〜本編〜
さて…どうしたものか…
あそこまで霊夢に断言しきった割には策なんて何も用意してはいない。用意してない所ではない、勝算すらたてていないのだから…
龍(でもまぁ、やるしかないよね)
教えてもらったことを思い出せ…僕のこれまでの時間は…決して無駄ではない!
鈴仙「お前だケは…コろサナくては…おマえダケは…」
龍「何故です?僕はどうして目の敵にされてるのでしょう?」
鈴仙「でテいけ…このよカら…」
龍「…断ったら…?」
鈴仙「こロス…」
龍「…では僕は死ぬわけにはいきせん。まだ僕はやりたいことも成し遂げたいことも何一つ終わらせていないのですから!」
鈴仙「…なら…サヨうなら」
そう呟くと鈴仙はすごい勢いで突進してくる。
体当たり…などという生易しいものではなく…純粋な殺意、この一撃で決めてやるという気迫…恐らく喉を噛みちぎってでも殺しにかかるだろう。
龍「…一に写すは水滴のごとく…二に写すは鏡のごとく…心に宿すは我無のごとく………無像「明鏡止水」!!!」
間近に迫っていた鈴仙の攻撃は…当たらない。
もう1発…当たらない。
確かにそこにいる…だが当たらない。
触れることが出来ない…
そう…それはまるで………
龍「前に見せてもらった霊夢さんの無想天生の模倣です…お気に召しましたか?」
鈴仙「チッ…」
鈴仙は即座に距離を取り、ありったけの弾幕を放ってきた。単純かつ凶悪な「ゴリ押し」の名にふさわしい弾幕。
龍はそれを大きく旋回しながら躱す。たとえ圧倒的質量だとしても…避けられない弾はうち落とせばいい。
そうして、鈴仙まであと十数メートルという所まで近付いたところで、弾幕の動きが変わった。
「幻朧月睨」
赤と青の弾幕が交差する。大型の弾幕と銃弾のような弾幕が飛び交う。ただオリジナルよりも避ける隙間がないほどに弾幕が増えているだろうということは、その弾幕を初めて見る龍でも分かった。
明鏡止水はそう何度も連発できる技じゃない
かといって普通に避けてもやられるのは目に見えている…
それを踏まえてこの状況を打破できる策は…
…なんだ簡単じゃないか。今もこうしてやっている様に、敵の弾幕数にみあった質量で…撃ち落とす!!!
それが出来るのは…
(この世には、光より速い物は存在しない。どのような加速度を持とうと究極的には直線になるんだぜ)
って2人目の師は言ってたっけ…
さっきのダークネスファングも…アリスさんに教わった黒魔法の応用だし…あれ?真似してばっかじゃない?
少しの罪悪感に囚われながらポケットから魔理沙にあらかじめ貰っていたミニ八卦炉のレプリカを取り出した。魔理沙が昔使っていた壊れたミニ八卦炉を使い、ミニ八卦炉を真似て作った試作品を霊夢が補強したものだ。魔理沙曰く撃てるのは1発きり…
なんだ…1発あれば十分すぎるではないか…
龍はミニ八卦炉に魔力をこめる…狙いはただ真っ直ぐに…
龍「極砲「アルティメットスパーク」!!!」
ミニ八卦炉(レプリカ)は弾幕を放った瞬間手の中で大きな熱を放ちながら崩れさり、龍の手に大きな焼け痕を付けたが、それに見合った成果を八卦炉は叩き出した。
放たれた雷電は鈴仙の弾幕の壁を突破しただけでなく、その弾幕を放つ張本人に直撃した。隙間なく弾幕を敷き詰めたのが仇となったのだろう。相手を倒すはずの弾幕が、自分の視界を潰すという結果になってしまったのだ。
龍の手は肉の焼ける匂いと共にチリチリと音を立てている。手は焼け焦げており、常に激痛が走っている。だが龍にはそんなことどうでもよかった。いや、そんな事を気にしている余裕はなかった。
龍「…やっぱだめかぁ…」
鈴仙は倒れていなかった。口から黒い煙を吐き呆然としているがすぐに立ち直り、僕の肉を引き裂かんとするだろう。
この通り手は焼け焦げて使い物にならないし…
…手がダメなら足か…
龍が鈴仙に向かって突撃し始めるのと、鈴仙が新たに弾幕を展開し出すのは同時だった。龍は弾幕に当たるのも躊躇せず突撃していった。そして弾幕にぶつかった…いや正確にはぶつかった様に見えた、である。弾幕は何かに阻まれ、そして龍の前方で何かが割れる音がした。
保護結界の多重発動
身を守る障壁を沢山展開することで自分の身を守る。その数は7枚。7枚全てが割れる前に鈴仙に渾身の蹴りを叩き込む。それが龍の最後の一手であった。
2枚目…3枚目…割れていく障壁を後ろ目に、着実に鈴仙との距離を稼いでいく。やっとの思いで鈴仙の所までついた時には、障壁は既に残り1枚となっていた。ここまで近付かれては流石に近距離攻撃に移るしかないだろう…龍の予想通り、鈴仙は弾幕を放つのをやめ、龍を高く殴りあげる。その威力は障壁を貫いて龍にダメージを与えるには十分であったが、その龍の腹を貫くには足りなかった。
龍「風脚「テンペストバッシュ」!!!」
殴りあげられたことで高さの利を得た龍はそこから一気に急降下し、風を纏った蹴りを叩き込む。防いだ鈴仙の手からは硬い何かが折れる音がした。それと同時に鈴仙は地面まで一気に叩きつけられる。
確認を取ろうと龍は地上まで降りていった。鈴仙は地面に大きくめり込み、ピクリとも動かなかった。
龍「やった…のかな?」
両手が壊死寸前の火傷、右足の骨は複雑骨折…到底無事とは言えないが龍はこうして幻想郷に来て初の死闘を潜り抜けたのだった…
今回初(?)のちゃんとした戦闘シーンですね。とっても下手くそ…これからも精進していかなければ…