崩壊とリプレンドゥレ 作:蒼氏
飲み会から帰って死んだように眠っておりました
あらすじで書いたルインとリフィンについてできるだけバラせる部分はネタバレしようと思い書きます
「この人が私の身内の僧侶さんだよ!」
「どうも、クロス・ラフィだ。気軽にクロスと呼んでくれ」
「ダークエルフ・・・」
「あぁ。そうだ」
「治癒魔法を使えるダークエルフは珍しい、これは面白いパーティーになりそうだ」
「俺も少し前にパーティーを解散したところで、新しいところを探してたんだよ」
「クロスは治癒魔法使いだけど武器を作ったりで鍛冶もできるんだよ」
「ほ~そりゃ頼もしいな」
「ルインもあと少しで上級職なんだし冒険に出発だね!」
魔法使いと僧侶、短剣使いを新たにパーティーに加えルインたちは旅に出た
「やっぱ連携って難しいんだな・・・」
「いきなり5人に増えたんだ。仕方ないさ」
「俺も前に出たいんだけど杖ないとやっぱり魔法を継続するのは無理だな・・・」
「無理して前衛しなくてもいいよ!私たちがいるからねっ」
「そりゃ頼もしいな。これから期待してるよ」
狩場から戻ったルインたちは食事をしながらこれからの作戦を決めていた
「私、実は・・・上級職になって新しいスキルがあって・・・」
「というと?」
「慣れないと使えないですが、杖がなくても魔法を詠唱して使用するっていうスキルですっ」
「アリスが頑張ってる・・・」
「ペルドゥーレさん!」
茶化して頭をなでているリフィンをアリスはポコポコと可愛らしく叩く
「それは杖があった方がやっぱり強力な魔法が使えるのか?」
「そうですね・・・杖があって魔法陣を描いた方がより強力な魔法が打てると思います・・・」
「俺も早く騎士になりたいな・・・(今のままじゃ何も守れないじゃねえかよ)」
「お前はもっと剣術を磨くんだな。ルイン」
「竜人族になんか勝てるかよ」
和気藹々と食事を楽しみルインとフレア、クロスはそれぞれ自分の寝床に着いた
「(ルインのバカ・・・ホントはボロボロのくせに・・・)」
「ん?ペルドゥーレさん?」
「あぁ!何も無いの!なんでもないよっ」
リフィンはアリスに聞こえないように独り言を呟いた
「いてて・・・なんだろ」
朝になり、起きたルインは不意に心臓付近の痛みを感じた
そしていくつかの月日がたち、ルインたちにあるダンジョンのボス討伐の話が回ってきた
「これって行けるのか?」
「ルイン以外は適正超えてると思うよ?」
「俺はぜひやってみたいな」
「そうなんだ?・・・っておい!」
「ルインさん・・・」
「ルイン・・・ルインだけはお留守番だね・・・」
「(あっれぇーおかしいなぁぁ。俺が主〇公だったはずなんだがなぁぁー)」
フレアは冒険者から剣闘士へ
リフィンは盗賊からアサシンへ
アリスは魔法使いからウィッチへ
クロスは僧侶からセージへ
それぞれ上級職に転職を果たしている4人と未だ冒険者の1人
「こんなのおかしい!!」
「(大丈夫だよルイン。君はこのクエストを乗り越えるんだ。私がサポートしてあげるから・・・)」
「ん?誰か俺に話しかけた?」
「え?まさか。私じゃないけど・・・」
「俺も違うぞ?」
「?」
「ここが奴の部屋か」
「無理してついてこなくてもいいんだよ?」
「道中何回も死にかけてたじゃないかルイン。大丈夫か?」
「死んでねえし!ピンピンしてるし!」
※死にかけました
「ルインったら」
「フフッ。ルインさんが可愛そうですよ!」
「笑いながらフォローしないでくれ・・・」
(とにかく俺が守るんだ、もう死なせたりしない。あんな思い・・・してたまるかよ)
「お前らか・・・わしの奴隷を次々と狩り倒しているのは」
