再び夜は廻る   作:kurohane

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一日目(2)『白い髪の少女』

 白い髪の女の子は暫く呆然としていたけど、立ち上がってスカートに付いた砂埃を払うと、神社の賽銭箱の方へ歩み寄り、十円玉を投げ入れ、暫くお参りをしていた。その後、私に向き直る。

 

「……助けてくれてありがとう、それと、さっきはごめんなさい」

 そういって、白い髪の女の子は私に頭を下げて謝った。先に神社にお参りをしたのは、きっとコトワリさまに謝っていたんだと思う。

「ううん、私の方こそごめんなさい。ちゃんと私が説明できなかったから……」

 私がしどろもどろになってそう謝り返す。これに、白い髪の女の子は少し困った顔をする。

「い、いや……きちんと説明もなにも……神様から貰った、なんて言われたら普通はそうそう信じられないよ……」

「……あ。た、確かにそうかも……」

 白い髪の女の子に言われた通り、結果的にコトワリさまが出てきたから誤解が解けたわけだけれど、普通だったらそれこそ咄嗟の言い訳と思われても仕方ないかもしれない。

 

 

「そういえば自己紹介がまだだったね。私はサキ。今年の夏に、お父さんのお仕事の都合でこの山の麓の街に引っ越してきたんだ」

 

 そう言って、白い髪の女の子──サキが、笑顔で私に自己紹介をする。

 

「私はハル。私もこの山の麓の街に住んでいるんだけれど……夏休みが終わったら、遠くの街へ引っ越すんだ……」

「え……」

 私に笑顔で話しかけてくれていたサキの顔が、一瞬で曇る。それを見ていられなくて、私は視線を足元に落とした。

 

 

 私がこの街に居られるのは日にちは、もう残り少ない。

 本当はもう少し早く引っ越す予定だったけれど、私が左腕を無くす大怪我をしたことで、少し予定が伸びていた。だけど、その少し伸びた引っ越しの予定日も、気付けばあと少しに迫っていた。

 

 

「……そっか……残念だなぁ。折角、引っ越し先で気が合いそうな子に会えたのに」

 サキは少し困ったように笑いながらそう言って、賽銭箱の前の階段に腰を下ろす。私も同じように、階段に腰を下ろした。

「……うん。私も、引っ越しなんてしたくなかった」

「うんうん分かるよ。私も前の街から引っ越しなんて──」

 

 サキが言い掛けた言葉が、尻すぼみに消える。

 

 

「……夜になるとお化けが一杯いても、別にいい。……ずっと、この街で暮らしたかった……」

 

 

 

 

 そう、ずっと。

 

 ずっと、この街にいることが出来たのなら。

 ずっと、ユイの傍にいることが出来たなら。

 ユイと一緒に遊んで、笑って、泣いて、時には怒って……そんな日々を変わらずに送れたなら。

 

 だけど……私にはそれが出来なかった。どうすることも出来なかった。

 私はユイを置いて街を出ていくから。ユイを一人ぼっちにさせてしまったから。

 

 

 だからユイは

 

 

 

 

「……ハル?」

 

 

 はっと我に返ると、心配そうな顔で、サキがこちらを見ていた。

「どうしたの? 顔色が悪いよ……?」

「え……う、ううん、なんでもないの。ごめん、少しぼーっとしちゃってたみたい……」

「…あはは、確かにもう夜だもんね。眠くなっちゃうのも仕方ないよ」

「はは……そうだね」

 

 私はポシェットから懐中時計を取り出して時間を確認すると、もう夜の十二時を回っている。

 この時計は、以前地下水路で拾ったものを、お父さんが街の時計屋さんで直してもらって、「ハルが気に入って拾って来たものだから」と、私の退院祝いにプレゼントしてくれたものだ。それからは、夜お外で時間を確認するのに使っている。

「わっ!? もうこんな時間なんだ!? ……やっぱりここに来るのは時間がかかるなぁ……」

 懐中時計を覗き込んだサキが、その時計が差す時間に驚く。私はというと、サキがさらっと言ったその言葉にすごく驚いていた。

「え!? サキ、この神社に以前来たことがあるの?!」

「え、だって道が分からなかったら普通来れないよ? この神社」

 あっけからんと答えるサキ。私は神社の裏手に掛けられている、あの沢山の絵馬を思い出す。同じことに思い当たったのか、サキが慌てたように違う違うと目の前で手を振る。

「あ、なにも『縁切り』を頼みに来たわけじゃないよ? 私がここに来たのは、街の噂のことを調べたかったから」

「……あっ!!」

 

