どうも、亀更新で遅れながら投稿です
どうぞ
『…言わなくてよかったのか?宿主よ』
「…さっきまで大人しいと思ったら急にどうした」
現在、全速力で剣士3人衆を追っかけてる中、籠手の宝玉から声を掛けられた
『今の右側の力、限定的にお前の潜在能力を解放する能力らしい。宿主の中に渦巻く魔力が顕著に感じられたのがその証拠だ』
「そいつは都合が良い。なら今後の強敵をぶっ潰し易くなった訳だ」
『いい加減誤魔化すのを止めろ。その弊害が何を意味するのか分かってるだろう』
…やっぱ俺と 繋がってるから分かるらしい。俺が"抑えられる時間が短い事を"
「…前に言ったよな?さっさと俺から離れろよって」
『…ああ』
「この厄介事が終わり次第、お前らには出ていってもらう」
『待てよタカシ!それってお前が死ぬって事なんだろ?何でそんなあっさり言えんだよ!?』
すると籠手から別の声、イッセーが話し掛けてきた
「テメェの命にテメェで終止符打つってだけの話だろ。そこに部外者を巻き込むのが忍びねえだけ」
『じゃあグレモリー先輩やオカ研のことはどうすんだよ!皆お前を待ってんだぞ!』
「…知ってるよ」
『姫島先輩も、アーシアも!木場も、小猫ちゃんも!お前にとって大事な人達を置いていくなんて悲しすぎ「分かってんだよそんな事!!」っ!?』
耳の痛い話に思わず声を荒げちまった。らしくねえ
「大事だから、アイツ等も…お前らも!大事だからこうすんだよ!俺が…皆を手に掛けちまう前に、"俺を殺す"」
『『っ!?』』
あの悪夢を思い出すだけで震えが止まらない。
居場所だったモノが一瞬で血の海になる光景は…絶望以外何物でもない
「…イッセー、ドライグ。これは俺が絶対に曲げない決定事項だ!異論反論その他も受け付けねえ!分かったか!」
『…宿主』
「我が儘に付き合わせちまうが、今まで体貸してた分の駄賃だと思ってくれ……そんでコレは頼みだ」
この時俺は、一つの約束を交わしながら深い森へと足を速めた
町の郊外に建つ廃教会に、覚えのある3人の魔力と、その他大勢の気配を感知した俺は、敵陣用のノックで門を開ける
「チョッチュネーー!」
『『何故に足蹴り!?』』
連中がうるさいが知らん。これが俺のノックだ
「タカシくん!」
「飛び込みだが参加OKだよな!」
「君なら大歓迎だ!」
「ちゃっちゃと片付けるわよ~!」
こうして大乱戦に参加した俺だが、目視で確認できる連中(恐らくはぐれ神父)を見ると、感知した数に比べて明らかに多い。
つまり、それはさっき葬ったアイツ等と同じ存在…無理やり操られた屍たち
「…っと胸糞わりぃぜオイ!」
『Boost!Explosion!』
素早く切り込んで来た屍神父の利き手を平手で押し込み、今まさに降ろうとした剣を抑え、体勢を崩す。
更に首を押さえ付けて地面に叩き伏せた瞬間、はぐれ神父が三人上から飛び掛かり、刃を振り上げる。遅せえ!
「ラッシュ・ショット!」
拡散させた魔弾がランダムに神父の体に直撃すると、ビデオの巻き戻しのように吹き飛んだ。
すると、押さえ込んでいる屍神父が尋常じゃない膂力で起き上がろうとするので、押さえ込んでる右手に虚無の籠手を装着し、起動する!
「黙って寝てろ」
『Zero!』
虚無の炎を受けた神父は、その身にまとわり付いた歪な神聖を失い、事切れた。
死んだ人間にこれ以上、人の血を浴びさせる訳にはいかねえ
「木場!ゼノヴィア!イリナ!屍は俺が片付ける!」
「承知した!」
「頼んだよ!」
そこから俺達四人は分担する形で敵を鎮圧していった。
木場が瞬速の剣技で神父をすれ違い様に斬り伏せ
「はぁあ!」
ゼノヴィアの破壊の聖剣が地を砕き、屍と神父を区別なく吹き飛ばし
「やああ!」
イリナの変幻自在な剣が蛇の如く敵の間を滑り込み、死角から敵を斬り倒す…あの子暗殺者の方が似合ってない?
