私の転生物語 ~龍神として生きる~   作:夜刀神 闇

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第66話 幻想郷の行方と降り始めた時雨

レミリア「幻想郷を賭けて、勝負しない?」

 

 

不敵な笑みのレミリアさんから発された、なんとも恐ろしいと感じてしまう言葉は、まさに私の命運を分けるものであった。

幻想郷を奪われてしまっては、私をどうしようとレミリアさんにとってどうでもいいはずだ。

いや、レミリアさんは紫さんのことを恐れていた。だから、命くらいは助けてもらえるのではないか。

そんな淡い期待を浮かべていた。

 

 

「あの、私はどうすれば」

魔理沙「みぃは私と一緒に来るんだぜ!ここは危ないからな!」

「う、うん……!」

 

 

私は、魔理沙に言われて箒の後ろに乗り、紅魔館の外に出た。

すっかり真っ赤に染まった空を見上げながら、あぁ……洗濯物が乾かないなあ、なんてつまらないことを考えていた。

 

 

「フラン、大丈夫かな。霊夢も。仲良くなった子が喧嘩するとこなんて見たくな……」

魔理沙「大丈夫だぜ、みぃ。霊夢は強いし、それに、この異変が終わったら宴会をやるんだ。どうせレミリアやフラン、他の妖怪達も誘うんだ。霊夢はやってくれるさ」

 

 

宴会、あの宴会。

 

 

「私が、魔理沙に半ば無理やりお酒を飲まされそうになって、紫さんにゲンコツを食らう魔理沙を見て、あぁそうか、私まだ未成年なんだー、でも明らかに霊夢と魔理沙は私より年下なのにお酒ジャブジャブ飲んでるよなー、なんて思ったり、初めて会ったのに、いきなり怖がられたりするあの宴会かー」

魔理沙「あ、あの時は悪かったんだぜ……」

 

 

そうそう、なんかルーミアとかいう小さい女の子に腕をガブッといかれたんだよなー。

お前は食べてもいい人間か〜なんてことを言ってた気がする。

ハフハフ言っててほとんど聞き取れなかったが。

 

 

魔理沙「ここまで来れば安全に観戦出来るんだぜ!みぃ!」

「観戦ねぇ……そういえば、霊夢が戦ってるとこ見たことないかも?」

 

 

幻想郷に来てから、平和も平和な生活を送らせてもらってたから、霊夢が戦うシーン見てないんだよね。

普段というか、霊夢の職業は巫女だし、妖怪退治で忙しい……と思う。

魔理沙曰く、明らかに妖怪の仕業じゃないのに、妖怪の仕業っぽく仕立てあげたりすることもあるらしい。

うん、法外すぎてワロタって感じなんだけど。

 

 

魔理沙「霊夢は強いから心配いらないんだぜ、な!」

「うん、まぁ……私には見届けるくらいのことしか出来ないからね」

 

 

ある程度離れたところから紅魔館を眺める私たち。

異様なほど真っ赤な空に真っ赤な館。

慣れてない人間が見たら気分が悪くなるかもね。

私は紫さんパワーで何とかしてもらってるから良いけど(適当)

 

しばらく静かな時間が流れたが、突然、紅魔館の一部分が盛大に爆発し、砂埃を立ててぽろぽろと崩れた。

その中から、光の玉が続々と放たれ、何かがぶつかり合う音がしばらく響いていた。

 

 

「ウワア、綺麗……」

魔理沙「霊夢は霊力がとても多いからな。ああいう風な弾幕が作れるんだぜ!まぁ、私の方が綺麗だけどなっ」

 

 

ふんす、と鼻を鳴らす魔理沙。

正直、私には弾幕は作れないし、美の知識とかもないからあれだけど、遠くから見る弾幕と至近距離で見る弾幕はまた違って見えるのかな。

 

ドゴンドゴンと轟音が鳴り響き、紅魔館が崩れていく。

あれ修繕費ヤバそうだな〜なんて思いつつ、弾幕の美しさに見とれていた。

 

 

「前世が神様だったのなら……私にも弾幕は出せるのかな?」

 

