時間飛びました。先を書きたくてですね……………
タグにあるベルクーリに関してはのちのちわかると思いますので。どうかそれまでお待ちくださいませ。
ではでは
ベルクーリの朝は早い。
日が昇る前に目を覚まし、ニミュエを起こさないように支度を始める。
湖で顔を洗うと、飲料用と生活用のための水を、湖から巻き上げ球の形に魔力でまとめて運ぶ。
水の準備が出来たら、今度は朝食の用意だ。温度の低くなっている洞窟の奥に保存してある肉や野菜を手にし、土の上に設置された台所(仮)で手早く料理を進めていく。スープを煮込みながらサラダ、おかずと次々と仕上げていく。
料理が終われば、今度は柔らかい草で作られたフカフカのベッドで寝息を立てるニミュエを起こす。だいたい呼んでも起きないので、耳元へ近づき
「あーあ、せっかくの美味しいご飯がー。これは私一人で食べるしかないですねー、ニミュエのぶんはなしかー(棒)」
と一言二言。すると弾かれたようにニミュエは飛び上がるので、そのままリビングの様なところへ連れていき朝ごはんとなる。
あとは、魔術の練習や研究。他には体術の練習など。ちなみに魔術に関してはニミュエが教えてくれるが、体術に関しては、独学である。だって、なんかあって魔術使えなくなったら抵抗するしかないじゃん、拳で。パシンッ!訓練としては、森の中に放たれた番犬替わりの幻獣を相手にしている。電撃をバズーカよろしくまとめて放つ狼だったり、桃色の体に似合わずうんこ投げつけてくるゴリラだったり、首にある特殊な器官で爆音を響かせる鳥のようなやつだったりだ。まだまだ紹介したりないが、こいつらを素手縛りで倒すというのが彼女の特訓だ。中には、私と同じ姿同じ力量プラスアルファしたものを持って現れるドッペルゲンガーもいる。対人については、彼、彼女?を探して訓練をする。
そんなこんなで暗くなったら朝食と同じ容量で夜ご飯を作り、ニミュエを寝かしつける。子守唄がないと眠れないそうで、ちゃんと寝かしつけてから、湖で体の汚れを落とす。
就寝。
これが湖の(乙女の)母と呼ばれるベルクーリの1日だ。
ニミュエに拾われて早数年。
私、ベルクーリはお姉ちゃんになりました。
その出来事が起きたのも突然だった。
「ベル!あなたお姉ちゃんになるのよ!!」
「は?」
起床した時にはいなかったニミュエ。ちょうど、夜ご飯を用意している時に一人の男の子を連れて帰ってきたのだ。
そして開口一番が姉になる、だと?またまた訳の分からんことを。
という訳で、ちょっと頭の足りないニミュエから情報をすべて吐き出させ、自分で整理する。
つまるところ、フランスのバン王の死後、彼に変わってこの男の子ことランスロットを教育することになったのだとか。ニミュエの後ろに立つランスロットを見る。偶然にも男の子改めてランスロットは、私と同じ紫色の髪をしていた。ほんとうに姉弟のようだ。まぁ、ニミュエがめちゃくちゃなことを言うのはしょっちゅうだし、面倒見るのが一人増えただけだ。それに、見ただけだが、大人しそうでニミュエよりもお世話が簡単そうに見える。
「よろしく、ランスロット」
そう言ってランスロットに手を指し伸ばした。
パシ、パシ。と音が響く。ただいま、私ベルクーリは弟とお約束となりつつある組手をしていた。
どうしてこうなったのか。
なんでも、ニミュエは聖剣と呼ばれる三振りの剣、『
「だってベルったら充分化け物じゃない」と言われた。解せぬ。
そんなこんなでランスロットと手合わせした訳なのだが。初手で半殺しにしてしまった。磁石のように引き合う魔力を練り込み、引き寄せてから強化した拳で殴ったらダウンしてしまった。
ニミュエが森を守るために放った番犬共と戦って手に入れた技術なのだが、こんなにもあっさりと倒れてしまうなんて。これじゃ聖剣なんてとても無理だぞ。
というわけで、ニミュエの召喚した幻獣の1匹と戦わせた。カブトムシとカマキリを混ぜて大きくしたみたいなやつだ。その名もアルセルタス。私はマウントとって殴ってK.O.でした。私に勝つならこれくらい瞬殺してくれなきゃ困る。というわけで、もしも命に関わるような攻撃を受けた場合、絶対防御を張る魔術をランスロットに秘密で仕掛けておき、私はニミュエのためのご飯を作りに行った。
最初なわけだから、アルセルタスにも三日くらいかかるかなぁと思って、ランスロットを森に放り込んで三日目。探知魔法でランスロットを、見つけ出してその場へ向かうと、衝撃的な後継が広がっていたのだ。
鎌や羽がちぎられて泡を吹いているアルセルタス、どうやらランスロットは課題をこなしたようだ。そのまま奥を見ると、私は驚かされた。なんと、アルセルタスの上位個体に位置するゲネル・セルタスの残骸が転がっていたのだ。2体とも幻獣なので、ボコボコと泡を立てながら回復し始めているが、あのダメージ量では当分動けないだろう。しかし、ランスロットは、放り込まれてたったの三日で幻獣に素手でダメージを与えられるようになっていたのだ。
鳥肌が立った。彼は強くなると。
そうして、特訓を積ませ続け、ようやっと戦える位になった。しかし
「ほっ、ら!ここがガラ空きだよ!」
「くぅっ!」
ランスロットの手首を掴むと自分の頭上に引っ張りあげると、がら空きになっている腹がベルクーリの射程距離に入ってくる。
「えい!」
「グボラァ!」
勢いに乗って飛んできたランスロットの腹に渾身の肘打ちをお見舞すると反動で浮いたランスロットを回転蹴りで森の中へと吹き飛ばす。
まだまだ、私には勝てないようだ。
「
ガコンガコンと、毎度お馴染みの積層魔法陣が6基展開する。目標をランスロットの飛んでいった方向に定める。
「んー、やっぱりやーめた」
すると大仰に両腕を開く。パンッ、と目の前で手を叩くように両手を合わせると6基の積層魔法陣が幾何学模様を描きながら、一つの巨大な魔法陣となった。さながらそれは未来の兵器、スナイパーライフルのようだった。
「探知魔法展開。
小さく音を立てながら、微調整を繰り返す。
「ふぁいあ!」
────────────ッ!!!
世界から音が消えた。ありとあらゆる体感情報をかき消してなお止まない光の奔流。座標固定までされたのだ、ランスロットに直撃したかと思われた魔力砲は、斜め上にその光の線を描いていた。
木々が薙ぎ払われただ大地が真っ直ぐに広がるその先に、ランスロットは片膝を付きながら、荒い呼吸を繰り返しながらこちらを見ていた。
その手に握られているのは、ニミュエが管理する聖剣が一つ、『
「いやー、なんで立ってんのさ。叩きのめすつもりで撃ったのに」
「ハァハァ、ご、ご冗談を………ハァ、ハァ。本気の、半分も出していないのに、ハァハァ……………」
「仮にもあなたの姉よ。まだまだ追い抜かれるようなことはないわ。それにね、世の中にはこんな言葉もあるのよ」
「それすなわち?」
「姉より優れた弟などいねぇ(キリッ)」
「そう、ですか」
それだけ残して、ランスロットは気を失って倒れてしまった。
満足げな表情を、浮かべながら私は
今回の作品、描写を模索するという意味も兼ねてまして。読まれる方で気持ち悪く思うところがあるかもしれません。もし、お気づきの点があれば感想欄まで。よろしくお願いします。