……後ろから感じる殺気、神力。それは常人には耐え難く、発せられた者は恐怖に陥るだけじゃ済まないだろう。
そう、常人ならね。
「ねぇ、そこの貴方?そんな怖いもの出さずに、仲良くお話を ̄ ̄」
そう言いかけた時、私と結花は横に飛んだ。何故なら、後ろから神力弾が放たれたからだ。
結花「なぁ、やみぃ……こりゃあ話し合いじゃ済まなそうだぞ」
「大丈夫よ、結花……私に任せて」
私は、そう言うと金髪幼女……基洩矢諏訪子の元へと近づく。
諏訪子「……ッ貴様、我の神力を受けても動じぬとは!」
「あのね……私たちは妖怪じゃな「黙れ、妖怪風情が!」あぁそう、聞く気は無いのね……」
話を聞いてほしいのだけれどねぇ……と言いながら私は、服に貼られてあった御札を、一つ一つ、べりべりと剥がしていく。
みるみるうちに、目の前の諏訪子の顔が真っ青に染まっていくが、最後の一つで止める。
諏訪子「化、物……」
「これで分かったでしょう?……今度からは、ちゃんと人の話を聞きなさいね」
諏訪子「……分かった、あと……ごめんね。話、聞かなくて」
諏訪子は、さっきまで気取っていた神の基質を取り払い、素の諏訪子に戻る。多分、これが素なんだと思う……?
諏訪子「あっ、私は洩矢諏訪子。あんたは?」
……どうしよう、こうなっちゃった時の対処方法考えてなかったわ……っていうか、どの道名乗ることになるんだし、まぁいいか。
「そうね、私は夜刀神 闇……龍神よ。親しみを込めて、砕けた話し方で良いわよ」
諏訪子「なっ……龍神!?あっでも、あんな神力出してたんだし、妥当なのかな……んで、そっちは?」
諏訪子が、結花の方を向いた瞬間、少しだけ険しい顔をしてたけど……辞めたげて。
結花「……鬼神 結花、鬼子母神」
諏訪子「鬼子母神!?また、こっちも凄いな……」
諏訪子が、うんうんと何やら納得した様子で一人で頷いている。
ていうか、本当に諏訪子は幼女だ。
私の身長も、低い方だとは思うが……諏訪子も大概だ。
諏訪子「あっ!そうだ、あんたたち私の家に来なよ!持て成すからさ!」
「あら、悪いわね」
結花「ありがたいね」
少女移動中……
諏訪子「それで……あんた達、何しに此処にきたの?」
「えっとね、街を見つけて……それから、門番にこの街には土着神がいるって感じよ」
諏訪子は、ふーんと言い、お茶を飲む。
それにしても、この街の成長速度は早いと思う。……あ、でも普通なのかな?今の時代が何時代か知らないけど、楽しめれば何でも良いよね。
「あ、それと……私たち旅をしてるのよ。それで、何処か良い宿とか知らない?」
諏訪子「あ、じゃあ私の神社に泊まりなよ!その方が色々と便利になるし、神社が賑やかになって楽しくなるし!」
「あらそう、じゃあ暫くの間いさせて貰うわね。結花もそれで良いかしら?」
結花「あぁ、別に構わないよ」
ということで、私たち一行は諏訪大社に寝泊まりすることになりました。
次の日、諏訪大社の巫女さんとも挨拶をした。私たちが来た時は街へ買出しに行ってたとかなんとか……因みに、名前は
どうやら、やはり名前の通り東風谷の家系だそうで、早苗の御先祖でもあるらしいのだ。
 ̄ ̄次の朝
「ん、んぅ〜……」
私は、目が覚めた時に、息苦しいことに気付いた。何か……顔に柔らかいものが乗ってる感じ?押し付けられてる感じ?……何かしら?
「……」
恐る恐るそれを押し退けると、見慣れた顔があった。
……それは結花である。
当の本人は優雅にスヤスヤと寝ているし、自分の胸を私の顔に押し付けて寝るしで……
「あんた何やってんのよ、早く私の上から退きなさいっ!」グイ
私は、結花の腕を掴み、引っ張って横に寝かせた。
結花「んぁ、や〜み〜ぃ〜、もう少し優しくぅ……んんっ!」
「……」
私は、何やら自らの貞操に危機を感じ、その場を後にした。
その後起きてきた結花に、そのことについて問いただしたのはお約束。
その日は特になにも無かった。だが、次の日の巳の刻頃……
私は、ただ単に寝そべって煎餅を齧っていただけ。それなのに、急に私の頭の横に矢が、 バスッ!!! っていう音と共に刺さったんだから。流石の私でも、これはビビるわ〜。しかもこれ、神力混じってて普通のやつと違うからね。当たったら痛いよ、それも尋常じゃないくらいに。人間なら、もしかしたら頭が吹き飛んでたかもね!w←(笑い事じゃねぇ!!)
