私が初任務を終えてから何年も経った。
そして何故か、私が総隊長を任されている。
依姫は副隊長なのである。なんで依姫じゃなく私に任せたんだろう?
…………まぁ、いいけど。
私たちは軍の中でメキメキと力をつけ、評価され、隊長なんて地位を与えられたのである。
私みたいにやる気無い奴に任せるんじゃなく、依姫のようにやる気も力もある子に任せりゃいいのにね。
力をつけていく過程で、突っかかって来る奴もいたけどね。
あれはどんな時だったか……
〜回想〜
「……つまるところ、貴方は私に失敗して欲しいワケね?」
モブ1「あぁそうだよ!テメーなんざやる気ねえ癖に評価されやがって!腹立つんだよ!女の癖にッ!!!」
「……貴方が言いたいのは、私が女だから、単なる実力で評価されず、ハンデを貰っていると思っているのね?」
モブ1「そうだっつってんだろうがよ!!!」
「それは間違いね。むしろ、女であるから、男以上に実力を出さねばすぐ切られるわ。幸い、私は基準以上……嬉しいことにトップクラスの評価を頂いているけれども、普通はそうなってしまうらしいわよ?」
モブ1「ぐ……!」
「…………せっかく、鍛えれば女より強くなれる男に生まれたんだから、余分なくその体使えば?」
な〜んてこともあったかなぁ。
努力もしないで突っかかってくるような奴だったから、ああ言っちゃったけどね。
ふぅ、そんな都市の軍での生活ももう終わりかぁ。
…………慢心は、戦いでの最大の敵。私はそう思っている。
少なくとも、この場にいる全員がそう思っていることでしょう。
この、月夜の都市を治める月読命でさえも。
ツクヨミ「……」
全「「「……」」」
奥にツクヨミ、そして、両脇に依姫、依姫の姉の豊姫、そして私と……他の軍の隊長達。
全員、ツクヨミの方を向いたままじっとして動かない。そして、そんな沈黙を破ったのは……
ツクヨミ「……皆様、この度はこの場にお集まり頂き、感謝します」
ツクヨミだ。
ツクヨミ「皆さんは、月移住計画というものを知っていますね?」
依姫「えぇ。数週間後に行われる、穢れから逃れるための移住計画の事ですね?」
ツクヨミは、黙ったまま頷く。
ツクヨミ「そこで、軍の隊長でもある皆さんに集まって頂いた訳なんですが……数週間後の月移住計画の時に……多数の妖怪が攻めてきます」
隊長たちに、騒めきが起こる。
そう、都市の人間にとっては穢れとして恐れられている妖怪が、ツクヨミの見解によると1000万は下らない数で攻めてくるのだそう。
まぁ、普通にまずいわよね。今の軍の隊員たちの実力では太刀打ちは不可能でしょうから。
ツクヨミは、そんな風に騒ぎ立てる隊長たちを一声で鎮め、話し始める。
ツクヨミ「その話については、そこの軍の総隊長が話します……闇、宜しくお願いします」
私は、ツクヨミとアイコンタクトを取り、立ち上がる。
「今、ツクヨミ様が仰ったように……」
「…………と、いうことになるわ。皆、良いわね?」
私は、妖怪が攻めて来た場合のそれぞれの立ち位置、月へ行く時のロケットの乗る順番など。それぞれの隊長に話した。
「私が担当する3番隊は、南門を担当……そして、依姫担当の5番隊は北門担当……豊姫は、ツクヨミ様と永琳達と同じロケットに乗ることになるわ」
豊姫「分かったわ」
依姫「分かりました」
妖怪の数が1番キツイであろう南門を担当することになった。
何故かって?南門は、妖怪が潜む森が1番近い場所にあるから。
まぁ…………私が管轄する隊で、死者を出すつもりなど毛頭ないけれど。
……ツクヨミの部屋にて。
ツクヨミ「お姉様!!!私たちと共に来られないとは、どういうことです!!?」
「落ち着いて話しなさい。まだそうだと決まった訳ではないし、私も最善を尽くすから……」
ツクヨミ「…………必ずですからね!」
私は、ツクヨミと向かい合って話していた。
数週間後に控えた月移住計画……私は、月に行けないかもしれない。
だから、ツクヨミとその事を相談しあっているのである。
豊姫や依姫、永琳達に今この場で話していることを聞かれたら、まずいことになる。
私が神だっていうこともバレたくないし、ツクヨミは血は繋がっていないとはいえ、姉妹だということもバレたくない。それだけは本当に避けたい。
だから、私がツクヨミの部屋に防音結界を張り、こうして話している。
話が落ち着くと、ツクヨミはしゃがんで、私に目線を合わせ、優しく抱き締めてきた。
少し驚いたけれど、私もツクヨミの背中に手を回し、抱き締めた。
ツクヨミ「…………大変失礼な態度、お許しください」
「……構わないのよ」
…………服の肩の部分に、ツクヨミの涙の跡ができた。
ツクヨミにしては珍しい。普段は滅多に感情を出さないのに。
……月移住計画。
その時に私はどうなっている?
