〜本編〜
あれから美鈴が呼び止めてきて、レミリアの部屋への行き方を教えてくれた。
大きな入り口のドアを開け、教わった通りの道を通って行くとひとつの部屋に辿り着いた。
ドアは来ることはわかっていたと言わんばかりに開けられていて、中の様子が見て取れた。
部屋の中心にはレミリアが座っていた。
レミリア「ごきげんよう、龍」
目が合うなり、レミリアは龍に話しかけてきた。
龍「こんにちは、お嬢様」
レミリア「ふふふ♪覚えてたのね」
龍「えぇ、初対面であんなこと言われたら誰でも覚えてますよ」
レミリア「言ってくれるわね…まぁいいわ、ようこそ紅魔館へ♪遊びに来てくれて嬉しいわ」
龍「恐縮です」
レミリア「別に何があるって訳でもないけれど、ゆっくりしていって頂戴」
龍「はい」
レミリア「ふふふ♪」
コンコンッ
そんな会話をレミリアとしているとドアの方からノック音と同時に銀髪のメイド服に身を包んだ背の高い女性が現れる。
第一印象は瀟洒だろうか…いかにも完璧な従者という雰囲気を醸し出してるように見えた。
レミリア「あら、咲夜」
咲夜「お嬢様、お客様とお嬢様の分のお茶をご用意しました」
レミリア「ありがと、毎度ご苦労さま」
咲夜「いえいえ、では私はこれにて…」
お茶を二人分入れると咲夜は逃げるように部屋から出ていってしまった。
そんなに僕が来たのが嫌だったのだろうか…
レミリア「咲夜も冷たいわねぇ…気にしなくていいのよ」
龍「は、はい」
咲夜「なんでお嬢様はあんな小娘を」ブツクサブツクサ
…廊下からなんかぶつぶつ言ってる声が聞こえる気がするが、きっと気のせいだ…うん、この件はそっとしておいた方がいいだろう…
レミリア「それで?今日はいつまでいるのかしら?」
龍「あんまり長居すると迷惑なので日没前には帰りますよ」
レミリア「あらそう?別に泊まっていっても構わないのに…」
龍「いえ、大丈夫ですから」
あんまり長居すると咲夜さんも迷惑に思うだろうし(汗)
そもそもここに泊まる理由がないから帰った方がいいだろう。
レミリア「そう?なら仕方ないけれど…」
レミリアはしゅん…となってしまった。
何だかとても悪い事をした気分だ(汗)
レミリア「…っていうか日没前には帰るって言ってたわよね?」
龍「はい」
レミリア「ていうことはもう帰るの?」
龍「え?」
レミリア「だってもうそろそろ日没よ?」
龍「…え?あ、ほんとだ…」
外はもう既に暗くなり始めていた。
青かった空は段々と橙色に染まり、夜が近づいてきていることを指し示していた。
レミリア「…貴女、来る途中迷ったでしょ」
龍「ギクッ」
な、何故分かったし…勘の鋭い人だ…
レミリア「図星ね、てことはどうせ帰りも迷うでしょう…んん…夜更けなら私が神社まで送っていってあげれるんだけれど…」
この時間に出たら、神社に着くまでに暗くなってしまうだろうし、僕はまだ道も曖昧にしか覚えていない。
レミリアさんの提案を受けるのは悪くない判断だと思う。
龍「それなら…お言葉に甘えさせていただいても?」
レミリア「勿論」
即答かよっ
それにこんな僕と一緒にいて何が楽しいのだろう…
レミリア「ならもたもたしてる暇はないわね♪さっさと遊びましょう♪」
龍「は、はぁ…」
レミリア「さ、行くわよっ♪」
龍「わわっ!?」
龍はレミリアの小さく力強い手に引かれ、廊下を駆けてゆく
あぁ、暫くはこのお転婆姫さまに振り回されることだろうなぁ…