ハイスクールd×d 仮初めと虚無   作:Third+s

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ホンットお久しぶりです

忙しい!そしてネタが浮かばない!別の作品試し書きして時間を食う!等々多くの障害を乗り越えて、投稿で御座います!

ただ戦闘まで行けず、オマケに妥協で書いて一万字超え…どないなっとんねん文章力(泣)

という訳でどうぞ!


売られた喧嘩?

謎の悪魔祓い襲撃に遭った後、俺は写真を返しに兵藤家を訪れたんだが、そん時におばさんからつい先ほど、写真に写ってたイッセーの友達がそりゃ綺麗になって尋ねて来たそうな

 

名前を『紫藤イリナ』。神父の娘らしく、仕事の都合で海外に引っ越した彼女が、この時期に帰って来たんだと…まあ、予想はビンゴだった。てかあの写真じゃ男にしか見えんぜよ!?人って変わるもんだな

 

 

そして辺りが暗くなり、空気が湿気臭くなる頃に俺は家に帰ったんだが

 

 

 

「タカシ!」

 

 

「ただいむぁっ!?」

 

 

 

ホワット?ドアを開けて前を向くと真っ暗じゃなくて誘惑のパラダイス!じゃねえ!

 

 

 

「ふぉ、ぶひょぉ~!まぶぁはわへ!」

 

 

「あ~タカシ…ケガは無い?何かされなかった?」

 

 

 

現在進行で窒息死の危機に晒されてんですが!?

 

 

 

「~~ぶはっ!おいコラ殺す気か!?」

 

 

「あ、ごめんなさい。あなたがイッセーの家に言ったと聞いて、突然とんでも無い聖なる気配を感じたからとても心配したのよ…ホントに良かった」

 

 

「確かに悪魔祓いに斬り掛かられた時はヒヤッとしたがよ…んな簡単にくたばる気はねえさ」

 

 

「タカシさん!」

 

 

「て今度はアーシアかい!」

 

 

 

とはいえ、心配させたんだよな俺。俺が良くてもこいつらにとっちゃ、俺は仲間なんだ、余り余計な事はしないようにしねえとな

 

 

 

 

 

 

「いくら何でも身勝手過ぎるわ!私の領地で、しかもタカシに剣を振るうだなんて万死に値するわ!」

 

 

「それに関しては後にすんぞ。先ずは例の悪魔祓いの連中が今来ちまった事だ…木場があの調子じゃ間違い無く荒れるぞ」

 

 

「…そうね、あなたの報告を聞くに、その二人は聖剣を使っていたのよね?」

 

 

「しかもかなりの業物と見た。『腕』で防ぎきったのが不思議な位の威圧だったけど、恐らくそれだけの戦力がいる状況なんだろうよ」

 

 

 

俺は今、グレモリーとアーシアの三人で俺の部屋に集まり、強力な聖剣持ちの悪魔祓いが明日行うという対談について知恵を絞っていた。てかこのタイミングで来んなよ悪魔祓い、うちの『騎士』が発狂しちゃうよ?

 

 

 

「つまり、私の領地で何か良からぬ事が起きると?」

 

 

「可能性があるって話。そう言えば会談の手筈は整ってんのか?」

 

 

「実は今朝、ソーナの元に聖剣を持った二人組が現れたそうで、明日天界の使いとして会談を求める旨を伝えて来たのよ。私も会談の話を聞いたのはついさっきよ」

 

 

「杜撰な接触方法だな…悪魔を舐めてんのかその二人が優秀で任せたのか」

 

 

 

まあ、間違い無く前者だけどな

 

 

 

「部長、それと聞いておきたいんだけど、木場が憎んでるのは聖剣、特にエクスカリバーなんだな?」

 

 

「…ええ、彼は先日説明したとおり、"限られた聖剣適合者を量産"する『聖剣計画』の被験者…並びに唯一の生き残りよ。それ以外の被験者たちは例外なく殺されたわ」

 

 

「ふ~ん、何つーかさ…こうもトラブルの起きるタイミングが合うと気持ち悪いな。まるで…"問題が向こうから吸い寄せられるみたいで"」

 

 

 

だって考えろよ、"偶然イッセーの昔馴染みが聖剣の関係者"で"偶然聖剣を持ってその子が辻斬り女を連れて戻って来て"、"聖剣を憎んだ木場が偶々この街にいるだなんて"。これで問題がエクスカリバーの件なら、最早陰謀説だって上がるぞ