月に行けるのだろうか?
❁❀✿✾
月移住計画当日
永琳「……」
「……永琳、そんなに心配しないで。私は、大丈夫よ」
永琳「……本当?本当に、戻ってくるのね?」
「もちろんよ」
永琳「約束だからね?」
私は、ロケットに乗り込んでいく永琳達を見送りながら、考える。
「どうやったら無事に永琳達を送れるかしら…………」
私は、嫌な考えを振り払う。
約束したのだ、ツクヨミと……永琳と依姫達と。
今更、約束を破ってどうする。
約束を破ったらそこでお終いなのだ。
依姫「闇さん!皆を集めました!」
依姫が、私に走りよってくる。……準備は整ったらしい。
「……皆、準備は良いわね?これから向かうところは、もはや死地と化した場所のようなもの。貴方たちの仕事は、そこから侵入してくる妖怪共に、絶対に都市の人間を襲わせないこと!…………そして、絶対に生きて戻ってくること!それが覚悟出来た者から行きなさい!!!」
全『オーーー!!!』
依姫含む隊員達は、威勢よく私に返事をし、自分達の持ち場へと向かって行く…………そろそろ、私も行くかな。
死地へと。
◇◇◇◇◆◆◆◆◇◇◇◇◆◆◆◆◇◇◇◇
依姫side
「何、なんなの……この妖怪共は!?」
私は、目の前の光景に驚愕していた。
妖怪が、妖怪が……1000万……いや、一億はいる。ツクヨミ様の目論見は外れてしまった!こんなの……こんなの、無理に決まってる。
「いや、違う……私は、約束した。闇さんと……共に、月に行くって」
私は、自分を奮い立たせる。
私は、もう一度目の前の妖怪共をしっかりとこの目で見る。
「……行こう。私が、駄目になってどうする!」
刀を柄を握り直し、私は……突撃した。
❁❀✿✾
闇side
目を瞑ると、あの日のことを思い出す。
龍神として転生したあの頃……へカーティアと過ごしたあの日々のことを。
あの頃以上に、今のような壮絶な戦いをした事があっただろうか?
生きていくうち、私は討ち倒されることはあるのだろうか?
