自称英国紳士によるハイキング(大統領娘救出) 作:英国紳士擬き
会話がない分文書が酷いです。
私バート・ディーチは探検家である。
あぁ、いや、職業とかそういうわけではない。
ただこう、興味がある事に飛びつきやすいというかなんというか...
まぁ、あれだ、自由奔放に生きている学生なのである。
そして私はとある古くさい資料からある写真を数枚見つけてしまったのである。
それはどこか綺麗な湖と立派な城の写真であった。
しかし不思議な事に湖はまだしも、ここまで立派な城なら有名そうなものだが見た事がないのだ。
色々な人に聞いて回ったが全くわからん。
酷い時には合成写真だと疑われた事もあった。
まぁ酷く古い写真なのでこの城はもう無いかもしれんが城跡がどうなってるかぐらい知りたいものである。
そこからは勉学なんぞほっぽり出してその場所を探した。
図書館に毎日通いひたすら探し回った。
学校から講義に出席しないのかと連絡が来たので取り敢えず休校届けを出して一年が過ぎた。
そしてとうとう恐らくきっとメイビーでパハップスな場所をスペインだと決めつけ、荷物を纏めて家を飛び出したのである。
2004年秋。
これは大学を一年でやめた自称英国紳士が色々とやらかしていく物語である。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーどーなってんだこれ。
イギリスを飛び出しスペインに到着するや目的の場所へと金にモノを言わせて近くまでやってきた。
そしてまだ見ぬ浪漫(城)を目指して山奥へと入っていったのだがてんで道がわからぬ。
前日から不眠の深夜テンションにより謎の自信を持って山奥を突き進み、川があったので川沿いに進んでたのだが谷にあたるのか両側に高い崖があるので景色もほぼほぼ変わらないのである。
そんな中ひたすら歩くのは流石に辛かった。
食料は持ってきているのでなんとかなっているがやはり乗り物に乗って来るべきだったか。
そんな風に後悔しながら歩き続けていると遠くでエンジンの後が聞こえた。
うん、そこからはマジで意味がわからん。
谷の上に車が一台通れそうな橋が架かっている。
確かに谷は高いがロープでもあれば登れそうだ。
上からエンジンの音が聞こえるのでそこに車が止まっているのだろうと考え、思い切って助けを求めてみた。
「おーい!だれか助けてくれ!!」
俺の声は谷に反響しうるさいくらいに響いた。暫くすると、なんと車が二台で迎えにきてくれたのだ。
上から落ちて来る形でな。
幸いな事に距離が開いていたので怪我はなかったんだが...
うん、もう一回言うぞ、どーなってんだこれ。
現状を整理しよう。
川沿い歩いて助けを呼んだら車が二台落ちてきた。イマココ。
人助ける為に上から車二台で突っ込むとか完全に発想がパンジャンドラムしてやがる。
英国的な発想にシンパシーを感じていると数人が走って来る音が聞こえたので反射的に隠れる。
近場の岩から様子を伺っていると何語か知らんが話してらっしゃる。
そして話終わったのか車から意識のない男二人を取り出して連れて行ってしまった。
・・・死んでないよな?
あの上から落下とか普通に死亡案件な気がするが連れ帰って治療でもするのだろうか。
俺は結局その男達に話しかけられないまま後ろをこっそりとついていく事にした。