Infinite GrandOrder ~異世界から帰還した魔術使い~(凍結) 作:ursus
シャルロット「まさか、ジャンヌ様がアーチャークラスとは思わなかったな」
一夏「公表されるまでライダークラスではないかと言われていたからな」
茨木も牛若丸も欲しいぜ
一夏「課金は程々にな。ところで…部屋の隅でいじけている沖田をどう慰めよう」
沖田「 ρ(;ェ;`○) 」
簪は湧き上がってくる恐怖を感じながらも目の前にいる顔の半分を隠した男を注意深く観察する。
簪「(これが
インフェルノからサーヴァントのことを説明してもらってある程度の知識を身に着けたがいざ、対面すると纏っている空気が普通の人とは全然違う。
どんな人物なのかまだ分からないが今の自分ではどうしたって勝ち目はない。姉ですら彼からして見れば篝火の周辺を舞う羽虫に近い存在だろう。非才の自分が一人で乗り越えるにはあまりにも高すぎる。
しかし、彼女は一人ではない。心強い仲間がいる。
鈴「どうやらこいつが親玉って思えばいいのかしら?」
簪「その可能性は高い。けど、気を付けないと死ぬ」
一瞬でも気圧されたらあの世行きは確定だ。鈴も発している殺気に勘づいているので重々承知している。
インフェルノ「私がサーヴァントと戦います」
インフェルノの作戦に二人は同意する。自分達では足手まといになり、役には立たない。
簪「私たちはあの人形を相手にします」
鈴「あんたはインフェルノさんとちゃんと連携を取りなさいよ」
呂布「■■■■――!」
承知と言わんばかりに呂布は男に攻撃を行う。インフェルノも手に持っている刷いた太刀や薙刀で攻める。
クリスティーヌと呼ばれた人形と対峙する。しかし、この人形は攻撃力も耐久度も他の人形とは桁違いで中々攻撃が当たらないし倒れない。逆にこちらの損傷が大きくなる一方である。
簪「(あんな細い爪でISの装甲を引き裂くなんて普通じゃない。ここは遠距離で攻めるのがベターだけど…)」
近接ブレードは既に切断されて使い物にならないしライフルやマシンガンの弾丸も心許ない。どうやって戦うべきか必死になって考える簪の隣で倒れていた鈴は歯を食いしばって立ち上がる。
鈴「負けるわけにはいかないのよ。私はあいつが守りたい人達を守るって決めた」
脳裏には恋焦がれた人物の笑顔。行方不明と聞かされた時は目の前が真っ暗になった。月日が経つにつれて生存の確立が低くなる。もしかしたらあいつはもういないと思うと全てが嫌になり、元凶を憎んだりもした。だが、憎んでも亡くした者は生き返らないし虚しいだけだ。
ならば、彼が守ろうとした物を守ろう。
鈴「あんたらが何者なのかは知らないし興味はない。けど、これ以上私の……あいつの大事にしているものに傷つけるわけにはいかないのよ!」
吠えた鈴はクリスティーヌに特攻をしかける。その時、鈴の体に回路のような模様が翡翠色に輝いた。
振り下ろす途中で刃が折れたが気にしない。残った刃をクリスティーヌに食い込ませると柄で殴り始めた。一発だけではなく何度も何度も殴った。
そして殴った分だけ刃が食い込む。
鈴「でりゃあぁぁぁぁ!」
裂帛した気勢と共に拳を叩き込むと双天牙月の刃はクリスティーヌを断割した。
簪「私だって…負けられない!」
それでもまだ動く自動人形に簪はありったけの弾丸をぶちまける。二つに割れ、弾丸によって蜂の巣された人形は漸く停止した。
鈴「人間様を舐めんなぁぁぁぁ!」
回路の模様が消え息絶え絶えでも咆哮を挙げる。格上の敵一人を倒したことへの達成感かそれとも味方を鼓舞するためか、あるいはその両方か。
いずれにしても一筋の光明が見えた。
呂布「■■■■■■■■!」
巨体に似合う弓を呼び出すと今まで振り回していた方天画戟が巨大な矢へと姿を変えた。
呂布「■■■■!」
三国志最強の男が放った矢は波動となり、周囲を呑み込んで男に命中した。
???「お、おのれ…よくもクリスティーヌを…」
ボロボロになりながらも立ち上がるが誰が見ても風前の灯火の命だ。もちろん、ここで攻撃の手を緩めることはしない。
インフェルノ「宝具、断片展開。私に焔を…」
満身創痍の男を空高く投げ飛ばすと炎を纏った矢を番える。
インフェルノ「旭の耀きを!――――――燃えろ!呑み込め!何もかも!」
放たれた矢は男に命中し、その爆炎で今度こそ男は消えた。
鈴「終わった…の?」
簪「多分」
今日だけでいくつの死線を乗り越えたのだろうか。少なくとも一介の高校生が一回あるかないかの死ぬかもしれない経験を軽く超えている。
鈴「あぁ~お腹空いた」
生の実感と疲労で地面に倒れる鈴。遠くで何やら騒いでいるようだが今となってはどうでもよく感じた。
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一方で一夏とシャルロット、魔神柱との戦いは魔神柱が優勢の状態で膠着していた。
一夏「流石に一筋縄じゃいかないか」
煙が晴れるとそこには傷だらけの一夏が愚痴を一つこぼした。傷だらけといっても擦り傷程度の怪我なので大事に至ってない。サーヴァントも一騎とも一夏と同じで致命的な傷はない。
