「お茶をどうぞ。うふふ」
現在俺は、リアス・グレモリーに連れられある場所にいた
私立駒王学園旧校舎。そこにひっそりとある部活、『オカルト研究部』の部室である。あそこで抵抗したら洒落にならなそうだったから大人しく付いて行ってはみたが、ど~もここにいる連中、共通して妙な空気を纏ってるというか…言いにくい何かを持ってるみたいだ。特に今俺にお茶を出したこの黒髪爆乳お姉さんと、自称悪魔のリアス・グレモリーからは特にだ
「さて、傷の具合はどうかしら?」
対面式のソファーの前に座ったリアス・グレモリーは、初めに俺の怪我の心配から入った。つか怪我も何も、後ろに控えた爆乳大和撫子の甲斐甲斐しい手当てで問題無いんだが。この包帯の巻き具合も中々手慣れてるな
「…これに関しては礼を言うよ。で?あんたら全員悪魔、でいいんだよな?」
だがしかし!忘れちゃならんのはここが相手側の根城だということだ!数は4人、リアス・グレモリー、大和撫子、入り口付近で控えてる金髪イケメンにさっきからお菓子ばっか食ってるロリ少女…あれ?ここの連中色々恵まれ過ぎてね?
「そう、ここにいる全員が悪魔。後ろにいる男の子は『木場祐斗』、私の『騎士』」
グレモリーがそう言うとイケメン、木場祐斗がこちらを見て微笑む。…騎士ってあれか?運命のナイト様的な?いやこの二人デキてても可笑しくないけど
「そこでお菓子を食べてるのは『塔城子猫』、『戦車』を担う私の下僕よ」
「…どうも」
お次に紹介されたのは白髪のロリ少女。名前通り子猫っぽいオーラを放ってる…でも感情の起伏が薄い印象がある
「あなたの後ろに控えてるのが『姫島朱乃』。ここの副部長にして『女王』の座を任せた内のナンバー2よ」
「うふふ、よろしくお願いいたしますわ」
そんでもってこの大和撫子、落ち着き払った色気と母性溢れるオーラを纏う彼女だが、二番手っつうのは悪魔的な意味なら相当な手練れってことだろうな…それにこいつ、勘だが逆らうとヤバそうな気がする。こういう時の勘は信じておいて吉だ!
「そして私は『王』、この子達のご主人様」
グレモリーがそう言った瞬間、部屋の連中が一斉に彼女の元に集まり、腰辺りから黒い、蝙蝠のような翼を広げた
「……帰る」
「ダメです」
って、この猫娘ちっこいのに何つー怪力だよ!片手で男子高校生持ち上げるとか反則だろ!?…つかよ、流れ的に正体明かしたんだとは思うよ?けどさぁこいつら根本分かってねえだろ
「離せちっこいの!こちとらついちょっと前まで一般人だったんだぞ!悪魔とか堕天使とかいいから!神様も魔王様も信じてませんから!取り敢えず家帰って平穏な暮らしに帰せコラ!」
「それは無理な相談よ。あなたは既に堕天使側にマークされたわ…そして人間の身でありながらセイクリッドギアを発動させてしまった。トドメと言っては何だけど、堕天使も倒しちゃってるから、完全に敵対視されてることは確かよ」
……うわぁ、完璧に退路無いんじゃねこれ?
「後、私達側からもあなたに用があるの。昨日、駒王学園の男子生徒が行方不明になったのを知ってるかしら?」
「…まあ、少しは」
「その男子生徒は神器を内に宿していたの。それを偶然察知した私はその子をマークしていたのだけど、堕天使に先手を打たれて…殺された」
決まりだ、あれは現実に起きた事だ。そしてこいつらは俺と何らかの関係があると踏んでておかしくない
「それを何故俺に?学校も違うし接点すらない俺にそんな裏事情教えた所で」
「昨日殺された子がいた現場に次の日偶然゛似たような゛神器の気配を宿したあなたが現れるなんて出来過ぎとは思わない?」
「知るかよそんなもん。第一その男の事にしたって、殺したのは堕天使なんだろ?俺はそいつらに命狙われたからぶん殴っただけで、これで堕天使との関係は皆無だろうし、何よりそんな神器とかいうもんも今日知ったぜ?後あのロン毛が言うには俺の神器、セイクリッドギアって平凡なもんらしいぞ?そんなへっぽこ武器たまたま発動させた一小市民が、それこそお前らみたいな裏組織的な連中を脅かす可能性なんかねえっしょ」
兵藤一誠に関与してるのは確かなのかもしんねえけど、夢で殺された瞬間見ただけで何の足しにもならんよな。つかさっき自分で言ってみたけどどう見たって俺が特別何かあるとは思えない。疑われようと知ってることもない
「…あなたが兵藤一誠に関与してる線は薄そうね」
「そんな赤の他人に関わる理由も何もありゃしねえよ!つかいい加減この宙吊り状態解けってんだ」
めんどくせえ、とっととおさらばして二度と関わらねえようにしねえと
「…ちっこい」
「え?」
だけど次の瞬間、俺の体は思いっきり投げ飛ばされて…ドアが目の前に!?
