季節は七月も後半になり暑さが本番になってきた頃。
その日俺と桐乃は、沙織に呼ばれ秋葉原に来ていた。
「あっ……兄貴ここじゃない沙織が言ってたお店?」
そこには メイド喫茶『メイクイーン+ニャン2』と記されたお店があった。
「…………お、おぉらしいな……」
二階に行く階段を登り店のドアを開けるとそこには……
「お帰りなさいませニャ!ご主人様」
以前黒猫が着ていたメイド服をさらにごてごてにした感じのメイドさんが居て出迎えてくれた。
「あっすいません、沙織・バジーナって人もう来てますかね?」
「大尉の知り合いですかニャン!こちらですニャン!」
沙織のやつ……ここでも大尉って呼ばれてんのか。
そう思いながら桐乃の方を見ると桐乃も同じ事を思ったのか、なんともいえない表情をしている。
「おぉ!京介氏にきりりん氏こっちにござる!」
「あら?やっと来たのね、待ちくたびれたわ」
案内された席に着くと見慣れた二人がいた。
「……あんた、ここでも大尉って呼ばれてんのね」
「にしても沙織、珍しいな いつもと違う店だなんて」
「いやはや実はですな京介氏このお店は姉さんの友人が経営しているんですよ」
「大尉それは内緒ですニャン!」
さっきのメイドさんが来て沙織を口止めする。
「沙織、この人は?」
「あぁそうでしたなこの方はー「ご主人様はじめましてだニャン、私の名前はフェイリス・ニャンニャンだニャン、チンチラ星からやってきた、幸せを運ぶ猫耳メイドだニャン!」
……やばいなこの人『プリティーガーデン』のメイドさんよりキャラが濃いなぁ
「話は変わるんですが京介氏、それにきりりん氏お二人に頼みたい事があるのですが……」
「なに?言ってみなさいよ」
「お二人に雷ネットの大会に出てほしいんでござるよ」
『雷ネット!?』
俺と桐乃の声が重なる。
雷ネットとは今はやりのカードゲームだ、俺も桐乃に誘われ(強制的に)やってみたがいまいちルールが解らなく二人とも辞めたのである。
「今更雷ネットとかあんまりする気ないんだよねぇー わかりずらいし」
まさにそう言うと分かってたのごとく沙織のぐるぐる眼鏡が光った。
「きりりん氏コレを見てもそうは言えますかな?」
沙織が出したチラシを見た桐乃は突然眼を開き発狂した。
「メルルとのコラボキタぁぁあぁぁぁあぁ!!」
桐乃が見たチラシを見ると『雷ネット×メルル電撃コラボトーナメント!!』
優勝商品は雷ネットの人気キャラうーぱを肩に乗せた特別なメルルフィギュアのようだ。
「……こりゃ、桐乃が欲しがりそうな商品だな」
「でしょうね、現に今この女の顔は見れたものじゃないわ」
「うっさいわね、欲しいものは欲しいんだからしょうがないじゃん!てかあたしが雷ネット辞めるきっかけはあんたなんだからね!」
たしかにそれはそうだ、俺と桐乃が雷ネットを始めたばかりの頃黒猫と戦った事があったのだが結果は黒猫の圧勝、負けず嫌いの桐乃は100回以上戦ったがまさかの全敗、その負けがきっかけで桐乃は雷ネットを辞めたのだ。
「私のせい?笑わせてくれるわ、あれはあなたが自分で突っ込んで自滅しただけでしょう?」
「黒ニャンは雷ネット強いのかニャ?」
いつの間にかフェイリスさんが黒猫の隣に立っていた。足音も聞こえなかった。
「ーっ……えぇ、混沌を纏し私にとっては呪札を操る事など容易な事よ」
「じゃあ今やってみるかニャ?」
「おぉこれは面白い対戦になりそうですな!!」
沙織が興奮気味に話してくる。
「どうしてだ?フェイリスさんってそんなに強いのか?」
「それには僕がお答えしましょう」
後ろの席に座っていた巨漢の男性が説明を始めた。
「僕は 『橋田至』よろしくなんだお。ところでフェイリスたんは、雷ネットの全国チャンピオンだお。だから多分あの女の子は負けるお」
「えっ?全国チャンピオン!?あの人が!?」
人は見かけによらないと思った……
「全国チャンピオン……そう……相手に不足はないわ」
「黒ニャン……ホントに強いのニャン、楽しそうだニャン」
二匹の猫の戦いが切って落とされた。
次回。物語の針は動き出す!