型月カルナが奥さんをもらっているのかなぁと疑問なので、ドゥリーヨダナの血縁という設定です。
そもそもこの時代の女性の生き方とか道徳がいまいちわからないので家父長制的な考えの子にしたんですけどこれでいいのだろうか……
旦那様と会ったのは、結婚式の場が初めてでした。花嫁らしく着飾っても不安だった気持ちは、一気に吹き飛びました。あまりに人離れした美貌と、その耳に揺れる非常に重たそうな飾りが特徴的だと思いました。そして、私は妻として十分な要件であったかと疑問でした。
妻となった今は、なぜ私などと結婚したかわからずとても困惑しています。一体、この方は何を考えているのでしょうか。私は器量もそんなに良くはないし、手先だって不器用で、お世辞にも嫁に向いているとは思えないのに。
「あの、」
「なんだ」
「なぜ、私を妻にしたのですか」
「そんなことか」
「お前は確かに十人並の容姿で、家の仕事には向いていない。しかし、その不器用さが気に入った」
これは、褒められているんでしょうか。貶されているような気もしますが。
でも、旦那様は表情を変えていません。ということは、変える必要もない、当然のことだということ。そのまま捉えればいいのでしょう。気に入ったという言葉を、私は素直に信じればいいのでしょう。それでも、満足してもらうべく精進せねばなりません。不器用でも、妻として家事は素早く済ませられるべきですから。
「ラカ、お前は十分に、その、頑張っていると考えていい」
「ありがとうございます、旦那様」
「ああ」
私が黙っていたので慌ててしまったのでしょうか、付け足すように言ったその言葉はとても嬉しいものでした。
私は、とても良い方とご縁を結ばれたようです。こんなに良いことがあると本当に、このあと何か同じ以上に不幸があるかもしれないと怖くなってしまうくらい、幸せだわ。
「旦那様、クルフィがありますが、持って来させましょうか」
「ああ、頼む」
「はい!」
日々の練習のおかげで、縫い物も多少の料理も上手く行くようになりました。今日のクルフィは、実は自分で作ってみたものです。毎日お勤めに励む旦那様の手助けになると嬉しいのですが、大丈夫でしょうか。
「どうでしょう?」
「旨い。少し木の実を砕きすぎているが、これはこれで良いだろう」
ああ、よかった。少しはお役に立てたかもしれません。本当は食事もしっかりと作ることができればいいのに。でも、縫い物の上達のほうが先です。コツコツと、できることを増やしていかなくては。
「ラカ、お前は働き過ぎている。野のねずみでさえ、お前ほどは忙しくない」
「は、はい……」
「お前が倒れてしまっては、オレも困る」
いけないです。旦那様に迷惑をかけてしまっては、本末転倒でした。これからは少しだけ時間を減らして置かなくてはいけないかもしれません。ただ、旦那様がお勤めに行っている間は練習を続けるべきでしょう。
「ドゥリーヨダナ、俺はいい嫁を貰った」
婚姻が済んだ後日の酒の席で、しみじみと呟くカルナに、ドゥリーヨダナはホッと息をついた。
「そうか、なら紹介した甲斐があったというものだな!」
「ああ、感謝している」
相変わらず表情は無いように見えるものの、少しばかり口角が上がっている友の姿を見て心からの言葉であると知ったドゥリーヨダナは、やっと安心できた。
この友人はどうにも言葉が足りない。なんとか間違われにくいように言葉を選んでいるようだが、これが別の女だったならば怒り心頭で出ていくかもしれない。自己評価が低めな愛嬌のある女性を選んで正解だった、とドゥリーヨダナは思う。実は彼女は少し離れているものの親族であるのだ。彼女にも、友にも幸せにはなってもらいたいものである。
「ラカを、妻を安心させるためにも次の計画は必ず成功させなければな」
「無論、そのつもりだ。お前も気張れよ、カルナ」
これから、パーンダヴァを追い詰めるためにもっと仕事をしなくてはいけない。だからこそ、危険を伴う仕事にカルナを就かせるが、新婚の二人に悪いと思う気持ちがないわけではない。早く全部成功させ、安心して暮らせるようにしていかねばならないのだ。
そうして交わされた盃は、飲み下すと同時に地面に叩きつけられ、砕けた。果たして結果は、吉と出るか凶と出るか。
そして運命は回りだす。
幸せなところだけ書きたい。
そしてインド組難しい……書くの楽しいけどめちゃめちゃ難産になる……