『ケージ内、ドッキング準備完了』
『エントリープラグ、挿入します』
『エントリープラグ固定完了』
『一次接続、開始します』
エヴァの起動が始まった。
発令所には次々とアナウンスが流れる。
起動実験自体は幾度となく行われている為、滞ることなく発進準備が進んでいた。
「シンジ君、今からLCLが流れ込むわ。さっきの説明の通り、溺れることになるけど許して下さい」
『僕の命を守ってくれるんですよね。少し怖いですけど、頑張ります』
一時アナウンスを止めてリツコがもう一度説明する。あれからシンジは必死に説明を受け、リツコの心象も良くなっていた。
(頭を下げて教えて下さいって言われたのよ。この私が中途半端で終わらせるものですか)
「ありがとう。エヴァとシンクロしたあなたは、自分が動こうとするだけでエヴァを動かせます。私たちの作ったエヴァを信じて。きっと、あなたを守るわ」
『LCL注水開始』
モニタの中のシンジが溺れる。やはり生理的な嫌悪があるのか、青い顔でLCLに沈んでいった。
『主電源接続します!』
『回路接続完了』
『第2次コンタクト!』
祈る。技術主任としては情けないことだったが、リツコは祈ることしかできなかった。
エヴァの整備は手ずから行い、完璧だと自負している。MAGIの診断でもエヴァの起動確率はレイを超える数値を出した。
(計画がどうなっているかもわからないけどね。私にだってエヴァに関わってきたプライドがあるのよ。子供に縋る無様を見せた以上、どんなトラブルだって対応してみせる)
その覚悟があったからか。モニタの映像が途切れ、エヴァの咆哮が鳴り響いた瞬間に冷静に対応することができた。
「回路とシンクロの確認急いで! 報告はまとめなくていいから、情報が来たらすぐに伝えなさい!」
吼え続けるエヴァ初号機を外部モニター越しに睨み付け、リツコは全ての可能性を吟味し始めた。
◆◆◆
「うおおおお…!」
エントリープラグの中をシンジの気勢が満たす。
シンクロについての説明を受けたシンジは、まず初号機に対して自分を知ってもらうことから始めた。
『ロボットと心を通わせる』
ロボットが鋼鉄の塊である以上、心など存在せず。自然、この言葉は妄言となる。
車やバイクの心が分かるだろうか。電子レンジの心が分かるだろうか。大体において答えは否。
この答えにYesと答えられる人間は変人扱いされて当然である。
「応えて、エヴァンゲリオン!」
だが、碇シンジはその質問に胸を張ってYesと答える人間であり。
「君が、人類のことを思ってくれるのなら。
誰かが傷つくことを恐れてくれるのなら!」
巨人と対等に向き合える気合いの持ち主であり。
「僕と共に戦ってほしい!」
彼は、エヴァンゲリオンに愛されていた。
「僕の命を預けるから、僕に応えろエヴァンゲリオン!!」
シンジの叫びに合わせて、初号機の目に光が灯った。
──オオォォォ──!
エヴァが吼えた。視界が赤く染まり、頭に暴力衝動が流し込まれる。
──オオオォォ!
赤く染まった瞳を光らせ、エヴァ初号機が慟哭する。
(コレがエヴァンゲリオンの心?押し流される…!)
エヴァの心は荒れ狂っていた。破壊衝動が収まることはなく、目の前の全てが自分を押さえつける悪意に見えた。
「違う! 話を聞いてくれエヴァンゲリオン!」
(何かがおかしい。君は、何を怖がっている?)