「行くぜ必殺仕事人、てな!」
そして俺は右の籠手から魔力で練った糸を無数に伸ばし、屍のみを対象に首へ糸を絡ませて能力を起動
『Zero!』
次の瞬間、屍は糸を切られた人形の様に崩れ落ち、沈黙した。
簡単に言えば、導火線として使っていた糸を何らかの力で操られた連中に接続する。後は虚無の炎を流し込めば神聖を打ち消して、只の死体に戻るって寸法だ
『どっちが暗殺者だ』
『仕事人って言っちまってるよコイツ…』
シャラップ
「片付いたみたいだね」
すると辺りの警戒を解いた木場がこっちに寄ってきた。
他の二人も、木場の意見と同じようで同様に警戒を解き、辺りを見回した。
あ、倍加切れた
「ちょっと面倒な奴もいたけど、概ね楽勝だったわね♪」
「しかし非道な、死者を人形の様に扱うとは」
そう言ってゼノヴィアは近くにいた屍神父の1つに歩み寄り、静かに祈りを捧げた。
信仰…というよりは、あれはあいつ自身の思いやりからなんだろう。そんな雰囲気を、今の彼女は醸し出してる
「よしお前ら、一度撤退だ」
「タカシくん?」
「ここにお目当ての聖剣はねえ。十中八九…罠だ」
「その通り」
《っ!!》
そして撤退を促した瞬間、教会内にとんでもねえ気配を宿したナニカが現れる
「バルパーもフリードもこの程度に苦戦していたのか。まぁ、目的の聖剣が転がり込んで来たんだ。良しとしよう」
十枚の黒い翼、趣味の悪そうな黒いスーツらしい服装、病的なまでの肌の白さに鋭い歯並び、そして吊り上がり見下してくる赤い目。
こいつが…
「堕天使、コカビエル…!」
「しかし随分数奇な集まりだな。悪魔、悪魔祓い、龍を宿す人間。前哨戦には持ってこいだ」
全員が身構え、放つ気配に精一杯の抵抗を振る舞おうと毅然とした姿で剣を構える。
だが、その手は僅かに震えて内面が透けて見えちまってるが
「コカビエル!お前を倒し、エクスカリバーを返してもらう!」
「出来るとでも思っているのか?聖書に残された俺の名を知って尚「御託はいいから、聞きてえ事だけ話してくんねえか似非ホスト」…何だ貴様は?」
ま、こんな奴の気配にガクブルしねえ位にゃ、場数踏んでるから関係ねえんだが。
それに、コイツにゃ聞かねえダメな事がある
「死人を操り人形にする心情ってのはどんな気持ちだ?」
「…ほぉ」
ニヤリと笑う顔に全力ストレートをかましたいが、生憎そんな余裕かませる程、あれは甘くないらしい。
てか何か興味持たれてねえか?周りも何か驚いてるが、って魔力が漏れてんのか。自分で何だが堪え性ねえなホント
「雑魚の肉塊を、勝者がどう扱おうと文句を言われる筋合いは無い。力ある者が全てを手にする!そこに何の間違いがある!?」
「き、さま~…!」
「動くな馬鹿」
今にも怒りで飛び掛かろうとするゼノヴィアを、殺気に近い威圧をこめた睨みで止めてみた。
するとゼノヴィアは俺の気に当てられたらしく、冷や汗を流して踏みとどまった
「懸命な判断だ」
「敵に誉められても嬉しくねえな」
ニヤニヤと苛つく顔で見下してやがるが、いい加減俺も血管ぶちギレ寸前なんだわ
「テメェがこの名前も知らない神父を、死人の体を鞭打つ理由を聞いておきたかったんだ…これで」
ーー派手にやれるっ!!ーー
『Boost!』
『Zero!』
「アサルト・ノーバディ!!」
両手の籠手で倍加と虚無を起動し、両手を突き出す!
