リングが大きな音を立てた。
技が決まり、OKANはティアーマンから離れた。
ティアーマンの体がゆっくりとリングに倒れていった。
カン!カン!カン!
「OKANやりました! 34分27秒でティアーマンをKOしました!」
「OKANが勝ったから、もうこれ以上の被害者は出ないけど、悲しい勝利だね……」
「出来ればあいつには改心してもらいたかった」
恵子や前川たまきが勝敗について思った事を述べた。
「うぅ、ティアーマン……」
「ティアーマンが死んじゃったよ……」
先ほどまで、ティアーマンの気持ちを理解して応援していた女子生徒たちが泣き出した。
一人、また一人とその涙が感染していった。
それに追随して、空色が怪しくなってきた。
「昔、これに似た光景を見たことがある、覚えている」
ヘラクレスファクトリーに残り、試合を観戦していたメンバーの一人、ラーメンマンがつぶやいた。
「むっ、この雨はこの学校にだけ局地的に降っているムンタ、そして、しょっぱい」
「ウ……ウルル……何故だか知らないが……死にかけの体に力を与えてくれる雨だ……」
「あぁーっと! ティアーマンが立ち上がったー!」
「まだ闘う気なのあいつ!OKAN! 早くとどめを!」
「待て、あいつの眼を見ればわかる。もう人を傷つけようという意思はないムンタ。それに、私はやつを殺す気で技を出した。可哀そうだが、やつはもう……」
よろよろとしながらティアーマンは語り始めた。
「
「仲間の名前か、了解した。もうお前はゆっくり休め」
「休む前に……少し話をを聞いてくれないか?」
「うむ」
「僕は……いじめのない世界を作りたかった……涙を流す人々を助けるヒーローとなりたかった……そう、キン肉マンのようなヒーローになりたかった……もう、なれないけど……」
「何を言う! 今のお前はまごうことなきヒーロー、正義超人だ! この雨で一度復活できたのが何よりの証だ! むしろ私の方こそ正義超人失格ムンタ! お前の魂は救えても命まで救えなかったのだからな……」
「最後に……僕の願いを君に託したいんだ……いいかな?」
「分かった、約束の指切りげんまんをしよう」
そういって、OKANがティアーマンに小指を出した。
ティアーマンもそれに応じて、ゆっくりと小指を差し出す
「や……約束だよ……指切りげんまん」
「嘘ついたら針千本のーます」
「ゆーび……きっ……」
ティアーマンが最後の言葉を言い終える前に息絶えた。
ティアーマンの顔からは悲しみを表す涙の模様は消えていた。
雨もティアーマンの命の終わりを告げるようにやんでいた。
OKANも、試合のダメージが相当あったため、突然倒れた。
「OKAN!」
恵子やたまきがすぐに駆け寄った。
「多少傷つきすぎた……自力で動くのは少しキツイムンタ……救急車を頼むよ」
ところ変わり、大阪のコリアンタウン
「うわぁ~殺されるニダ~!!」
「サルリョヂョ(助けて)ーー!!」
「ピカー!!」
一人の超人が次々と在日の韓国人を殺していく光景があった。
「待ちな! それ以上同胞を傷つけるな!」
突如、一人の男がその超人に飛び蹴りを食らわした。
その超人は右腕で飛び蹴りをガードした。
飛び蹴りを食らわしたのは、チヂミマンであった。
「ピ~カカ、ユーは確かチヂミマンだな」
「いかにも、俺がチヂミマンだ! 大阪の警護をテリー・ザ・キッドのいない間任された! お前の名前を聞こう!」
「ミーはライトマン! このワールドに光を照らすためにやってきた!」
「光を照らすだと!? お前のやったことはただの虐殺ではないか!」
「シャーラップ! 日本に巣くう外国人どもはこの世のシャドーとなる存在だ! ユーも騒動の事を知っているんだろう? ならばミーの正体も自然とアンダースタンドできるはず!」
「さしずめ、元はガチガチの右翼の人間ってところか? まさに
「ピ~カカ、大体当たりだ。しかし、
「お前の話は分かった。さて、ここらでその手の話は辞めてもらえんかな?」
「そういえば、ユーの国では反日法なるものがあったな、ジャパンに都合の良いことは言えないというものだったか? コリアンでも言論のフリーダムが規定されているのに矛盾するとは思わないか? 」
「だからそれ以上辞めろって言ってんだ! こちとら嘘も真実も言いづらい立場なんだ!」
「ピ~カカ、察してやるぞ、ユーのフィーリングを。 ところでユーは本当にミーを止めるつもりか? ミーの記憶だと、ユーは超人オリンピックでコンディション最悪のケビンマスクに負けたんだろ? 正直言ってユーは雑魚だ」
「ちっ、ああそうだよ! 腹ただしいが俺は舐めプしていたケビンマスクに負けたんだ! 祖国では弱小超人だの、国辱マンだのさんざん言われたんだ!」
「ピ~カカ! 笑ってはいかんが笑ってしまうな! では、その怒りをリングにぶつけて見るのはいかがか! 確か超人オリンピックの際に、通天閣にリングがつくられたんだったな! そこへ向かうぞ!」
チヂミマン、ライトマンは通天閣へと向かった。
通天閣では早くもリングが準備されており、ハラボテの姿があった。
「突然ながら、この試合は超人委員会が管理させてもらう! 互いに不公平のないジャッジを下す事を約束する! 二人とも了承してくれるかな!」
「アンダースタンド!」
「
両者、リングに入り臨戦態勢となった。
ゴングが鳴り、チヂミマンが先手を仕掛けた。