Infinite GrandOrder ~異世界から帰還した魔術使い~(凍結)   作:ursus

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かなり内容が早足になっているかもしれませんがどうぞ!


第二十話~二つ戦闘~

 

 自分の出生への絶望や劣等感。真実を知っても自分を信じると言ってくれたシャルロットへの感謝の気持ちを涙と共に吐き出した一夏は落ち着きを取り戻していた。

 

シャルロット「……落ち着いた?」

 

一夏「あぁ。けど、なんか恥ずかしいな」

 

 同学年に恥ずかしい所を見られたのか顔がかなり赤くなっている。そんな一夏にシャルロットは始めて一夏が涙を流す所を見て新鮮だなと微笑む。

 

シャルロット「(良かった。少しはあれ(・・)から遠ざけたかな?)」

 

 微笑するシャルロットの言うあれとは一夏が自分の前から消えてからよく見る夢の事だ。悪夢と呼べる物ではないが良い夢でもない曖昧な夢を毎晩のように見ていた。

 それは鉛色の空の元、荒廃した大地に築き上げた血塗れで倒れている女性の屍の山。死体の全部に赤や青、黄色等のいろんな色の金属を纏っていた。それがISであるとシャルロットはすぐに気が付いた。

 その屍山(しざん)の頂に立っているのは白髪で浅黒い肌の少年。ボロボロの衣類を身に纏い、血を流しながら手に剣を持っていた。まるで持っていた凡てが摩耗し、褪せてしまった雰囲気であったがその顔立ちはよく知っている。

 

シャルロット「(あの夢はきっと一夏が辿るであろう未来の一つだ)」

 

 彼女自身はっきりとした確証も証拠も持っていない。

 しかし、実感だけは何故か感じられ、しこりとなってずっと心の中に残っていた。そして彼と再会した際、魔術といった本来なら知る術すらない物を駆使して戦う彼を見てその実感がさらに強くなった。

 

シャルロット「(この戦いでどのような結果になるのかは分からない。けど、あの夢が一夏の末路ならどうにかして変えなきゃ)」

 

 現在が過去の積み重ねならその積み重ねた時間を変えれば未来を変えられる事ができるかもしれない。

 

一夏「そろそろ行こうぜ」

 

シャルロット「うん」

 

 そう信じてシャルロットは彼の後を追う。

 

 

 

***********************

 

 

 

 IS委員会日本支部では鈴は千冬や他の人を護るために自動人形(オートマター)相手に奮闘していた。鈴を筆頭に所属している女性操縦者は打鉄を纏って戦線に身を投じる。今まで絶対防御と言う恩恵のせいで死の恐れを体験してこなかったため次々に戦闘不能になる者があちらこちらに存在し地に落ちた操縦者は凶刃の餌食となって物言わぬ屍となった。味わってこなかった恐怖を感じとってさらに動きを鈍くさせる。

 彼女達にとって幸いなのはワイバーンやドラゴンと違って攻撃は通る事だ。

 

鈴「しつこいわね」

 

 近づいてくる敵には双天牙月で切り裂き、遠くの敵は龍砲で蹴散らす。幾らエネルギーの消費量が少ない機体とはいえ、二時間以上休みなしで戦えない。

 それを可能にしているのは甲龍の特性ともう一つの要因があった。

 

呂布「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■!」

 

 鈴を護るかのように彼女が契約した呂布(バーサーカー)は群がる自動人形を一掃する。このサーヴァントがいたからこそ彼女達は生存する確率が上がっていたとも言える。当然、呂布は他の人に見えないように鈴と共に最前線で戦っている。鈴も呂布の存在を隠すかのように派手に大立ち回りをしている。そのため誰も呂布の存在を知らない。

 いや、一人だけ知っている人物がいる。

 

簪「大丈夫?」

 

鈴「平気よ、アンタこそ専用機もないのに補給とか大丈夫なの?」

 

簪「今はそんなことを気にしている余裕はない。それに私の専用機は打鉄をベースにしているから問題ない。あのバーサーカーって人もよく戦っているね」

 

 眼鏡をかけた水色の髪の少女、更識簪が鈴をフォローする形で荷電砲を撃っている。何故呂布(バーサーカー)を見ても驚かないのかは彼女も呂布を見ているし鈴と同じく(・・・・・)サーヴァントと契約した人物なのだ。

 

インフェルノ「(マスター、三時の方向に敵のサーヴァントがいます)

 

 遠くから弓矢で援護射撃を行っているインフェルノが優れた視覚で敵を補足した。

 

???「おお、おお、おおお!自動人形が、可愛い観客たちが燃えていく……!クリスティーヌの歌声をを称賛すべき人形たちが消えていく」

 

 顔の半分を髑髏の仮面で隠した背の高い男性とその隣にいる異質な人形。今まで感じた事なんてない狂気に自分の体が一瞬だけ氷のように冷たくなった気がした。

 

鈴「ここからが正念場ってわけね」

 

簪「お互い頑張ろう」

 

 目の前にいる死を具現化したような存在に恐怖するも鈴と簪は気持ちを引き締めて立ち向かおうとする。今の自分達ではやれることは限られているだろう。

 しかし、今は心強い仲間がいる。それが自分達の支えとなって立ち向かえる勇気を生み出している。

 

 

 

******************

 

 

 

???「ほぉ、流石はカルデアのマスターだ」

 

一夏「魔神柱だ!魔神柱だろう!?なぁ、魔神柱だろ!!?素材おいてけぇえぇぇぇぇぇ!」

 

金時「大将!?何かキャラが変わってるぜ!?」

 

ヘラクレス「―――――――!?」

 

 鈴と簪が戦っている場所とは別の場所で干将と莫耶で攻撃を裁き、攻撃を仕掛けてくる一夏に思わずツッコミを入れてしまう坂田金時(ライダー)と止めようとするヘラクレス(バーサーカー)。目のハイライトが消え、形容しがたい笑みを浮かべた姿は首を狩るのが大好きな薩摩出身の妖怪の様である。

 

ランスロット「全く、困ったお方だ」

 

キリツグ「確かに必要ではあるが…これだとどっちが悪なのか分からないな」

 

イリヤ「あわわわ…」

 

ジャンヌ「マスター、彼のようには絶対ならないようにしてくださいね」

 

シャルロット「……はい」

 

 その光景に呆れている者に右往左往する者、そして新人マスター(シャルロット)に釘を刺す者と様々な反応を示す。

 

シャルロット「(あんなにハッチャけた一夏は見たことないな…)」

 

 また一つ自分が知らない好きな人の一面を見たシャルロットはどう反応すればいいのか分からず曖昧な表情をするしかなかった。

 

 

 

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