総勢10の紫炎が東洋の龍を型どり、似非ホストを中心に教会内を荒れ狂う
「退け!」
その一言が引き金になって、全員が一斉に教会の扉から飛び出した。
だが俺が出ようとした瞬間、天井に何かが衝突し、出口を塞ぎやがった!?
「タカシくん!」
「こっちは平気だ!お前らは早く「随分余裕そうだな小僧」っ!?くそっ!」
こっちの無事を伝えるが、出口を塞いだ元凶が背後から襲い掛かって来たので、即座に回避に周り、振り下ろされた光の槍…てより剣を殴って逸らし、衝突した反動と同じ方向へ飛び出した脚力で離脱する
「あの中で最も歯応えがありそうだったんでな。付き合ってもらおう」
「ホモかよテメェ…木場!撤退しろ!この事態をグレモリー達に伝えてこい!」
『Zero!』
虚無の炎を四肢に纏わせ、似非ホスト目掛けて肉薄する!
右ストレートから左ブロー、後ろ回し蹴りから体を捻って円を描くように両足を広げて連続の蹴りを放つ
「はっはっは!やるな小僧!」
だが向こうもかなりの手練れらしい。
俺の攻撃を光の剣で防ぎ、それを虚無の炎が食い破った瞬間に新しい剣を精製、回転する蹴りを両手の剣を交差させて防御にまわり、衝突に合わせて後ろに退いて攻撃範囲から離脱。光のクナイを無数に撃ち込んできた!
「一筋縄じゃねえなオイ!」
範囲攻撃を防ぐために、俺は両手で円を描き、空中に紫炎の膜を張る。それがクナイを打ち消す障壁となり、俺はそれを殴り飛ばして敵目掛けて撃ち込む!
「チィ!」
不利と感じたホストは即座に離脱、空中に回避して俺がいるであろう場所を見る
だけど視界を潰しといて、その場に留まる理由なんてねえよなぁ!
「何っ!?」
不自然にバランスを崩したホストは驚愕を顔に張り付け、気配のする方向に顔を向けたが、遅せえ!
「オラァァァっ!!」
意識が逸れた瞬間に視野外から"腕"を伸ばしてホストの腕を拘束し、引き寄せる様にホスト目掛けて飛び込んで両足を揃える。
ついでに両足に回転を加えた紫炎の渦を纏い、それをホストへ向ける。ちょっとしたドロップキックだ
「甘いわ!」
だけどあんにゃろう腕じゃなくて翼で攻撃受けて来やがった!?
しかも器用に8枚で防御してやがるから残り2枚ががら空きで
「がっ!?」
全力で身体強化と防御に魔力を回して翼の一撃を受け止めたものの、受けた衝撃がトンデモねぇぞおい!?
肺の空気が押し出されるわ、地面をバウンドして教会を転げ回るわで漸く勢いが収まったんだが……
教会の蝋燭が転けて火事になってんだが
「まさか俺様に迫る実力とはな。気に入ったぞ!お前、俺の下に来い、悪いことにはならんぞ?」
「ぶっ!?…ぅぉ、ぺっ!」
何か喚いてやがるがどうでもいいっつの、こっちは息がしづらいったらねえ
「はぁ~…一昨日来やがれ」
中指立ててガンくれてやったら、お次の準備だ!
「来い!プライドッ!」
地面に使い魔召喚用の術式を展開して、俺の隣に獅子、羊、鷹、蛇を象る魔獣…俺の相棒を呼び出す
「グルル…ガォォォォッ!」
「ほぉ、キメラか。しかもかなりの上級のものと見た。益々面白いぞ人間!」
「テメェとじゃれてる程暇じゃねえんだよ俺は!」
燃え盛る教会の真ん中で、目の前の強大な"獲物"を捕捉したプライドは雄々しく吼える。俺が付けた名に恥じない、獣の誇りを携えて
「それと悪いが……お前が相手すんのはコイツじゃねえぞ」
「…グルルルル、ガゥッ!」
ホストに聞こえない程度の声で指示を出すと、不服そうな声で俺を横目に睨むプライド。
相変わらず言うこと聞かねえなコイツ!