「その割に余裕が見えるぜおっさん」
「今から口の聞き方を教えてやる小僧っ」
「フレア!リフィン!行くぞ!」
「ラ・アイン!」
クロスは無詠唱で治癒魔法と発動しアリスの護衛に回った
「ハアアァァッ!!」
「タアァァァッ!」
ドールキングはフレアの大剣をかわしながら2m超の体を巧みに使いリフィンの短剣を払っている
「今だ!」
「甘いな小僧っ」
「ルイン!一旦下がって!」
「ハイヒール!」
「聖なる神竜よ、我が半身となり相手を喰らえ。」
「これは・・・上級の召喚魔法だと!」
「いでよ白龍!」
アリスが詠唱しながら魔法陣を描き、杖をかざすとドールキングを中心に大きな魔法陣で囲まれた
「ギャオオオオ!」
「グガアアァァッ!!」
「やったか?」
「ハァハァ・・・まだ・・・」
かなりの魔力を使ったアリスは肩で息をしながら片膝を着いた
「認めよう、お前らは確かに強い。だが私には魔王様からいただいた仮の心臓があるのだよ!」
「ッ・・・お前・・・お前えぇぇ!」
「待てルイン!一人で飛び出すな!」
「お前達はいくら命を弄べば気が済むんだ!!」
「勇者にでもなったつもりか小僧っ!」
「仮の命を生成するために何人殺した!?お前たちの都合で何人死んだと思ってんだ!」
「死んだモノなど数えるわけなかろう?お前は自分の食事の回数を数えるのか?」
「てめえ!ぜってえ許さねえ。関係ない人を巻き込んで得た偽りの命に、なんの意味があるってんだ!!」
「お前のような雑魚はあとだ!」
「雑魚にだってやれることくらいある!」
「ほざくなっ!!」
魔王とドールキングのことを聞いて頭に血がのぼったルインはドールキングを倒す一心で剣を振りかざす
「これで終わりだ!」
「ルイン、後ろ!」
グサッ
「クッ・・・カ、アァァ」
「ルイン!」
「エクスヒール!」
「まずは魔法使いから消えていただく!」
「させない!」
ポタッポタッ
「アリス・・・無事か?・・・」
クロスの身体からは鮮血が流れた
「そんな・・・クロス・・・さん・・」
ルインを倒したドールキングはアリスに標的を変え、剣を振るった
そしてアリスをかばったクロスの身体をドールキングの刃が容赦なく貫通していた
「クッ・・・あぁ・・・」
「クロスさん!しっかりしてくださいクロスさん!!」
「ヒ・・・ヒール・・・」
「クロス!自分の治療をするんだ!自分を治せ!!早く!!」
「俺は・・・もう無理だ・・・お前らだけでも・・・いける・・・だろ・・・」
ルインに最上級治癒魔法であるエクスヒールをかけ、死に間際にアリスにヒールをかけたクロスに自分のキズを癒すほどの魔力は残っていなかった
「ハッハッハ、魔法使いより先に僧侶を潰してしまったがこれはいい展開だ」
「貴様!」
「フレア!待って!」
「ウオオオオオオォォォ!!」
「ルイン?ルイン!?」
「ルインさん!どうしたんですかっ!」
エクスヒールによってなんとか持ちこたえたルインは光に包まれ立ち上がった
「おいドールキング、お前は今まで殺してきた人の数を数えてないと言ったな」
「それがどうした。今更お前にやられる俺ではない」
「サモンセスソード!」
「何!?・・・これは、覚醒!?・・・」
「ルイン・プレンレ。これがお前を倒した男の名前だ」
「あれは・・・」
「聖剣デュランダル・・・」
「知っていたのか?リフィン!?・・・」
「聞いたことしか無いよ・・・でもまさかルインがね・・・(もう辞めて・・・ルイン・・・)」
「聖剣を召喚したところでお前には使いこなせない。どうやって俺を倒すんだ?」
「何もこいつだけじゃない。」
ザンザンッ
「なん・・・だと・・・」
