさっきから美味しそうに食べてるなーって思って……なんだろうなーとは思ってたのよ!?」
「あぁ……うん、まぁ、美味しいなら良いんじゃない」
チロル「( "´༥`" )ŧ‹”ŧ‹”……うん、美味しい。香ばしくて、サクサクしてる。生きてるのとはまた違った良さがあるよねー」
チロルの華麗な食レポに感動しながらも、あーそういえばこの子カメだったわー肉食だったわーとかいう風に1人で考え事をしていた。
想像してみてほしい。さぞかし美味しそうなんだろう、美少女がコオロギをむしゃむしゃ食べているところを…………
チロル「あっ!!!みぃちゃん、幻想郷にこれ持っていってもいーい!?あと、ミルワームも!!!」
「あー、分かった分かった!それも持っていこうねぇ!?」
チロルの興奮具合に圧倒されながら、彼女が持っていた乾燥コオロギと、そのストックを全てリュックに詰め込む。
問題は……ミルワームだよな。これに関しては幻想郷で上手くキープ出来るかどうか……
私は、ミルワームを袋の方に移し替え、手に持った。
紫「みぃさん、準備は出来ましたか?」
「そうですね、持っていくものはもう詰め終わりました」
霊夢「私も……おっと、終わったわよ」
チロル「うん、私も……ムシャムシャ……終わったよ」
紫「…………行きましょ」
紫さんがマジか、という目でチロルと霊夢を見てた。
長い時間一緒に過ごしていたと聞いたけど、こればっかりは慣れていないんだろうか?
霊夢に関しては野菜とか肉が詰められている袋を持って、ていうか持ちすぎてコケそうになってるし……
紫さんが何も無い空間に手を翳すと、そこに1本の線が引かれ、パックリと大きく裂けた。
その中を覗いてみると、目玉がギョロギョロと蠢いていた。
私は、少し恐怖を覚えながらも、意を決してその中に足を踏み入れた。
差し込んできた眩い光に思わず目を閉じ、手を翳しながら辺りを見てみた。
そこは、いつの日か見たことのある光景に思え、それに、すぅーと息を吸い込んでみると、感じたことの無い程に空気は澄んでいた。
紫「よっと……さて、みぃさん。ここが幻想郷ですわ」
紫さんが、私の後ろから話しかけてきた。
霊夢やチロルも、後から続く。
ここがこれから過ごすところかぁ……と考えていると、遠くから何者かが凄いスピードで近づいてくるのが感じられた。
そして、その人物は間も無い内に私の前に降り立ち、私に気づくと、まじまじと見つめてきた。
?「おおっ?見たことないヤツだなぁ!紫、コイツが例の?」
紫「そう、この人がみぃさんよ……挨拶しなさい」
白黒の服を着込み、魔女のような大きいとんがり帽子を被っている少女は、帽子をくいっと上げると、とびきりの笑顔でこう言った。
魔理沙「よろしくな!私は