「いいか、お前は外の木場達を守れ…外の索敵で、イリナの気配が薄れてる。恐らく外は外で手を打たれてる。イリナを救出した後、障害を排除してグレモリー達の元で指示をもらえ」
「……フンッ」
渋々ってか?聞いてくれるだけマシだけどさ
「こっからは索敵を止めて全力でアレを潰す。巻き込まれる前に…迅速に頼むぜ、相棒?」
「ガォッ!」
「作戦会議はいいのか?」
「ああ、ばっちりだよ馬鹿野郎!」
次の瞬間、プライドから放たれた高濃度の魔力を孕む炎がホストを飲み込む。
その隙にプライドは教会のステンドグラスを割って外へ飛び出る
「ふん!ちっ、勘づいていたか」
「人間舐めんなよ似非ホスト。こちとら外道の考えそうな事は先読み出来んだよ」
プライドの本気の炎をあっさり翼で叩き落としたホストは、舌打ちの後忌々しげにプライドの背を見送り、こっちを睨み付ける
「俺はコカビエルだ!覚えろ人間!」
周囲の熱と一酸化炭素を魔力で抑えて酸素を確保。
内臓のダメージはさっきのブランクで応急処置を済ませた…後は腹を括るだけ!
俺が一番信用していたボクシングの構えを止め、腰を落として右手を脇に抱え、左手は軽く広げてホス…改めコカビエルに照準を合わせる指標にする
「コカトリスかコカインか知らねえが、ぶっ倒す事に変わりねえんだよ!後、俺の名前は近衛剛だ!覚えろ堕天使!」
【さあ、消し去れーー力で!】
そして俺は、その引き金を引く
【Unlimited】
「ァァァアアア"ア"!!」
黒い意思と膨大な力が俺の全身を這い登り、圧倒的な全能感を俺に与える。
だけど…この力は、世界を壊す為の力じゃねえ!
「【『憤怒』】」
ゴッ!!という衝突音が響いた瞬間、黒のカーテンが視界を埋め尽くす。
そしてカーテンが消え失せた先はーー
直径30mの木々や教会の一部が、扇状の範囲で更地に変わった……何だこの出鱈目具合は?
てか、これコ、コ…コケコッコー含めて消し飛ばして大丈夫だったのか
ドックン!
「『くっくっくっく…!』」
「【…ま、大丈夫な訳ねえよな~】」
さ、現実逃避は止めるとしよう。正直、予想は出来てた。
○ャムおじさん(仮)が、コイツが面白いことをしたと言った。つまり、余り前例の無い事象だったんだろう、て推測が出来る。
だが奴は、聖書に残る程の有名人。なのに何故、その力が世に知られていない?これ程強力な戦法なら、大昔の大戦で使われない訳無いじゃねえか
なら消去法で残ったものは一つ、俺が知る中で似たような事が起きてて、その事例に合致してるんだよ。アレは!
「【強化体、か。こんなのまで身に付けてんのかよ…!】」
今の五月病の容姿は、同じ堕天使であるレイナーレの変貌っぷりとは全く違う形で変わっている。
翼は漆黒から、かつて天使だった名残にも思える白が混じり、その枚数は12枚に増えている。
服も全てが白一色、肌は透き通ってしまうと錯覚するほど白くなり、赤い目から走る、目に見える範囲の素肌には、血管のような赤い痣が刻まれている。恐らく、全身に刻まれるんだろう
「『やはり間違いない。貴様が"奴"の言っていた虚無の担い手か』」
「【っ!?…へぇ、聞くことが増えそうだな】」
「『なに、この力を俺に与えた物好きが条件を突き付けて来おってな。虚無の担い手を抹殺せよ、とだけ伝えて。顔も見せん不躾な奴だったが、都合の良いものをくれたんだ。一々目くじらを立てる必要も無いだろう』」
見せびらかすように飄々とした態度を取るコキュートスだが、あれに今近付けばどうなるかなんて、予想できる
それにライザー以来の強敵の強化体だ。気ぃ抜いたら瞬殺される
『いい加減、名前を覚えてやれ』
今シリアスだから黙ってろ馬鹿!