エヴァの咆哮は止まらず、拘束された両腕に再度自由を取り戻そうとする。
「ーーーーーーー!!!!!」
「僕は、君の味方だ!」
シンジの叫びが響く。
本心だった。余裕を無くしたシンジは、渾身の力でエヴァ初号機の心に体当たりした。
今までの、手を貸してもらうための礼儀もない、自分の思いを渾身の力でエヴァに伝える。
シンジまでエヴァの破壊衝動に同調しそうになり、さらにエヴァの慟哭は大きくなる。
だが、そこでエヴァの動きは止まった。
シンジは、エヴァ以外の誰かの気配を感じる。
懐かしさを感じさせる気配だった。
「君は……?」
その気配は大きく広がり、シンジとエヴァ初号機を薄く包んだ。その気配に寄り添い、シンジはエヴァに近づいて行く。
そこでシンジは、エヴァの心が小さく震えていることに気づいた。
「エヴァ。君は、僕が怖かったの?」
肯定する意識が返ってきた。
「大丈夫。僕は君の味方で、君の友達だよ。だから怖くないんだ」
エヴァが少しだけ近づいてくる感覚があった。
今のシンジに視界は必要なく、知らずにシンジは目を瞑っていた。
「ここは君ともう1人の場所だったんだね。突然入ってきてゴメン。でも、僕は君にお願いしなくちゃいけない」
シンジはエヴァの心が幼いことに気づいた。
「僕の知ってる人たちが危ないんだ。だからエヴァ、君の力を貸してほしい。僕と、一緒に頑張ってくれないかな」
少しの時間、エヴァは無言だった。だが、その後にエヴァがはっきりと頷いた感覚をシンジは得た。
2人の和解を知ったのか、心地よい気配が薄れ、遠ざかっていく。
最後に、名残惜しげにシンジを撫でたその気配は、シンジが礼を言う前に去ってしまった。
エヴァとの邂逅を終え、目を開けたシンジは大量のエラーメッセージと、リツコの必死の呼びかけに目を回す。
『シンジ君! 応えて、シンジ君! 通信が届いていない可能性があるわ。ケージ内のスピーカーも動かしなさい!』
『映像通信回復しました!』
『救護班配置完了です。いつでも動けますよ!」
(凄い騒ぎになってる! 何か言わないとマズイぞこれ。えーと、エヴァは動いてくれるって言ったからソレを話せば)
『エントリープラグの強制排出シグナル準備』
『受け入れネット到着まで1分下さい!』
「話をつけてきました!」
シンジの声が響いた。
一瞬にしてネルフ全体の動きが止まり、シンジが無事なのかと自己報告を聞く態勢になる。
「エヴァも力を貸してくれるそうです。ミサトさん、僕達を地上へ出して下さい!」
『シンジ君、大丈夫なの? それにエヴァと話したって、本当に?』
ミサトの顔がプラグ内のモニターに浮かび上がる。心底こちらを心配している顔だった。
「大丈夫です。話したって言っても、力を貸してくれる感じがあるだけですけど。でもそのお陰で、どうすれば動いてくれるのか教えてくれました」
リツコの頬が引きつった。シンジは理解していないが、エヴァはハード面はともかく、操作や制御に関するソフト面は未だ研究段階にある。
それなのにエヴァ本人の解説を受けたとなれば、シンジはその分野では世界の最先端に躍り出た事を意味した。
『シンクロ率は?』
『65%で安定しています。他、システムチェックも全てグリーンです!』
一方、シンジの言葉の意味を理解できていないミサトは出撃処理を進めていく。
起動すら怪しい機体が65%ものシンクロ率で安定した事には驚いたが、作戦指揮官としては都合がいい。細かい事を気にして居られなかった。
ミサトの号令が飛んだ。
「拘束解除。出撃準備後、エヴァを5B射出口へ移動して!」
『了解。第一ロックボルト外せ』
『解除確認』
『ブリッジ移動開始』
『ロックボルト外せ』
『第1拘束具を除去』
『同じく第二拘束具を除去』
『全安全装置の解除を確認』
初号機の固定が外れていく。アスリートの様に研ぎ澄まされた姿が顕になった。
『内部電源充電完了を確認』
『内部用コンセント異常なし』
『進路クリア。オールグリーンです!』
長髪のオペレーターが叫んだ。
『使徒、5B出口正面に移動。このままでは目の前に出てしまいます』
『5C射出口へ変更! シンジ君、使徒からビルを挟んで隣の通り。斜め後ろに初号機を到着させます。操作はリツコから聞いたわね。肩パーツにナイフが入ってるから、それを装備したらまずは走って』