 

 

 

「本当ね…ライザーの件が片付きだした途端にこれだと参ってしまうわ」

 

 

「けど嘆いてる暇も無い、か。一刻も早くこの問題を解決しねえと、最悪木場が危ういぜ」

 

 

「ええ、今の祐斗はまだ、昔の感情がぶり返しただけだと思うの。…あの子には、憎しみで生きる事、その為に剣を振るう事。そう言った負の感情以外の生き方を見つけてほしい…そのためなら、いくらでも協力は惜しまないわ」

 

 

「…相変わらずだな。その仲間想いな所はさ?」

 

 

「部長さん、何と寛大な心をお持ちなのでしょう…」

 

 

 

アーシアが感極まって涙を零す。この子はどうも感情移入が激しいというか、思い込みが強いというか…純粋なだけなのか?

 

まあ、グレモリーは平常運転だ。結局俺はいつも通り、俺の世界の障害を消し飛ばすのみだ…

 

 

 

「で?リアス部長殿…何故俺の部屋で服を脱ぐ?」

 

 

「何故って、あなたと一緒に寝る為じゃない」

 

 

「ああ!ズルいですぅ!今日は私がタカシさんと一緒に寝ます!」

 

 

「お前ら俺を無視してんじゃねえ、羞恥ってもんはねえのかってかアーシアも服を脱ぐなあああああ!!?」

 

 

 

ホンットに平常運転だよ!

 

 

 

 

 

 

 

僕は復讐の為に剣を握ったーー

 

あの日、僕を悪魔として救ってくれた部長には感謝している。おかげで大切な仲間が出来た、憎しみとは別の人生を過ごす事が出来た…だけど

 

 

 

『お前の命は、その程度で投げ打つ程軽くはねえぞ』

 

 

 

ゴメン、それでも僕には…復讐の念が頭から離れない

 

 

 

『この世を去っちまった仲間の分まで生きようとも考えないんだな』

 

 

 

僕よりも生きたいと思っていた子だっていたんだ、それなのに僕だけが彼らを忘れてのうのうと生きて良いはずがない…!

 

 

 

『どうせ復讐するなら生きる為に復讐しろよ!』

 

 

「タカシ君…」

 

 

 

僕は彼が羨ましい。真っ直ぐに、どこまでも自分の思う事を言い切れる彼の生き様が…あんな生き方なら、どこまでも自分の憎しみに素直になれるのに

 

 

 

「…僕だって分かってるさ。これじゃいけない事くらい…!でも、心が許さない!」

 

 

 

いつの間にか降っていた雨が、僕の体の芯を冷やしていく。これが僕の嘆きを現すなら、正にお似合いだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「誰か…た、助け…がふっ!」

 

 

「?…神父?」

 

 

 

だけど天は、神様はどこまでも僕を…悪魔に堕ちた僕を苦しめるつもりらしい

 

 

 

 

 

 

 

 

「だっは~…、疲れを癒やす睡眠時間に疲れが増すってコレ如何に?」

 

 

『女に言い寄られるだけ幸せと思うんだな』

 

 

 

深夜に入り、辺りはすっかり夜。なんだけど俺のベッドは絶賛美少女二名に占拠されている。あんなとこでグッスリもクソもあるか!真っ裸だから色々柔らかいわしっとりしてるわ甘い匂いするわ…普通に無理。精神ガリガリ持ってかれる

 

 

 

『変わった奴だ。年頃の男ならば襲う位の気概を見せろ』

 

 

「黙れ万年発情トカゲ、それとも色欲赤トカゲか?普通の男の子ってのはシャイなんだよ」

 

 

『ヘタレなだけだろ』

 

 

「ようしテメエの核はこれだな?早速消し飛ばしてくれよ『ホンット勘弁してください調子乗りましたすいませんでした』、天龍が聞いて呆れるわ」

 

 

 

何か左手の甲からすすり泣きが聞こえるんだが、マジ煩い。黙らせようか?