『なーんか…締まらねえなぁ』
アホ二人組ホントうるさいから止めて集中切れる
だが、これで一つ分かった事もある。強化体の力は単体、又は組織が"各勢力の垣根を越えて"ばら蒔いてるって事になる。
これが愉快犯なのか、はたまた目的のある計画的行動なのかはまだわかんねえが、いずれのせよソイツは…俺の敵だ
「『さぁ、冥土の土産はくれてやった。責めてもの情けで、楽に殺してやる』」
「【土産ってのは持ち帰ってなんぼだろうが。墓まで持ってったら持ち腐れちまう】」
互いに魔力が高まり、次の戦いが静かに幕を上げる
「『ほざけ!』」
「【っ!】」
そしてその瞬間、苛烈さを増して白と黒がぶつかる!
白く輝く光の槍が不規則にうねり、俺目掛けて刃を向ける。その数は、最早数えるのが馬鹿馬鹿しくなる
「【『嫉妬』】」
だが俺は一言、それを呟くだけでその全てを無力化した。
"相手の攻撃と全く同じ形式、攻撃軌道を用いて"。
種を明かせばこの力、便宜上『限定解除』は7つの攻撃方法で万能的に相手を殲滅出来るイカレ技だ。
傲慢、嫉妬、暴食、色欲、怠惰、強欲、憤怒…これらの特徴を反映した技は強力の一言
暴食は右腕に黒の魔力で型どられた不定形の腕を震うだけで、触れた万象を文字通り"食いちぎる"。
憤怒は範囲攻撃。感情が昂ればその振り幅によっちゃ辺り一帯を更にだって出来る。
嫉妬はあらゆる攻撃を、鏡写しのように"真似て"相殺してしまう。但し、相手の攻撃に使用される魔力や体力を割り増しで削られる。身に余る攻撃は相殺すればこっちがお陀仏になるって寸法だ
「『殺れ、人形ども!』」
すると向こうは白い腕を模した魔力を、まだ形を保っている死体へ繋ぎ、魔力を注ぐ。
つまり、また屍神父の完成だ
「【怠惰】」
「『っ!?ちぃ!』」
しかし、それも殺らせない。今度は地上戦なら無双とも言える7つの技の一つ、嫉妬を繰り出す。
技を宣言した瞬間、俺はゆっくりとコカビエル(言えた)に近付く。すると俺の足元を中心にタールのような粘液状の黒い魔力が地を這い、屍の足に絡み付く。
そして触れた屍から順番に動きを封じられ、ゆっくりと地に沈み…跡形も無く消えた。
これは粘液の様な高濃度の虚無の魔力を地面に薄く広げ、足に触れた敵から順に足からゆっくり"溶かすように消す"凶悪過ぎる技。味方を巻き込みかねないから、多用は禁物だ
「【色欲】」
そして操る死体が跡形も無く消えたので、俺は新たな技を使いながらコカビエルに迫る。
体の体幹を軸に、纏う巨大な腕を振り、左手は魔力弾を精製して近距離から撃ち込んでいく。
それを奴は後方に下がり右手を避け、左手の魔力弾を片手で弾いて、もう一方の手で槍を作り突きを放つ
焼け落ち、俺の一撃で崩落した教会跡地の空中で、一進一退の攻防が繰り広げられる。そして目の前のコカビエルは…心底楽しそうに嗤っていた
「『はっはぁ!いいぞ、これだ!これが俺の求めた戦いだ!!』」
「【戦闘狂かよ、俺とは相成れねえなぁ!】」
空気を魔力で固定し、足場を作りながら攻撃。又は風を操って浮遊しながら虚無の魔力と、赤龍帝の倍加を駆使した魔力砲(文字通り)をぶつけても、奴は怯むことなく俺に迫る。
素直に、強い。それが奴に対する初めの感情だ…けど