「分かりました。思いっきり体当たりすればいいんですね?」
使徒が射撃武器を持っているのは渡された資料で見た。それに対してこちらの武器はナイフのみ。
ならば特攻あるのみだった。
『さすが男の子、思い切りいいわね。ヤツが初号機に反応したらこちらで煙幕を張ります。相手が生き物に近いのならば狙い目は顔か胸の2択。顔が増えた所を見るに私は胸が怪しいと見るけどね』
(流石ミサトさん。車の時も思ったけど、此処一番の判断力が凄いな)
多くのロボット戦を越えた、歴戦の戦士としてのシンジも同意見だった。
武装で負けている以上、奇襲で決着を付けるのが最もシンジの負担が少ない。
『使徒にはA.T.フィールドと呼ばれる特殊な防御壁が備わっています。でも、それはエヴァも持っているはずなの。理論上、物理的な力でも防御を突破出来る可能性はあるけど』
「なんとなく分かります。こう、自然とできる気がするというか。僕はできないけどエヴァは出来そうな」
『本当に凄いわ。ごめんね、私達で教えて上げられればよかったんだけど』
「信じてます。リツコさんが作ったエヴァと、ミサトさんが導いてくれる道を」
『ありがとう。……エヴァ初号機、発進!』
射出音と共に初号機がレールを駆け上がる。
逸る心を抑えきれずに、シンジは降りかかる重力の中で虚空を睨みつけた。
◆◆◆
「見つけたぁ!」
地上へ飛び出たシンジは、すぐさまエヴァを走らせる。
エヴァは素直にシンジのイメージをトレースしてくれていた。
「行くよ、エヴァンゲリオン!」
足を上げ、力強く大地を踏み込む。陸戦は足腰がモノを言う。接近戦型なら尚更だ。
『歩いた!』
そしてエヴァの能力を知らないシンジは、躊躇わずに全力でエヴァを走らせた。
爆音を轟かせて巨人が夜の街を疾走する。
『凄い。エヴァと話せるって、こんなにも凄い事なの』
使徒がこちらに気付いた。巨体を感じさせない素早さで振り向き、こちらに腕を向けてくる。
『させるもんですか!煙幕発射、動くビル全部動かして!』
ミサトの声と共に使徒の横から煙幕と機銃が放たれた。
煙幕はともかく、機銃は対人間兵器用と思われる物で、常識外の大きさを誇る使徒に通用するとは思えないほど心細い火力だ。
案の定、目の前の使徒は機銃を無視してエヴァに振り向く。
だが、ほんの一瞬だけ使徒が機銃や煙幕に反応した時間が、シンジを使徒のいる場所まで運んだ。
「いっけぇ!」
思い切りぶち当たった。
狙うのは使徒の腰あたり。細かく狙う余裕などないので、ただ中腰のまま体当たりする。
細いなりをしている癖に使徒の反応は重かった。全力で体当たりをしているにも関わらず、エヴァは使徒を吹き飛ばせずに、よろめかせるだけにとどまる。
「プログ・ナイフ!」
シンジのトリガー操作に合わせて肩のパーツが開く。初号機はナイフを取り出すと、真っ直ぐに持ち上げて、使徒めがけて振り下ろした。
甲高い破裂音が響き渡る。今まで耳にしたことの無い、キンとした音が耳を打った。
『A.T.フィールド!これがある限り、使徒に攻撃が通じない!』
ミサトの説明が入る。ナイフの先を見ると、8角形の波紋のようなものが広がっていた。
「超えろ、超えろ、超えろ、超えろ!」
ATフィールドが何なのかシンジは知らない。説明を聞いても、そういうものがあるという事しか理解できなかった。
だが、それは破り方を知らない事にはならない。別宇宙で、ギガントパンチャーと共に戦ったシンジは、殊更に硬い防御を抜く方法を知っていた。
「つらぬけぇ!」
ナイフが使徒のフィールドに潜り込む。勝利は心で掴むもの。気合いの入れ方で、力というものは大きく上下するとシンジは宇宙戦争で学んだ。
「あと、すこ……ツッ‼︎‼︎」
しかし、使徒もやられるばかりでは無い。初号機がフィールドを破ることに必死になった時間を以て、体勢を立て直しエヴァの頭を殴りつける。
「くそ、離せ!」
激しい痛みに襲われるシンジ。シンジとエヴァの神経をリンクさせている以上、エヴァの痛みはシンジの痛みでもあった。
「離せぇ!」
傷つけられた事でタガが外れたか、シンジは渾身の力でナイフを振り抜いた。
使徒の腰の辺りを傷つけることには成功したが、浅い。胸の赤い玉には当たらなかった。
「もう一回だ!」
再度、ナイフを振り上げるシンジ。
だが、ナイフを持つ右手にシンジは激痛を感じた。
(掴まれた!)