「っ!?起きろ!!」
とっさに叫んだ瞬間、俺の左手が緑の輝きを放ち、神器『龍の手』が俺の元に現れる
『Boost!』
「こなくそ!」
俺は篭手の音声と共に潜在能力を倍化させ、即座に空中で体勢を整えてドアに向けて両足を向ける
「っと!」
俺はその後、ドアと足が着いた瞬間に足首、膝、股関節をクッションに見立て、地面と平行に゛着地゛した。でもこの世の法則に逆らえる訳もなく
「ぶべっ!」
そのまま地面に顔面から激突する
「セイクリッドギアの発動動作が早い…」
「あらあら、これは驚きましたわ」
「驚きましたわ…じゃねえよ!何普通に投げ飛ばしてやがんだコラ!今の大怪我もんだぞ!」
ぜってぇ鼻赤くなってるよ…取り敢えず顔だけあいつらの方に向けて抗議してやった
「…ちっこいって言った」
「コンプレックスつついたなら謝る。だが人外パワーで全力投球は命に関わる!俺にはやるな!」
「まあ、いいわ。それよりもあなたに話があるの…私達と協力してくれないかしら?」
…何言っちゃってんの?
「あなたにだってメリットはある。まずあなたの身は私達グレモリー家の保護下に置かれる…まず命の保証に間違いはないわ。そしてあなたの神器、『龍の手』の扱い方をより効率的にする環境を提供出来る。その知識に関してもね?」
「断る!」
「なっ!?」
「んなもん関わったら泥沼状態になるのなんか目に見えてんじゃねえか!絶対ごめんだね!つか俺はそんな殺伐とした嬉し恥ずかしファンタジーに興味は無い!適当に人と関わって平穏に生きてた方が俺の好みなんだよ!」
形振り構ってられねえ!何が何でもここから逃げて家に帰る!
「でもあなたは確実に命を狙われてるのよ!今のあなたではいずれ殺されるわ!」
「人間舐めんな悪魔!てめえらに勝手に限界見極められる筋合いはねえ!」
俺はドアの前に立ち、声を張り上げて宣言する。ここできっぱり言っとかねえと後が面倒だ
「…それが、あなたの答えなの?」
「ああ、誰かに身を委ねるくれえなら自分で乗り越える。無理なら死ぬだけ、元々未練も何もねえ分際だかんな…やりきってくたばるならそれもいい」
それだけ言うと俺はドアノブに手をかけた。追って来る気配はない、なら今の内に退散させてもらうとしよう
「いかがしますか部長?」
近衛が去った後、今まで事の顛末を見ていた木場が声を張る
「はあ、中々手のかかる子ね。取り敢えず監視が必要だわ…祐斗、子猫。任せるわ」
「了解です」
木場に続き、子猫も黙って首を縦に振る
「間違いなく近い内に堕天使が接触するはず。一度関わったのも何かの縁、最後まで面倒を見ましょう」
「あらあら部長、そこまであの子に義理立てする理由でもあるんですの?」
姫島が右手を頬に当てて艶やかな笑みを向けると、グレモリーは静かに目を閉じた
「予感でしかないわ。ただ、彼はこのまま放っていてはならない気がする…それだけよ」
だが彼女から放たれた言葉は、余りにも曖昧なものだった
主人公は基本無所属に徹する方向です。ただ厄介事の度に接触するので余り意味は無いかも…
こんな主人公が次に巻き込まれるのは?