「……貴女が、鬼の頭領ね」
……目の前の鬼を見て、思わず笑みが零れる。
?「……ふーん。人間に、アタシのことが知れ渡っているんだねぇ」
目の前の鬼は、くっくっと笑った。
鬼らしくない可憐な顔、しかし頭に生えたその角が存在感を表している。
?「ねぇ、アンタ人間だろ?どうしてアタシのところに来たんだい?」
鬼は、至近距離まで来ると、ぐっと顔を近づけてきた。
「……貴女が妖怪をまとめてるんでしょう」
?「あぁ、そうだよ?それがどうしたんだい?」
「その妖怪たちを鎮めてほしいのよ。私たち、今日はどぉーしても邪魔されたくない日なの」
私が鬼の気に動じずそう言い放つと、目を細めて笑った。
?「……そうかぁ。でもね、アタシたち妖怪は人間がいなきゃ生きていけないのさ。人間がアタシたちを恐れることで、存在出来ている。そして、そんな人間たちは、今いなくなろうとしている……」
鬼は、少し残念そうに語った。
妖怪側では、人間をどうにか引き止め、この地に縛り付けたいとでも思っているのだろうね。
でも、お生憎様だけれど、私が人間サイドについている限りは手は出させない。
「忠告しておくわ。貴女が妖怪全てを連れて引き上げてくれるならば、私はもうここで手を引き、人間たちのところへ帰る」
?「…………残念だけれど、今回の計画は、遂行するしか選択肢は無いよ。何せ、アタシたちの生きる術なのだからね」
「……そう」
私は、目の前の鬼がそう言ったことに対して酷く悲しんだ。
そして、鬼を真っ直ぐに見つめ、言い放った。
「警告するわ。貴女が都市に手を出すつもりなら、今すぐここで貴女を殺さなくちゃならない!」
鬼は、目を丸くしたかと思うと、その可憐な顔には似合わないと言いたくなるほど豪快に笑い、私と距離を取った。
?「あははっ!ところでアンタの名前は何て言うんだい?」
「……
?「そうかい!良いねぇ、人間の世界の中で1番強いんだろ?いいねぇ!そりゃあ楽しみだ!……アタシの名前は
妖怪に名前がついている者はほとんどいないらしい。
名前がついているのならば、それはその妖怪が相当の実力者であることを表すのだとか。
でも、私は最初から気づいている。溢れ出す結花の膨大な妖力、抑えているのだろうが、それでも圧倒的。これは、相当な力を持った妖怪だということに。
結花「……さて、闇。アンタの提案だけどね。それはどうしても聞き入れられないんだよ。残念だけどね」
「どうしても?」
結花「あぁ、どうしてもさ。生きる源のようなものだからね」
私は、ふぅ……と溜息をつき、刀の柄に手をかけ、一瞬のうちに結花の首の位置で振りかぶった。
本当なら、この速度についていける妖怪などいなくて、ほとんどの場合はこの一瞬で首が切り落とされている。
しかし、結花はそんな簡単には首を差し出してくれないらしい。
結花「……今の、危なかった〜っ!もうちょっとで死んでたよ!?」
私は、目の前から消えた結花を探し、上を見ると、木の枝に結花がいるのが見え、もう一度刀を振り、斬撃を放った。
「貴女が選択していいのは、妖怪を纏めて引き払うか、私に殺されるか、どちらかよ」
結花は私の攻撃を見事に避けたかと思うと、私にドロップキックをかました。
まぁ当たる気は毛頭無いのだけど。
結花「へぇ……」
結花は、ニヤリと笑い、私の刀を落とそうと猛攻撃を始めた。
右ストレートを打つ速さは、多分某野球選手の投球速度より速い。
回し蹴りの威力も、恐ろしいほどね。多分ヒクイドリに蹴られるより重い蹴りが繰り出されている。
強い。物凄く強い、もしかしたら依姫じゃ太刀打ち出来ないかもしれない。
あぁ、私より先に他の隊員が見つけなくて良かった。この化け物みたいな鬼を。
…………さて、どれくらいが経ったろうか。
目の前の鬼……結花が攻撃を繰り出す間、私は刀を1度たりとも落としていない。
それ即ち、結花は一度も、私に攻撃を当てられていない。