使徒の右手が発光した。
◆◆◆
『ぐあああぁ!』
発令所にシンジの絶叫が響く。
「機体とパイロットのシンクロ率を落として! 早く!」
隣でリツコが指示を出す声を聞きつつ、ミサトは使える手を模索していた。
(今ある装備を動かしても間に合わない!今動かせるものはそれこそエヴァ自身に関係するものぐらい。考えなさい葛城ミサト!)
掴まれている今、煙幕を張ったところで意味がない。火力にならない兵装だってそうだ。むしろ、ATフィールドを展開できないエヴァの不利にすらなりかねなかった。
モニターの中でまた使徒の腕が光る。少しでも使徒の体勢を崩さないと、シンジの心の方が先にやられてしまいかねなかった。
モニターの中、初号機の前にまたフィールドが張られる。
先ほどとは違い、今度は弱々しい光だった。
「B5射出口を解放! エヴァ発射台、発進!」
使徒の足元が唐突に開く。使徒が居るために断念した射出口が、使徒の足を取る。
直後に鉄骨がばら撒かれるような破砕音が響く。何も載せずに高速で発射された射出機が、使徒の股間を突き上げた。
「父さんの仇。あたしらナメてんじゃないわよ」
ミサトは凶悪に笑っていた。
流石にこの奇襲は耐えられなかったか、使徒は手を離して後ろに倒れた。
腕を離されたエヴァはそのまま膝から崩れ落ちる。
「リツコ!さっきの攻撃と攻撃を食らった時のフィールド見た⁉︎アレどっちのか教えて」
「マヤ!波形データを零号機のと照会!」
「…照会できました!零号機のデータに近似反応あり、初号機です!」
女性オペレーター、伊吹マヤが答える。
先ほどの弱々しい光は初号機のモノと判明。ミサトのカンは当たった。
「シンジ君! さっきあなたもフィールドを作れていたわ! 掴まれた時よ。思い出して!」
モニターの中でシンジが頷く。必死に痛みに耐え、返事をしないシンジだったが、こちらに目線を寄越した。
「さっき思った事をもう一度考えて。離せ、って言った後のことよ」
崩れ落ちたエヴァが立ち上がる。先ほどの痛みを思い返すのか、前に出ることができずにいた。後ろに下がる事だけはせず、エヴァがその場で立ち尽くす。
『逃げちゃ、ダメだ』
シンジが小声で呟いた。残念ながら、なんと言ったのかはマイクでは拾えなかったが、シンジにしっかりとした意識があることは分かった。
「ATフィールドはATフィールドで突破できる。シンジ君、想像して。あなたの1番強い攻撃を。あの使徒をやっつける最高の攻撃を。フィールドに乗せてその想いを叩きつけて!」
カメラが初号機の右手を捉えた。拳を中心に、オレンジ色の光が薄っすらと輝き始める。
『エヴァ。フィールドだ!』
「もう一回煙幕! 発射台ももう一台出して、初号機の壁にして!」
オペレーターの指が高速でパネルを弾く。
一瞬でも早くミサトの命令を実現するために、3人のオペレーターは必死になってパネルと戦った。
『逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ!』
使徒が立ち上がる。物理法則を無視した立ち上がり方で、使徒はエヴァに向き直る。
『エヴァ。痛かったよね。でも、もう一度力を貸して!』
シンジの目が、真っ直ぐに正面を向く。
『僕は、逃げない!』
──【熱血】──
その時、遂にシンジのサイキックがエヴァンゲリオンに届いた。
シンジのサイキックは心を通わせたロボットに力を与える。