 

 サキが言った言葉で、私は今日ここに来た理由を思い出して、大声を挙げてしまった。サキは少し驚いた顔をしたけれど、少し真剣な顔をして話し出した。

「私ね……毎晩今日みたいに夜の街を歩いているんだけど、昨日の夜……いや、夜の十二時を過ぎたから一昨日になるのかな? 一昨日の夜に、大きなハサミのお化けに襲われたことがあるんだ」

「えっ!? それって──」

「違うよ」

 私が言い掛けた言葉を遮るように、サキがすかさず首を横に振って否定した。

 

 

「私もね、最初はこの神社の神様……コトワリさまを疑ったんだ。だからコトワリさまの神社があるっていうこの山を昼間のうちに探検して、この神社を見つけたんだ」

 

 思ったより早く見つかったし、道も案外覚えやすかったから助かったよ、とサキが続ける。

「神社は見つかったけれど、夜じゃないとコトワリさまには会えないかもしれないと思ったから、夜でも迷わないように道を覚えて、それで今夜ここに来たんだ。だけどさっき『本物のコトワリさま』を見たから分かったんだ。一昨日の夜に私を襲ったのはコトワリさまなんかじゃない、全く違うハサミのお化け……『偽物のコトワリさま』なんだって」

 

「『偽物のコトワリさま』……?」

 

 私は驚いてサキの言葉を繰り返した。これにサキが頷き、ポシェットからスケッチブックを取り出す。

「ちょっと待ってね。その時見たハサミのお化けを、絵に描いたページがあるから」

 パラパラとページをめくって「あった。これを見て」とサキが私にその絵を見せる。

 

 

 そこには、こちらに向けて二つの刃が開かれた、大きな黒いハサミと、そのハサミの後ろに、目のような赤い点が二つある、黒いもやが描かれていた。「ハサミの後ろのは、モヤみたいになっていて二つの目があるように見えたよ。ハサミの大きさは本物のコトワリさまとそんなに変わらなかったかな」とサキが説明をしてくれた。

 

 どうみてもコトワリさまには見えない。私は首を振って違うと答えた。私が見たことのあるコトワリさまは、赤黒い体に大きな口が一つとたくさんの手があって、そのうちの二つの手が赤黒い大きなハサミを持っている、あの姿だけだ。そう説明すると、サキは頷く。

「やっぱりそうだよね。私にも『本物のコトワリさま』は同じ姿で見えたから、私とハルでコトワリさまの姿の見え方が違うってことは無いと思う。だからきっと、このハサミのお化けは『偽物のコトワリさま』なんだ。街で起きている事件の犯人ももしかしたら、このお化けなのかもしれない」

 

 

 サキの憶測は、多分間違いない。あの悪い噂の通り、連続殺人事件の犯人がコトワリさまじゃなかったのはよかったけど……まさか、まったく別の悪いお化けだったなんて。

 

「私がこの神社に来たのも、コトワリさまを怒らせるような何かの原因があるんじゃないかと思って手掛かりを探していたからなんだけど、まさか噂のお化けがまるっきりの偽物だとはね……。分かってることは、『手と足と首のある物』を渡すとそれをバラバラにしていなくなる、ってことくらいかな……」

 

 『手と足と首のある物』……そうだ。私はサキに伝えるか少し悩んだけれど、『本物のコトワリさま』が以前、私に襲い掛かってきたことがあったことを伝えることにした。

 

「サキ、『手と足と首のある物』を差し出すと、それをバラバラにした後いなくなるというのは、コトワリさまも同じなの。今はそんなことはないんだけど、以前のコトワリさまはすごく何かに怒っていて、私も何度か襲われたことがあるの……。その時、『手と足と首のある物』を渡して助かったことが何度かあったんだ」