結花「なんだ、今の音は?」
「えっとねー、なんか手紙付いた矢が飛んできたよー。宛名は、諏訪子だってさ。おーい諏訪子ー!」
私は、矢に付いていた手紙をヒラヒラとする。
諏訪子「なになに?私宛の手紙?どれどれ……」
手紙を読み始めた諏訪子。だが、読み始めた諏訪子の顔が、どんどん青ざめていく。
オマケに、手紙を持つ手が震えているのだ。
「どうしたのよ、諏訪子?誰からの手紙だったの?」
諏訪子「…………大和」
「ん?」
諏訪子「手紙……大和からだった」
「……!!」
私は、この
「大和……ね、成程。それで、大和からなんて?」
諏訪子が、手紙を私に渡してくる。
「なになに……
『洩矢神 突然で申し訳ないが、貴様の地を奪わせて貰いに来た。こう書いているとおりだ、奪いに来た。貴様に与えられた権利はただ一つ、降伏か戦争。貴様の地の様子は、我々がよく知っている。だから、何処にいようと隠れようと無駄だ。貴様の国の者を護りたいのであれば、我々としては降伏を勧める。戦争についてだが、出来るのなら他と手を組むのもありだ。 大和』」
「……フッ」
私は、思わず笑みを零していた。
結花「ど、どうしたんだ?急に笑い出して……」
「いやね、普通だったら怒り狂ってたんだけど、どうしても笑いを押さえられない部分があって……」
結花「笑いを……押さえられない部分?」
「最後の文を見てみなさい」
結花は、手紙を読み出すとしばらくしてから、爆笑し始めた。
結花「あっはっはっは!!!成程、そういうことかい!」
「ね、傑作でしょう?『他と手を組むのもあり』これがどんなに自分に不利益なことか、神だったら普通分かるでしょうに……大和も馬鹿ねぇ」
諏訪子「……私は、どうすればいいのかな」
「大丈夫よ諏訪子、私たちがなんとかしてあげるから……貴方は、国の民を護りたいのでしょう?私が何とか、龍神を舐めんじゃないわよって平等に交渉してきてあげるから!」
私は、親指を立ててニッコリと笑ってみせた。
諏訪子「……うん、ありがとう!」
そっからは早かった。
私は、結花に諏訪子と花慧を守っていてほしい。とだけ伝え、諏訪大社を後にした。
ちなみに、いつでも龍神の姿でいる訳でもいかないので、種族変更してる。あっ、ちなみに妖獣の設定だよ。
そうこうしているうちに、私はいつの間にか大和の方に着いているわけで。
「デカいわね……流石、大和の神たちが住んでいるわけなだけあるわ」
「だけど、諏訪子の国を無理矢理奪い取ろうとしたことについては……否めないわね」
私は、愛用の日傘を持つ手に自然に力が入る。
やはり、許せない。人の国を無理矢理奪い取ろうとしたことが。
神になっても、悪にだけは人一倍敏感であった。
門番「貴様!何者だ!」
「洩矢の使いよ、交渉についてここへ来たわ。ここを通してくれるかしら?」
私は、諏訪子宛の手紙を門番に見せる。
門番「洩矢の使いか……まぁいい、通れ。妖怪を使いにするなど、洩矢神ももう終わったな!」
……門番よ、余計な一言を聞き逃しておいてやったことを感謝しなさいね?私が急いでいなければ、今すぐに貴様の首が飛んでいたというのだから……
?「誰ですか、そこの者!」
とある男が、私に剣先を向けてきた。……何やら、感じる神力が他の神より一際高い。
「……
スサノオ「誰ですか、貴方は!何故私の名前を知っているのです!」
私のことを覚えていないのかしら?と言いながら、札を一枚剥がす。
スサノオ「なっ!その御姿……その神力は姉上の!」
スサノオは驚き、でも冷静に剣をなおし、私の前に跪いた。……流石、上級神族。流石、私の弟。たまには、神様っぽい話し方をしてみようかしら?
「如何にも。我は夜刀神 闇ぞ」
……うん、自分でも思ったけど気持ち悪いわね。やっぱりいつも通りの私の方が良いのかな?まぁ、スサノオたち神にとっては今みたいな話し方の方が威厳等を放てて良いと言うが……私には関係ないね。威厳やらカリスマやら面倒臭いだけね。強けりゃ良いんだよ、私としてね。
スサノオ「……姉上、お願い申し上げとうことがございます!」
「何かしら?」
スサノオ「アマテラスの姉上を説得しては貰えないでしょうか!……姉上が氷河の地で行方不明になったと聞いてから、姉上の御命令を破っておりまして……」
スサノオは、さっと頭を下げて私に申告した。
……なんだ、そんなことか。というより、アマテラスが私の言いつけを破っているですって?
「アマテラスが、私の言いつけを破っている……とは具体的にどういう?」
スサノオ「はっ、具体的に申し上げますと……」
スサノオは、ゆっくりと、しかし具体的にはきはきと詳しく話してくれた。
スサノオが言うには、アマテラスが私の言いつけを破って……というのも、『神だからって人間に偉そうにするな』とか。
そういうのを、破っているそうだ。
……流石の私も、それを破っているとなると怒る。
偉そうにするなって、幾度も聞かせたはずなのに……どうして破る気になったのかな?そういうの、ダメだと思うんだけどなぁ……
「スサノオ、とりあえず……案内しなさい?」
スサノオ「分かりました……着いてきてください」
……何処へとは言わない。スサノオも、私もそれは分かっているからだ。
〜移動中〜
スサノオ「姉上、此方です」
スサノオは、着いた部屋のドアを開け、私をエスコートしてくる。
「……此処が」
私が入った部屋は、かなり大きな部屋だった。
他の神々もおり、広い。奥には、この部屋の中でも強い存在感を放っている女性3人組が並んで座っていた。
と、思っていると、3人のうちの1人が声を上げた。
?「……何ですか、こんな場所に?」
 ̄ ̄天照大御神だった。