「ん...はる...くん...」
俺が部屋を歩き回っていると曜が起きた。
「あ...起こしちゃった?」
「ううん、ちょうど目覚めたところ」
「そっか...」
「どうしたの?さっきから歩き回って」
「あ~、夜ご飯どうしようかな~って思ってて」
「まさか自炊できないのに1人暮らししようとしてるの?」
痛い。とても痛い言葉が飛んできた。
「べ、別に好きで1人暮らし始めたわけじゃねぇーよ!」
「ふ~ん?」
曜はジト目で俺の方を見てきた。
「そんな目で見んな!」
すると曜は立ち上がった。
「しょうがないな~!はるくんには私がごちそうしてあげよう!」
「いや、疲れてるんだからいいよ!」
「さっき寝たから、もう大丈夫だよ!」
そう言って曜はキッチンへ向かい冷蔵庫を開けた。
「このくらいあれば十分かな~」
「俺もできることあれば手伝うぞ」
「はるくんには泊めてもらうんだからソファーにでも座って待ってて!」
「おう。んじゃ、お言葉に甘えさせてもらうぞ」
俺はソファーに寝転んだ。
~数十分後~
「お~い!夜ご飯出来たよ~!」
「ん...あれ....寝ちゃってた?」
「うん、熟睡してたよ」
「マジか」
俺は立ち上がってテーブルを見てみた。
そこには美味しそうなハンバーグと野菜がきれいに盛り付けされていた。
「今日は曜ちゃんの手作りハンバーグだよ!いっぱい食べてね!」
「このハンバーグ手作りか。曜って料理できるんだな。」
曜はドヤ顔をしながら立っていた。
「俺も腹減ったし早く食べようぜ」
「うん!」
俺と曜は椅子に座った。
「「いただきまーす!」」
俺は曜の手作りハンバーグを口に入れた。
「うまっ!」
「ほんと!?よかった~!」
「もう一つもらうぞ!」
「いいよ~!たくさん作ったからたくさん食べてね!」
「「ごちそうさまでした~!」」
「いや~曜の手作りハンバーグ美味かったな~」
「喜んでくれてうれしいよ!」
「これから毎日作ってほしいくらいだよ」
「え!?...///」
曜の顔を見ると赤くなっていた。
「ん?どうした?顔真っ赤だけど大丈夫か?」
「う...うん...大丈夫だよ!」
「そっか。よし!曜は料理作ってくれたから皿洗いは俺の仕事だな!」
「皿洗いも私やるよ!」
「いやいや、料理作ってくれたんだし、お礼くらいはしないと」
「いや、でも私は泊めてもらう側だから、このくらいは私がやるよ!」
「いや、でも...」
「じゃあ、一緒に皿洗いしよ?」
「その手があった」
結局二人で皿洗いをすることになった。
「ふぅ~疲れた~」
「はるくんお疲れ様~!」
俺はソファーに座りこんだ。
曜は相変わらず元気そうだ。
「さすが曜だな。まだそんな体力があるなんてね。」
「そりゃ、水泳部もやってるしスクールアイドルもやってるし!」
「そうだよな。水泳部もやってるしスクールアイドル...え?」
確かに曜が水泳部に入ったってのは聞いてたけど、まさかスクールアイドルをやっているとは。
「スクールアイドルもやってたの?」
「うん!千歌ちゃんたちと一緒にね!」
「そっか。まぁ頑張れよ」
「うん!ありがと!」
「んじゃ、風呂入れてくるわ」
「は~い!」
俺はソファーから立ち上がって風呂場へ向かった。
「風呂出来たら先に入ってきていいぞ~」
「先に入っていいの?」
「うん、だってさすがに俺の後に入るのは嫌だろ?」
「え...いや...別に...嫌では...」
曜が下を向いて言う。
「なら一緒に入るか?」
「ん...うるさい!...///」
少しからかうように言ったら拗ねながら風呂場へ行ってしまった。
~曜side~
(まさか、はるくんがこっちに戻ってくるなんて思ってもいなかったな...)
私は少し熱いシャワーを浴びながらそんなことを考えていた。
何年ぶりだろう。
はるくんの家に泊まるなんて。
ただの幼馴染なのになぜか緊張する。
なんだろう。このドキドキ...
~sideout~
「はるく~ん!」
風呂場から曜の声が聞こえた。
「どうかしたか~?」
大きい声で風呂場に向かって言った。
「服がな~い!」
そうか。曜は制服で家に来たから他にないのだ。
俺は服の入ったダンボールから服を取り出した。
「俺のだから少し大きいし、嫌かもしれないけど今日はこれで我慢してくれ」
俺は洗面所のドアを開けてパーカーを渡した。
...やってしまった...
そこには下着姿の曜がいた。
いくら幼馴染とはいえ、もう高校生。
これは終わった...。
「あ、いや、これは、その...」
俺は動揺して言葉が出なかった。
「この...変態!!」
俺は思いっきりバスタオルで殴られた。
曜に服を渡して俺は殴られた頬も抑えながら自分の部屋に戻った。
~数分後~
トントン
ノックの音が鳴り響いた。
「いいよ~」
ドアが開いた先には曜が立っていた。
髪が濡れていて、少し色気が出ていた。
「ど、どうした?」
「あの...さっきバスタオルで殴っちゃってごめん...」
「謝るのは俺の方だよ。元はと言えば俺が悪いんだからな。さっきはごめん。」
数秒間、沈黙が続いた。
「あ、あの...」
「ん?どうした?」
「一緒に寝たいなって思って...」
「...いいぞ」
「...ありがとう...///」
「でも、それは俺が風呂入ってからな。」
「うん!」
そういって俺は風呂場へ向かった。
風呂から上がって自分の部屋に戻ると曜は机の上にあったアルバムを見ていた。
「それ見てたんだ」
「うん♪なんか懐かしいなって思ってさ~♪」
曜が開いていたページには俺と曜のツーショットの写真があった。
「こうしてみると、俺たち随分成長したんだな」
「そうだね...」
曜は少し眠そうにしていた。
「そろそろ寝ようぜ」
「うん...」
俺がベッドの中に入ると、曜も入ってきた。
「ちょっ!曜!」
「だって一緒に寝るって言ったもん♪」
まあ、今日くらいはいいかな。
そう思いながら俺は目を瞑った。
すると曜は俺に抱きついてきた。
「...っ!」
曜はぐっすり寝てしまった。
曜の寝顔も5年ぶりに見た。
何かものすごく安心する。
今日はぐっすり眠れそうだ。
「おやすみ。曜。」