Infinite GrandOrder ~異世界から帰還した魔術使い~(凍結) 作:ursus
一夏「へっ?帰れるの!?」
???「うん。と言っても理論上だからあまり期待しないでね」
デーモンやキメラ狩りから帰って来た一夏達は『ダ・ヴィンチちゃん』に呼び出された。
彼女はカルデアの召喚成功例3番目のサーヴァントでその真名は人類史上の最大の天才と名高い万能の人、『レオナルド・ダ・ヴィンチ』である。中身は男性なのだが、自身の傑作である『モナ・リザ』の美しさに心酔しており、現界する際にわざわざモナ・リザそのものの姿で現界してしまったそうだ。
その話を聞いた一夏は『世に出てくる天才と言うのは常識を覆す事しか考えていないのかもしれない』と思ったそうだ。
マシュ「モードレッドさん…しっかりしてください」
モードレッド「マスター怖い、マスター怖い、マスター怖い、マスター怖い、マスター怖い、マスター怖い、マスター怖い、マスター怖い、マスター怖い、マスター怖い、マスター怖い、マスター怖い、マスター怖い、マスター怖い、マスター怖い、マスター怖い、マスター怖い、マスター怖い、マスター怖い、マスター怖い、マスター怖い、マスター怖い、マスター怖い、マスター怖い、マスター怖い、助けて、父上…」
???「こりゃ暫く立ち直りそうにねぇな」
部屋の隅で顔面蒼白で震えているモードレッドを必死に励ましているマシュと同情している全身タイツの男―――クランの猛犬こと『クー・フーリン』を視界から外して一夏はダ・ヴィンチの話を聞く。
ダ・ヴィンチちゃん「最初はどうしたものかと考えたけど、君の付けている腕輪のおかげで特定できたよ」
一夏「白式が…」
右腕に巻いてあるボロボロのガントレット―――待機状態の白式を見た。
この世界に来たときには既にこの状態でISとしての機能は完全に停止しており、コアだけは辛うじて動いている。それでも肌身離さず身に着けているのはお守りとしているからだ。
一夏「それで、どうすればいいんだ?」
ダ・ヴィンチちゃん「それは―――――」
ダ・ヴィンチちゃんが紡いだ言葉に一夏はおろかサーヴァント達も驚いた。
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暗い部屋の中で牢獄に入れられた少女は膝を抱えて虚空を眺めている。
???「どうして私はこんなにも弱いんだ…」
分かっていた。彼の性格なら例え悪側の者であろうと庇う事は分かっていたはずだ。けど、専用機を貰っての初陣による高揚感から見落としてしまい、大きな隙を作ってしまった結果、彼を死なせてしまった。
彼の死に対して彼に恋した者は目に見えるくらい落ち込んでいた。その中で彼女が一番酷かった。
それもそのはず、彼の死ぬ原因を作ったのは他でもない彼女なのだから。彼の後を追って死にたいのに自分の血筋が邪魔をする。死ぬ自由すらない彼女はどうしていいか分からない。
しかし、それは数分前の話。
???「全て壊れてしまえばいい。ISもこの学園もそしてこの世界も…」
彼を殺した原因でもあるIS、彼を最初からいない者だと扱う学園、最愛の人がいない世界。
少女にとってそれらは全て認めない事なのだ。
故に全てを壊そうと決意する。
???「欲しい。唾棄すべき物を叩き潰す力が、全てを壊す力が…」
心を病み、壊れかけのラジオのように呟いている。その背後で何かが鈍く光ったのを少女は気づくことはなかった。
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IS学園の外れにある港。一夏は目を開けて周囲を見渡してみると見慣れた物があった。
一夏「レイシフトの要領で飛ばされたけど、本当にできちゃったよ」
ダ・ヴィンチちゃんが少し弄べば理論的には可能と言っていたが本当にできてしまうとは彼女の万能ぶりにはいつも驚かされる。
一夏「流石にこの格好は目立つよな」
今の彼の服装はカルデア候補生の制服の上に赤いコートを羽織っている。
冬かもしれないと思ったので着ていたが、少し熱く感じるのでまだ冬にはなっていないらしい。
一夏「さて…どうやって学園に入ろうか…」
行方不明になって三か月以上は経っているので死んだものと扱われていてもおかしくないため不法侵入者と間違えられる可能性が高い。と言うか今のご時世では男の立場がかなり弱いので間違いなく不法侵入者として扱われる。
