Infinite GrandOrder ~異世界から帰還した魔術使い~(凍結) 作:ursus
シャルロットは夢を見ているのではないのかと一瞬だけ疑ったが腕の痛みから夢ではないと実感できた。
一夏「久しぶり…いや、ただいま」
本人であることが分かった瞬間、シャルロットは抱き着いた。
一夏「うぉっと!いきなりだな」
シャルロット「だって…福音と戦闘中に行方不明になってから箒達は元気がなくなって学園は一夏をいない者と扱って…」
一夏「分かった、心配かけて本当にゴメン」
涙声になって話してくれる彼女を見て自分がどれだけ心配をかけたのだと分かった。
セシリア「よくご無事で…」
ラウラ「今まで何処へ行っていたのだ?」
一夏「まぁ、秘境と言われても可笑しくない場所から命からがら戻ってきたとだけ言っておこう。しかも、白式は軍用ISとの戦闘でボロボロでISとしての機能は停止しているから生身での戦闘しかできない」
下手な嘘を言えばどこぞの嘘つき焼き殺すガールに殺されかねないので重要な情報を省いて説明する。一体どんな場所なのか訊きたいが状況が状況だけに後で聞こうと頭の隅に追い遣った。
一夏「それで…これは一体どういう事だ?ワイバーンが出てくるなんてファンタジー小説かよ」
そのファンタジー小説のような体験をした一夏が言うには聊か説得力に欠けるが、今のが異常事態であるという事は理解している。
セシリアは一夏にこれまでの経緯を話した。
一夏「なるほど…(中枢が派手に壊れているので監視カメラの類は死んでいる。例え、魔術を行使しても人に出会わなければ問題は無い。ISならホムンクルスぐらいなら勝てるけど、ワイバーンが相手だと無理みたいだな。ゴーストは…論外だな)俺はもう少し調べてみる。他に生きている生徒がいるかもしれないからな」
セシリア「そんな…一人では危険ですわ!」
一夏「大丈夫、大砲をぶっ
この異様な状況を対処できるのはこのメンツの中では一夏以外いない。
無論、この程度の事で下がる三人でない事は一夏自身よく知っているので三人にある細工を施す。
一夏「お前達は俺に会っていない。お前達は自分たちの力で危機を脱し、安全な場所へ移動する。お前達は自分たちの力で危機を脱し、安全な場所へ移動する」
シャルロット「……はい」
セシリア「……はい」
ラウラ「……はい」
三人に暗示をかけると踵を返した。ISが展開できず、負傷したシャルロットのためにラウラが彼女を背負って低空で移動する。
一夏「ごめんな。此処から先はお前等が踏み込んじゃいけない世界なんだよ」
腹を食いちぎられて自分の死を受け入れられず、驚愕した顔をしている死体の瞼をそっと閉ざす。
一夏「どこの馬鹿かは知らないがツケは払って貰うぞ」
元凶に対して怒りを静かに燃やし、一夏は仮面を被ってその場を後にする。
****
一夏がカルデアから去った数分後、異常事態の警報が鳴った。
マシュ「それは本当なんですか!?」
ダ・ヴィンチちゃん「うん。これは流石に私も予想外だったよ。まさか特異点に匹敵する歪みが生まれているなんてね」
予測不能の出来事にダ・ヴィンチちゃんとカルデアのスタッフ達は急いで情報をかき集めている。
マシュ「先輩…」
今すぐにでも駆けつけたいが『後遺症』でデミ・サーヴァントの力が使えない。
ダ・ヴィンチちゃん「一夏君なら大丈夫だよ。彼の悪運の強さは君だって知っているだろう?なら、今は私達ができる事を精一杯しよう」
マシュ「…はい」
****
その頃、一夏は瓦礫の中にじっと身を潜めて敵を観察していた。
一夏「(見たところ、統率はないみたいだな。)つか、どんだけいるんだよ…」
時に戦い、時に物陰に身を潜めてやり過ごしながら元凶を探っていく。
一夏「(サーヴァントがいれば状況は変わるんだけど…今は考えても仕方がない)」
ない物を嘆いていても変わるわけでもないと気持ちを切り替えて移動しようとした瞬間、只ならぬ殺気を感じた。
一夏「(この気配はサーヴァントか!?)」
咄嗟にその場から離れると一夏がいたところに刃が突き刺さっていた。
一夏「アサシンクラスのサーヴァントか!?」
顔を骸骨の仮面で隠した集団に一夏は見覚えがあった。
???「よくぞ、かわした」
一夏「これでも修羅場はそれなり経験しているからな。なぁ、『
ハサン「我々の真名を知っているのか。流石はカルデアのマスターだ。だが、殺さない理由が無い」
一夏「そうだろうな」
サーヴァントの遭遇と言う最悪なケースに出くわす羽目になってしまった事に内心舌打ちする。
一夏「
しかし此処で諦めるわけにもいかない。一夏は黒と白の双剣――――
ハサン「ほぅ…抗うのか?」
一夏「生憎、諦めが悪いんでね。悪いが抵抗させてもらうぞ」
周囲には隠れているハサン達がいる。けれど、一夏は臆する事無く近くいたハサンの一人を斬り殺した。
****
シャルロット「あれ?」
西側に移動しているシャルロットは途中である事に気付いた。
シャルロット「(何か忘れているような気がする…)」
助けられたのは覚えているが肝心な所が曖昧で思い出せないのだ。
シャルロット「これからどうしよう?」
セシリア「一先ず、安全な場所まで移動しませんと」