覚醒したルインは無数の剣を召喚し、ドールキングに向かった
「ハアアアアアア!!!」
「たかだか冒険者なんかに!」
「お前みたいなやつがいるから!お前なんか・・・お前なんか!!」
「この雑魚がアァ!!」
キィィン
キィン
「ウオオオオォォ!!ハアアアアアアア!!!!」
「この俺が・・・力で押されるだと!?」
「終わりはこいつだ!エクスカリバアアアアア!!!」
「まだまだぁぁ!!」
「無駄だ。すでに俺の勝ちなんだよ」
「これ・・・は・・・」
「お前の剣術がすごかろうが関係ねえ」
「たかが・・・冒険者ごときに・・・」
ドールキングを倒すために覚醒したルインは、2週間ほど眠りに着いた
「ルイ・・・ン・・・ルインッ」
目を覚ましたルインを見てリフィンはひどく驚き泣いていた
「あれ・・・俺・・・」
「バカッ!あんなに無理して・・・既に体だって苦しいくせに・・・」
「リフィン・・・」
「私ね・・・実は」
「ルインッ!大丈夫なのか!」
「ルインさん!」
「フレアにアリス!っていてて・・・クロスはどうしたんだ?」
(やっぱり・・・ルイン・・・もう、あなたは・・・)
「お前・・・」
「そうか・・・クロスはアリスを守って・・・」
傷が癒え、フレアに肩を借りながらルインはクロスの墓へ来ていた
「あなたが兄さんのパーティーの」
「あぁ、そうだ。」
「兄は・・・兄は」
「クロスは立派だったよ、でも・・・俺のせいで」
「違います!私が・・・私のせいで・・・」
「誰かのせいとかじゃないです。兄が選んだ道ですし・・・魔物と戦うなんていつ死んでもおかしく・・・ないですから・・・」
「・・・」
「昔から自分より他人の事を考える馬鹿な兄でした・・・こんな僕でも可愛がってくれたんです・・・」
クロスの墓の前で祈りを捧げていた少年は涙を流しながら話した
「そんなお人好しな兄は・・・僕の誇りで、自慢の兄で、目標でもあったんです。いつか魔法でも勝てるようにって・・・」
(時間を戻すか?・・・でも、そんなことしても本当にクロスを助けられるのだろうか?・・・)
自分に力があっても使うべきかルインは葛藤していた
その夜リフィンはルインを訪ねた
「ルイン・・・寂しいよ・・・もう、もう力を使わないで」
「リフィン・・・もしかして・・・知って、いた?・・・のか?」
「さっき言いそびれて、実は私・・・聖域の使いなの」
「聖域・・・」
「私は人間とエルフの間にできた・・・世界のイレギュラー。そしてルインは選ばれたモノだった・・・」
「ハーフなだけでイレギュラーになり得るのか?・・・」
「母は、その・・・エルフの中でも特に・・・特に上位種であるハイエルフだから・・・」
「ハイ・・・エルフそんな、リフィン・・・」
「そしてルインが手に入れたスキル」
「リヴニール・・・」
「リヴニールやドールキングと戦った時の覚醒。あれは選ばれた者しか扱えないものなの」
「なんで俺が・・・もしかして、魔王を倒して封印した歴代の勇者って・・・」
「うん。全員覚醒してきた、私は監視役としてルインに寄り添った・・・でも、ルインにはリヴニールもある」
「教えてくれ!」
「それは・・・私にもわからない。リヴニールなんて魔法・・・普通じゃない。それにルインだって気付いてるでしょ?」
「代償の事か・・・」
「そう代償。あれだけ強力な魔法なのに魔法陣が簡素、それは我が身を神に差し出すことで代償として成り立ってるの」
「じゃあ記憶が無かったり、心臓が痛むのは全部・・・」
「でもわからないところもあるの・・・」
「神様・・・か」
今までリヴニールを使い代償を支払ってきたルインとそんなルインを監視してきたリフィン
