〜本編〜
……時は霊夢たちが到着する少し前に遡る……
さとり「ぐっ…」
輝夜「きゃっ!?」
アリス「これは流石に…」
永琳「多すぎるわね…」
4人は永遠亭に迫る兎たちと戦っていた。
だが4人は永遠亭という大きな建物を守りながら戦っているわけであって勿論そんな防戦が4人で賄えるわけがなく全員が満身創痍であった。
アリス「ちょっと永琳!何とかしなさいよ!」
輝夜「そうよそうよー!」
永琳「無茶言うわね…」
さとり「みんな元気ね…はたから見たらとても満身創痍には見えないわ」
永琳「でも…どうする?…」
アリス「打つ手無しって感じよね…ほら次来たわよ!」
永遠亭を囲うように一斉に弾幕が放たれる。
4人はそれを撃ち落とすように弾幕を放つ、が数が違いすぎる…
防ぎきれなかった弾幕は永遠亭にさらに大きな傷を残した。
輝夜「まったくなんで永遠亭ばかり狙うのかしらっ!?」
永琳「流石に結界ももたないわね…」
弾幕はボロボロの4人にお構いなしに放たれる。
アリス「も、もう…」
最早4人とも弾幕を放つ力すら尽きようとしていた。
このままだと永遠亭どころか自分達すらもバラバラになってしまう。
その時…弾幕が、消えた。
消えた、そうひとつ残らずだ。
さとり「…なに…が……」
永琳「え?ちょっと!?」
するとその時…
まるで魂でも抜かれたかのようにさとりが地面に落下していった。
かなりの高さがあったが地面との衝突は永琳が受け止めたので何とかなった。
永琳「ふぅ…セーフね」
輝夜「大丈夫?」
永琳「えぇ…なんとか」
落ちていったさとりを心配して輝夜が降りてきた。
辺りを見回すとさとりと同じように墜落していく兎が何匹もいた。それ以外の兎たちも何故か動きを止めている。
そしてアリスは動きを止めた兎たちの方に飛んでいってしまった。
そして永琳は見た。永遠亭の反対側からひとつの小さな影が飛び立つのを…
永琳「あ、ちょっと貴女!」
飛び立っていた影を、永琳は知っていた。それは治療後からついさっきまで寝ていた、今も部屋で寝ているはずの龍であった。
龍「闇牙「ダークネスファング」!!!」
突如放たれた弾幕は飛びながら鋭く形を変え、無数の槍となって兎たちに襲い掛かった。その死の雨はでゆうに100匹を超える兎たちたちを貫き落とした。
輝夜「すごい…」
永琳(なに…この尋常じゃない魔力は……治療したときはこんなんじゃなかったのに…)
輝夜「…永琳?…大丈夫?」
永琳「は、はいっ!?勿論大丈夫ですわよっ?」
輝夜「口調がスキマ妖怪みたいになってるわよ」
永琳「嫌!それだけは嫌!」
輝夜「…永琳…ホント大丈夫?」
永琳「ひっひっふー…ひっひっふー…えぇ、大丈夫よ」
輝夜「何となくダメってのは分かったわ」
そんな会話をしてるうちにも、兎たちはどんどんと撃ち落とされている。兎たちは怯えるように龍から逃げ回っていた。
そんな内…永琳達にひとつの足音が近付いていた。
足音のする方を見てみると永琳達が普段を共にしている鈴仙がいた。
だが明らかにその目には光がなかった…
輝夜「あらイナバ!どこ行ってたのよ!」
永琳「姫様!まっt」
グシャッ…
突如辺りに嫌な音が響いた。
鈴仙が近寄ってきた輝夜の腹を手で貫いたのだ。
永琳「姫…様…?」
輝夜「…ばっかじゃないの?永琳、貴女やっぱり中に入ってなさい」
永琳「…え?」
輝夜「蓬莱人って忘れてるでしょ…動揺しすぎよ全く…」
永琳「…あっ」
輝夜「月の頭脳が聞いて呆れるわよ?てか紫に聞かれてたらどうするのよ」
永琳「それは嫌!」
輝夜「ならこれ以上無様を晒さないようにさとりの看病でもしておきなさい…こんなの私で十分よ」
永琳「腹に腕貫通した状態で言われても説得力がありません!」
輝夜「ほらさっさといったいった」
こんな話を続けているあいだ、鈴仙は静かにしていた訳では無い。ただ抜けないのだ。輝夜に深く突き刺した腕がしっかりと絞められ、抜けない。これぞ腹筋パワー!凄いね!ニートなのに!
永琳「うぅ…ご武運を」
そう言い残して永琳はさとりを抱えて、半壊した永遠亭に入っていった。
輝夜「任せろと言ったけど…どうしたもんかねぇ…ねぇなんか言ってみて鈴仙」
鈴仙「…す…」
輝夜「え?なんて?」
鈴仙「ころすころすころすころすころすころす」
輝夜「…うひゃぁおっかないね、目線がこっち見てないのが気に食わないけどっ」
そう言いながら輝夜は鈴仙を蹴り飛ばした。あまりに強かったのか、はたまた輝夜の技術なのか、腹に腹に綺麗に抜けた。
輝夜「不死身とはいえ…流石に勝敗はどうにもならないわよね…」
輝夜は腹を抱えながらそう呟いた。腹には向こう側を見通せるような穴が空いている。鈴仙はすぐに怯みから立ち直り、再び輝夜に飛びかかろうとする。
輝夜(万事休す…か)
距離を一飛びで詰め、再び輝夜の腹に穴を開けんと飛びかかる。
輝夜の胸部に大きな穴を開けんと襲いかかる腕は、しかし輝夜には届かなかった。骨の折れる嫌な音がする。自分に風穴を開けるはずの腕が全く違う方向にひん曲がるのが見える。そう、輝夜には見えたのだ。龍が空から鈴仙の腕に「かかと落とし」をしたところを。
龍「大丈夫ですか?…って聞くのは野暮のようですね」
輝夜「平気に決まってるでしょう?それより…あなたならこいつなんとかできるんじゃない?いい蹴りだったわよ」
龍「なんとか…しなきゃいけない相手ですね」
輝夜「私はまだ動けるけど、こいつは手に余るの…頼めるかしら」
龍「分かりました…勝てるかは分からないけどやってみます」
そう言うと龍は力いっぱい地面を蹴り、上空に飛び出した。鈴仙もそれを追いかけるように空へと飛び立った。
輝夜「…さて、あとはビビってる雑魚の後片付けか…面倒臭いけどやりますか…」
……そして時は現在に至る……
なんかまるまる過去編みたいになってしまった…こんなことなら先に書いておいた方が良かったかな?…と後悔しつつ次の話の制作に移るのであった…マルッ…