 

 

 

『何故だ?仮とは言え相棒が敬意すら見せんとは…』

 

 

「知ってんだろ?敬意を見せる価値のある奴にしか敬意は示さないって。お前は落第だ」

 

 

『はあ…世の中とは世知辛い。っとそんな事を言ってる場合じゃない。宿主、良い知らせと悪い知らせだ』

 

 

 

急に真剣になるからビックリ。とはいえ話の内容的に切り替えるとしよう

 

 

 

「…オッケー、んじゃ悪い知らせ」

 

 

『ああ、タカシ…気付いているだろう?最近周囲に"強い気配"が集中し出している事を』

 

 

「それか。まあ確かにそうだな、はぐれの強化体が頻繁に現れるわ聖剣持ちの天界関係者も来るわ。…それに最近の"お得意さん"もきな臭いんだよな。ま、これに関しちゃ敵意が無いから見ぬフリで済ましてるけど」

 

 

 

ライザー戦以降、俺の討伐出動数はそれこそ倍に跳ね上がっている。おまけに妙なタイミングで木場が不安定になった。こりゃまた盛大に殴り飛ばさねえとダメか

 

 

 

『気をつけろよ、ここで負けちまえば"白いの"にも勝てやしない』

 

 

「白いの?あれか、テメエ赤だから紅白戦みたいな感じでいがみ合ってる奴がいんの?」

 

 

『表現はまっこと遺憾だが大体合ってる。白い龍、『バニシングドラゴン アルビオン』…かつて『二天龍』と恐れられたもう片割れだ』

 

 

 

つまりライバル関係と…うぇいと?ライバルって

 

 

 

「へいトカゲちゃ~ん?まさか君俺がそのアルビノトカゲと戦えとか言わねえよなぁ?」

 

 

『い、いやそれは~…本来は戦わなければならないのは相棒のイッセーなんだ。だが状況が状況だ!頼む!せめて相棒が戻るまではお前が』

 

 

「却っっ下!!」

 

 

 

誰が少年バトル漫画みてえな非日常に首突っ込まにゃならん!死んでも断る!あ、俺死にかけたな

 

 

 

『と言ってもだな、どの道いつかは必ず巡り合うさだめなのだ。お前なら歴代の赤龍帝をも凌駕しかねない能力がある「だが断る」って最後まで聞け!逃げられんと言ってるだろう!?』

 

 

「勝手に入り込んで自分の首締めて、人様に多大な迷惑を掛けた挙げ句死にに行けと言うかこの恩知らずの赤ヤモリ!引きこもりも大概にしろ!」

 

 

『なんだいなんだい!黙っていれば好き放題言いおって!俺がいなければお前はとっくに死んでいるんだぞ!?少しは感謝しろ!』

 

 

「元はお前が入って来なけりゃ死に目にすら合わなかったんだが?オツム大丈夫~?」

 

 

『グオオオオオオオオオオオ!!!??言い返せない俺が悔しいいいいぃぃぃ!』

 

 

「イライラすんなよ、ハゲるぞ?」

 

 

『誰のせいだ!』

 

 

「俺だけど?」

 

 

『……ぅ、うぅっ、うぉぉぉぉ…!』

 

 

 

うわぁ、人間に泣かされる自主最強(笑)ドラゴン

 

 

 

『謝ればいいのか?俺が謝ればいいのかコンチクショウ!惨め過ぎるぅぅぅ!』

 

 

「はあ、今回に関しては言い返せる材料があり過ぎんだよスカタン。望んで殺し合いなんか人間やりたいとも思わねえよ。巻き込んだのはドライグだ、事実に言い訳するからそうやって手痛いシッペ返しを食らう。肝に命じとけ、肝があればだが…」

 

 

 

こいつ確か魂だけだったな。肝どころか鱗一つ無いな

 

 

 

『うぐっ、そう…だな。確かにそうだ、気を改めてそこは謝ろう。済まない』

 

 

「そうそ、誠意がありゃ俺も言わないさ。こっちも言い過ぎたかもだし、これはもうお終いだ!で?良い知らせってのは?」

 

 

『ああ、それなんだが…相棒が目を覚ました』

 

 

 

っ!?マジか!やっとイッセーが!

