転生するらしいのでチートを頼んだら自分で手に入れろと言われた件。   作:ゆらぎみつめ
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原作崩壊のプロローグ

 

 

 

 

 

 諸々の問題を終わらせ、なんとか海鳴市に帰還。……よく生きて帰れたなあ。うん。

 

 神様は本当に何を考えているのだか。

 

 まあいい。そんな事より表向きの拠点が欲しいな。原作に関わるかどうかはまだ未定だが、あって困るものじゃあない。都合がいい場所がないか歩きながら探していく。力を使えば簡単だが、今は歩きたい気分だ。尚、面倒だからユーハバッハの姿ではなく、転生した時の幼い姿に戻っている。別人として振る舞うためにユーハバッハの姿をさせた分身を見えざる帝国の城の玉座に待機させているのでアリバイはばっちりだ。……まあ、転生者にはアリバイなんてあまり意味のない話だが。やらないよりはましだろう。

 

 さて、どこかに都合がいい場所はないものか。途中、ツインテールの女の子が変質者に襲われていたので助けたりしたが(変質者は暗示で警察に自首させた)、都合がいい場所は中々見当たらない。

 

 一応転生者全員にちゃんと戸籍が用意されているらしく、確認出来た。でも四歳の幼児が天涯孤独なのは違和感しか感じない。そこらへんもどうにかして欲しかった。面倒だからバレないように注意しておこう。

 

 そうしてぶらぶら歩いていると、何やら揉めている連中がいるので近付いてみた。

 

 中心には車椅子の少女がいて、周りには転生者が三人。

 

 どうやら原作ヒロインに関わろうとして、同じ考えの転生者達と鉢合わせ、口論になったのだろう。踏み台とかオリ主とか、未だに妄想と現実に区別のつかない馬鹿な会話をしている。

 

 囲まれているのは原作ヒロインの三人の魔法少女の一人、八神はやてか。ふむ。酷く狼狽しているな。当たり前だが。いきなり知らない人が話しかけてきて自分の名前を知っていたり、そんな奴が三人自分を囲んで喧嘩だ。泣いてもいい。

 

 仕方ない。あまり転生者に苦手意識を持たれても不都合だ。助けよう。

 

 物陰で影分身を使い四人になり、変化の術で猫に変身。

 

 未だ奪ったばかりで完全に使いこなせない魔法による念話を実行。

 

『ファミチキください』

 

『こいつ、直接脳内に!って、なんやこれ?本当に脳内に』

 

『隙を作るからその間に逃げて』

 

『え、え?』

 

 思わずネタに走ってしまったが、ちゃんと通じたことに安心しつつ、直ぐ様分身猫三匹を言い争う転生者達に差し向けた。

 

 顔面に綺麗に張り付き暴れる猫に転生者達は見苦しい悲鳴を上げて騒ぎ立てる。

 

 八神はやては驚きつつも、逃げられると分かると車椅子で出せるスピードか疑わしい急加速で転生者達の包囲を突破。無事彼女は脱出する事が出来たのだった。……転生者達はしばらく猫の餌食になっていてもらおうか。なに、ちょっとした嫌がらせだ。うむ。

 

 

 

 

 

『やあ、こんにちわ』

 

「猫が、喋っとる!?」

 

 転生者達から逃げきれてほっとしていた八神はやての前に姿を現す。本当ならそのまま見送るだけのつもりだったが、少しばかり気になることがあったのでわざわざ目の前に姿を現した。ちなみに猫の姿なのは変化を解き忘れているだけで深い意味はない。

 

『正確には念話といって、魔法で話しかけているだけだけどね』

 

「あ、そうなん?なんだ魔法かー……。魔法てなんやねん!」

 

『まあ、細かい事は置いといてさ』

 

「置いとくなや!魔法とかツッコミどころしかないわ!」

 

『まあまあ、落ち着いて。ほら、さっきそこで拾った猫じゃらしを上げるからさ』

 

「あ。これはどうも。て、アホかー!遊べってか!催促か!?やってやろうやないか、うりゃうりゃうりゃうりゃうりゃ!」

 

 この後滅茶苦茶にゃんにゃんした。尚全年齢版。

 

 閑話休題。

 

「……で、結局なんなん?」

 