「え? 『本物のコトワリさま』に……? そっか、だからさっきハルはわら人形をコトワリさまの前に置いていたんだね。だとすると……あのハサミのお化けはわざと、コトワリさまの真似をしているのかな。……自分がやった悪いことを、全部コトワリさまのせいにするために」

 

 

 そう言って、サキはすごく怒った顔で、スケッチブックに描かれたハサミのお化けを見つめる。私も同じ気持ちだった。悪いことをするお化けは私もたくさん見てきたけれど、自分のやった悪いことを、他のお化けの……ましてやお化けじゃない、神様のせいにするなんて絶対に許せない。

 

「じゃあ、そのハサミのお化けをやっつけるにはどうしたら……」

 

 でも……どうしたらいいんだろう……。凶悪な殺人事件を起こしているような悪いお化けをやっつけるなんて、とてもじゃないけれど、私にはできそうにない。

 ……『あの夜』のあのお化けだって、コトワリさまの赤いタチバサミの力を借りたから、たまたま上手くやっつけられただけだ。いくらコトワリさまから貰ったタチバサミでも、この絵にあるような大きなハサミと対決したら負けてしまいそう……。

 

 サキも困った顔をして、「うん、そこなんだよね……」と腕を組んで悩んでいる。

「コトワリさまに弱点とか無いよね……? 例えば、辛い物が苦手とか、苦いピーマンを見ると逃げ出すとか……」

「……辛い物とピーマン、苦手なの……?」

「あ……。……い、いやいや私じゃなくて、コトワリさまの話っ!!」

 ……サキ、辛い物とピーマンが苦手なのかな……? それはさておき、私は首を横に振る。

「コトワリさまは神様だから、苦手な物とかは無いんじゃないかな……。それに、コトワリさまの真似をしているお化けだからって、コトワリさまの苦手なものが、そのままそのハサミのお化けの苦手な物とも限らないと思う」

「あー……それもそうか」

 

 うーん、と考え込むサキ。私も一緒に考えるけれど、ハサミのお化けをやっつける方法は思い浮かばなかった。

 

 

 

 

 暫く二人で考えていると、サキが大きな欠伸をした。私もつられて欠伸をしてしまう。ユイが以前「欠伸って人にうつるんだよ」と言っていたけれど、本当のことなんだな、と少し思う。

 

「うーん、思いつかないや……。ハル、今日はもう帰ろう? ハサミのお化けをやっつける方法を考えるのは、宿題にしよう」

「う、うん……そうだね」

 このまま考えていたら、ここで眠ってしまいそうだ。ここはコトワリさまの神社だから悪いお化けは入ってこないと思うけれど、ここで寝たら風邪をひいてしまいそうだし、何より夜明けまでにお家に帰らないと、お父さん達に怒られちゃう。

 私とサキは一緒に街まで戻ることにした。二人で懐中電灯で道を照らしながら、並んで歩く。サキと一緒だからかな? 不思議と、帰り道にお化けの姿が無かった。だから私とサキは、昨日見たテレビの話題などをおしゃべりしながら、ゆっくり歩くことが出来た。

 

 

 

 

「……ハルは、何も聞かないんだね」

 

 

 

 

 おしゃべりの話題が途切れた時にぽつりと、サキが独り言のように呟いた。

 サキが実際は何に対して「何も聞かない」と言ったのかは分からないけれど、なんとなくだけれど、サキが何を思っているのかは分かる気がした。だからこそ、どう返していいか少し悩んだけれど、

「……サキもね」

 そう、一言だけ返した。

 

「……そっか」

 

 

 サキはどこか安心したような、それでいてどこか寂しそうな顔で笑うと、それから暫くは何も話さなかった。私も、そこから暫くは何も話さなかった。

 

 

 

 

 ・

 

 ・

 

 ・

 

 

 

 

 山を下りて、街に戻ってくると、さすがにお化けの姿が目に付くようになった。

 

 

 道を塞ぐように地面から頭を出して、大きな目でこちらを睨む鯨の頭のようなお化け。

 

 街灯の下を唸り声を挙げながらふらふらと行き来する、白い影のようなお化け。

 

 猛スピードで道を走っていく、火のついたタイヤのようなお化け。

 

 

 ……どれも『あの夜』から変わらず夜の街で見掛けるお化け達だ。

 