 

 

 

「ホントか!?良かった~これで"イッセー復元"の話も進みそうだ!」

 

 

『そうだな、悪魔として転生し、神器から離れても支障が無い今なら大いに復元の可能性も出て来る』

 

 

 

このイッセー復元なんだが、実はイッセーが籠手の中にいるだろうと分かってから欠かさず試している。だけど問題はそう簡単じゃなかったらしく、イッセーと『赤龍帝の籠手』はほぼ俺と同化しているに近いそうで、魔術的な分離は困難を極めていた。おまけに体の損傷の件やコンタクトが取れないなど問題だらけで、それが漸く纏まりだしたのだ

 

 

 

「そんじゃ早速コンタクトを取らせてくれ」

 

 

『あ~、それなんだが…まあいいか。そら、繋ぐぞ』

 

 

 

ん?今何か含みがある間だったような…っ!第六感が危険を察知!早急に耳を塞ぐ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ぅおっぱああああああい!!!』

 

 

「うるっせええええ!?」

 

 

 

ライザー戦以来久々に聞いた第一声が……何故だ、哀れ過ぎて泣けてきた

 

 

 

『ちっぱいおっぱいでっぱいおっぱいおっぱいおっぱああい!』

 

 

「おいドライグ、この異常者を今すぐ消し炭にしろ」

 

 

『ああ実はだなタカシ。どうも相棒は籠手の中に封じられてから相当"溜まってる"らしくてな?しかもお前が経験した視界が夢として見せられてるせいで女の乳房に対する禁断症状らしきものを発症させたそうだ』

 

 

『畜生!生殺しにも程があんぜ!ああ一刻も早く生乳を見たい触れたい吸いたい揉みほぐしたあああい!』

 

 

「なあ、これ禁断症状こえて手遅れだわ」

 

 

『同意だ……なあタカシよ、俺の境遇って酷いと思わないか?』

 

 

「イッセーの件だけでは同情する。離れても相談は乗ってやる」

 

 

『あぁ…どうせならタカシが相棒なら』

 

 

「戦いたくないから無理~」

 

 

『ぐはっ!?』

 

 

 

何このカオス?誰も止めてくれない止められない。ヘルプミー!

 

 

 

「とりあえず、と。その調子なら大丈夫そうだなイッセー」

 

 

『部長のパーフェクトおっぱいがひとーつ、アーシアの絶妙な美おっぱいがひとーつ、子猫ちゃんのちっぱいがひとーつ』

 

 

「おい話聞かねえと消し殺すぞ」

 

 

『はいすんませんでした~~!!』

 

 

 

最近このドス効いた低音ボイス多いなぁ、そうさせる連中が多いからか

 

 

 

「さて、まず状況整理だ。お前の体はもう修復出来て、コンタクトしてる辺り魂にも異常は無い?…OK?」

 

 

『何で異常無しのとこで疑問符が付いたか分かんねえけど、自分なりには平気だぜ』

 

 

 

そりゃあれ聞かされたら脳みそイカレてるとしか…止めよう。話が逸れる

 

 

 

「それじゃ、近いうちにオカ研メンバー立ち合いの元で分離計画を立てるようにすっから。出来るだけ早くしねえと…心配してる人たちに悪いしな」

 

 

『…そう、だな。あ、そういや言い忘れるとこだった。あんがとなタカシ!父さんと母さんと向き合ってくれて。後、クラスの連中とかから本音聞かせてくれて』

 

 

「止せや気持ち悪い。俺は"普通に"話を聞いただけだ」

 

 

『…フッ、必死に相棒の批評をケアするのが普通、か』

 

 

 

さあて何のことやら。俺はさっさとイッセーもいる"平穏な暮らし"を送りたいだけだし

 

 

 

『それはそうと、宿主。本当に我々を切り離していいのか?』

 

 

「あん?何がだよ」

 

 

『とぼけるな。お前の右の籠手、"かなり迫ってるぞ"』

 

 

「……」

 

 

『勘の鋭いお前が気付かぬ訳があるまい。今俺達がお前から離れれば、確実に虚無に呑まれるぞ』

 

 

『っ!?ドライグそれどういうこった!』

 

 

 

ああこの馬鹿トカゲ、余計な事言いやがって

 

 

 

『今は辛うじて倍化で虚無のエネルギーを相殺し、あの巫女に龍の波動を散らしてもらってギリギリ平常でいられている状態だ…それが一度切り離されれば、どうなるか想像もつかんのだぞ!』

 

 

「…かと言って、このままで良い筈がねえ」

 

 