一夏「(シャルロットは疲弊しているな。無理もない、初めてこんな化け物と戦うはめになっちまったからな)」
特異点で魔神柱と相対し、どの戦いも決して楽ではなかった。しかし、何度も彼らと接触していくうちに発している気に対応できるようになったがシャルロットは違う。始めての魔神柱との戦いに精神がついていけていない。
イリヤ「マスターさん、大丈夫ですか?」
シャルロット「大丈夫。魔力も少しだけ余裕があるから」
彼女は一夏と違ってずっと後方支援していたため外傷こそないが重圧による精神的な疲労が蓄積されていく。
一夏「(こいつは早いとこケリをつけないと…)」
しかし、状況を打開するための作戦がない。
一夏「(カードを切るべきか?いや、あれは最後までとっておくべきだ)」
あれは強力だがリスクが高すぎる。自身にとっての切り札を早々に切るわけにはいかない。
一夏「(一か八か…)
投影したのはまるで岩石をコーティングしたかのような全長数十メートルの巨大な剣。それはメソポタミア神話に登場する戦いの神が持つ「翠の刃」、「斬山剣」と呼ばれた一振りだ。
その真名は――――――――
一夏「
イリヤ「あれって神造兵器で投影できないはずじゃ…」
キリツグ「いや、あれは全工程をキャンセルしたから投影は可能だよ」
とある守護者の起源と魔術回路を有している一夏だからこそできる芸当である。しかし、それだけは魔神柱は倒せない。
魔神柱「たかがガワだけの贋作で倒せると思ったか!?甘いわ!」
魔力による爆発で砕けたが一夏の口元は微かに上がっていた。
一夏「これだけ馬鹿でかい剣だと否が応でも目が行くわな」
砕かれた破片を利用しながら身を隠し、次の攻撃に移る。一夏は元々この程度の攻撃で魔神柱が倒れるとは思っていない。あくまで気を逸らすための牽制だ。
金時「サンキュウ、大将。そんじゃカッ飛ばそうか!」
バイク――――
金時「ベアーハウリング!
速度を上げるにつれて電撃が発生し、それが勢いを増していく。稲妻烈火を巻き上げて爆走するモンスターマシンは魔神柱を撥ねた。
金時「
そして走った後で発生した摩擦熱が火柱となって焼き尽くした。
魔神柱「ぐっ、この程度の損傷…」
一夏「回復なんてさせねぇ…」
矢として放とうとしているのは鎌と似ても似つかない剣。弦を引き絞るとそれは細くなり、矢へと姿を変えていく。
それはギリシャ神話に登場する英雄が手にしていた武器。
一夏「
金時が開けた穴に矢が深々と突き刺さった。それだけで一夏の攻撃はまだ終わりではなかった。
一夏「
回復しようとした矢先に巨大な爆発。そして内包した神秘がさらに魔神柱の傷を深くする。この時、シャルロットは魔神柱の異変に気付いた。
シャルロット「回復してない?」
ジャンヌ「一夏君が放った矢は不死系の特殊能力を無効化する能力が込められているのです」
今まで攻撃しても即時回復・復元するのに一夏がつけた傷だけは残ったことに疑問を持ったがジャンヌが解説してくれたおかげで納得できた。
癒えない傷をもらって大幅に弱体化した。
一夏「今だ、セイバー!バーサーカー!」
ランスロット「我が王に誓って…!」
ヘラクレス「■■■■■■■■!」
シャルロット「キリツグさんもお願いします」
キリツグ「分かった…カードを切ろう」
絶好の機会を逃すまいと各サーヴァントに宝具の使用を許可する。
ランスロット「最果てに至れ、限界を超えよ。彼方の王よ…この光をご覧あれ!」
キリツグ「さぁ、ついてこれるか?」
ランスロットは自身の愛剣――――――
ヘラクレス「■■■■■■■■!」
まず始めに攻撃したのは
高速の九連撃は魔神柱に多大なダメージを与える。
キリツグ「
時は流れ、今日には微笑む花も明日には枯れ果てる。
生前から有していた『
自身を加速しそのまま猛スピードのラッシュを仕掛けた後、背後を取ってコンテンダーに装填された弾丸を打ち込んだ。
ランスロット「
本来なら光の斬撃として放つ魔力をあえて放出せずに留め、対象者を斬りつけた際に解放する剣技。切り裂かれた魔神柱の断面から膨大な魔力が溢れ、まるで湖のような青い光が湛えた。
魔神柱「ぐっ、こんな…」
一夏「慢心しちまったのがいけなかったな。力が足りないなら他の力で補うのは当たり前だろう」
素材とか落としてくれないかなと思いながら魔神柱の最期の嘲笑が聞こえる。
ランスロット「何がおかしい」
魔神柱「貴様らは我が消えれば全て解決すると、それはとんだ思い違いだ。」
一夏がそれは一体誰だと訊こうとしたが瞬間、恐ろしい殺気を感じ、咄嗟に干将・莫邪を投影して一撃を防ぐがあまりにも強力すぎて足が地面から離れ、近くの書店に突っ込んだ。
シャルロット「一夏!?」
一夏「大丈夫、受け身はとった。それよりも連戦になるから気を引き締めろl」
ボロボロになりながら出てきた一夏を見て致命傷を負っていない事に一安心するシャルロットであったが彼を攻撃した存在を一瞥した瞬間、酷い悪寒が駆け巡った。
その存在は憎悪を燃やしていた。
???「――――――――――!!?」
鎌のような武器を手にしている首無しの騎士に跨っている巨躯の狼は思わず耳を塞ぎたくなる咆哮を挙げた。