 しばらく戯れた後、落ち着いたはやてがそう切り出した。

 

 年齢に見合わぬ落ち着きぶりだが、まあそんなのは今更だ。ついついギャグを入れたくなるのは彼女の雰囲気(ノリ)のせいか今の姿のせいか。それは後で考えるとして、そろそろ本題に入るか。

 

『そうだね。なら単刀直入に言うとさ』

 

 俺は姿勢を正し、八神はやてを見上げて言った。

 

『僕と契約して、魔法少女になってよ!』

 

「え、嫌やけど」

 

 …………。

 

『そこをなんとか』

 

「嫌やわ。あれやろ?私の大事なもんをこねてあれして取り返しのつかなくするあれやろ?」

 

『うん。その言い方は誤解を招くね』

 

「絶望させて魔女にするよりはましやろ」

 

『う、うーん?そう、なのかな?』

 

 なんでだろう。別にインキュベーターでもないのに理解できないや。

 

 ま。冗談はここまでにしとこうか。流石にこれ以上はぐだぐだになる。この世界に魔法少女まどか☆マギカがあるのは驚きだが別に重要な事でもない。

 

 それよりも大事な事があるのだから。

 

『とまあ、冗談はさておき、本題はさ。住むところがないから居候させてよ』

 

「ええよー。ていうか、飼い主を自ら探す野良猫とか新しすぎるわ!」

 

『え、どっち?いいの、駄目なの?』

 

「ええよええよ。猫一匹といわず百匹でもええよー」

 

『ありがとう』

 

「礼をいうなら私や。さっき助けてくれたのは君やろ。ありがとうな」

 

『どういたしまして』

 

「ほな、私の家にいこか」

 

 本当にありがとう。これで監視(・・)が出来るよ。

 

『うん。あ。その前に変化を解かないとね』

 

「え」

 

 猫の変化を解く。そして現れるのは今生のマイボディ。白髪に赤い瞳のアルビノ擬きの姿に、美幼女といってもいいぐらい整った顔をしていながら実は男という外見詐欺。今生の俺である。

 

「さあ、いこうか」

 

「……」

 

「うん?あれ?八神はやて?……気絶してる」

 

 どうやらお子様には刺激が強すぎたようだ。

 

 

 

 

 

 ーー時を同じくして、転生者を追うために生み出した分身で地球以外の世界を探していたところ、それらしき反応を見つけたので急いで向かえばあらびっくり。時の庭園でした。原作崩壊の予感……!

 

 とりあえず目の前で見たことある女性を殺そうとしている転生者を蹴り飛ばした。

 

「ぐはあっ!」

 

「大丈夫か」

 

「あ、あなたは……?」

 

「あれを追う者だ」

 

 女性はやや警戒しながらも、すぐに注意を蹴り飛ばされた転生者に向けた。まあ、警戒するのも仕方ない。今の俺はうちはオビトの変装、トビの格好をしているからな。怪しくて当然である。

 

「ぐ、くそ!俺様を蹴り飛ばすだと?幻想殺し(イマジンブレイカー)か?まあいい。どうせ同類だろう!殺してやる!オリ主たる俺様の邪魔をしたんだ!楽に死ねると思うなよおおおおおおおお!!」

 

 見た目は白髪に赤い瞳のアルビノ。能力は一方通行(アクセラレータ)のベクトル変換。他の特典は魔力SSS、チョーカー型のストレージデバイス。転生者達から奪った特典の中には転生者の特典を暴く特典があり、それを使って特典を調べた。ちなみに特典を奪う特典もあったが、どちらも俺には効かなかった。こいつにはどちらも有効だろうな。

 

 両手を伸ばして襲いかかってきた転生者の腕を無造作に弾く。

 

 まさに原作通りの無様を晒す転生者。

 

「は?」

 

 体の勢いが空中で完全に死に、呆けた声を上げる彼に、俺は仮面で分からないだろうが満面の笑みを浮かべて拳を握った。

 

 せめてもの手向けだ。原作通りに破ってやろう。

 

「木原神拳!」

 

 奪った特典の中には幻想殺しもあるがわざわざ使う意味もない。ならばいつかのループで会得して使い道のなかったこの技を使おう。

 

「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ、オラァァッ!!!」

 