私とて、あんな重い一撃を与えられたら恐らく刀なんて落としているだろうね。
結花は、目を見開き、先程までの威勢を消してしまっていた。
結花「あ、アンタ……何者だ……?」
まるで、目の前にいる敵が化け物だと言わんばかりに。
ある意味化け物だけれども、と思いつつ、スっと結花に近づく。
結花は、私を見た時とは比べ物にならない程に憔悴しきっており、今、初めて私の前に膝を着いた。
結花「…………殺せ」
結花は、俯いたままボソリと呟いた。
全妖怪の為に死力を尽くして戦い、そして降参した。
私は、そのまま結花に近づき、刀を振りかぶる……………………………………ことはなく、そのまま鞘の中に収めた。
結花「は……?」
「貴女は全力を尽くしたわ。だから、私がその力、認めてあげる」
結花「……アタシに情けをかけるなッ!情けをかけられるくらいなら、今ここで殺された方がマシだ!」
まぁなんとも妖怪らしいこと。
人間なんかに情けをかけられて生かされるくらいならば、ここで殺されることも厭わないというのか。
「あそこを見てみなさい」
結花「………………アタシの仲間が」
全て殲滅され、妖怪だったものの残骸が転がっているのみだった。
私の管轄する隊では死傷者は出なかったらしい。死臭がしないもの。
結花は全力で攻撃していたので、周りに目をやる余裕もなかったのだろう。
「そ、後はアレね」
結花「ア…レ……?」
私は、都市の中心から飛び立っていくロケットを遠目で見ていた。
私が乗るはずだったロケット。まぁ、要するに私は見捨てられたのである。
想定内と言えば想定内なのだけど、やっぱり少し寂しいわよね。
「空に向かって飛んでいくアレは、私が乗るはずだったものよ。私は人類に見捨てられたの。だから、貴女を殺そうが生かそうが、人類にはもう関係ない…………だから、今貴女と話しているのは私自身の感情よ」
結花「そう、か……」
私は、永琳やツクヨミ、依姫たちのことを考えていた。
結局約束破ることになっちゃったなぁ……なんてこともね。
「私、貴女のこと殺したくないもの。最初に会った時から、悪い子ではないと思っていたから」
結花「……はっ、アンタもアタシも不憫なもんだな。これから天涯孤独になっちまった」
結花は、膝を着いた体勢から、地面に寝っ転がり、空を見上げた体勢で話し始めた。
自分は人間を個人的に襲った経験はないこと。別に人間が嫌いなわけじゃないこと。戦いに明け暮れる生涯だったこと。仲間を大切にしたいと思っていたので、仕方なく人間を襲わせていたこと。
結花「……仕方がなかったのさ」
「そりゃそうでしょうね。だって、それが妖怪としての生き方なんだもの」
結花「さっきまで殺し合っていた奴の言葉とは思えないな…………しかも、アンタ人間じゃないだろ」
私は、結花の隣に座ったまま、顔を向けることなく静かに驚いた。
神力と妖力は完全に隠し、霊力のみ使うことを心がけていたのに。
……どこで一体バレたのか。
結花「そもそもアタシに着いてこれる時点で人間じゃない。それに、アンタ、"人間たち"のところへ帰ると言っただろう?アンタがもし人間ならば、そんな言い方はしない…………それが、アタシのアンタが人間じゃないと思う理由だ」
確かに言った。行ったけどよく覚えてるなぁそんなこと。なんて思いつつ、最初の結花のようにくっと笑みが零れた。
「実は私、龍神なの」
結花「……はァ!?龍神だと!?」
結花は、信じられないといった目で私を見つめる。
「本当よ?……これで、信じてもらえるかしら?」
私は、フッと自身に掛けられている幾つかのリミッターを外した。
それと、外見も……耳と角を戻し、軍服ではなく、長年愛着していた服に戻した。
結花「その存在感………………ハハッ!そりゃあ、アタシが敵わないわけだ!」
結花は、また豪快に笑って見せた。
簡単に勝っちゃつまんないでしょって思うの。
例えば……某配管工のゲームで、ずっとスター状態で楽しく感じるのなんて小学生まででしょう?