ルインのスキルや覚醒について色々と話し、二人はお互いに自分の背負っているものが何なのかを改めて考えた
「リフィン・・・俺は!・・・俺はリフィンが!」
「ダメ!ルイン・・・今は・・ダメ・・・」
「そんな、リフィン・・・」
「私、聖域に行って神様に会いたいの・・・その後にもう一度確認させて欲しいの」
「わかった。神様に会うのは・・・俺も一緒じゃダメか?スキルについてまだ知らないことも多いんだ・・・」
「覚醒を経験した上にリヴニールを持ってるルインなら、資格はあるんじゃないかな」
「わかった。まずは上級職だな」
「そう・・・だね・・・」
「リフィン?おいリフィン!」
(私を呼んだか?少年)
「あぁ呼んださ。その前にリフィンに何をした」
(まあそうムキになるな。スキルや覚醒について話すのはいいが、全てを話すことを許可した覚えはない)
「・・・」
(心配しなくとも私たちが話している間気絶してもらってるだけだ)
「神様から出てきてくれるってことは俺がもらったスキルについて聞かせてくれるのか」
(先ほど全てを話す気は無いと言ったはずだ)
「魔法陣をより精密に描くことができれば時間を指定できるのか?」
(少年にしては思い切りがいいな、よかろう気に入ったぞ。5割なら話してやろう)
「それで、できるのか?」
(精密に描けば指定することは出来る。正し、お前達の会話の中に代償というのがあったな。あれは少し違うのだよ)
「どう違うんだ」
(言ったであろう。全ては話せないと)
「・・・。覚醒は・・・覚醒に代償はないのか」
(代償ではない。ただし、負担はかかるものと思え)
「聖域に行けばあんたに会えるのか?」
(聖域まで来れれば実際に会って全てを教えてやろう)
「リフィンは・・・あんたが選んだのか?」
(私は選んでなどいない。結果選ばれしものとして生まれた。それだけだ)
「あいつにこんなことさせて」
(その考えは少し違うな少年)
「何が違うんだ!」
(落ち着け。彼女は自らイレギュラーとして歯車を狂わす逸材を監視しますと申し出たのだ、そして私は君を選んだ。わかるか?)
「覚醒だけならまだわかる。でも、リヴニールはなんなんだ」
(最初に言っただろう?特別なモノだ)
「なら」
(話はここまでだ少年。聖域で待っておるぞ)
「待ってくれ!まだ話してないことが」
「あ・・・れ、ルイン?・・・」
「大丈夫かリフィン!なんともないか!?」
「うん。ちょっと頭痛いけど大丈夫・・・」
「そうか・・・よかった」
その後ルインは神と話したことをリフィンに打ち明け、リフィンも話せることは話した
夜が開け、新しい街を目指すべく宿屋を後にするルインたちは見覚えのある声を耳にした
「ん・・・インさん!・・・ルインさん!」
「君は・・・クロスの」
「はい。ルーク・ラフィと申します。兄からお話は聞いておりました」
「お兄さんのことは・・・すまない」
「顔を上げてください!きっと兄も・・・兄もルインさんの悲しんだ顔は見たくないはずです」
「ありがとう。ルークくん・・・」
「実は、その・・・僕をパーティーに加えていただけないでしょうか?」
「ルークくんが?・・・」
「はい。未熟者ではありますがどうかお願いします」
「俺は構わないし僧侶がいてくれたらありがたいんだけど・・・」
「私達もいてくれたほうがありがたいよ!」
「皆さん・・・ありがとうございます!ルーク・ラフィ。お供します!」
段々とルインのことが分かってきていると思いますがこれからの章で「まじか!」となると思います笑
次章ではルインの上級職について書きたいと思っているので来週また見に来ていただければと思います