Infinite GrandOrder ~異世界から帰還した魔術使い~(凍結)   作:ursus

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第十五話~各々の出会い~

 いつものように手分けして特異点の原因を探す一夏達であったがその道中で人形の軍勢に襲われていた。

 

一夏「こいつら、本当に人形か?」

 

ランスロット「そうですね。まるで本物の人間を相手にしているようです」

 

 挙動や体運びが人間に近い動きをする敵に疑問を抱く事はあるが臆するようなサーヴァント(ランスロット)でもなければ、マスター(一夏)でもない。

 しかも、今回はもう一人助っ人がいる。

 

金時「オラァ!」

 

 坂田金時(ライダー)の拳が人形を粉砕する。一夏が改めて契約したサーヴァントであるため戦力としては申し分ない。とは言っても干将・莫耶では流石に厳しいため一端消してまた投影魔術を行使する。

 

一夏「投影、開始(トレース・オン)

 

 投影したのは銀色に輝く一振りの宝剣。この剣はとある英雄が使った最高の切れ味を持つ剣。

 その剣の銘は―――――――

 

一夏「絶世の名剣(デュランダル)!」

 

 持ち主の能力に拠らず最高の切れ味を維持する宝剣の刃に人形は一刀両断されてしまった。魔力の消費量や使い勝手の観点からすればいつも使っている干将・莫耶の方に一歩譲るが、性能面では勝っているので干将・莫耶の次によく使っている。

 

一夏「セイバー、敵陣に風穴を開けるからフォローを頼む。ライダーはバイクの準備をしてくれ」

 

ランスロット「分かりました」

 

金時「任せな」

 

 一夏の指示を受けたサーヴァント達は各々行動に移し、一夏は黒い弓と捻じれた剣を投影した。

 

一夏「我が骨子は捻じれ狂う――――――――偽・螺旋剣(カラドボルグⅡ)!」

 

 矢として改造され、放たれた剣は衝撃を撒き散らしながら次々と人形を破壊していく。矢が中間地点に到達するとある言葉を口にした。

 

一夏「壊れた幻想(ブロークン・ファンタズム)

 

 矢を爆発させることによって敵陣が崩れた瞬間、坂田金時(ライダー)が運転するベアー号にランスロット(セイバー)が跨り、その後ろに一夏が乗った。

 

一夏「金ちゃん、重くなるけど大丈夫か?」

 

金時「ベアー号はそんなに軟じゃねぇぜ。そんじゃかっ飛ばそうか!」

 

 大人二人と少年一人を乗せても余裕で100㎞以上のスピードを出すとはとんでもないモンスターマシンだと一夏は思う。

 閃光ともいえる速度で一人と二騎のサーヴァントは離脱していく。その中で彼等を見ていた視線があったことも知らずに。

 

 

 

**************

 

 

 

 シャルロットは困惑していた。一夏達から別れた後、マシュからサーヴァントの反応があると聞きつけてやってきた。そこまではいい、小学生くらいの女の子に出くわした。

 

シャルロット「えっと……君は?」

 

 サーヴァントは人を超えた存在の為見た目では実力が計れない。恐る恐る話そうとするシャルロットであったがお守りとして腕に付けている鈴が鳴った。この鈴は警告のルーンが刻まれており、敵意がある者が近づくと鳴るのだ。

 ジャンヌ(ルーラー)も自身の感知能力でサーヴァントがこちらに接近している事に気付いている。

 

ジャンヌ「アサシン、いるのでしょう?出てきなさい」

 

 彼女が口調をきつめにして命令すると襤褸の赤いマントで顔を隠した軽装な鎧を着た人物が現れた。ジャンヌ(ルーラー)は彼の事をアサシンと言ったが、シャルロットには既視感を覚えた。

 

シャルロット「(エミヤさんと同じ?)」

 

 クラスも容姿も違うはずなのに色褪せたような浅黒い肌と白髪が原因なのか雰囲気が似ていた。

 

アサシン「ルーラーか。……その少女は誰だい?」

 