 

「私の以前住んでた街もお化けが多かったけど、この街はもっと多い気がするなぁ……。昔からこんなにいるの?」

 私の横を歩きながら、懐中電灯で辺りを照らしながら歩くサキがそんなことを聞いてきた。

「私がお化けを見るようになったのは今年の夏からだから詳しくは分からないけれど……多分、昔からそうなんだと思う。サキが前住んでた街も、お化けがいたの?」

「うん、この街ほど多くはなかったけど、夜になるとちらほら見かけたよ。この街のお化けとは姿も行動も違うけど、こちらを見つけると捕まえようと追い掛けてくるお化けがいるのと、街灯や懐中電灯の明かりが無いと見えないお化けがいるのはちょっと似てるかな」

 

 サキが「そのお化け達も絵に描いてあるから、興味があるなら見る?」と聞いてきたので少し悩んだけれど、遠慮しておくことにした。見たい気もしたけれど、さっき見せてもらった大きなハサミのお化けの絵がとても上手だったから、あの上手な絵でとても怖いお化けが描かれていたら悲鳴を挙げてしまいそうだからだ。サキは「気が変わったらまた言ってね。スケッチブックはいつも持ち歩いてるから」と少し意地悪に言ったけれど、私に無理矢理お化けの絵を見せようとはしなかった。

「あと、夜にほとんど人が外を出歩かないのも似てるかな。夜に人が出歩かないのも、夜になると出てくるお化け達と、夜の街の良くない噂のせいなのはこの街と同じだと思う」

「そうなんだ……」

 

 

 じゃあなんでサキは夜に出歩いているの?……とは聞けなかった。サキも私には聞かなかった。

 

 もしかしたら、私や、こともちゃんが夜の間、ずっとお家の中にいられないのと同じで、サキもお家の中にずっとはいられないのかもしれない。

 この街の人達が夜出歩かないのは、夜の街に出てくるお化け達が見えるか見えないかは関係なく、「お家の中なら夜でも安心できるから」なんだと思う。お家の中でも、夜トイレに行く時はさすがに怖いけれど、それでもお化けを見たり、お化けに追いかけられたりはしないはず。

 

 だけど……私達は違う。夜の間は、お家の中でも安心できない。お家の中には、ずっといられない。

 

 

 私はサキには悟られないように、こっそり帰り道の途中にある、ユイのお家を見た。

 明かりの灯っていない……ユイも、ユイの家族の人もいない、空っぽのお家。 

 全てが終わった今でも、何がきっかけだったのか、何が始まりだったのかはまったく分からない。

 

 ただ、いつの間にか……私にとっての『夜』は、こんなにも変わってしまっていたんだ……。

 

 

 

 

「わっ?! ハルのお家、ここの大きな家だったんだ!?」

「うん。でも、外からはあまり分からないけれど、お家の中はかなり古いんだ……。お家が古くなっちゃったのも、お引っ越しする理由の一つなの」

「そうなんだ……。私が、お父さんとお母さんの三人で住み始めた団地も結構古いんだよね……。あんなボロくて狭いところに住むくらいなら、古くてもいいからこういうお家に住みたかったな……」

 

 

 サキは私のお家の近所にある団地に住んでいるみたいで、「丁度帰り道だから家まで送っていくよ」と、サキと一緒に私のお家の前まで帰ってきた。お家の前の階段で、私はサキを振り返る。

「送ってくれてありがとう。……サキは一人で大丈夫?」

「うん大丈夫、一人で帰れるよ。ここまで来たらすぐそこだからね」

「そ、そうだったね……」

 

 そんな話をしていると、サキが「あ、そうだ」と思い出したように声を挙げる。

「ハル、お昼過ぎくらいにお家に遊びに行ってもいいかな? ハサミのお化けのことで話をしたいし、ちょっと渡したいものがあるんだ」

「? いいけど、渡したいものって?」

「んー……今は秘密。本当は今渡したいけど、私の分が無くなっちゃうからね……。お家にまだあったはずだから、ハルにそれをあげるよ。あ、それから……──」

 

 

 

 

 ・

 

 ・

 

 ・

 

 

 

 

