「不幸だー!!!」
朝早くからそんな悲鳴が学生寮に響き渡り俺はまたかと思う。おそらく隣の部屋の不幸な少年が新しい不幸に見舞われただけだろう。まあ念のため訪問して何があったか確認しよう。
「おーい、どうした当麻?」
「空也!携帯がぶっ壊れた!」
すぐに不幸な少年、上条当麻からの返事が返ってきた。それを聞いた俺、神田空也は
「どうせ踏み潰したとかそんなもんだろ。常日頃から気をつけろ。」
と言った。
「いーや、あんなところにあるなんて誰も予想しないね。同じ状況であれば空也も壊すと上条さんは思いますよ。」
「いや、何処にあるか分からなくなるような管理はしないし。」
とかなんとか言いあいながら学校の準備を進める。
「つーか早くしないと遅刻するぞ。」
「分かってます!もう少しだけ上条さんに時間をちょうだい!」
そんな言葉を聞いてため息をつきながら外の景色を見た。外に見えるのは俺らが住んでいる学生寮と同じものや学校があちこちに見える。「やっぱ学園都市はすごいな。」
俺らが住んでいる街は学園都市である。学園都市は人口の8割が学生である。学生だけで200万人以上の人間がいるので相当なものだろう。またこの街は科学の街であるためいたるところにロボットがいたり他の街とは比べ物にならないほど色々な技術が発達している。あともう一つこの街に特徴がある。それは
「空也、即席でいいから携帯を作ってくれ。」
「能力で作るのは構わないが大丈夫か?」
能力である。この街の学生は能力開発を受けているため特殊な力を持っている。能力には種類があり発火や透視、念話などさまざまだが一人一つの能力しか持っていない。またその能力の強さや応用力によってレベルが決められている。レベル0からレベル5まで分けられており数字が大きくなればなるほど高い能力を持っている。俺はその中でも8人しかいないレベル5だがその中では一番下である。そんな俺の能力は万物創造《オールクリエイト》である。万物創造と言っても知っているものしか作れないし、命あるものはうみだせない。それでも携帯ぐらいは作れるが確認を取る必要があった。なぜなら
「右手で触らなければ大丈夫。」
「そんなこと前にも言ってたが結局右手で触っただろ。」
当麻の右手には幻想殺しがある。幻想殺しは異能の力が働いているのならどんなものであれその異能の力をかき消すのである。だから、俺が能力で作っても右手で触れれば一瞬で消える。
「今度は気をつけるよ。だから頼む。」
「へいへい」
能力を使い、携帯を渡した後通学路へと向かう。あとはこのまま学校へと行くだけなのだが不安をぬぐいきれない。なぜなら一緒にいる少年はとてつもなく不幸なのだから。
「空也、あの子助けてくる。」
とか思っていると当麻はまた首を突っ込んでいた。
「おい、学校の時間……ってあれ第3位じゃね?」
そこにいたのは数人の男と一人の女の子だ。女の子は名門常盤台中学の制服を着ているのだが、問題はその女の子がレベル5の第3位、超電磁砲であること。あっ帯電してるじゃん。離れておくか。
バチン!!
そんな音が聞こえると周りの男達は煙を出しながら倒れた。一人を除いてだが。
「急にビリビリってなったけど何だ?」
「えっ何であんたには効いてないのよ⁉︎」
「今のお前がやったのか?」
やばくねこれ。第3位また帯電始めてるんだけど。仕方ない、能力であいつの動きを止めるか。
「創造」
能力を発動して第3位を壁で塞いでおく。
「この力は第8位ね、姿を見せなさい!」
やだよめんどくさい。その間に当麻とともに逃走しなんとかなった。
「いやー大変な目にあったな。」
学校に着くなり倒れこむ俺たち。そのくらい全力で走ったのだ。
「でも学校に間に合って良か…「間に合ってないのですよー。」……やっぱりか」
俺たちを出迎えたのは見た目小学生だが担任の月詠小萌先生である。
「遅刻した二人には罰として居残りなのですー。逃げちゃダメですからねー。」
「「……はい」」
その後も不幸な目に遭いながらも(当麻が)なんとか1日を過ごしきった。
「いやーやっぱり勉強は辛いな。」
「レベル5だから頭良いのかなって思ってたけど全然違うってわかった時には驚いたぞ。」
そう俺は能力こそレベル5であるが頭の方はだいぶ悪い。だから毎回補習組で夏休みに呼ばれるなんてことはよくあることだ。なんなんだろうかこの頭の悪さは。
「まあ明日から夏休みなんだからゆっくりしようぜ。」
「そうだな。」
俺らはその後部屋に戻りゆっくりと眠った。