 

私は、霊夢たちの弾幕を見ながら、あんな感じの光を出すイメージで手を前に突き出し、力を込めてみた。

…………しかしながら、何も起こらない。当たり前だ。

 

 

魔理沙「みぃ、どうしたんだぜ?」

「いや、私にも弾幕出せないかなって。私が強い力を持ってたら、自分の身くらいは守れるはずだから……」

魔理沙「なぁんだ、そんなことか。じゃあこの魔理沙様が直々に教えてやるっきゃないんだぜ!」

 

 

私の方を見て、眩しすぎる笑顔を向けてきた。

そして、魔力を上手く使う方法、そして弾にして実際に撃つ方法も詳しく教えてくれた。

 

神様だったら神力、妖怪だったら妖力、人間であれば霊力と色々向いてる力はあるらしいけど。

 

魔理沙にも人間なので霊力はあるが、魔法を主に使うので魔力の方が得意らしいから魔力の使い方を教えて貰った。

 

 

魔理沙「そうそう、そんな感じで力を込めて……」

「んぐぐ……!……あ、出た!?………………………………………何これ…………」

 

 

す〜んごく貧相な光の玉がひょろひょろと私の手から出たかと思うと、5秒くらい空中を漂って消えてしまった。

 

まぁ、予想通りの結果である。

というより、そもそも初めてで上手く出来るなんて思う方が間違っているんだよね。

 

でも、魔理沙の意見は違ったみたい。

 

 

魔理沙「イヤ、みぃ凄いぜ!?初めてなら出来なくて当然……むしろ、貧相でも初めてでいきなり光の玉が出せたみぃは凄いほうなんだぜ!」

 

 

初めて魔力を扱うことが如何に難しいか説いてくれる魔理沙。

普通の人間、つまり私みたいな、魔力と無関係の普通の生活を送っている人間は、まず光の玉なんて出せないんだとか。

 

まぁ、例外はあるし、稀にそういう人間でも潜在的に魔力量があるのもいてるらしい。

鍛えたら間違いなく強くなれる器だ、と言ってもくれた。

この異変が終わったら、特訓しようぜ!って。

 

 

魔理沙「いつか私とも勝負しような!みぃ!」

「え!……うん、いつかね」

 

 

お手柔らかに、と祈りながら目線を霊夢たちの方に移した。

レミリアさんと霊夢が対峙している。

レミリアさんは、さっきまで持ってなかった……槍?を霊夢に向けていた。

 

 

レミリア「神槍「スピア・ザ・グングニル」!」

 

 

紫色に光る槍は、真っ直ぐ霊夢に飛んでいく。

 

………………………あれ?なんかこの光景、どこかで見たことあるような……?

 

 

レミリア「ふふ、流石は博麗の巫女ね……」

霊夢「こういうの、()()()()()ってんでしょ?教えて貰ったのよ」

レミリア「優しい奴もいたものね。誰かしら?」

霊夢「外の世界で学んだのよ」

 

 

流石に正面から投げちゃバレバレだろっ!て思ったけど、真っ直ぐに放った槍は、もう一度弧を描いて戻ってきた。

特大ブーメラン乙、じゃなくて、普通に道具の方のブーメランだ。

うん、やっぱりブーメラン……こんな戦い方する人をどこかで見たような……

 

 

「知ってるはずがないのに……」

魔理沙「あーいう投げ方をブーメランって言うのか?」

「ん?あ、いや、投げたら自分の元に戻ってくる道具があって、それをブーメランって言うんだよ」

 

 

魔理沙は、なるほどな!と言ってレミリアさんと霊夢が戦っている様子に見入っていた。

色とりどりの弾幕が行き交い、まるでそこが1つの芸術作品のようになっている。

そう、弾幕ごっこが美しさを最も重要とする遊びであるように……

 

 

フラン「ね、魔理沙、それとお姉様♪」

魔理沙「うおっ!?お前今までどこにいたんだよ!?」

フラン「うふふ、私も参加したいなーって!いっしょに行かない?」

 

 

背後から声がしてメチャクチャびっくりしてたら、なんとフランがいた。

それも、凄い笑顔で、背中の羽をカチャカチャと鳴らしながら。

多分フランは驚かせるのが好きなのかなぁ……でも、寿命縮みそうだから辞めて欲しいなぁ……

 

 

フラン「お姉様は人間なのに、霧を吸っても問題ないの?」

「あ、そうだね……そういえば問題ないね。なんでだろう?」

魔理沙「紫の力が関係しているんじゃないか?危害が及ばないように……ってやつ」

フラン「危なくないならあんしんね♪お姉様も一緒に戦う?」

 

 

いや、それだけはやめてください死んでしまいます!

