崩壊とリプレンドゥレ 作:蒼氏
今作が初めてファンタジー系の小説であり、初めて投稿です
至らぬところがあると思いますが何卒よろしくお願いします
投稿周期は1週間に1章投稿していければと思います
ある日、世界にイレギュラーが産まれた
そして更に世界の歯車が狂ってしまう
「やめろ!殺すなら俺を殺せ!」
男は女性を殺そうとしている魔物に向かって力の限り叫んだ
「お前が私に勝てると思っているのか?舐められたものだ」
圧倒的力の差に一同はただその場に立ち尽くすことしかできないでいる
この時男は自分の無力さを、惨めさを深く心に刻んだ
「アァァァ!!クッ・・・ア・・・ァ・・・」
「リフィン!リフィン!!」
「そんな・・・あのペルドゥーレさんが・・・」
「思い知ったか冒険者たちよ。貴様らも今スグ楽にしてやる」
その時、死ぬことを確信しながら目の前の魔物をどんな手を使ってでも葬ることを決めた男にどこからか声が聞こえた
(力を望むか、少年よ)
「え?・・・なんだ・・・誰だ!?」
(望むか望まないか聞いているのだ)
「・・・。あぁ、望むさ」
(例え苦しむことになってもか?)
「今以上に苦しいことなんてありえないな」
「何をブツブツと。まあいい、今からお前はこの世界から消えるのだ」
(ならば授けよう。君だけの特別なモノだ。大事に使え)
「あれ?・・・ここは」
「あらあら、眠り姫が起きたようね」
「リフィン!お前!大丈夫だったのか!?」
ついさっき魔王と戦い、破れて恋人を目の前で殺されたルインは目の前の光景を飲み込めなかった
「って俺も・・・生きてる?・・・」
「いつまで寝ぼけてるの?夕食抜くよ~」
「明日は何かあったっけ?」
「え?魔王討伐忘れちゃったの?」
クスクスと可愛らしく笑うリフィンを見てルインは一つの解答を得た
「もしかして・・・」
身体にキズはなく死んだはずの恋人が自分の前で笑っている
ましてや魔王なんていなかったかのように
つまり、時間が戻っていた
いきなり声が聞こえ、力を手に入れたルインはその力がどういうものかを理解するより先に使用したのだ
「明日か・・・」
「絶対に・・・絶対に平和を取り戻そうね」
「あぁ、わかってる」
「師匠!あのズババババー!ってやつ教えてください!」
ルインとリフィンが部屋で決意を改めていると少年が飛び込んできた
「あ、コラ!いきなり入ってくるな!」
「すみません師匠・・・夫婦の愛を育みあっている時に」
「どこをどう見たんだ!!」
「それより師匠。剣術を御教授願う」
「明日魔王討伐なんだからお前はヒーラーとして治癒魔法を磨け」
「そんな・・・俺、絶対に覚えたいんです・・・」
「どうしてもか?」
「はい。家族のため、世界のため、自分のため」
「全く・・・成功する可能性はないに等しいこと、分かってるんだろうな」
「それでも覚えたいんです 。俺も覚えて師匠みたいにかっこよくなりたい!!」
スー
「待ってください師匠!剣!剣をしまって!!」
「万死に値する」
「あ、そう!要件があるんです!フレアが呼んでます!」
「だったら最初にそう言え」
「ほんと、仲良しさんね」
「俺と師匠は一心同体です!」
「馬鹿なこと言ってないで飯だ飯」
外へ出ると肉の焼けるいい匂いがした
「悪いなフレア。料理を一任しちまって」
「いいのよこれくらい。料理は楽しいし私も助けてもらってるからね!」
「小さい頃からフレアの作ったご飯は絶品だものね」
「フレアさんがパーティーにいないと私・・・ご飯・・・」
「師匠!俺が盛ります!」
「毒を盛られる前に自分で食う」
竜人族で戦士のフレア・ヴァロン
ダークエルフで僧侶のルーク・ラフィ
エルフで魔法使いのアリス・ルーカ
人間族で短剣使いのリフィン・ペルドゥーレ
そして魔人族で騎士のルイン・プレンレ
ルインたちはそれぞれ個性豊かな性格でいくつも癖があるが、前衛後衛でバランスが良いパーティーだ
基本スタイルはフレアがタンクとして相手の攻撃を受け止め、ルインとアリスが相手にスキルを浴びせ、リフィンとフレアが残りを拾っていく戦法でいつもやってきた
そんなルインたちは魔王との決戦に備え2日間魔王がいる異空間へワープできる街にやってきていた
「明日の戦術を変更したい」
一度敗れたことを知っているルインは戦術から変えて戦うことにした
異空間に行き、魔王と対峙すれば、魔王と戦うだけではなく魔王の周りにいるドラゴンフェルストと呼ばれる竜のモンスターとも当然戦うことになる