「──それじゃ、よろしくね! おやすみ!」

「うん、おやすみ、サキ」

 

 一通り明日の予定が決まったところで、サキは私と別れて団地の方へと走っていく。私は手を振って見送る。サキは街灯のある道の角で一度振り返って私に手を振り返した後、角を曲がっていった。

 私はそれを見届けてから、お家の中に入ろうとする。

 

 

【小学生の女の子が行方不明になっています。見掛けた方は……】

 

 

 ふと……『あの夜』に一度だけ見た、ユイの写真が載っていたあのポスターのことが頭に過ぎった。

 

 

「……明日、無事にまた会えるよね……?」

 

 私はもう一度だけ、サキが走っていった角を見た後、お家の中へ入った。

 

 

 

 

 

 〇「サキ」と「ハサミのオバケ」

 

 

 きょう、ふしぎなおんなのこにあいました。なまえはサキ。

 おこってたときはこわかったけど、おはなししたらおもしろくて、とてもやさしいこでした。

 サキもこともちゃんとおなじで、なにかりゆうがあってよるのまちをあるいているみたい。

 もっといろんなことをおはなししたいな。

 

 サキからきいた、コトワリさまとはちがう、おおきなハサミをもったオバケ。

 あのオバケはどうしてコトワリさまのマネをしているんだろう。

 このままじゃ、なにもわるいことをしてないのに、コトワリさまがかわいそう。

 でも、どうしたらいいんだろう?サキとそうだんして、コトワリさまをたすけなきゃ。

 

 

(コトワリさま、コトワリさまに驚いているサキ、わら人形を手に慌てているハルの絵)

(賽銭箱の前でハルとサキが話している様子の絵。サキの吹き出しの中にハサミのお化けの絵)




 書式の見直し(会話文の書式見直しや行間の調整)ついでに一日目後書きも追記しておきます。

 序章にあたる「一日目」をお読みいただき、ありがとうございました。
 以下、一日目の後書きとなります。


・オリジナルキャラ(サキ)について

 実はこの小説を考えた初案はサキの案は無く、こともをハルと行動させる予定でした。
 初案としては街の噂を聞いたハルが、同じく噂を聞きつけたこともとコトワリさまの神社でばったり出くわし、そこで事件解決のために共に行動を始める、というものでした。
 しかし、そこは前作主人公。贔屓目抜きで考えてもハルの出番を食ってしまう(まあ蓋を開けてみたらサキも大概ですが……)し、毎晩こともにハルの街まで出張させる理由を作るのも大変で、敢え無く断念しました……。
 その代わり、オリキャラであるサキを登場させることになりました。勿論、こともにはまた別の重要な役割を持たせています。……誤解されないようにあらかじめ言ってしまうと、悪堕ちとかじゃないのでそこはご安心ください。

 そんな経緯で生まれたキャラなので、「リボンじゃなくてカチューシャ」、「うさぎのポシェットじゃなくてネコ耳のポシェット」といった具合に、ちょっとユイを含む夜廻主人公ズとは少し変えたデザインにしています。イメージカラーは三原色で空いていて、物語的にも重要な意味合いを持つ「緑」を。
 素性をなんとなく察せられる要素があった方がいいかなという意味合いで、序盤からいろいろ露骨に伏線を入れてます。第一印象最悪な登場の仕方をしましたが、これにも敢えてそうした理由があります。まあこれに関しては後々。

 サキの住んでいる場所を団地にしたのも、「1.ハルの家からさほど遠くなく、かといって近過ぎない」「2.ハルの家と団地の間に待ち合わせ場所としておあつらえ向きな小さな公園がある」「3.原作的にも、川沿いの方の団地ならさほど危険じゃない」という理由があります。原作だと人が住んでるかどうか怪しい団地ですが……。


・懐中時計について

 原作では地下水路のとある場所で拾える物ですね。
 実はなんてことはない、完全趣味で原作から改変して持たせました。ただ、この作品中のハルは、ユイをひたすら捜していた本編と異なり、「夜明けまでに家に帰らないといけない」という明確な制約があるので、時計くらい持ってないとおかしいかなという理由もあります。
 要所要所での登場になるので、「そんなの持ってたっけ?」と言われそうで怖い代物ですね……。
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