「ぶげぴぁーー!?」

 

「釣りはいらない。存分に味わえ」

 

 名も知らぬ転生者。再起不能(リタイア)

 

 豪快に吹き飛び、地に伏した転生者にいつも通りの処理をし、元いた場所に返却する。

 

 ……さて、後はこの女性を治療して終わりだ。転生者に浅くはない怪我を負わされているみたいだから早急に手当てしなければ。

 

「倒した、のね……。あなたは、一体……」

 

「通りすがりの忍だ。治療をする。安静にしていろ」

 

 医療忍術で怪我を治し、更に迷惑料として患っていた病気も完治させておく。……しかしプレシア・テスタロッサか。無印のラスボスだが、こうして見ると華奢な女性である。ループ時代の俺ならつい手を出してたかもしれないな。うん。

 

 しかしこれは原作にかなり影響しただろうな。力を使えば無かった事には出来るが、わざわざ治療した彼女を再び病気にするのはやりたくない。ま。困るのは他の転生者だからどうでもいいか。問題は……。

 

「どうした」

 

『あ。やっぱり私が見えるんだお兄さん』

 

「……そうだな」

 

 悪霊(アランカル)で死神で霊王ですし。

 

 まあ、見えるよね。ていうか、まだ成仏していなかったのか。

 

 アリシア・テスタロッサ(霊)がそこにいた。

 

「成仏したいのか」

 

『うーん。まだ見守っていたいからいいかな』

 

「そうか」

 

 まさか彼女に出会うとはな。……だがこれも縁か。

 

「迷惑料だ。ついでに生き返らせてやる」

 

『え?』

 

「お誂え向きの力もつけてな」

 

 助けた女性がやがて狂気に落ち、死に至るのを知っていながら見過ごすのはあまり気分が良くない。原作が完全に崩壊するがどうでもいい。だから生き返らせる。幾らでも手段はあるのだから。問題は転生者対策だが、丁度アイテムボックスのこやしがある。それを使おう。

 

「ゴロゴロの実。自然(ロギア)系悪魔の実の一つで、雷の力を得られる代物だ。オリジナルは食えば海を泳げなくなるが、これは特典(レプリカ)だからそんな弱点はない。無敵ではないがそれに近しい力を持つ。使い方も含めて一緒に与える」

 

『お兄さん。私生き返れるの?』

 

「ああ。迷惑だったか」

 

『ううん。嬉しいよ。でも私は何も返せないよ』

 

「かまわん。子供はただ素直に喜んでいればいい」

 

 転生者の特典は、転生者の脆弱な魂を壊さないように何重ものプロテクトをかけてある。それが簡単に奪える理由だろう。だが俺は、それを解除出来る。そのまま与えれば彼女の魂が持たないが、俺の霊力を流し込み、特典を受け止められるように調整する事で他の転生者より何倍も使いこなせるだろう。ついでに原作知識からオリジナルの情報や雷系の能力者の情報も与えて終了だ。

 

「ではな。俺は地球に、……元いた場所に帰るとする」

 

『ありがとうお兄さん!また会えるかな?』

 

「ああ。きっとな」

 

 ……原作ブレイクしたから分からんけどな!

 

『……うん。きっと会いに行くから』

 

 帰り際にアリシア・テスタロッサを蘇生し、速やかに時の庭園から姿を消した。

 

 

 

 

 

 ループを繰り返すうちに、俺はその時の肉体に合わせて演技する癖を作った。それはどのループでも例外ではなく、その時々で最適な言動をするように、人格すらも模倣してきた。それは最早姿を変えているだけの時でも無意識に行っているほど当たり前のように。例えば衛宮士郎の時は正義の味方を目指す少年。英雄王の時は傲慢なる王。と。本物のギルガメッシュには道化だと言われ、女の皮を被れば愛でるのも悪くない。と謎の評価を頂いた。これはどんな評価なのか未だに判断しかねるが、まあいい。今現在直面している問題の現実逃避なので何らかの答えを出すつもりはない。それよりもここから逃げる方法を考えなければ。

 

「どこに行くのじゃ?ん?」

 

「私どころか夜一様からも逃げようとするとは、覚悟は出来ているのだろうな?」

 

 ダレカタスケテ。

 

 

 

 

 








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