『ふざけんな!タカシ、俺なんかの為に自分を犠牲になんかすんなよ。そんなんで戻ったって俺が許さねえ!』

 

 

「どの道時間が無いんだぞ!」

 

 

『『っ!?』』

 

 

「…いいか、今の俺達の状態はほぼ"一体化"だ。つまり元が虚無の器として出来た俺と違って、お前らが虚無化に耐えられる可能性はゼロだ」

 

 

『…つまりそういうことか』

 

 

 

こういう時、ドライグは察しが良い

 

 

 

「一刻も早く俺から離れないと、どの道お前らは俺と一緒に呑まれて…消滅する」

 

 

『嘘…だろ?』

 

 

「確証は無い。だけどその可能性は大いにあって、このギリギリのラインを保てるのも、勘だがそう長くは無い」

 

 

 

最近の悪い勘はすこぶる良く当たる。恐らく、その見立ては合ってる

 

 

 

「いいかドライグ、イッセー。決めるなら早く決めろ、決めないなら勝手にお前らを放り出す。どうもエクスカリバーに対して、この右手は怨念でも積もらせてやがんだ。暴走がいつ始まったっておかしくねえ!」

 

 

 

俺の言葉に沈黙する二人。だけど時は待っちゃくれない、既に終点は見えて来た。降りるのはこいつらが決めるべきだ。ただ…残るなんて駄々こねたら蹴り飛ばしてやるがな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やあやあおっひさだねぇイケメン君!感動的な再会じゃっあ~りませんか!てな訳で、おいらのこの『エクスカリバー』の錆になってもらうよ~ん♪」

 

 

 

そう、時間は俺の想像以上に無かったんだ

 

 

 

 

 

 

 

翌日の駒王学園の教室にて、俺は変態コンビに遊びのお誘いを受けた

 

 

 

「カラオケかぁ、そういや行ってねえな」

 

 

「だろう?偶には明るく楽しもうぜ!」

 

 

「駅前のなら挿入歌、アニソンも充実している。盛り上がること間違いナシ!」

 

 

 

普段は俺を陥れようと奮起してる奴らだが、基本俺らの関係はこんな感じだ。別に憎み合ってなくて、仲は良い

 

ちなみに男子の俺への排他運動はなりを潜めた。どうも球技大会辺りから変わったそうだが、何があった?

 

 

 

「ナニを挿入だって?」

 

 

「「うおっ!?」」

 

 

「桐生、誤解を招く表現すな。黙ってりゃ可愛げあんのに」

 

 

「あら、アーシアがいながら口説いてるの?残念、あたしは木場君一筋だから」

 

 

 

ちっ、相変わらずペースを乱す奴だな

 

 

 

「てか近衛君も遂にエロ組に入っちゃった?せっかく女子の人気高いのに」

 

 

「誰と仲良くしようと勝手だろ。それにこいつらに非があるにせよ、そんないるだけで害みたいな言い方は見逃せねえな」

 

 

「え…」

 

 

「タカシお前」

 

 

「へえ、意外と熱いんだぁ。ま、そんなつもりで言った訳じゃ無いけど、確かに人付き合いなんてその人が決めるもんよね…ちょっと近衛君のこと見直そうかな」

 

 

 

今更どう見直すんだっての。やっぱ調子狂う

 

 

 

「それで?何の話?」

 

 

「んあ?カラオケ行こうって話だよ。もし良いんならお前も来るか?仲良い奴で来たい奴いれば良いんだけど」

 

 

「んーそうね、行かせてもらおうかしら。ねえアーシア?」

 

 

「はい、行きたいです!」

 

 

「「な、何ぃぃぃ!」」

 

 

 

なるほど、アーシアなら大丈夫か。桐生も存外、こういう機会を設けたかったのかね

 

 

 

「ふふっ、上手くやりなさい?」

 

 

「…何をだっての」

 

 

 

いや、これはほぼ確実にお節介だな。アーシア思いなのは助かるが、それは余計だぜ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「校舎も綺麗になりましたね!」

 

 

「そうだな~、磨きすぎてピッカピカだな。ワックスなんてもんじゃねえな」

 

 

 

どうやってこんなツルピカにしたのか非常に疑問を抱きつつ、俺とアーシアは本日の会談の為に召集を受けた。つか昨日会ったしグレモリーから聞いてたから知ってたけど

 

 

 