私は、フランからの申し出に凄い勢いで断ってしまった。

あんなのに巻き込まれたら結末がもう見えてる。

 

 

フラン「そう、残念……でも、いつかほんとにあそぼうね♡」

「うん、勿論だよ!でも、私が死なない程度に収めてね……」

フラン「あたりまえじゃん!お姉様は殺しちゃダメな人間だもの!」

 

 

そうやって、ぎゅ〜〜〜っと背骨が折れそうな勢いで抱き締めてくるフラン。

喉から変な音鳴ったからやめてフラン!?

 

 

魔理沙「フラン、今は私と遊ぶんだぜ。あいつらに混ざってな!」

フラン「うんうん♪お姉様とはまた今度ね♪」

 

 

私は、ドンパチやってる霊夢たちの元へ向かう彼女らに手を振って、湖に映る自分の顔を見た。

 

 

「相変わらず特徴の無い顔だなぁ……陶器のように透き通ったお肌が欲しい……」

 

 

ここにきてから少し髪の毛が伸びたかな、と感じる。

私は元々肩にかかるか、かからないか位だったけど、今は胸の辺りまで伸びている。

 

空は霧で覆われている為、普段は綺麗で透き通っている湖も、真っ赤だ。

水面に移る私の顔も、真っ赤で、まるで血に染まってるみたい……

 

 

?「近づいちゃダメ」

「えっ?……うわぁッ!?」

 

 

水面をぼーっと眺めていると、後ろから話しかけられた。

振り向こうとする前に肩を掴まれ、急に体ごと後ろに倒されてしまった。

 

 

?「よっ」

「あっ……シグ!?めちゃくちゃ久しぶりだねぇ!元気にしてた?」

 

 

なんと、肩を掴んできたのはシグだった。

そう、シグとは外の世界で会ったきり再会してない。

今は何をして過ごしているのか……

 

 

シグ「うんうん、紫から聞いてたけど、元気そうでよかった!……あと、湖には近づいちゃいけないよ?」

「え、なんで?」

シグ「妖怪がいるからね。さっきみたいに覗き込んでたらいつかバクっといかれるよ?」

 

 

え?と振り向くと、巨大な魚が大口を開けて私たちを飲み込まんとしていた。

だけど、そんな恐怖は一瞬のうちに砕け散ることになる。

 

 

シグ「キミはお呼びじゃない」(  '-' )ノ)`-' )バシッ

 

 

右手に力を込めたかと思うと、巨大魚の鼻っ面を引っぱたいて撃退させていた。

え、マジか……と思いつつ、一安心ということにする。

 

 

「凄いねぇ」

シグ「僕みたいに力のある人間なら造作もないんだけど、みぃ、力戻ってないんでしょ?なら迂闊に近寄るもんじゃないよ……あの、ドンパチやってる人たちには特に」

 

 

よく見ると、流れ弾がこちらに飛んできてはいるけど、ある一定の距離で弾かれてどこかに消えていく。

結界というものだ。

 

 

「まぁ……そうだねぇ。シグがいてくれてよかったよ」

シグ「そっか。じゃあ、時間つぶしとしてアレの見物でもするかぁー」

 

 

シグがいうアレとは、あの弾幕ごっこ?のことである。

 

人のことをアレ呼ばわり……まぁいいか。

魔理沙に早く魔力操作の特訓も付けてもらいたいもんね。

 

私は、改めて余りにも綺麗で美しすぎる弾幕を、シグと一緒に見つめ直した。

 

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