シンジが発揮したサイキックの内容は、1度だけ攻撃の威力をハネあげるもの。シンジが初めて壁を超えた時に手に入れた、最もシンジが信頼する能力。
そのシンジのサイキックがエヴァに届いたということは、エヴァとシンジが、遂に正しい意味でのシンクロに成功した事を意味した。
シンジの望みを聞き、シンジのイメージを必死にトレースしていた初号機が、自分の意思で使徒に向き合う。
初号機に明確な意識というのは、厳密には存在していない。だが、それでも初号機は自分に語りかけてきた新しい意識に懐き始めていた。
その意識は初号機を見た。そして初号機と共に歩き、走り、一緒に痛い思いをした。叫びたい程の痛みすら彼は初号機と共有したのだ。
だから初号機は目の前の使徒を見る。
目の前の敵を倒さないと、昔から自分の相手をした意識と、突然自分に語りかけてきた意識が消えてしまう事を本能的に初号機は悟っていた。
初号機の目が赤く光り、顎門が開く。真っ赤に染まった歯を見せつけるように初号機は吼えた。
この意識のために、エヴァは目の前の敵を倒したかった。目の前の脅威から逃げ出したくなかった。
自分の中にある意識が自分と同じであるように感じる。
シンジの力が、一度だけ自分の拳を強くしてくれる事をエヴァは理解した。
初号機/シンジが真っ赤な目で使徒を見据える。
拳は固く、腰は低く。足裏で大地を踏みしめて蹴る。
エヴァの足で、飛び込めば8歩の所に使徒はいた。
7歩。使徒の仮面が光る。映像で見た光線が来る。初号機/シンジは顔の前にフィールドを展開させて耐えた。
6歩、5歩のところで2、3発目が来たが突っ込んだ。2発目でフィールドに穴が開き、3発目は首を捻りながら頭の装甲を信じた。
4歩、やっと意識してフィールドを作ることに成功した。右手を更に握りしめて、フィールドで固めた。
3歩。使徒が腕を振り上げる。
2歩。使徒がまたこちらを掴もうとして来た。
1歩。間抜けめ、好きなところを掴むといい。自慢の攻撃をする前に、こちらの拳が届く。
「いっけええぇぇ!」
腰だめに構えた右腕を一気に振り抜く。
ありったけのフィールドを乗せた拳が使徒のフィールドを越えようとする。
ナイフで刺した時にはあれ程強固だった使徒のフィールドは、あっさりと2人の拳の前に降伏した。
そして、使徒のフィールドと共に殆どのフィールドを失った拳が、使徒の胸に届く。
赤い玉にめり込んだ拳は、しかし勢いを失うことなく使徒の胸部をぶち抜いた。
「僕たちの、勝ちだ!」
シンジが叫ぶ。喜びも安心もない、ただ必死な声だった。
使徒の体が膨れ上がる。不気味な痙攣をした使徒は、不規則に揺れる腕で自分を貫いた初号機に抱きつく。
そしてシンジの意識は、特大の爆音と衝撃に吹き飛ばされた。
二次創作によっては暴走してすぐ終わるはずのサキエル戦が7000文字?しかもここまで書いておいて結局初号機(弱)暴走からの自爆エンドと原作とあまり変わらず。サポートあっても初乗りで敵撃破なんて簡単に行くわけありませんでした。甲児とかリョウマ、アキトさんは本当に超人だと思う。
以下、オマケ。
遂に秘密のヴェールを脱ぎ、壮絶な戦闘を制した汎用人型決戦兵器、エヴァンゲリオン。
そのパイロットとなった碇シンジは、新天地、第3新東京市で新しい生活を始める。新しく保護者となったミサトとの共同生活に振り回されるシンジ。
「これが第3新東京市。私たちの街よ。そして、あなたが守った街」
「僕とエヴァが守った街…。その、僕はミサトさん達を守れましたか?」
次回・見知らぬ天井。
続くかなぁ