「そう言えば、あの奥の扉は何でしょう?」

 

 

「あん?」

 

 

 

するとアーシアは校舎の奥、黄色い遮蔽線と鎖で固められたある扉に疑問を抱いた。そういやあそこ、開かずの間らしいが何なんだろうか

 

 

 

「さあ?俺も知らねえけど、開かずの間とは聞かされた。理由があんだろ、それより、今は会談だ」

 

 

「は、はい!」

 

 

 

ま、どうせなるようになるか。まずは当面の事態に対応せねば

 

 

 

「会談の申し入れを受けて頂き感謝する。私はゼノヴィア、そしてこっちが」

 

 

「紫藤イリナです。若干一人、もう知り合ってますけど」

 

 

「その節はどうも、辻斬りさん?」

 

 

「うっ、やっぱり怒ってる」

 

 

 

場所は変わり、今は部室。木場を除くオカ研メンバーは、先の連中である教会関係者の二人に向き合っていた。ちなみに俺は決して怒っちゃいない、いきなり斬り殺しに来た脳筋おんなに決して怒っちゃいない

 

 

 

「イリナ、少し黙っていろ。話が進まん」

 

 

「元はと言えば誰のせいよ!?」

 

 

「それで?教会側が悪魔に接触するだなんて、どういうつもりかしら?」

 

 

「…我々は行方不明の一本を除く、六本のエクスカリバーは、3つの派閥がそれぞれ管理していた。のだが…」

 

 

「その内三本が、堕天使によって奪われました」

 

 

「何ですって!?」

 

 

 

おいおい、それってあれか?只でさえ三つ巴で面倒な均衡下の中、天界側を攻撃して、オマケに悪魔にとって猛毒兼天敵のエクスカリバーをかっさらったってことだろ?…これじゃ戦争になんぞ!

 

 

 

「私たちが持っているのは、残った聖剣の内の2つ。この『破壊の聖剣(エクスカリバー・デストラクション)』と」

 

 

「私の持つ、『擬態の聖剣(エクスカリバー・ミミック)』の二本だけ」

 

 

「エクス、カリバー…」

 

 

 

ふざけんのも大概にしろよ、都合が良いなんて虫のいい話じゃねえ。誰だ、誰がこうなるよう仕向けた!

 

 

 

「それで、私たちにどうして欲しいわけ?」

 

 

「今回の件は、我々と堕天使の問題であり、ここに巣くう悪魔が介入すれば面倒な事になる」

 

 

「随分な物言いね…私たちが堕天使と組んで、聖剣をどうにかするとでも?」

 

 

「可能性が無い訳ではあるまい。聖剣は悪魔にとって忌むべきモノ、堕天使と利害を合わせても不思議ではあるまい」

 

 

「いい加減にしとけよ脳筋」

 

 

「…貴様は黙ってもらおうか、私はグレモリーの者と話している」

 

 

「そんなんだから脳筋なんだよ。テメエ口には気をつけろよ、後俺はこの街に生きる人間だ。関係大有りじゃねえか」

 

 

 

それに、そろそろグレモリーがキレる。魔力が感情と一緒に漏れてるんだけど

 

 

 

「悪いが部外者だ。それに貴様も同じグレモリー側の者、貴様とて堕天使に肩入れするならば殺してやる」

 

 

「そこまでよ。悪いけど言わせてもらうわ、私たちが堕天使に肩入れする事は有り得ない。グレモリーの名に懸けて、魔王の顔に泥を塗る真似はしないわ」

 

 

「…ふん、それが聞けただけで十分だ。今のは本部の意向でであって、魔王の妹がそこまで愚かとは思っていない。だが使い魔のタズナ位握った方が良い、交渉などには不利益にしかならん」

 

 

「タカシは仲間よ、私達の大切な!」

 

 

「ならば余計に、注意を払う必要がある」

 

 

 

こいつ自分の事棚に上げてやがる。何気なく紫藤の方にジト目を向けると、バツが悪そうに目を逸らした。良かった、こっちはまともだ

 

 

 

「すいません、話をまとめます。あなた達悪魔には、この街で起こる事全てに一切の不介入を約束してもらいたいんです」

 

 

「…そうね、承知したわ」

 

 

 

ぅぉおおい!?それはダメだろこの人!それ周りの被害どうすんのよ!?