ジャンヌ「彼女は私のマスターであり、カルデアに所属している新しい魔術師です」

 

シャルロット「シャルロット・デュノアです」

 

アサシン「カルデアに?……なるほど、なんらかの厄介事に巻き込まれてその勢いのまま魔術師になったわけか」

 

シャルロット「そのとおりです。僕から一ついいですか?」

 

 カルデアの名前が挙がったことから目の前のサーヴァントは一夏と契約を結んだ事があったのだろう。

 

シャルロット「エミヤさんとはどういった御関係なのですか?」

 

アサシン「士郎のことかい?」

 

 彼が口にした士郎とはIS学園で一夏が契約し、食堂の総料理長を務めているあのサーヴァントの事だった。サーヴァントが食堂を切り盛りしているの事に可笑しいと思いながらも目の前のサーヴァントにとりあえず、訊いてみる。

 

アサシン「彼は僕の息子だよ。まぁ、平行世界の住人で養子だから直接血が繋がっているわけじゃないけどね」

 

 漸く警戒心を解いてくれたアサシンに胸を撫で下ろすシャルロットであったがまさか親子とは思わなかった。

 

アサシン「そこのルーラーの言う様にクラスはアサシンだ。よろしく」

 

シャルロット「よ、よろしくお願いします」

 

???「もう、ちゃんと真名を言わないパパ(・・)なんて嫌いよ。私はイリヤって言います。一応……魔法少女をやっています」

 

アサシン「真名はエミヤキリツグ(・・・・・・・)だ。この娘も平行世界ではあるけど、僕の子だよ」

 

シャルロット「魔法少女って言うクラスもあるんだ」

 

ジャンヌ「そのようなクラスはありません。彼女のクラスは『魔術師(キャスター)』です」

 

 ジャンヌ(ルーラー)のツッコミを受け入れるがシャルロット自身そのようなクラスが無い事を知っている。涙目で口の端から血を流しているアサシンが視界に映っていたから現実逃避を行っているのだ。

 そしてイリヤも平行世界の話とはいえキリツグ(アサシン)と親子の関係で揃ってサーヴァントになるとは一体どんなことをすれば英霊になれるのかと問いたい気分を無理矢理抑える。

 因みに平行世界ではあるが彼には妻がいて彼女もやはりと言うべきか、サーヴァントとなっている事にシャルロットは全く気付いていない。

 

シャルロット「(このアサシンは親馬鹿なんだ…)」

 

 無機質な雰囲気をしていたが意外な弱点があった事に笑いをなんとか抑え込む。こうしてシャルロットは二騎のサーヴァントとの契約を行った。

 

 

 

*********

 

 

 

 簪は広い空き地で薙刀を振るっていた、素振りではなく試合形式で。家を出て一人になったはずの彼女が一体誰と戦っているのか。

 簪と戦っているのは銀髪をポニーテールにした赤目の女性だった。女性の薙刀が簪の胴に入った。

 

簪「まだまだインフェルノ(・・・・・・)さんには届かないか」

 

インフェルノ「マスター(・・・・)も十分強いですよ」

 

 インフェルノと呼ばれた女性は謙遜をと思う。実戦なら相手は死んでいたかもしれない一撃を貰いそうになったのだ。

 一般人として考えれば十分強いが、英雄(・・)であるインフェルノには経験と言う物が存在し、易々とは超えられない。

 

簪「今日もありがとうございました」

 

インフェルノ「マスターの指南もサーヴァントの務めですから」

 

 簪自身彼女の事をよく分かっていないが知り合ったばかりなのにこの人(?)とは上手くやっていけそうな気がする簪。しかし、事件の渦中に放り込まれることになる事になるのはまだ先の話である。

 

 

 

*********

 

 

 

 レゾナンスの中では一匹の獣が咆哮を上げた。周囲には獣によって食い殺された骸の山が存在していた。しかし、どれだけ喰らおうとも飢えは満たされなかった。

 獣の目には激しい憎悪を秘めていた

 

 

 

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