閻魔大王だって休みたい   作:Cr.M=かにかま

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文字数って中々いかないものですね


Twentiefourth Judge

 

「煉獄と冨嶽の爺さんが堕ちたか」

 

地獄の某所にて...

蒼 隗潼がポツリと呟く

集まった鬼達にもざわめきが起こる

数は百人近くいるであろう

 

「ま、まさか冨嶽殿が!?」

 

「ありえん、百目鬼殿は無事なのか!?」

 

「残念ながら百目鬼の爺さんも時間の問題だろう」

 

再びざわめきが起こる

此処に集まった鬼達は全て、隗潼の意思に協力する者たち、もちろん百目鬼や冨嶽、煉獄もその中の一人である

ざわめきを鎮めるように一人の鬼が立ち上がる

 

「お前らうるせぇぞ、ちと黙ってろや、あン?」

 

若干緑の混ざった黒く長い髪に、短い二本の角が彼を鬼であることを示している鬼...

3代目閻魔大王の時代に就任、4代目閻魔大王が就任すると同時に引退...

 

朧岐 御蔭(おぼろぎみかげ)...

 

「俺らの目的は4代目の復帰、5代目の抹殺、驚き戸惑うことではないんだよ、ここんトコおわかり?」

 

死んだ魚のような目をしてやがるくせにどこか威圧感を感じてしまうのは何故だろうか

リーダーは隗潼の筈なのだが何処かリーダーシップ感を発揮しているのは何故だろうか

そんな朧岐に一人の鬼が話しかける

 

「うぃっぷぅ、んな焦んなってよ少し落ち着けや」

 

酒に酔って真っ赤に染まった顔と色素の抜けた髪色が特徴的で、まだこれでもか!と言わんばかりに酒を未だに飲み続けている鬼...

 

4代目閻魔大王の時代に就任し、4代目閻魔大王の引退と同時に辞表を提出...

 

盃 天狼(さかずきてんろう)...

 

「盃、お前、もっと酒控えろ」

 

「ひひひ、無理だね」

 

盃は鬼は鬼でも酒呑童子という種族の鬼である

よって酒を外すことはできない

二人の介入もあり、その場は一先ず静まる

隗潼は一つ咳払いをして喉の調子を整える

 

「全ては我らの秩序の為に!我らは4代目の意思を尊重し、4代目に閻魔大王の職務の復帰を計る!そのために現閻魔大王、ヤマシロの始末に動く!」

 

オォォォォォォォォォ!!と室内に声が共鳴する

 

「行くぞ!天地の裁判所を目指すぞ!」

 

百鬼夜行の始まりだった

全ては我らの秩序の為に...!

 

 

 

一方、天地の裁判所...

ヤマシロと冨嶽の戦闘により、半壊近くまで追い込まれた裁判所は現在魂の受け入れを急遽停止している

 

「申し訳ありません、緊急事態の発生の為少々お待ちください!」

 

天地の裁判所は毎日毎日、迷える死人が集まり休みが与えられないほど忙しい

それがいくら緊急事態とはいえ一時的に機能を失うということは世界の均衡が乱れることにも繋がりかねない

 

(閻魔様、どうかご無事で...)

 

現在問題を処理している鬼の筆頭、枡崎 仁(ますざきじん)は自身の上司の安否を心配しつつも魂達のために働く

彼の上司、亜逗子と麻稚に頼まれてこの場を任されたのだが、その彼女達もヤマシロの下へ向かってしまった

 

「本当に申し訳ありません、もう暫くの間お待ちください!」

 

 

 

「閻魔様!」

 

「ご無事ですか!?」

 

そして、天地の裁判所内にて亜逗子と麻稚がヤマシロと合流する

 

「お前ら...」

 

一瞬、何故ここに?と尋ねてしまいそうになったが、彼女達の鬼気迫る表情を見るとそんなこと聞くと何かと失礼な気がしたので口には出さない

 

「襲撃にあったと聞いたのですが...」

 

「あったよ、厳爺と百目鬼さんが相手だった...」

 

「てか、何でその厳さんの治療してんすか?」

 

「色々あったんだよ」

 

亜逗子の疑問にヤマシロは適当な誤魔化しで応える

とりあえず命に問題は無くなったが意識が戻るのはまだ時間が掛かりそうだった

 

「そういや麻稚、麒麟亭の方は大丈夫なのか?」

 

「えぇ、しっかりと迎え撃ち尚且つ倒しましたので」

 

「倒したのあたいなんだけどー!?」

 

まさかの麻稚の手柄横取りに亜逗子が堪らずに叫ぶ

 

「で、相手は誰だったんだ?」

 

「煉獄 京でしたね...くぅ、中々の強敵でした!」

 

「なぁ、なんで麻稚が倒したみたいな雰囲気になってんの?」

 

亜逗子の嘆きにはヤマシロも麻稚も気がつかない

ヤマシロは麻稚の話を鵜呑みにしているため、

 

「...ボーナス考えとくよ」

 

「閻魔様ー!?」

 

ポツリと小さく呟いた一言を亜逗子は決して聞き逃さなかった

何か最近扱いが酷くなってきてる気がする!と思いながら真実を告げる

 

「閻魔様、煉獄の奴を倒したのあたい!麻稚の話全部嘘だから、麻稚初っ端から気絶してたからー!」

 

亜逗子が一通り叫ぶとヤマシロは無言で亜逗子の肩に手を置き、無言でうんうん、と首を縦に振る

 

「いやいやいやいやいやいやいやいやいや、これどういう意味ですか!?言いますけどあたいの言ったこと間違い一つとしてないですからね!?」

 

「亜逗子、見苦しいわよ」

 

「誰のせいだと思ってんだー!」

 

半壊した天地の裁判所にて亜逗子の叫びが響き渡った

 

 

 

某所...

 

「ぐ、がァァァァァァ!!?」

 

「...もう一度言ってみろ」

 

此処では二人の男が合間見えていた

一人は倒れ、一人は腕を組み立って一人の男を見下している

 

「ガ、ハハァ、アァ....」

 

「お前達のしたことはどんな理由があろうと立派な反逆だぞ、俺たち閻魔に対する冒涜と受け取るが?」

 

「グゥ...我々には貴方が必要なんだ!ハァ、ハァ...」

 

「だが裁判所の襲撃、機能停止は何を意味するかは知っておるな?」

 

「.....!?」

 

「全ては我らの秩序の為に...お前の罪状は保留だ百目鬼、俺は裁判所に用が出来た」

 

 




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