 

 

 

「それでは、これで失礼する」

 

 

 

あぁ、すんごい釈然としない終わり方だったな。こうなりゃまた単独捜査か…骨が折れる

 

 

 

「ん?お前はもしや、アーシア・アルジェントか?」

 

 

「え?あ、はい」

 

 

「…まさかこんな所で"魔女"に会おうとはな」

 

 

「っ!?」

 

 

「あ~、魔女になったっていう元聖女さん?堕天使、悪魔問わず癒やす力を持ってるせいで追放されたとは聞いてたけど、悪魔になってたとはねえ」

 

 

 

………待てよ

 

 

 

「あ、ぁ…私は」

 

 

「元は聖女と呼ばれていたのに悪魔になるとは、堕ちれば堕ちるものだ」

 

 

 

…そうか、こいつらはアーシアをどん底に落とした連中の一味だったな

 

 

 

「お前はまだ我らが神を信じるか?」

 

 

「ゼノヴィア、彼女は悪魔だよ?」

 

 

「背信行為をした輩でも、罪の意識を感じ、信仰心を忘れられない者がいる。その子にはそういうものを感じる」

 

 

「へえ。ねぇアーシアちゃんは悪魔になっても主を信じているの?」

 

 

「…捨てきれないだけです。今までずっと信じて来たんですから」

 

 

 

アーシアは信じて来た。けど、彼女はそれを悉く裏切られた。自分たちのエゴを押し付け、自由を奪われたただの女の子を、こいつらは裏切って来た

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ならば我々の手で斬られるといい。罪深くとも、神は救いの手を差し伸べてくれるだろう」

 

 

「【ほざくな小娘】」

 

 

《っ!!?》

 

 

 

その瞬間、全てが凍り付いた

 

 

 

「っ!?ダメ、止めなさいタカシ!暴走が!」

 

 

「な、んだ…"それ"は!?」

 

 

「紫の、目?」

 

 

 

周りの反応を無視し、俺はアーシアの前に立つ

 

 

 

「【救いの手?なら神様は何故悪魔になる前に彼女を救わない。これほどまでの清らかな信仰心に応えない。いつまでたっても争いが消えない】」

 

 

「それは神の信仰が足りないから」

 

 

「【そのミスター神様は聖なる剣とやらの為に…幾つもの命を犠牲にした狂信者どもに、お得意の神の鉄槌を下さなかった!何故だ?モルモットのように人の命を是としない連中と、悪魔になってでも聖書を抱き締めて、誰よりも優しいアーシアがどうして同格扱いされてんだよ!言ってみろ!神様の言葉をねじ曲げて肥える連中を断罪すらしねえ、救いを求める人間を切り捨てる神様は何故アーシアを…"木場を助けなかった"!?】」

 

 

《っ!?》

 

 

「タカシさん…」

 

 

 

後ろで震えるアーシアを斬る?また俺の前で命を奪われる?寝言も大概にしろ

 

 

ックン…

 

 

 

「…お前は、アーシア・アルジェントの何だ?」

 

 

「【友達、仲間、いや…】」

 

 

 

 

ー"家族"が一番しっくりくるー

 

 

ドックン…

 

 

「っ!?タカシさんっの、ご家…族…私が」

 

 

「【アーシアだけじゃねえ。俺の後ろにいる奴らはもう、俺の"平穏"の中の掛け替えのない存在なんだよ…それにちょっかい出すんなら、お前らは俺の敵だ!】」

 

 

「ふっ、魔女に魅入られ…悪魔に惚れ込むか。何とも罪深い」

 

 

「【俺は神様を信じるよりも仲間を信じる。俺を導き、傍迷惑ばっか押し付けて来る困った連中を】」

 

 

「…変わった人間だな」

 

 

「【テメエも同じ変わった人間だろうが…信じるのは勝手だが、それを振りかざして他人の命を奪うのは間違ってんだよ】」

 

 

「教えとは絶対だ。秩序とは守られるべくして作られる、そういうものだ」

 

 

 

その言葉に込められた意志、いや信念か…それが何となく、掴めた。確かにコイツは間違った事をしようとした。だけど…それはアイツがアイツであるための行動だったんだろう、ならそれに相成れない俺は、全力で止めるしかない

 

 

ドックン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【エクスカリバー…!】

 

 

 

っ!?この声!