「『っ!?』」
「【搦め手にゃ弱いらしい】」
ガクンッ、と又も不自然に体勢を崩したコカビエルの頭上に即座に回り込み、魔力をしこたま込めた踵落としを後頭部に叩き込み、地に落とす。
因みに今回は無色の魔力は使っていない
「『がっ…力が、抜けているだと?』」
「【それが色欲だ。技使ったの忘れてたのか?】」
そう、これが色欲の真骨頂だ。コイツは空気中に粒子レベルの虚無の魔力を散布し、それに触れ、体内に取り込んだ相手を徐々に蝕んで殺す"毒"だ
「【チェックだ、堕天使幹部!!】」
俺は空気を思いっきり蹴り、コカビエル目掛けて全力の拳を突き立てる。この一撃で、全てを終わらせる為に
「『…くく』」
「【っ!?ぐっ!がは!?】」
だけどそれを、覆された。あの土壇場で、余りの予想外によって
「余所見は行けませんじぇ~ターカシきゅ~ん♪」
「【フ、リード…!】」
「『ほら、また余所見だ』」
死角から脇を斬りつけられた俺は痛みで思考が乱れ、コカビエルの攻撃に反応が遅れた
「【ぐぁぁぁぁぁぁっ!!】」
突如轟音と友に俺は首を締め上げられ、木々に背中を打ち付けられ、それらを折りながらその場から離されていく。
そして俺の首を締め上げている"魔力で出来たコカビエル"が壮絶な笑みを浮かべた瞬間ーーーーー
「旦那~♪ご無事ですかい?」
「『ちっ、俺一人でも殺れていた』」
「まったまた~!確かにあんときゃもう"木偶人形"作ってロックウォーーーンしてましたけどさーぁ?一撃貰うつもりだったでしょ?」
「『…クズだが妙に頭が回るから質が悪いな、貴様は』」
「ヒヒャッ、さーせん♪」
向こう側でタカシを巻き込んで爆発した、コカビエル製作の魔力爆弾が盛大に光の柱を作る中、コカビエルと応援に現れたフリードが軽口を交わす。
コカビエルは時折見せるフリードの鋭い観察眼に、僅かながらの感嘆と多分の忌々しさを含めた罵倒を吐き捨てるが、フリードはそれを意に返さない
「旦那は今から大仕事があんですから~、無茶されちゃ困るんすよ~ん」
「『気色悪いわ。それに仕事は果たすさ、何せ俺は戦いたいからな』」
口に入った砂を血と共に吐き捨て、歩を進めた
「『聖剣は?』」
「一本奪ったっちゃ!そんで1人始末しようとしたらさ~?ビックライオン丸が死体人形ごと焼き殺しに来たから慌てて逃げて来たんすよ!?結局もう一本とその所有者の脳筋女、後イケメンちゃん逃がしちゃったんだよねぇ…あぁ"ムカつくぜ全くよぉっ!」
「『まあいい、これで計画は最終段階だ。余計な邪魔者は、殺せば問題ない』」
コカビエルはより笑みを深め、これから先の地獄絵図に思いを馳せた
「…あぁ、頼みますぜ。こんなクソ溜めの世界を好き勝手にぶっ壊す為にもさ」
そんなコカビエルの背を、フリードは普段とはかけ離れた様子で鋭く睨む。だがそれも一瞬、フリードはすぐにいつも通りに強者へ従うゴマすりに徹する
ーー彼らの向かう先は、駒王町ーー
名前を覚えないのは彼の仕様です(白目)
またまたやられたタカシの行方はいかに。そしてコカビエルの強化体、グレモリー一行はどう凌ぐ?
次回も気軽に覗いてみて下さい(^_^;)
そしてPV60000越えに御礼申し上げます。ありがとうございます!