「フレアだけだと攻撃は防ぎきれない」
「あぁ、流石に私の盾とアーマーでも抑えきれない」
「そこでだ。前衛の俺とリフィンに掛ける魔法を全部フレアに回してくれ」
「そんなっ!師匠」
「リフィン。お前は中衛でアリスとルークの護衛だ」
「アリス、ルークくん。私が守るからね」
「リフィンが付いてくれるなら私も安心して魔法陣を描けるよ」
「ルークは治癒魔法をフレアにかけつづけるんだ、フレアはなんとか耐えてくれ。その間に俺が突っ込む」
「やっぱり無茶です師匠。何も魔法なしに突っ込むなんて」
「俺は魔人族だ。ちょっとやそっとのことで死なない」
「せめて継続治癒魔法を最初に掛けさせてください!」
「ありがとう。じゃあそれでいこう」
「かなりの長期戦になりそうだね・・・」
「それでもやるしか無い。私達が世界を守るんだ」
「魔王の回りにいるドラゴンフェルストは私が足止めするね」
「よし。じゃあ解散!明日に備えて各自管理をしっかりするようにな」
「「「「はーい」」」」
「ねぇ、ルイン」
「どうした?不安か?」
一度敗れたとは言え、ルインは諦めたくはなかった
「うん・・・ルインに、みんなに何かあったらって思うと・・・」
「大丈夫だ。俺が魔王をこの刃で引き裂いてやる」
「無理はしないでね?少しでも危ないと思ったらすぐに下がるんだよ?」
ルインの本音は今でも怖くて震えているくらいだ
しかしその恐怖をリフィンに悟られないため、ルインは静かに目を閉じた
「さあ、行くぞ。俺たちが平和を取り戻すんだ」
ルインに続き一同は異空間へワープした
「来たか冒険者よ。だがお前たちでは私は倒せない」
「っ・・・お前は俺が倒すんだ!」
「来たれ我が主、アレースの名のもとに守護したまえ。ラ・アイン!」
ルークの声が聞こえるとフレアの身体が光に包まれた
そしてその後にルークが放った魔法はルインの身体を包み込み、治癒能力を高めた
「アリス!今のうちにドラゴンフェルストを削ってくれ!」
「わかりました!赤き鳳凰、この血を吸い顕現せよ、ブラッド・ビジョン!」
「ゴァァァァ!!」
「今のうちに・・・」
「ふん。ドラゴンが死のうが私は死なない」
「それがどうした?俺がお前をぶっ倒す。そう決めたんだ!」
ルインは殺意を撒き散らしながら魔王と剣を交えた
二人の戦いは剣だけではなく武術を含め、体力の消耗戦に入っていた
魔王と消耗戦に入れば勝ち目はないとわかっていながらもルインは剣を振り続ける
「危ない!」
「え?」
騎士として剣術を磨いてきたルインは魔王との戦いで惜しみなく自分の全力を出し切っていた
しかし、魔王は剣を交えながらも結界の中にルインを誘い込んでいた
「ルイン・・・生き・・・て・・」
結界の中に張り巡らせてあった無数の剣がリフィンを引き裂く
「そんな!リフィン!!」
「一旦引いてください師匠!」
「昨日何が合っても諦めるなと言ったのはルインだ!」
「くそっ・・・わか・・・った」
「次は誰かな?」
「あ・・・あぁぁ・・・」
グチャッ
ルインの数メートル右にいたはずの魔法使いの仲間がただの肉片となり周辺に散乱した
「俺は・・・俺はっ」
「逃げてください師匠!」
「下がれ!ルークの仕事は前衛じゃないっ」
「ハイヒール!」
「グオオオオォォ!!」
「ルーク!」
ルインを後ろに突き飛ばし、立ち塞がったルークを灼熱の炎が襲った
バタッ
「ルーク・・・おいルーク!」
「ルイン!」
「死ぬ直前に騎士に治癒魔法を使ったか。だが貴様と女剣士で何が出来るっ」
神から授かったスキルを使えばもう1度みんなと会えることを分かっていながらルインはスキルを使う気力はなかった
しかしルインは空中に魔方陣を描いていた
「ルイン!何してるんだ!」
(仮に私が死んでも、ルインは逃げて。勝手に負けを認めて死んだりしたら許さないんだから)
「そうだよな・・・俺はまだ死ねない。何度だって・・・」
「なんだその魔方陣は。そんな単純な魔法で私を倒せると思っているのか」
「倒せるさ、だから待ってろ魔王様。俺が必ずお前を倒す」
「小賢しい!」
「リヴニール!!」
最初からインパクトのある物語を書きたくてリフィンをあえて殺してルインにスキルを持たせてみました
8章完結予定のまだ1章になってます!
切ない物語ですが時に楽しく時に涙ありの作品を作りたいと思います
これからの進展にご期待下さい!!