ラウラ「私とセシリアは補給が済み次第、捜索を開始する。シャルロットは負傷しているからこれ以上の戦闘は無理だから避難してくれ」
可笑しい。
まるでそのように誘導されているような気がしてならない。
シャルロット「他の人達はどうしているのかな?」
セシリア「一般の生徒は地下のシェルターに移動し、先生方はそれの護衛についています。」
ラウラ「だが、相手が相手だからな。苦戦しているかもしれない」
この後について話していると頭上から落下物が空気の層を穿ちながら目の前に落下した。
****
一夏とハサンの戦闘は一夏が圧倒的に不利だ。迫りくる刃をかわし、周囲を舞うように双剣を振るい、斬り伏せようとも数が減らない。体に傷は負っていないもののコートは傷だらけで存在を隠蔽する礼装である仮面が砕かれている。
一夏「流石は百貌、これだけ倒してもまだいるとは…正直言ってきついな」
全神経を張り巡らせながら戦闘しているので疲労の色が見ている。それでも一夏の意志は消えていない。
ハサン「凡人なら一人も殺すことはできないはずが半分近くまで減らすとは見事。だが、此処で終わりだ」
一夏「こんなところで終わるかよ」
どんな逆境に立たされても自分の意志は曲げない。折れた双剣を消して、再び投影して構えた瞬間、彼の真下に薄緑色の魔法陣が展開された。
一夏「これは…サーヴァントを呼び出すための陣。でも、どうして…」
凄まじい魔力の奔流。
この現象に一夏は何度も遭遇してきた。どうして『触媒』がない状態で召喚できるのか思考が追いつかない。
???「やれやれ…君は本当によく災難に見舞われるな」
そこに現れたのは赤い外套の男。
一夏はこの男をよく知っている。その男は一夏が契約している
一夏「さっきぶりだな、エミヤ…いや、此処ではアーチャーか」
エミヤ「そうだな。しかし、まさか災難体質だと思っていたが此処まで来るともう笑い話にもならんな」
相変わらずの皮肉に一夏は苦笑を浮かべて立ち上がる。
一夏「皮肉をどうもありがとさん。でも、今はこの場を切り抜けたい。手伝ってくれるか?」
エミヤ「無論だ。魔力を回せ、決めに行くぞ」
一夏「頼むぞ、アーチャー」
パスが繋がった事で一夏はエミヤに魔力を回す。その魔力を使ってエミヤはハサンの軍勢に対して十を優に超える剣を展開し、雨のように降り注いだ。
一夏「流石に俺がやるより迫力あるな」
エミヤ「君も投影魔術を使えるのならできない事は無いだろう」
一夏「投影できてもあれだけの数を飛ばすことはできないよ」
自嘲な笑みを浮かべて一夏は
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不意打ち気味に来た攻撃にシャルロットは吹っ飛ばされたが咄嗟に受け身を取ったので大事には至らなかった。だがそこには大きなクレーターができていた。
シャルロット「ラウラ!セシリア!」
何とか立ち上がって様子を見ると二人ともシールドエネルギーが無くなってISが解除されていた。幸いにも息をしているので気絶で済んだ。もし、直撃していたなら命は助からなかっただろう。
急いで二人を起こしてこの場を立ち去らないとまたさっきの攻撃が来ないとも限らない。
起こそうと必死に声をかけているが全く返事が無い。もっと強くしようと思った時。ガラリと言う音が後ろから聞こえた。
振り返ってみると骨で構成された兵士―――竜牙兵が立っていた。それも一体だけではなく、ハイエナのようにシャルロット達を取り囲んでいた。
シャルロット「いやぁ…助けて…」
常識では考えられない生物とISがなければ戦えない自分にシャルロットは恐怖で体が動けなくなってしまった。あの時は諦念してしまったが今は恐怖が支配している。竜牙兵達は好機と見てその場からジャンプし、襲い掛かって来た。
シャルロット「助けて…助けて、一夏ぁぁぁぁ!」
祈るように愛している人の名前を叫び、目を閉じた時だった。彼女が座り込んでいる地面が突然光り出し、同時に襲い掛かって来ていた竜牙兵たちが一瞬にして一掃された。
シャルロット「えっ?」
光の奔流が止まり、顔を上げるとインドの民族衣装を身に纏った女性が音叉のような槍を携えて立っていた。
???「貴方がマスターですか?」
シャルロット「マスター?」
???「サーヴァント・ランサー。
神秘が薄れてしまったこの世界に新しいマスターが誕生した。
おまけ―――――――
エミヤ「っ!?」
一夏「どうした?」
エミヤ「いや…何でもない(まさかこんな場所に私の身内がいるのか?)」
一夏「?」
カルデア
アルトリア(青・黒・白・聖槍・黒槍・X・X黒)「「「「「「「っ!!!?」」」」」」」
イシュタル「何か…嫌な予感がするわね…」
イリヤ「あの…アルトリアさん達やイシュタルさんの顔が怖いのですが…」
クー・フーリン「あいつ等はあの赤いアーチャーに惚れているからな。ライバルが出来たと感じてんじゃねぇの?」
イリヤ「…なるほど」
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やりたかったネタなので後悔はしていません。