 

 

 

【忌々しい鉄塊め…七つに分けられようと消し飛ばしてやんよ】

 

 

 

黙れ、でしゃばって来んじゃねえ!

 

 

 

【はっ、天龍程度に延ばされた分際で俺を止めきれるかな?…何、"今は"乗っ取る程力が顕現されてはいない。いずれ訪れる時に備え、俺はゆっくり待ってるさ…足掻けるならやってみろ。それまではこの力、存分に使いな……】

 

 

「っ!?ぐっ…、」

 

 

「タカシ!?どうしたの!」

 

 

 

あの野郎、遂に夢から無意識下にコンタクト取って来やがった。後、どれだけ時間が……いや、分かってるか

 

 

 

「…本格的に時間が無い、か」

 

 

「…え?」

 

 

「意気込んでおきながら膝をつくか。言動が噛み合っていないぞ?」

 

 

「しゃらくせえ、風邪気味なんだよ。ふぅ、…それよりもお前、これ以上アーシアに手を出すってんなら、お前らまとめて相手になんぜ?」

 

 

「タカシ!?」

 

 

「それは教会側の人間全てを敵に回すと見ていいのかな?良かろう、いつでも相手をしてやろう」

 

 

「タカシさんやめて下さい!それ以上は体に障ります!」

 

 

 

畜生、このままコイツを…教会の連中の言動を見過ごせねえのに。無意識に無理やり声をねじ込まれた影響か…!視界がブレる!

 

 

 

「待ちなよタカシ君、そいつらは僕の獲物だ」

 

 

 

っ!?この声

 

 

「っ!祐斗…」

 

 

「お前、いつの間に!」

 

 

 

今コイツが来るのは危険過ぎる!確実に普段以下の実力で喧嘩売りに行っちまう!

 

 

 

「誰だお前は?」

 

 

「"先輩"だよ、君たちの…ね?」

 

 

「木場!今のお前じゃ冷静さが欠けてる、抑えてくれ!」

 

 

「君こそ出しゃばらないでくれるかい?またいつもの様に、周りに怒りながら自分は平然と危険なことをする。そんな君に言葉の説得力があるとでも?」

 

 

 

っ!?ダメだ、聞く耳も無いのか

 

 

 

「まあどちらでもいい。やるならやろうではないか…ただし、非公式ながらの"手合わせ"としてだ。お上にバレると拙いのでな」

 

 

「ふふっ、上等だ」

 

 

「だったらぁん、君の相手はあたしがしてあげる!手加減はしてあげるからね?」

 

 

「…はぁ、仕方ない。ヤバけりゃ俺が割り込めばいいか」

 

 

「あなた達?何故わたしを困らせる事ばかりしてくれてるのかしら?」

 

 

 

あ、ヤバいグレモリーがキレた。どう言いくるめれば…

 

 

 

「…お前はこのままでいいのか?アーシアを傷付け、木場は雁字搦めの鎖に手を掛けようとしている。だからここは、俺に任せてくれ。アイツのケツは持ってやるつもりだ」

 

 

 

でも結局、こうとしか言えないよなぁ

 

 

 

「……もう!好きになさい!」

 

 

「悪いな、もう体調は平気っぽいから心配すんな」

 

 

「…タカシさん」

 

 

 

何とかこの場を切り抜けた後、アーシアが潤んだ目で俺を見て来る

 

 

 

「大丈夫、"帰ってくる"」

 

 

「っ!はい!頑張って下さい!」

 

 

 

心配してるけどさアーシア、これはお前の為に戦うんだ。今は思いっきり頼ってくれや

 

 

 

「さぁ、て…んじゃ決まりだ。表出ようぜ」

 

 

 

さあ…始めますかドライグ、イッセー

 

 

 

 

「"凱旋"のお時間だ」




さてさて、虚無の力が遂にタカシの意識を蝕む!どうしてやろうか主人公(ケケケッ…

ドライグ不憫、イッセー乳万歳、皆のスイッチ平常運転…まあ色々ぶっ込みましたが、次こそ戦闘です

取り敢えずイリナに同情すべきなんでしょうか…

では!


あ、ちなみに予告でしたが、やはり三国志の正史を知らずに書くのは至難過ぎたので、別作品のクロスに変更しました。出すかは進行具合によります


5月17日 誤字改訂
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