【序章】
???「大丈夫?」
硝子の様に透き通るその声を…
僕は聞いた気がした…
覚醒し始める意識の中…
僕は夢を見ていた…
それはまるで宇宙のようだった…
暗く吸い込まれそうな暗闇の中に
星々のようなものが塵事理に散らばっている…
不気味だが何故か懐かしい感覚を覚えていた…
そんな意識の中 僕は額に冷たい違和感を覚える…
それと同時に意識は急速に現実へと引き戻されていった…
目を覚ますと僕はベッドの中に居た…
無論自分のでは無い。
花のような匂いから察するに恐らく女性物だろう。
朦朧とする意識の中で出来うる限りの情報を
集めようと僕は周りを見回した。
僕はインテリアやファッションに疎いからよく分からないが
一言で表すなら質素だろうか?
棚の上に幾つもの可愛らしい人形が
置かれているのにも気が付いた。
目の前では金髪の女性が濡れたタオルを
額にのせている所だった。
???「あら?起こしちゃった?悪いわね、こういうの慣れてなくっ
て…」
彼女はどうやら看病をしてくれていた様だ。
僕「…ぁ……」
上手く声が出なかった。
???「ん?」
僕「ありがとうございます……!?」
礼を言おうと声を上げたところで僕はぎょっとした。
思っていた声よりもずっと甲高かったのだ。
まるでそれは少女の様な…
(なんで!?だって僕はお…)
そこで自分の思考は停止する。
(僕は…僕は……僕は?…)
???「?」
彼女が不思議そうな顔をしてこちらを見ている。
僕は何でもないと言わんばかりに首を振った。
???「ところで貴女は誰?里の子?」
僕は答えられなかった。
自分はいったい誰なのだ?
僕「何も…」
???「?」
僕「何も…覚えていません」
そう言うと彼女はかなり動揺しているようだった。
(これが俗に言う記憶喪失とか言うやつか)
暫くの間沈黙が続いた。
その沈黙を破ったのは彼女だった。
???「あの…さ…
何も覚えてないなら私が思い出すの手伝ってあげようか?」
僕「……ありがとうございます」
もう僕にはそれしか言えなかった。
???「自己紹介がまだだったわね…私はアリス…アリス・マーガトロイドよ」
僕「アリスさん…」
アリス「貴女も呼び名がないと不便よねぇ…そうだわ!」
アリスの目は急に輝きを増す。
(何故か嫌な予感…)
アリス「私に付けさせてくれない!?名前!」
僕「あ…えっと…」
アリス「いいわよね!」
僕「は、はい…」
僕は押し切られてしまった。
(アリスさんのネーミングセンスが悪くないことを祈ろう)
アリスは部屋をキョロキョロと見回している。
どうやら名前のネタを探しているようだ。
そしてアリスはふと窓の外を見た。
そして物思いに耽っている様に見える。
外は夜だった…
アリス「……ぅ…」
僕「?」
アリス「つ……げ……ぅ…」
僕「アリスさん?」
アリス「貴女の名前は…月影龍」
僕「月影……龍………」
こうして僕は月影龍としての生活を送りだすのだった……
このようなつまらぬ小説を読んでいただきありがとうございます。序章なので説明文多めとなっております。