結花「なぁ、提案があるんだが」
「……どうしたの?」
結花は、寝転んだ状態のまま、顔だけ私の方に向けて言った。
結花「お互い独りなんだし、つまんないだろ?ここは1つ!旅をしないか?」
「旅…………旅、ね」
まぁ、それも良いかなと思った。
独りで過ごしていても、つまらなすぎる。
それに、鬼と旅なんて最高に良い思い出になるだろうし。
「良いわよ?楽しそうじゃない」
結花「アタシも、楽しそうだなと思っていたんだ……アンタも同じ気持ちだなんて、アタシは嬉しいぞ♪」
1つ気づいたことがある。
……この鬼は感情が高ぶると見た目相応の性格になるらしい。
これから、色んなことを発見していこう。
私が生まれた年がやって来る、その時まで。
「そう、じゃあ、その前に……少し待っていて」
結花「ん?……別れの挨拶でもしに行くのか?」
「そんな感じかしらね」
向こうからしたら、人間だと、もしくは妖怪思っていた人物がまさか龍神だったなんて……知ったらとんでもないことになるでしょうから。
私にとっては、皆が無事に逃げてくれただけで嬉しいもの。
それに、結花は気づいていない。今、都市に落ちようとしているものの存在に。
「ふふ、面白いことするのね」
私は、都市を囲うようにとても強力な結界を張り、こちらから中の様子が見えないように隠匿結界も張った。
あんなもの、直接見たら目が潰れてしまう。
……原子爆弾投下。永琳たちが、この都市を消し去る為に選択した方法だった。
仕方ないこと。私はそう割り切り、結花のもとに戻った。
「終わったわ」
結花「早いな……もういいのか?」
「えぇ、もういいのよ」
少なくとも、私を置いていく決断をしたのは依姫や永琳、ツクヨミではないだろう。
しかし、そうせざるをえなかった理由がなにかあるんだろう。でも、それを詮索しようとする理由もないし、これきりにすることにした。
「まずは、何処に行きましょうか?」
結花「そうだな……まずは、行ったことない場所……他の山、とかはどうだ?」
「良いわね、行ってみましょうか」
…………私は、さっきまで考えていたことを振り払い、結花と共に旅の1歩を踏み出した。
それが、正に、地球に来て初めて、旅の1歩と言えるものだった。
❁❀✿✾
永琳side
……闇が、隣にいない。
いつもは隣にいるはずなのに。
なのに……なのに……
ロケットが、出発する音がする。
だが、そこに闇の姿は無い。
そんなこと、今まで1度たりとも無かった。
約束を破ることも無かった。
いつだって隣にいた闇が、今は隣にいない。
…………そして今、私たちはとある科学者を取り囲んでいる。
「貴方が……この都市に、核を落としたのね?」
科学者「えぇ……そうですが何か?」
「そう……」
そう、この科学者こそがこの都市に核を落とした犯人だ。核は元々、私が開発し、非常用の為に積まれてあったものだ。
…………それを、この科学者が。
「どうして、核を落としたりしたのかしら?」
科学者「どうして……?そんなこと簡単なことでしょう!!!あんな化け物、都市置いていい代物じゃない!"アレ"は消すべき存在で……」
私は、この科学者に恨みを覚えていた。
隣で見ているツクヨミ様も、相当怒っていらっしゃるような顔だ。
ツクヨミ「貴方には……死んでもらいます」
……
シーンと、辺りが静まり返る。
科学者「……い、今なんと?」
ツクヨミ「ですから、貴方には死んでもらいます」
科学者含むツクヨミ様を除いた全員が、口を開けてポカーンとした顔になっていた。
多分、全員ツクヨミ様がそんなことを言うとは思っていなかったのだろう。
ツクヨミ「永琳、ロケットのダストシュートを開けてください」
「えっ?あ、は、はい」
私は、ツクヨミ様の氷のような冷ややかな視線に、とても驚いていた。それは、多分全員が思っていたことだろう。
ツクヨミ「お姉様を侮辱した罪……その体で、死を持って受け入れなさい」
ツクヨミ様は、科学者を勢いよく蹴り飛ばし、ロケットのダストシュート……ゴミ箱から、ロケットの外へと放り出した。その間も、科学者は大きな声でギャーッと叫んでいたが……多分、あの科学者は死んだだろう。
「……闇、どうか無事でいて」
私は、ただそれを願うばかりだった。
夜刀神 闇 本小説の主人公、アイドル的存在の闇ちゃん、今回挿絵として初登場して頂きます!遅くなってしまいスミマセンm(。>__<。)m
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