気が滅入ってしまって思わずため息を吐いてしまった瞬間、妙な違和感を感じた。
一夏「魔力?誰かが魔術を行使しようとしているのか?いや、…この感覚は…聖杯?」
特異点で何度も感じた波長に一夏の表情がみるみる険しくなる。特異点でもない何故学園の人工島に聖杯があるのか疑問が湧き上がる。しかし、考えている暇はない。
背の高いを木の上にジャンプして昇り、頂上にたどり着く。この程度なら魔力による強化無しでもできる。コートから取り出すように双眼鏡を投影して覗いてみる。
一夏「ワイバーンに骸骨兵…。おいおい、魔術は秘匿にしなきゃいけないはずだろう。此処にサーヴァントでもいるのか?」
魔術はなべて秘匿されるべし。
それは魔術師の誰もが知っている禁忌。知られればその神秘は劣化し、神秘性を失うはずなのに平然と使っている。
一夏「とにかく、調べてみないと始まらないか」
近くに監視カメラはない。地面に降り立つとコートについているフードを被り、髑髏を模した仮面つける。この仮面には気配を遮断し装備者の存在を隠蔽する魔術礼装だ。
一夏「
足に回路のような物が浮かび上がると一夏は地面を蹴る。強化魔術の恩恵によって弾丸のような速度で地を駆ける。
一夏「(無事でいてくれよ)」
焦燥感を抑えながら一夏はさらに加速する。
*****
始まりは突然だった。何気ない日常を過ごしていた生徒は突如翼の付いた蜥蜴―――ワイバーンに襲われた。
幾ら最強の兵器を操れると言っても身に纏っていなければ普通の人と変わらない。次々に襲われては死肉を食い漁られている。
セシリア「この生物は一体何ですの!?」
シャルロット「僕達に訊かれても困るよ」
ラウラ「おまけに数が多い。」
専用機組はワイバーンの討伐をしていたが一向に減らない。
ワイバーンの表皮は堅く、
シャルロット「きゃっ!?」
隙を突いたワイバーンの体当たりを受けたシャルロットが墜落してしまった。体当たりの衝撃と墜落の衝撃が相俟って利き腕を負傷してしまった。何とか起き上がろうとするが既にワイバーンが目の前にいた。
セシリア達が彼女を助けようとするが群がるワイバーンの対処に追われて助けられない。絶体絶命の状況のはずなのにシャルロットは冷静だった。
シャルロット「(もう一度だけでもいいから一夏に会いたかったな…)」
全てを諦めて自分の死を受け入れようとした瞬間、突然現れた存在によってシャルロットは助かった。赤いコートを身に纏い、髑髏の仮面をつけた存在は手に持っている白と黒の双剣でワイバーンの首を刎ねた。
いきなりの乱入者によってセシリア達の顔が強張っている。
???「薄々思っていたけど、
声からして男性のようだ。
男は手に持っていた双剣を仕舞うと新たに弓と赤い矢を持つ。
???「危ないから少しじっとしていろ」
そう言って男はシャルロットを護る様に矢を番える。きりきりと弦を鳴らすと赤い矢がさらに赤く光る。矢に恐怖を覚えたワイバーンは空中に逃げようとするが無駄であった。
???「赤原を征け、緋の猟犬!
放たれた矢は赤い閃光となって次々にワイバーンを落としていく。そして残った者を白と黒の双剣を再び取り出して片付けていく。
敵を全て片付けると男はシャルロット達に顔を向ける。三人がかりで手こずっていた敵を倒してしまった男はセシリア達にとって脅威であるため警戒されている。しかし、そんな事にも目もくれずに男はシャルロットに近づいて腕を見る。
???「腕をやられているな…骨折だな。少し待ってくれ」
彼が言う通り、先ほどの戦闘でシャルロットの腕は骨折している。近くにあった鉄筋を引き抜いて折れた腕に宛がい、布を巻いていく。
巻かれているシャルロットは違和感を覚える。彼が手を当てると次第に痛みがひいていく。
???「応急処置はしたが、これ以上戦闘は無理だ。お前達はこの場から早く逃げろ」
セシリア「誰かは存じませんが勝手に命令しないでくださいまし!」
噛みついてくるセシリアを見て男は蟀谷の部分を掻くとフードを取った。
???「知っている奴なら命令してもいいんだろう?」
次に髑髏の仮面を取った。
男の素顔を見た瞬間、全員が固まった。そこには忘れもしない想い人の顔がそこにあった。
一夏「久しぶり…いや、ただいま」
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戦闘描写って難しいな…