やはり俺が提督なのは間違っている。   作:無名戦士

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今回は思いの外難産でした。
特に前半に手間取り、いつもより遅くなりました。
今のところ失踪するつもりはありませんので安心してください。


やはり比企谷八幡は鎮守府の提督でまちがいない。

下校時間となり奉仕部の活動は終了するし、俺は雪ノ下に別れを告げ学校の駐輪場へ向かう。

 

部活を終えた生徒達が俺の横を走り抜け、青春の花を咲かせるなか俺は自転車に乗り千葉駅へ自転車を走らせる。

 

駅は学校帰りの生徒達がホームで電車を待つ間、最近話題のゲームで盛り上がり、電車来るとその一部が別れを告げ列に並ぶ。

 

稲毛駅で降りると稲毛海岸行きのバスに乗る、稲毛海岸の近くには俺の職場でもある千葉鎮守府がある。

 

稲毛海岸に到着した俺は千葉鎮守府へ向かう。

 

鎮守府は停留所から見える位置にあり、レンガ造りの建物と鉄筋コンクリートで作られた壁が見えていた。

 

海へと目を向けると海上をスケートのように移動する艦娘達が6人程見える。

 

丁度遠征から帰って来たようだ、沖合いには彼女達が護衛していた輸送船の群れが見える。

 

鎮守府の入り口を潜ろうとすると出入り口を警備していた小銃を持つ兵士が俺に対し敬礼する。

 

俺は兵士に対し、いつもお疲れ様ですと良いながら答礼する。

 

鎮守府はそれぞれ本館、艦娘寮、工廠の3つの建物が建てられており本館は執務室、食堂、資料室、警備室があり、艦娘寮はその名も通り艦娘達が生活する場で浴場があり、それぞれ駆逐艦組、巡洋組、戦艦組、空母組とわけられている。

 

工廠は修理ドック、特殊兵装備技術廠、装備保管庫があり、装備開発が得意な艦娘がよく出入りしている。

 

俺は本館の階段を上り、2階の廊下を歩いていると後ろから声をかけられる。

 

「あ、提督じゃーん。チッース!」

 

薄緑色のセミロングの髪に黄緑が特徴の最上型重巡洋艦3番艦である鈴谷がいた。

 

「おう。鈴谷か」

 

「提督今日来るの遅かったじゃん、どしたの?」

 

「平塚先生の、頼みで部活に入ることになってしまってな。それで遅れてしまった」

 

鈴谷は俺が部活に入ったことを知ると手を口に当て心底驚いた様子で言う。

 

「え、マジ!?あの提督が入部したの!?」

 

「おい、あのとはなんだあのとは」

 

流石に驚くことなのか?わりと傷付くぞ。

 

「提督ってあれじゃん?学校だといっつもボッチじゃん。それと前に部活には入るつもり無いって言い張っていたじゃん」

 

一瞬失礼だなと思ったがここは水に流すことにした、いちいち小さなことを気にしてたら切りがない。

 

「あ、やっばー。最上と一緒にサイゼに行くんだった!今頃怒っているじゃん!ごめん提督、私行くね!」

 

鈴谷はそう言うと廊下を小走りで移動する。

 

いくら急いでいるとはいえ走るなよ、ぶつかったらどうするんだ。

 

階段から5部屋離れたところに俺が普段仕事している執務室がある。

 

「うす」

 

「提督、こんばんわ」

 

俺が執務室に入ると、銀色のロングヘアーの髪をした少女が俺を出迎えた。

 

彼女の名前は翔鶴、翔鶴型航空母艦1番艦で俺の秘書艦でもある。

 

彼女は鎮守府の中でトップレベルの実力を持っており、現在の日本国防海軍の最高戦力の一人でもある。

 

「提督、廊下で鈴谷さんと話を聞いていたのですが部活に入ったんでですね」

 

「聞いていたのか。平塚先生の頼みでな、成績をあげるのを条件に入った」

 

「偶然耳に入ったので、提督は何か条件が無いと部活に入らないとおっしゃっていましたね」

 

翔鶴はそう言うとクスクスと笑う、俺も翔鶴につられて少しだけ笑う。

 

俺はこういう時間は嫌いではない、やはり俺の居場所は千葉鎮守府だと実感した。

 

「さっさと給料分の仕事をするか」

 

俺は山積みの書類を見て言った。

 

 

俺の仕事である書類仕事は、遠征成果報告書や艦娘装備の開発状況、日本近海哨戒報告、消費資材の確認などの書類を確認し、判子を押す仕事である。

 

「提督、失礼するで」

 

あと少しで書類整理が終わる頃、執務室の扉がノックされツインテールの髪型をしサンバイザーを付けた少女が入ってくる。

 

「第4哨戒艦隊、只今硫黄島から帰投したで!」

 

「おう、お疲れ。早速だが報告してくれないか?」

 

俺が龍驤に言うとムスンと胸を張る。

 

「敵潜水艦を4隻撃沈したで!しかもその内2隻をうちが沈めたで!誉めて誉めて~!」

 

龍驤はそう言うと俺の近くまで歩いて来ると頭を突き出す。

 

俺は溜め息を突き、仕方がなく龍驤の頭を撫でる。

 

「お前なぁ。高校生にもなって、俺に撫でられるとか恥ずかしくないのか?」

 

「えへへ~♪やっぱ提督の撫で方は病みつきになるでぇ」

 

幼さが少し残る龍驤だが、実は千葉鎮守府初の空母である、俺としては古参としての自覚が欲しいのだが。

 

「おおきに。ほな提督、うちは食堂に行くで」

 

龍驤はそう言うと執務室を出ていく。

 

そして何かが俺の裾を引っ張り、見ると翔鶴が恥ずかしそうにもじもじしていた。

 

え、何この状況……。

 

そして、この可愛い生き物は……。

 

「て、提督………。失礼を承知で言いますが、わ、私も撫でてくれませんか?」

 

くっ、なんだこの破壊力は!?上目遣いは卑怯だぞ翔鶴……、だが可愛いから許す!

 

俺は翔鶴の頭を撫で始め、翔鶴は顔を赤らめながら気持ち良さそうに目を細める。

 

硫黄島に敵潜水艦4隻……。

 

ふと龍驤が報告した内容を思い出す。

 

以前まで敵の潜水艦は1隻だけだった、だが何故急に数を増やした?

 

硫黄島は今現在、要塞化が進められている。国防上硫黄島は非常に重要な島で、もしそこが陥落された場合深海棲艦は日本本土侵攻の足掛かりを得ることになる。

 

潜水艦は偵察だろうが、深海棲艦は近いうちに硫黄島を攻めに来るかもしれない。

 

上層部には報告するが、恐らく上は気にもしないだろう。

 

硫黄島の哨戒は俺が任されている、暫くの間様子見で哨戒部隊の数を増やすか。

 

「あ、あの。提督、頭を撫でる力が強すぎです」

 

あ、翔鶴の事すっかり忘れてた。

 

「すまん、少し考え事をしてしまった」

 

俺は慌てて翔鶴の頭から手を退かした。

 

「さて、あと少しで書類が無くなる。続きをするか」

 

翔鶴は用事があると言い執務室を出ていき、俺は残りの書類を片付け始めた。




次回はとうとうガハマさんが登場しますが、どうしてもアンチ・ヘイトの展開になりそうです。
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